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雪化粧した白峰三山と富士山を見るため…冬の鳳凰山に登った記録

雪化粧した白峰三山と富士山を見るため…冬の鳳凰山に登った記録

中央自動車道の笹子トンネルを抜けると、山々に囲まれた甲府盆地に入ります。さらに少し車を進めると、雄大な南アルプスの山々が真正面に現れます。冬の晴れた日などは文字通り白くなった白峰三山が青空に映えます。運転中にこれだけの山々の光景が飛び込んでくると、ついつい見入ってしまいます。

ドライバーの皆さん、脇見運転はいけませんよ?

乗り物から見る山と言えば東海道新幹線からの富士山でしょう。新幹線にはもう何度も乗っていますが、綺麗に見える日にはつい写真を撮ってしまいます。「のぞみ」で新大阪からなら1時間45分後、東京からなら45分後くらいがシャッターチャンスです。

お手軽に綺麗な山を見るというのも良いですが、苦労して登った山から見る山というのはまた格別です。今回は雪化粧した白峰三山と富士山を見るために、冬の鳳凰山に登った記録です。

冬の鳳凰山の登山に選んだコース

1月下旬の金曜日、仕事後に大月駅まで電車で行き、そこで友人と合流。車を借りて登山口である夜叉神峠へと向かいます。登山口の標高は1,400m。そこに至るまでに車で九十九折りの山道を進みます。

標高が上がると雪が増えてきますが、除雪されておりアスファルトは露出していました。登山口駐車場に着いたのは0時近辺でした。ここまでコンビニに寄るなどして約2時間。今日はここで車中泊です。

超便利な「やまどうぐレンタル屋」について

車中泊と言えど、1月の標高1,400mは極寒です。エンジンを切るとたちまち車内の空気は冷えていきます。僕が持っているリミットマイナス6度の寝袋では耐えられる気がしなかったので、事前に厳冬期用の寝袋を「やまどうぐレンタル屋」でレンタルしていました。

初めて利用させてもらいましたが、大変便利でした。事前に手元に届き、返却はコンビニから送るだけ。簡単でしたし、値段も良心的だなと個人的には感じました。

テントやウェアなどもありますので、「テント泊してみたいけどテントが高い…」という方や、「山に登りたいけど装備がない…」という方などは「レンタルする」というのも考えてみても良いかもしれません。

厳冬期用寝袋のおかげで、車中泊でしたがよく眠れました。4時半ごろに起床し、いよいよ登り始めです(前段が長くてすいません…)。

登山コース取り-アクセス方法で考える
やまどうぐレンタル屋
キャンセル時は全額返金、料金は登山日数でカウントしてくれます。価格の高い登山道具レンタルにおすすめのサービスです。

暗い中をヘッドライトの灯りを頼りに進みます。今日の行程は夜叉神峠の登山口から鳳凰三山の最高峰である観音岳までのピストンです。時間と体力があれば地蔵岳まで足を伸ばそうと話をしていました。

観音岳までの往復で約20km、累積標高差2,000mとなかなかハードなコースです。

登り始めて45分ほどで夜叉神峠に到着しました。日が出ていれば白峰三山の展望が広がるのですが、依然として真っ暗ですので先を急ぎます。

さらに3,40分ほど歩いていると明るくなってきました。まだまだ樹林帯の中を歩いていましたので、日の出を拝むことは叶いませんでした。南アルプスは森林限界が高いためなかなか樹林帯を抜け出せません。たまに開けた場所もありますが、基本的には眺望の少ない森の中を進みます。

杖立峠を過ぎ、苺平という美味しそうな場所まで来ると、辻山との分岐があります。この辻山も白峰三山のビュースポットなのですが、30分ほどプラスで時間がかかってしまうため、今回はパスしました。

そこから少し高度を下げつつ歩くと、南御室小屋に到着します。冬季は営業していませんが、避難小屋があり、テント場もあるため、冬でも比較的人気な小屋だと思います。この日もテントがいくつか設営されていました。

ここまで来れば稜線まではあと一踏ん張り。小屋からの登りがこのルートの中では一番の急登で、ここだけは前爪のあるアイゼンが良さそうです。

登り切ると一気に視界が開けます。目の前に雪を纏った白峰三山の勇姿がドカンと現れ、「おおー!すげーー!」「かっこいいー!」と語彙力少なめに大盛り上がり。

目の前には日本で2番目に高い北岳と3番目の間ノ岳、そして振り返ると最も高い富士山が雲の上に浮かんでいます。「この景色が見たかったんだよなあ」ここまで約9km、4時間半ほど森の中を登ってきましたので、感動も一入です。

ずっと眺めていたいですが、稜線上は寒風が吹きつけ、止まっていると一気に身体が冷えてしまいます。先を急ぎます。

薬師岳小屋まで少し下ります。テント場はないですが、冬季避難小屋があるので宿泊することもできます。

そこから少し登り返すと鳳凰三山のうちの一座、薬師岳に登頂です。

山頂から最高峰の観音岳まで綺麗に稜線が伸びています。強風が吹き抜けるため、雪は風下側の斜面にしか積もらず、地表が剥き出しです。これからここを歩くのかと思うと気分が高まると同時に、「まだ結構あるな…」とダメージを喰らうのでした。

薬師岳から少し下り、観音岳への最後の登りへ。左手には白峰三山、右手奥には八ヶ岳、そして振り返れば富士山と何れ劣らぬ名峰たちに励まされ、最後の登りをクリアしました。薬師岳から約30分、鳳凰三山最高峰の観音岳に登頂です。

観音岳の山頂からはそれまでに見えていた山に加えて、雪を纏った甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳も見ることができました。そしてその手前には、特徴的なオベリスクが目を引く鳳凰三山残りの一座、地蔵岳の姿が。

「かなり下るな…」ここまでの登りで体力はかなり削られています。さらに現在11時、観音岳から地蔵岳への往復はおよそ2時間半かかります。下山に4時間半かかると見込んでいましたので、地蔵岳まで往復すると登山口に着くのが18時と日没ギリギリになってしまいます。「やめとく?」「うむ、無理ヤナ」体力的にも時間的にも地蔵岳に向かうのは厳しいと判断し、下山することにしました。

休憩もそこそこに下山を開始します。なんたって寒いので。登りは辛かった分、下りはサクッと…と行きたいところですがそう簡単ではありません。

稜線上のアップダウンもキツイのですが、特にキツかったのが南御室小屋から苺平への登り返しです。泣きそうになりながらヒーヒー言って、なんとか歩きました。そこからは駆け降りるように下り、15:15に駐車場に到着しました。

鳳凰三山の全ての頂上に登ることは出来ませんでしたが、お目当ての白峰三山や富士山の眺望を楽しむことができ大満足の山歩きになりました。やはり山から見る山はいいなあと。ただ、いささか疲れましたね(笑)。

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