僕はアクティビティとして登山ではテントを担いだ長期縦走から日帰り登山まで、またファストパッキングにトレランと楽しんでいますが、それぞれにどういう危険がはらんでいるかを経験や、仲間が行っている気遣いなどから学びとるのはとても大事な事だと思ってます。
そういう知見の積み重ねで、今のところベストだと考えている僕のファーストエイドを紹介したいと思います。
怪我をした時は湿潤治療で治す
まずは転ぶなどして血が出るような傷をおったとき、傷の大きさと深さの違いで幾つかのファーストエイドを持っていってます。
自分だけで治すことができる小さな傷は湿潤治療によって治すように心がけてます。
大きな傷の場合はオオゴトにならないように病院まで辿り着けるようにするための応急処置というように考えてます。
まずは小さな傷の場合ですが、先に話した湿潤治療で治すんですが、僕が小さい頃、それこそ30年前は傷ができたら
- 傷の消毒
- 傷の乾燥
- 傷にクリーム状のものを塗る
- 絆創膏を貼る
- カサブタを作り治す
というのが一般的だったと思うんですが、かつての常識が非常識になる事は多々あり、どんな世界も日進月歩で、それはすり傷、切り傷の世界も同じなんだなあと感じます。
現在の常識は
- 消毒しない
- 傷に直接ガーゼなどをあてない
- 異物を除去するために水で洗う
- 傷にクリームは塗らない
- 傷を乾燥させるような絆創膏は使わない
といったことのようで、いわゆる人間がそもそも持っている自己治癒力で傷を治すことで結果
- 傷の治りが早い
- 傷痕が残りにくい
という事に結び付くようで、その実感を感じてます。
瑞光メディカルの優秀なファーストエイド
だから山で転んで擦り傷などができてしまったら、水で洗い流して、治癒を早めるために瑞光メディカルの救急ばんプラスモイストを貼って直してます。
救急ばんプラスモイストは浸出液のコントロールをしてくれるので適度な湿潤状態に整えてくれ治癒まで保護してくれます。傷口の乾燥やかさぶた形成による固着を防いでくれるので救急ばんを交換するときも痛みが少ないんです。傷口からでる浸出液、いわゆるジュクジュクは傷を治す大切な成分を持っているんですが、過剰に出すぎると傷口以外の皮膚がふやけたり、カブれたりといったトラブルに繋がりやすいんです。救急ばんプラスモイストはこの浸出液が過剰に出れば吸収してくれるので、皮膚トラブルも生じにくい構造になってるんです。
テープ部は水に強い撥水仕様で、伸縮性と柔軟性があって通気性素材を採用しているので、ムレずにフィットしてくれます。まるで優秀なウェアのような機能性を持ってるんです。こういう特徴を持った救急ばんだから子供が怪我をした時や、火傷なんかにも使えて便利なんです。
傷の範囲が広い場合は、小さな救急ばんプラスモイストでは傷を覆いきれないので、大きな方を使います。皮膚は排泄器官だから救急ばんは1日1回の交換を心がけてます。はがす時は皮膚を痛めないように体毛にそってゆっくりはがすといいです。
深い傷に使うファーストエイド
傷が深くて血がなかなか止まらないような時は焦らず止血を行います。その時に使っているのが同じく瑞光メディカルのヘモスタパッドです。
これは1枚のシートになっているので傷の大きさにちょうどいいようにハサミで切って使います。不織布が吸収パッドになっているので血液の吸収をしてくれるんで、これ1枚で圧迫止血もできるんです。これも救急ばんプラスモイストと同じように、適度な湿潤状態を保ってくれるんです。また防漏シートが付いているからフィルムドレッシング材で密閉する必要がないので、ヘモスタパッドとサージカルテープもしくば包帯やネットで簡単に固定できるんです。
怪我した場所に包帯が巻けるようであればヘモスタパッドで傷を覆った上から包帯を巻くし、それができなければ、ハイドロコロイド包帯を上から貼ります。この包帯はシワになりにくく、剥がすときも痛くない。且つ薄いから嵩張りにくく、傷の大きさに切って使えるという便利なものなんです。
切るときは角を落とすして丸くすると剥がれにくいです。それと切り込みを入れることで湾曲部にフィットしやすくなります。肘や膝に大きな傷をおった際はヘモスタパッドで圧迫止血しつつハイドロコロイド包帯を上から貼ってという使い方です。
