ブラックダイヤモンドのディスタンスシェルターを使ってトムラウシ山(2141m)でテント泊をしました。今回は実際に山でブラックダイヤモンドのディスタンスシェルターを設営し使用した感想と、就寝時に使用したシュラフと服装による快適性についてレビューします。これから同様の環境下でテント泊をする方の参考になれば幸いです。
テント泊登山をした場所と環境について
場所は大雪の奥座敷、日本百名山の『トムラウシ山(2141m)』の南沼キャンプ指定地です。キャンプ指定地の標高は1950m位、登ったのはお盆の時期です。
この付近の8月の推定気温はヤマレコのデータによると
- 最高気温12.7℃
- 平均気温10.4℃
- 最低気温6.6℃
となっています。
トムラウシ山短縮登山口を朝6時半に出発した時はさほど強くないけど雨が降ったりやんだりという終始はっきりしないお天気でした。そのわりには気温は特別低くはなかったと思います。私達が到着した13時半頃には雨はやみました。夜中は時折風が強く吹く時がありました。
こういうコンディションの中でのシェルター設営と使用してみた感想、シュラフと服装についての反省点となります。(写真は到着時のテント場周辺の様子)
テント場の環境について
早く到着したのでとてもいい場所がキープできました。一幕だけ張れるスペース、雨が降った後なのに全くぬかるんでいません。小石などもなく平らだったので整地せずにすぐにグランドシートを広げる事ができました。ここでちょっと困ったのが風のせいでシートがすぐにめくれてしまう事。大きめの石が転がっていたのでそれを使って飛ばないように工夫しました。(グランドシートはシルバータイベックを使った自作のものです)
ブラックダイヤモンドのディスタンスシェルターを設営
ブラックダイヤモンドのディスタンスシェルターを組み立てます。ハンマーは持ってきていないので石をハンマーがわりにペグを打ち付けています。四隅を先に固定します。
次に付属パーツ(写真)を使って支柱を組み立てます。
さっきまでトレッキングポールとして使っていたブラックダイヤモンドの『ディスタンスカーボンARZポール』をシェルターの両サイドの支柱として使います。トレッキングポールを120㎝の長さに固定したら、てっぺんのキャップを外しこの付属のパーツと連結させてコの字のフレームを作ります。
練習の時もそうでしたが、連結部分がどうしても外れやすいのでこの作業の時は二人掛かりでないと難しいです。フックをフレームにひっかけ終わるまでは気が抜けません。
次に両サイドのリフレクティブガイラインを地面に固定しますが、写真の様にトレッキングポールに二巻き位巻き付けると安定する事が分かりました。それからペグで固定しました。
全体で6か所ペグを打っていますが、地盤が固くて深く打ち込めない所は大きい石を上にのせると大丈夫でした。今回は石に巻き付ける必要はありませんでした。
後はリフレクティブガイラインをピンと張って全体のシワがなくなったら完成です。
練習の成果はいかに?奇麗に設営できたでしょうか?
もっと慣れないといけません、設営に25分掛かったので雨がやんでいて本当に良かったです。天気が良くなってきたので、荷物を全部中に放り込んで山頂アタックをしてきました。
独占状態の山頂でゆっくりしすぎて一時間半ほど無人にしてしまったのでドキドキしながらテン場に戻ってくると、、、
良かった!ちゃんと無事に自立しています。テントがいつの間にか増えています。この『我が家』はとても奇麗な色でフォルムがめちゃくちゃカッコいい♡
テント泊就寝時に使用するギアの紹介
暗くなる前に寝床を整えておきます。
練習と同様にマットはモンベルフォームパッド120(121×51×1.6cm)を二枚横並びで配置しました。シェルター内がコンパクトなのでこのサイズの物でちょうどいいです。
今回使用したザックは『ブラックダイヤモンドマーキュリー65』『グレゴリージェイド38』の2つで、シェルター内のスペース、寝転んだ時の頭側に『立てて』置く予定でしたが、実際に置いてみるとテントに当たって倒れてくるので無理でした。
横に寝かせて上下に重ねると置けました。生地に当たる部分はザックカバーをかけて結露で濡れないように工夫しました。写真はカバーをかけて帽子なども置いてみたところです。寝転ぶと頭がザックに当たるのでなるべく押しやりました。
寝袋を広げると足元のベンチレーターが結構塞がってしまいました。
身長168センチと158センチの2人でこんな感じ、ギリギリ寝ることができますが、もうちょっと身長が高い人だとかなり窮屈そうです。
- 寝袋:モンベルダウンハガー800#3Women’s
- シュラフカバー:ISUKAウェザーテックシュラフカバースーパーライト
- インナー:パタゴニア半袖インナー(メリノウール65%)
- Tシャツ:モンベルウィックロン長袖Tシャツ
- パンツ:ノースフェイス バーブパンツ
- フリースジャケット:ノースフェイスマウンテンバーサマイクロジャケット(薄手)
- ソックス:メリノウール61%混のもの
これらを着て寝ましたが、シルバータイベックのグランドシートのお陰もあって地面からの冷えは全く感じませんでした。夜中シェルターを叩きつける風の音で何度か目が覚めましたが、相方は爆睡していました(笑)なので寝心地はとても良かったと思います。(写真は夜明け前にシェルターのファスナーを開けて眺めた満月)
就寝時の状況と反省点
結露の水滴がポタポタ落ちる様ならすぐに拭けるようにパックタオルを準備していましたが、一度も使うことはありませんでした。ただ、朝方一度とても強い風が吹いてシェルターがバサバサと揺れた時に、結露していた水分が飛び散ってシュラフカバーに散ってしまいました。
相方はシュラフカバーを持ってくるのを忘れたので足先にビニール袋をかぶせて寝たのはいいけど朝起きて大変なことに!
自分の体から発する蒸気で逆に寝袋がべちゃべちゃになっていました。良い子の皆さんは真似をしないように。ビニール袋に透湿性がないため、ビニールの内側に結露が生じてしまいます。
こんなふうに実際使ってみないと分からない点は色々ありました。ザックを中に入れるとやや窮屈でしたが725gという軽さとカッコよさは今まで持っていたテントとは比べ物にならない、とてもシンプルで優秀なシェルターだと思いました。
その後は撤収時にパックタオルで結露などをふき取り、家に帰ってからは特に汚れもなかったのでロープにかけて室内干ししました。次のテント泊までにもっと設営練習しておかねば。