登山やスキーで保温性を確保し、肌をドライに保つミドルレイヤーは様々なメーカーからリリースされています。
そんなミドルレイヤーの中でも多くの登山者、スキーヤーが利用しているパタゴニアのR1シリーズを紹介します。
今回は4種類のR1シリーズを徹底比較し、どのようなシーンで着用するのに指揮したミドルレイヤーかを検証します。
まずはじめに
- R1について簡単に紹介をし
- R1シリーズの共通点を紹介します。
- 最後にR1の比較と各モデルの紹介をしていきます。
パタゴニアのミドルレイヤーが気になっている方、R1シリーズの何を買えば良いか迷っている方、冬のアクティビティで快適なフリースを探している方に参考になる情報をお届けできればと思います。
パタゴニアの定番ミドルレイヤーR1とは
パタゴニアのR1は1999年に登場したテクニカルフリースです。
Rはレギュレーターシリーズを指すもので、過去にはR1、R2、R3、R4と保温力の違いで、製品を選ぶようなスタイルでした。
現在は、R1エア、R1テックフェイス、R1、R1デイリーの4種類展開でそれぞれ適した用途が存在します。
レギュレーターとは調整装置という意味があり、登山では体温調整の役割を果たします。この体温調整を目的としたミドルレイヤーが4種類のパタゴニアR1で、それぞれに適材適所が存在します。
R1シリーズの共通点
R1シリーズの共通点は登山におけるミドルレイヤーで、保温性と通気性のバランスに優れたモデルです。
以下の表は4種類のR1を比較したものです。
※横スクロールで表がスクロールできます。製品名 | パタゴニア・R1エア | パタゴニア・R1テックフェイス | パタゴニア・R1 | パタゴニア・R1デイリー |
---|---|---|---|---|
タイプ | ・クルー ・フルジップ・フーディ ・ジップネック |
・ジャケット ・フルジップ・フーディ |
・プルオーバー ・パンツ ・プルオーバーフーディ |
・ジャケット ・ジップネック ・グローブ ・ビーニー ・ボトム |
重量 | 289g(M) ジップネック |
326g(M) ジャケット |
332g(M) R1プルオーバー |
337g(M) ジャケット |
素材 | 中空糸を使用した5.7オンスのフリース | 5.2オンス・ポリエステル92% | 6.9オンス・ポーラテック・パワー・グリッド | 6.3オンスのフラットフェイス・フリース |
通気性 | 高 | 中 | 中 | 低 |
生地厚み | 5.7 | 5.2 | 6.9 | 6.3 |
生地構造 | ジクザクのメッシュ地 | グリッド構造のメッシュ地 | グリッド構造のメッシュ地 | フラットなフリース |
耐久性 | 中 | 高 | 中 | 中 |
4種類のR1はジャケットタイプだけの展開であったり、ジャケットタイプがないものがあって正しい重量比較が難しかったため、ジャケットタイプとプルオーバー(ジップネック)タイプの2種類をピックアップしています。
最も軽量なのが、R1エアで次に軽量なのが、R1テックフェイス、R1、R1デイリーと続きます。
また、生地の厚み、構造に違いがあり、汗をかいても肌をドライに保つ特徴の違い、保温力の違いがあります。
パタゴニアR1の特徴
パタゴニアのR1は、すべてミドルレイヤーとしての使用を前提として作られたテクニカルフリースです。4種類のR1共通の特徴について紹介します。
通気性と保温性のバランスが優れている
すべてのR1は通気性に優れたフリースです。重量が軽いほど通気性に優れ、重いほど保温性に優れていると考えるとわかりやすいです。
▼通気性の高さ順
R1エア>R1 テックフェイス>R1デイリー>R1
汗をかきやすい人であれば、通気性に優れたR1エアを選び、寒がりな人は保温性に優れたR1を選ぶという整理がわかりやすいでしょう。
行動中も着用し続けられるストレッチ性
すべてのR1が、ストレッチ性能に優れ、動きを妨げない行動着としての着用感に優れています。
ストレッチ性能は全て同じではなく、R1エアはハードな動きのあるアクティビティを前提としたフリースなので、腕部分は手を上げるなどの縦方向のストレッチ性に優れ、R1デイリーは4ウェイストレッチで着心地の良さを特徴付けるストレッチ性能があり、R1とR1テックフェイスは、優れた保温力と耐久性で程良いストレッチで、行動がゆっくりなハイキングや登山に快適な着心地を提供します。
オールシーズン着用できるミドルレイヤー
4種類のR1から最も自分にとって快適なモデルを選ぶことでオールシーズンへ活用することができます。以下はR1の着用例です。
▼春山のバックカントリースキーや登山
→R1エアで通気性を確保し、汗をかきづらく行動
▼夏山登山、縦走登山、秋山登山