傷はこれらのファーストエイドで賄う想定でいます。以前はガーゼ、消毒液なんかも持ち歩いてましたが、これらは今はファーストエイドからは外してます。
ステロイド外用剤「フルコートf」
フルコートfはステロイド外用剤で主にはかゆみが出たら塗るように持ち歩いてます。山に入ってかゆみが出る事の想定として、虫刺され、植物によるかぶれ、汗疹、日焼け、しもやけで、かき壊さないように注意してます。
依然ブユに刺されて、痒くて寝ることが出来なかった事があって、結構辛い山行を強いられてから気にしてます。海遊びでクラゲに刺されて買ったのがきっかけで、なかなか調子がいいです。
日焼け止め「ビオレUV アクアリッチ」
日焼け止めはビオレUV アクアリッチでさらっとしていてとにかく使いやすい。日焼け止め独特のべたつきがないからいいよ。って女性ならではの視点でおすすめされて、持ち運びやすい大きさも気に入って使ってます。
マルチに使える「手ぬぐい」
手ぬぐいは色々なシーンで使える便利なものと思ってファーストエイドに加えてます。使い方は色々で、裂いて包帯がわりにもなるし、三角巾のように骨折時の固定として使うこともできます。
また乾きが早いからタオルとしても使えるので、夏場は手ぬぐいにハッカ油を垂らして首に巻きつけると涼しいし、虫も寄ってこないし、日焼けガードにもなるという万能なものだなあと感じてます。
アウトドアショップでオリジナルの手ぬぐいがあったり、山小屋などにも色々なデザインのものが売っているのでついついお土産として買っちゃいます。最後お風呂に入る時にはタオルとして使うというのが定番になりつつあります。
飲むファーストエイド「太田胃散」
太田胃散は胃弱体質なので、念のために持って行ってるものです。胸やけとか胃もたれに自然の生薬で直してくれるというものですが、山に入って今のところ嫌な症状は出たことがなくお守りがわりという状態です。
元気回復のサプリメント「サカナのちから」
サカナのちからは次の日に疲れを残さないようにと登山終了時に飲んでいるサプリメントです。トレランをしている人に結構愛用している人が多くて自分も試してみたら、筋肉痛になりにくいんですね。疲れも次の日に残りづらいので、結果怪我の防止にも繋がると思って、泊まりで山に入るときは必ず持って行きます。
次の日に会社なんていう時も登山やトレランを終了して30分以内に飲むようにしておけば元気に出社ができると感じてます。
太さの異なったテーピング
テーピング類は太さが違うものを幾つか小分けにして持って行ってます。捻挫をしてしまったり、足首や手首を捻ってしまったりした時に固定をするもので、非伸縮性のものです。どの動きを制限(保護)するかによって、テープを巻く方向が異なります。
伸縮性のあるキネシオテーピングはファストパッキングやトレランで使用することが多いですが、登山でももちろん有効で、長い山行では活用することが多いです。キネシオテーピングは皮膚をわずかに持ち上げることで、皮膚の下にわずか10ミクロン(サランラップ1~2枚の厚さ) のスペースを確保してリンパ等の組織液の流れを改善することが目的なんですね。こういうことを知っていると「意味あるものなんだなあ」と理解できます。
ビクトリノックスのクラシック
ビクトリノックスのクラシックは必要最低限のツールがコンパクトに収納されたものです。ハサミ、ナイフ、ヤスリ、ヤスリの先にマイナスドライバー、ピンセットに楊枝がおさめられています。
ハサミは救急バンを切ったり、テーピングを切ったりするのに使えるし、ファーストエイド以外の目的でも、例えば持ってきた食材の袋を切ったり、ほつれた糸を切ったりと何かと役に立ちます。
ナイフも同様で食材を切るのによく使います。ヤスリは爪が伸びている時に使用します。ピンセットはトゲ抜きに使用することを想定しています。登山中にトゲが刺さってしまったら、そこから先ずっとチクチクする痛みに付き合わないといけなくて、綺麗な景色もゆっくりとした時間を楽しむことができなくなる。そんなことを想像すると、たかがピンセットだけどすごく重要度を感じます。
ここまでがファーストエイドで次からはエマージェンシーギアでここまで紹介したファーストエイドと一緒に持ち歩いています。この話はまた次回。