モンベルのイグニスダウンパーカーはモンベルのダウンジャケットの中でも、高い防風性と優れた防水透湿性を備えたゴアテックス インフィニアム™ ウインドストッパー®を使用した高品質なダウンジャケットです。森林限界を超えない2500m前後の雪山登山の防寒着や、風が強い厳冬期における低山登山や、天気の動向が心配な縦走登山における防寒着におすすめのモデルです。
今回は、このモンベルの高級モデルに位置づけられるイグニスダウンパーカーについてレビューしていきたいと思います。
レビューの流れは
- まず商品の概要と価格が高い理由を紹介して
- イグニスダウンパーカーを活かす使用シーン
- 最後にサイズ感について紹介します。
雪山登山の安心できる防寒着を探している方や、モンベルのダウンジャケットが気になっている方、軽量なダウンジャケットを探している方に何か参考になる情報をお届けできればと思います。なので最後までお付き合いいただけるとうれしいです。
商品概要
ブランド | モンベル |
商品名 | イグニスダウンパーカー |
商品説明 | 高い防風性と優れた防水透湿性を備えた「ゴアテックス インフィニアム™ ウインドストッパー® ファブリクス」で、世界最高品質のダウンを包み込んだ軽量モデルです。 |
価格(税込み) | ¥36,300 |
重量 | 278g |
素材 | 表:13デニール・バリスティック エアライト®ナイロン・リップストップ] 裏地:7デニール・バリスティック エアライト®ナイロン・タフタ |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★☆ |
軽量性 | ★★★★★ |
保温性 | ★★★★☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
イグニスダウンパーカーの紹介
イグニスダウンパーカーはモンベルのダウンジャケットの中では、軽量シリーズに分類されます。そしてモンベルの登山向けダウンジャケット、12モデルの中で1000フィルパワーのダウンを使用しているモデルは3モデルあるのですが、そのうちの1つに数えられます。
次にモンベルのダウンジャケットの中でパーマフロストライトダウンシリーズ、パーマフロストダウンシリーズ、そして今回のイグニスダウンパーカーが採用しているゴアテックスインフィニアムについて説明します。
ゴアテックスインフィニアムを採用したダウンジャケット
ゴアテックスインフィニアムとは、防風性が高いため冷たい風をブロックし、透湿性に優れた素材なので、ダウンジャケットに溜まった湿気は外に逃がす特徴があります。
また素材には耐久撥水加工が施されているので、水滴が表面を転がり落ちるので、ちょっとした雨でもダウンを濡らしづらい特徴を備えています。ゴアテックスのオフィシャルサイトの説明には、『水蒸気分子の900倍の大きさの孔が何十億個もあります。そのため、風の侵入を防ぐと同時に、汗の水蒸気をすぐに排出します。』とあり、凄い素材だということがわかります。
軽くてコンパクトなフード付きダウンジャケット
モンベルのダウンジャケットの中では、フードがあるタイプでは、3番目に軽量コンパクトで、わずか278グラムです。登山全般で使用しやすい保温力で汎用性が高いダウンジャケットです。
付属のスタッフバックに収納すると、直径12センチ、高さ20センチの大きさになり、サイズ感は、1リットルのナルゲンボトルとほぼ同様です。
ポケットの構造
ポケットはジッパー付きのハンドウォーマーポケットとチェストポケット、内側には縦長のインナーポケットが左右についていているので、グローブを入れておくと体温で暖かく保持しておけます。僕はテント泊をする時に次の日、ポカポカな状態で靴下を履きたいので、この場所に靴下を入れています。特に匂いは気になりません。
チェストポケットは大きめのスマホを収納しておくのにも便利です。
耐候性に優れた作り
ドローコードは、裾とフードに備わっていて、全て内側から調整するため、ドローコードが外側に出ておらず、すっきりとしたデザインに仕上がっています。裾のドローコードは、ハンドウォーマーポケットの中から調整することができます。
フードと袖にはマジックテープが付いていて、外気温をダウンジャケットの中に侵入させないようにフィット感を出す仕組みが採用されています。
ジッパーは止水ジッパーが採用されているので、雨にあたってもダウン内を濡らさないようにデザインされています。少しジッパーが他のモデルと比較すると硬めなので、購入するときに気になる硬さかチェックすると良いでしょう。
イグニスダウンパーカーが高価な理由
