アクシーズクイン『ツユハラヒ』

アクシーズクインって日本のブランドなんですが、高温多湿で峻険な地形の多い日本の山登りをじっくり考えて、その結果生まれた道具がとっても魅力的で非常に面白いんです。

そんな試行錯誤の中で生まれた代表的な道具の1つが『ツユハラヒ』かなって思ってます。

アクシーズクインのブランドコンセプトに「凌(シノギ)」っていうのがあるんですが、この考え方が面白いんです。山登りをする時って『不要に汗をかきすぎない』というのが1つ大事なポイントになると思うんです。

  • 汗をかくことで水分とミネラルが失われる。
  • 結果失われた水分とミネラル補給が大事になる。
  • これらを持ち歩くと重量が嵩む。
  • 重量が嵩むと疲れて汗をかきやすくなる。

こんな風に不のスパイラルが完成されちゃうんです。だから不要に汗をかきすぎないようにウェア選びやレイヤリング方法に気を配ることが山登りでは非常に大事なんです。

そんな中、降雨量の多い日本にとってレインウェアっていうのは登山装備の『3種の神器』と言われるほど大事なんですが、プロテクションによって雨から身を守りつつ衣服内の湿気を外に排出する透湿性も備えていますが、状況によってこの透湿性能を上回って汗をかいてしまう事があるんです。

この問題点について沢山の試行錯誤を重ねて生まれたのがアクシーズクインのコンセプト『凌(シノギ)』なんですね。

アクシーズクインの『凌(シノギ)』

アクシーズクイン『ツユハラヒ』
アクシーズクインのホームページからの引用文が解りやすいので引用させてもらうと

雨から濡れないように身を守り、体温を奪われないように風を防ぎながら、同時に汗を乾かしてくれる風は通したい。この矛盾した開発目標を叶えるために、雨具に対して少し割り切った取り組みをすることにしました。つまり、「多少濡れるが、」という前提を持つことです。

この考えが雨風を遮断するのではなく『凌ぐ』という事で、『それで足りる』ことを知ることにも繋がり、より軽量で簡素にできて、山と向き合う時間にも繋がるよね。っていう面白い考え方なんです。

そんなコンセプトの装備の1つアクシーズクイン『ツユハラヒ』は広げると2.5層のPERTEX SHIELD 15デニールのナイロン生地にウエストで絞ることのできる紐と、必要な箇所にボタンが幾つか付いているという一見みたら『何だこりゃ』っていう雰囲気の1枚生地なんです。

 

アクシーズクイン『ツユハラヒ』

重量は71グラムという軽量性を兼ね備えており、ウエスト紐を上手に使えばとにかくコンパクトになって収納も楽チンなんです。

アクシーズクイン『ツユハラヒ』の使い方

アクシーズクイン『ツユハラヒ』

簡単にいえば前掛けなんですが、レインスカートの動きにくさを改善した優れた簡易パンツなんです。パンツにするのも非常に簡単です。まずウエスト紐を使ってツユハラヒを腰に巻きます。

 

アクシーズクイン『ツユハラヒ』

ボタンで止めれば裾を割ることができるんです。

 

アクシーズクイン『ツユハラヒ』

テープをひざ裏にまわして止めることで簡易なパンツになって防水性も向上するんです。写真を見て解ると思いますが、ひざ下からは足が出てしまうのでレインゲイターと併用すれば防水効果も上がり、このような作りだから透湿性能を上回って蒸れる、汗をかくということは皆無です。

 

アクシーズクイン『ツユハラヒ』

形状や形をみてもらえればわかると思いますが、レインウェアのようなプロテクションを求めて選択するのはナンセンスだと思うんです。あくまで『凌ぐ』という考えの元、山での経験を積んでいく、その結果アウトドア力(りょく)をあげていくという割り切った考えで楽しむギアだと考えているので、自分のアクティビティにあわせて選んでいます。

例えば北アルプスの縦走ではプロテクションを求めるのでレインウェアとしてではなく、足元のウィンドブレーカーとして考えるし、夏場の低山でファストパッキングを楽しんだり、雨が降るかもしれないトレラン時には雨を凌ぐレインウェアとして考えます。

どんな時でも休憩中に風から身を守って寒さを凌ぐこともできるし、小雨でカメラなどが濡れたら困るときには首からぶら下げてカメラを小雨から守ることもできるし、アメリカにロングトレイルに出かけたときは、これ1枚で全身のレインウェア変わりにもなったし、1枚の生地が考えるだけでこんなにも汎用性があり便利に使えるというのも面白いと思ってます。

登山だけでなく普段からでも使っていて、自転車通勤をするのでレインウェアとして1枚忍ばせておき、雨の中帰らなくちゃいけない時はウエスト紐を前掛けのように首に巻きつけて上半身を雨から凌ぐような使い方もしています。

なかなか面白いギアがアクシーズクインには沢山あるので、シーズン始まりの新製品登場の時は1つの楽しみになってます。