→R1を保温着として活用、岩場が多い登山ではR1テックフェイスを活用
▼冬山シーズンのスキーや登山
→R1デイリーをミドルレイヤーとして活用、厳冬期の寒さの厳しいシーンでは、R1を使用し、穏やかな天気の場合はR1エアを着用
通気性に優れたミドルレイヤー『R1エア』
R1シリーズの中で最も通気性が高く、速乾性を備えた軽量なフリースです。ジグザグ素材は、伸縮性とともに、程良い通気性と保温性を備え、さらにストレッチ性に優れているので、行動中に着用し続けても動きやすく、汗をかきにくいフリースに仕上がっています。
汗をかきやすいバックカントリースキーや、山登りが多い雪山登山、肌寒い季節のハイキング、クライミングなどにおすすめのミドルレイヤーです。
R1エア・クルー
中空糸を独自のジグザグ織りで仕上げたリサイクル・ポリエステル100%のジャカード・フリースは、激しい運動中も吸湿発散性と速乾性と優れた通気性を発揮。
- 重量:275g(Mサイズ)
R1エア・フルジップ・フーディ
小物を収納しやすい左胸のポケット。かさばりを最小限に抑えるジッパー式フロントポケットが2つ。
- 重量:366g(Mサイズ)
R1エア・ジップネック
ベンチレーションを促進するフロントの1/2ジッパー。
- 重量:289g(Mサイズ)
程良い防風性を備えたミドルレイヤー『R1テックフェイス』
グリッド構造で通気性と保温性を兼ね備えたミドルレイヤーです。紹介するR1シリーズの中では、最も生地が薄く、行動中のミドルレイヤーとして開発されたフリースです。
表と裏で異なる織りで、内側で生じた湿気を吸い取り表側に移す効果のあるグリット構造をなしており、さらに耐久撥水、耐摩耗性を確立した高密度の表面生地が特徴です。
岩場が多い登山道ではアウターとして着用しても、この耐久性と撥水性によって、安心して行動し続けられるソフトシェルのようなウェアです。
冬の登山ではミドルレイヤーとして、少し肌寒い春山、秋山登山では、アウターとして着用できる汎用性の高さが魅力です。
R1テックフェイス・ジャケット
熱をためることなく温かい着心地を提供するソフトで軽量なダブル織り素材。丈夫な表面は水分を弾くDWR(耐久性撥水)加工済み
- 重量:326g(Mサイズ)
R1テックフェイス・フーディ
悪天候と摩耗に耐えるという利点を加えた、冷涼な天候に最適なクロスレイヤー。
肉厚な素材で保温力のある『R1』
R1シリーズの中で、最も肉厚なタイプのスタンダードなミドルレイヤーです。
ポーラテックのパワーグリットによる通気性と保温性は行動着としても休憩着としても活用でき、冬の登山において扱いやすいミドルレイヤーです。
『R1テックフェイス』よりも、肉厚で保温力が高いため、寒がりな人や、寒い季節で汗をかくシーンが少ないゲレンデスキーなどでおすすめのミドルレイヤーです。
R1・プルオーバー
ポーラテック・パワー・グリッド素材(ハイキュ・ピュア防臭加工済み)は軽量で通気性に優れ、抜群の伸縮性と耐久性を提供。
- 重量:332g(Mサイズ)
R1・プルオーバーフーディ
ポーラテック・パワー・グリッド素材(ハイキュ・ピュア防臭加工済み)は軽量で通気性に優れ、抜群の伸縮性と耐久性を提供。スリム・ジップを使用した左胸のポケットはジッパーガレージとメッシュの裏地付き
- 重量:312g(Mサイズ)
R1・パンツ
伸縮性と通気性と吸湿発散性を備え、優れた保温性と快適な肌触りを提供するR1素材。
- 重量:340g(Mサイズ)
普段使いしやすいフラットなフリース『R1デイリー』
柔らかく、伸縮性に優れた薄手のフリース素材を採用したミドルレイヤーです。R1よりも薄手で、R1エアよりも厚手という位置づけです。
伸縮性に優れているため、動きやすい特徴があり、リラックスウェアにも活用することができます。
肌触りは、表面がつるりとしたなめらかな仕上がりでレイヤリングしやすく、裏地は程良い起毛で体をほどよく温めてくれる気持ちの良いフリースです。
R1デイリー・ジャケット
ソフトで滑らかな外側と起毛フリースの内側を備え、温かく快適な着心地を保つ伸縮性素材。ハイキュ・ピュア防臭加工済み。
- 重量:337g(Mサイズ)
R1デイリー・ジップネック
位置をずらした肩の縫い目により、バックパックのストラップの下でも快適。
- 重量:295g(Mサイズ)
R1デイリー・グローブ
単独でもアウターグローブのライナーとしても使えるすっきりとしたフィット。
- 重量:37g(Mサイズ)
R1デイリー・ビーニー
寒冷な天候下の激しいスポーツに最適なビーニー。
- 重量:31g
R1デイリー・ボトム
ストレッチニットのウエストバンドに施したキャプリ・クール・ライトウェイト素材のパネルは吸湿発散性と伸縮性を促進しソフトで快適な肌触り。
- 重量:275g(Mサイズ)