それでは、次にイグニスダウンパーカーがなぜ36,300円もするのか紹介をしていきます。
ポイント①:1000フィルパワーのダウンを使用している
イグニスダウンパーカーは高品質な1000フィルパワーのダウンを使用しています。このフィルパワーとはダウンの膨らむ力を数字で表したもので、数字が高いほど空気を多く含むため、保温性に優れた良質なダウンとなります。
僕たちが暖かいと感じるのは、動かな空気(デッドエアーと呼ばれる)を多く、まとっているからで、この動かない空気層をたくさん抱え込むフィルパワーの高いダウンというのは、イコール保温力が高いと言うことになります。フィルパワーの数値が高いほど『軽量なのに暖かい』が実現します。
実際にダウンジャケットを作っている友人に確認したことがありますが、ダウンジャケットを作る際に、最も原料価格が高いのが、このダウンで、ダウンの質がそのまま製品価格に反映されるようです。
ポイント②:独自のキルティングパターンを採用している
軽量なダウンジャケットは構造がシングルキルトであることが多いのですが、イグニスダウンパーカーはコールドスポットができにくい独自のキルティングパターンを採用しています。これによって軽量なダウンジャケットなのだけれども保温力に優れたモデルに仕上がっています。このキルティングパターンは意匠登録されていて、他では真似できないデザインなんです。
ポイント③:耐久性と軽量性を備えたバリスティック エアライトを使っている
イグニスダウンパーカーには、表地に13デニールのバリスティックエアライトと呼ばれるリップストップナイロンが使われていて、裏地には7デニールのバリスティックエアライト、こちらはナイロンタフタが採用されています。
薄い生地で耐久性が高いと素材が高くなり縫製も難しくなるため、その分製品の価格も高くなると言うわけです。
このような技術力も重なって米国を代表するアウトドア専門誌『BACKPACKER』の「2019 Editors' Choice Snow Award」を受賞しています。
イグニスダウンパーカーを活かす使用シーン
モンベルのダウンジャケットの中でイグニスダウンパーカーはどんな時に使えるのか紹介します。
同等の保温力がある3つのダウンジャケットを比較するとイグニスダウンパーカーの価格は中間的な位置づけですが、シェル素材やダウンの質と構造から察するに保温力は高いと思います。
※横スクロールで表がスクロールできます。分類 | 軽量シリーズ | -- | 軽量シリーズ |
---|---|---|---|
製品名 | イグニスダウン パーカ | パーマフロスト ライトダウンパーカ | プラズマ1000 アルパインダウン パーカ |
価格 | ¥36,300 | ¥27,280 | ¥41,800 |
重量 | 278g | 354g | 236g |
ダウン量 | 不明 | 不明 | 不明 |
フィルパワー | 1000FP | 800FP | 1000FP |
構造 | 独自キルト | シングルキルト | 独自キルト |
シェル素材 | 表:13デニール・ナイロン・リップストップ 裏:7デニール・ナイロン・タフタ | 表:13デニール・ナイロン・リップストップ&ゴアテックス インフィニアム 裏:10デニール・ナイロン・リップストップ | 表裏:7デニール・ナイロン・リップストップ |
収納サイズ | ∅12×20cm | ∅14×18cm | ∅12×20cm |
フード | 〇 | 〇 | 〇 |
女性モデル | 〇 | 〇 | 〇 |
シェル素材の特徴 | バリスティック エアライト | バリスティック エアライト | バリスティック エアライト |
ゴアテックス インフィニアム | 〇 | 〇 | × |
森林限界を超える雪山登山の防寒着としては、少し頼りなく寒さを感じるダウンジャケットなので、森林限界を超えない中低山用の防寒着として最適です。
また縦走登山等で先の天気が読みづらい3シーズンの防寒着としても耐久撥水加工によって雨を弾く力があるのでダウンを濡らしづらく、雨や湿気でダウンが濡れることが心配な方におすすめです。
サイズ感について
僕は身長179cm、体重66kgで、お腹ぽっこりの痩せ型タイプです。僕が現在着用しているのはMサイズです。中にはベースレイヤーを1枚着用している状態です。このレイヤリングは夏山登山の防寒着を想定しています。
スペリオダウンジャケットは袖口、裾にドローコードがないシンプルな作りなので、着用した時にフィットして冷気が侵入しないということと、腕を真っ直ぐ前に伸ばした時に手首が露出しないという点を重視してサイズを選びました。
最終的にMとLサイズで迷いましたが、フィット感に優れたMサイズを選びました。