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パタゴニアが向かうフッ素化合物不使用−PFCフリー問題についてのコミュニティーイベントレポート

パタゴニアが向かうフッ素化合物不使用−PFCフリー問題についてのコミュニティーイベントレポート

先日、パタゴニア主催でPFCフリーの取り組みについて、パタゴニアのプロセールスプログラムに関わる様々な人たちとの会話イベントが行われました。

プロセールスプログラムとはパタゴニアが運営する、アウトドアの現場で活躍するプロフェッショナルに向けた登録制のプログラムです。

【プロセールス プログラム】
https://www.patagonia.jp/jp-pro-sales.html

そもそも、PFCとは何なのか?PFCを使用することによる問題にはどのようなものがあるのか?PFCフリーの機能性は?など、興味ある話が聞けたのでレポートをしていきたいと思います。

PFCとは何か?どのような問題があるの?

2種類のフッ素化合物、PFOA(Perfluorinated)and/orPFOS(Polyfluorinated)Chemicals(PFC=フッ化炭素)は多くの工業工程で使用され、水と油両方をはじく特質を含むユニークな化学的性質を持つため、大量の生地や製品に使われています。

登山ウェアではレインウェアを代表とした生地表面の撥水を目的に使用されています。

特にPFOAとPFOSのようなイオンPFCは有毒で難分解性のため環境中から消失しません。

生物濃縮する特性から、地域の陸・水中生物相と人の血液・母乳から検出されています。

人間の成長過程や大人になってからもこれらPFCはホルモン乱物質として生殖器官、免疫システムに害を及ぼし、動物実験では発がん性の性質も確認されています。

  • PFOA=ペルフルオロオクタン酸
  • PFOS=ペルフルオロオクタンスルホン酸

PFCフリーの動きは5年前に始まっていた

2017年、パタゴニアはゴア社のチームと共同でPFCの問題を解決するための探求に乗り出した歴史を持ちます。

これまでにないPFCフリーのゴアテックス・メンブレン素材とDWR加工を土台に、残留性のフッ素化合物を排除して、防水性のスノーキットを作り出すと言うものです。

努力の結果、ストーム・シフト・シリーズと呼ばれるアウターウェアのコレクションが誕生し、これを皮切りに、現在ではスノーカテゴリーだけでなく、アルパイン、ライフ・アウトドアカテゴリーに至るまで、PFCフリーのアイテムが販売されています。

パタゴニアの代表的なPFCウェア

メンズ・ストーム・シフト・ジャケット

ストームシフトジャケットは、あらゆるコンディションに対応するスキーヤーやボーダーのために、防水性/透湿性/耐風性に優れたプロテクションを提供します。リサイクル・ポリエステルのゴアテックス・ファブリクスとボディ・マップされた起毛フリース・ライニングが、パタゴニアのスノー・ラインの中で最も広いサーマル・レンジを提供し、効率的な重量当たりの保温性を生み出しています。フェアトレード・サーティファイド™縫製。ウエア全体がPFCフリー

メンズ・ストーム・シフト・パンツ

リサイクルポリエステル100%のゴアテックス・ファブリクスを使用したストーム・シフト・パンツは、あらゆるコンディションに対応するスキーヤーやボーダーのために、防水性/透湿性/耐風性に優れたプロテクションを提供します。洗練されたフィット感とすっきりとしたスタイリングで、耐久性と自然な動きやすさを両立しています。フェアトレード・サーティファイド™縫製。ウエア全体がPFCフリー

ウィメンズ・パウダー・タウン・ジャケット

多機能で動きやすさを重視したパウダー・タウン・ジャケットは、防水性/透湿性/耐風性を備えたH2No® Performance Standardの2レイヤーシェル、自由な動きを可能にする立体裁断フィット、快適でレイヤリングしやすいスムースライナーを採用しています。フェアトレード・サーティファイド™縫製。ウエア全体がPFCフリー。

ウィメンズ・パウダー・タウン・パンツ

多機能で動きやすさを重視したパウダー・タウン・パンツは、防水性/透湿性/耐風性を備えたH2No® Performance Standard 2レイヤーシェル、自由な動きを可能にするアーティキュレーテッドフィット、快適でレイヤリングしやすいスムースメッシュライナーを採用しています。股下は76~81㎝です。フェアトレード・サーティファイド™縫製。ウエア全体がPFCフリー

PFCなしの新しいゴアテックスePEメンブレン

ePEとは?

微小の多孔質ポリエチレン(PE)は、長年にわたりさまざまな市場で使用されてきました。しかしPEベースのメンブレンは他の用途には適していても、防水性/防風性/透湿性ウェアに必要な耐久性に欠けていました。課題は、それをどのように延伸し、耐久性をもたせるかということでした。

ゴア社は、40年以上にわたる素材科学の知識とポリマーに関する専門技術を活かして、PEを操作してePE(延伸ポリエチレン)を創りだしました。

その結果、PFCの必要性を排除しながら、過酷で長期に及ぶ状況で防水性と透湿性を実現し、さらにカーボンフットプリントを削減するというメンブレンが誕生しました。

機能性と影響における利点

ePEは、テクニカル・シェルの新しい基準を定め、カーボンフットプリントを抑えています。機能の利点は大きく2つポイントがあります。

1.持続する防水性/防風性/透湿性の機能

ラボと雪上で徹底的にテストされたePE採用の製品は、すべてのゴアテックス製品と同様にGarment Quality Standards(GOS)の対象となり、最も厳しい冬のバックカントリーや高山の状況での要求を満たすことが保証されています。

  • 耐久防水性(濡れた状態でのフレックス/摩耗テスト)
    →ゴアテックスの基準に合格:耐水圧最低28メートル
  • 生地質量の軽減
    重量に対する強度が高いので、より軽くて薄い生地で頑丈な構造を実現
  • 優れた透湿性
    ゴアテックスの基準に合格:RET(水蒸気透過抵抗)

2.カーボンフットプリントの削減

ePEメンブレンは新素材の組み合わせと質量の軽減により、カーボンフットプリントを削減(HiggMSIによる測定)。その結果、原料と水の使用量を減らし、製品の寿命を延長。

PFCフリーウェアのメンテナンスにも注目

PFCフリーウェアのパフォーマンスを維持するためには、メンテナンスが重要のようです。これはアウトドアウェア全般に言えることです。

汚れとは

使用中の製品には汗や皮脂、また大気中の汚れなどの目に見えない汚れが付着しており、汚れが付着していると撥水性や透湿性が低下します。さらに防水性素材の場合は、早期劣化の原因になるなど、製品の機能や耐久性を損なうことにつながります。

メンテナンス

外でのアクティビティや雨天での使用後は、その都度洗濯することが大事ということでした。日常着としてお使いの場合でも定期的に洗濯することでパフォーマンスを維持することができます。

洗剤は?

通常の洗剤を使用しても良いですが、漂白剤や柔軟剤、蛍光増白剤、またこれらを含む洗剤の使用はやめましょう。

せっけん洗剤を使用する場合は、せっけんカスが残らないよう、ぬるま湯でしっかりすすぎを行うことも大事です。PFCフリーウェアの撥水パフォーマンスをメンテナンス前後のテストを何度も繰り返してどのような洗剤が良いのか?というお話では、パタゴニアで奨励しているのはストームということでした。

撥水方法は?

自然乾燥をさせた製品を乾燥機にかけることが大事なようです。製品の表地に熱を加えることにより撥水性が復活します。乾燥機がない場合には、あて布をして低温でアイロンをかける、もしくはドライヤーで熱風をあてる等の方法も有効のようです。

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