東北を代表する名山のひとつである鳥海山。山頂から見る雄大な景色や豊富な高山植物など見どころがたくさんあり、多くの登山者が鳥海山を訪れます。ここでは鳥海山の魅力やおすすめの日帰り登山コースについてご紹介します。
鳥海山ってどんな山?
東北地方で燧ケ岳に次ぐ高峰である『鳥海山』。山形県と秋田県にまたがる独立峰で、裾野を日本海に伸ばす秀麗な姿から、『出羽富士』とも呼ばれます。鳥海山から見える壮大な景観や、雪解けとともに咲く高山植物のお花畑、カルデラである鳥海湖など、見どころがたくさんあります。
山名 | 鳥海山(ちょうかいさん、ちょうかいざん) |
場所 | 山形県と秋田県にまたがる |
標高 | 2,236m |
天気・アクセス | 鳥海山の詳細情報 |
出羽富士【鳥海山】の魅力
東北を代表する名山のひとつである『鳥海山』。以下では、鳥海山の魅力についてシンプルにご紹介します。
日本海と庄内平野を望む大パノラマ
複式火山である鳥海山の山頂は『新山』です。新山は溶岩ドームの形をしており、岩塊が積み重なっています。山頂の展望は、外輪山である七高山が目の前に迫り、反対側では庄内平野や日本海が見渡せます。
雪解けとともに乱れ咲く花の楽園
6月下旬頃から雪解けを待って花の群落が美しい季節を迎えます。鳥海山では多種多様の高山植物が咲き誇り、色とりどりに山肌を染めるさまは、まさに花の楽園のよう。また、鳥海山にはチョウカイフスマ、チョウカイアザミ、チョウカイチングルマなどの鳥海山特有の高山植物が咲きます。
鳥海山のシンボル【鳥海湖】
鳥海湖は鳥海山7合目あたりにある火口湖です。鳥海湖付近の御田ヶ原(または扇子森)では、お花畑が一帯に広がり、鳥海湖と高山植物の美しい景観が見られます。また、鳥海湖付近の展望もよいため、鳥海湖を目的としてトレッキングする方もいます。
鳥海山の難易度別登山コース
ここでは、鳥海山のおすすめの日帰り登山コースを3つご紹介します。
【鉾立(象潟口)コース】鳥海山の王道ルート
鉾立コースは比較的登山道が整備されており、道中の見晴らしもよいため、多くの登山者が利用するコースです。
鉾立登山口(象潟口)から中間にあたる御浜小屋付近まで、舗装路または石畳のような整備された道が続きます。御浜小屋の近くには『鳥海湖』があり、日本海側が見渡せる好展望です。御浜小屋から山頂までは険しい登り坂になり、大きな岩をよじ登って進む場所があります。
※総所要時間は休憩時間の1時間39分を含む
【湯ノ台口コース】お花畑ロードと心字雪渓を踏むルート
湯ノ台口コースは、鉾立コースと並んで登山者に人気のコースになります。山頂までの距離が比較的短く、高山植物が豊富に見られます。
とくに、『八丁坂』と呼ばれる緩やかな坂道では、登山道脇にたくさんの高山植物が咲き、お花畑ロードを楽しめるでしょう。
コースの中間あたりには、『心字雪渓』と呼ばれる、大小2つの雪渓があります。夏でも雪が残る万年雪で、トラバース(斜面を横切る)もあるため、アイゼンを用意しておくとよいでしょう。
※総所要時間は休憩時間50分を含む
【湯ノ台口周回コース】鳥海湖と湿原歩きを楽しむルート
湯ノ口台から山頂に登り、鳥海湖を周って下るルートです。好展望の鳥海湖と、気持ちの良い湿原歩きを楽しめるコースになります。
湿原歩きの道は、鳥海湖から湯ノ台口方面に少し下った『千畳ヶ原』と呼ばれる場所。秋には湿原が黄金色に輝く草紅葉が見られます。千畳ヶ原を下ると、大きい岩場の登山道になるので、転ばないよう注意して歩きましょう。
※総所要時間は休憩時間47分を含む
鳥海山登山口へのアクセス方法
鳥海山の各登山口へのアクセス方法は以下の通りです。
登山口のマップはこちらから
象潟口(鉾立コース)へのアクセス方法
・マイカー
【山形県側】日本海東北自動車道 遊佐比子I.C.より車で約40分(28㎞)
【秋田県側】日本海東北自動車道 象潟I.C.より車で約30分(約19㎞)
・バス/電車
【山形県側】
酒田駅~象潟駅 JR羽越本線・秋田行きの電車で約40分
象潟駅~象潟口 乗合バスで約40分
【秋田県側】
秋田駅~象潟駅 JR羽越本線・酒田行きの電車で約1時間20分
象潟駅~象潟口 乗合バスで約40分
▼乗合バスの詳細はこちらから
乗り合い登山バス・鳥海ブルーライナー予約 - にかほ市観光案内 (nikaho-kanko.jp)
※要予約
湯ノ台口へのアクセス方法
・マイカー
日本海東北自動車道 酒田みなとI.C.より車で約50分(約34㎞)
・タクシー
酒田駅より車で約1時間(約38㎞)
鳥海山下山後の山旅スポット
鳥海山下山後の山旅スポットとして、象潟にある道の駅『ねむの丘』をご紹介します。
道の駅には『展望温泉』があり、日本海を眺めながらゆっくりと温泉に浸かれるのが魅力です。とくに夕方には日本海に沈む夕日が見られます。鳥海山登山は行程が長く、寄る時間帯も夕方になるので、下山後に寄る温泉としておすすめです。
名称 | 道の駅象潟「ねむの丘」 |
住所: | 秋田県にかほ市象潟町字大塩越73-1 |
泉質 | ナトリウム-塩化物強塩泉(旧泉質名:強食塩泉) |
日帰り入浴料 | 大人450円、子供300円 |
▼道の駅ねむの丘の詳細はこちらから
道の駅象潟「ねむの丘」展望温泉 (nemunooka.jp)
今回は鳥海山の魅力や日帰り登山コースについてご紹介しました。登山者に多く利用されているのが『鉾立コース』と『湯ノ台口コース』です。夏の時期に行くと、高山植物がたくさん咲き、美しい景色が堪能できます。体力に自信のある方は、『湯ノ台口周回コース』を利用すると、鳥海山の魅力を存分に味わえます。しかし、どのコースも行程が長いので、ゆとりある登山計画を立てて登るようにしましょう。