この記事の要点:木曽駒ヶ岳(標高2,956m)の初心者向けコースは、駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷駅(標高約2,612m)まで上がり、八丁坂→乗越浄土→中岳を通って山頂を往復するルートです。雪のない時期なら登り約2時間・下り約1時間30分が目安で、日帰りできます。ただし11月の千畳敷はすでに雪と氷の世界になりはじめ、山小屋もほとんどが営業を終える時期。11月以降は12本爪アイゼン・ピッケル・冬用の防寒着が必要な「雪山」として考え、初めての人は無雪期(7〜10月上旬)に登りましょう。
(2026年11月2日更新:ロープウェイ・路線バス・駐車場の料金、山小屋の営業期間、長野県の登山計画書の届出を公式で確かめ、季節別のコース案内・服装と持ち物・よくある質問を追加しました。)
今年7日目の山行は厳冬期の木曽駒ヶ岳へ。雪のアルプスは初めて。
高所恐怖症の自分にとって八丁坂の急登は乗り越えられない壁かもしれないと不安だった。気温も。この記事では、そんな冬の山行記録とあわせて、これから木曽駒ヶ岳に登る人のためのコース・アクセス・季節ごとの装備をまとめました。
- 都道府県:木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ) 長野県(中央アルプスの最高峰)
- 標高:木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ) 2,956m
- 初心者向けの登山口:木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ) 駒ヶ岳ロープウェイ 千畳敷駅(標高約2,612m)
- 主な山小屋:木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ) 宝剣山荘・天狗荘・駒ヶ岳頂上山荘 など
最新の登山情報(2026年11月2日確認)
- 山小屋:長野県の山小屋情報では、2026年の営業期間は宝剣山荘が4月上旬〜11月上旬(要予約、冬季営業は年末年始に要予約)、天狗荘と駒ヶ岳頂上山荘は7月上旬〜10月初旬です。11月以降の営業日は各山小屋への問い合わせが必要です。11月は山小屋をあてにできない時期と考えましょう。(出典:長野県山小屋情報ポータルサイト(中央アルプス))
- ロープウェイ・バス・駐車場の料金:中央アルプス観光の案内では、駒ヶ岳ロープウェイ(しらび平駅〜千畳敷駅)は大人往復2,290円から・片道1,230円から(日によって変わる運賃)。路線バス(菅の台バスセンター〜しらび平駅)は大人片道830円・往復1,660円。菅の台バスセンターの駐車場は普通車1日800円です。点検などで運休する日もあるので、運賃カレンダーと時刻表で確かめてください。(出典:中央アルプス観光「運賃・駐車料金」)
- マイカー規制:しらび平へ向かう県道は一般車が通れません。菅の台バスセンター(またはJR駒ヶ根駅)から路線バスに乗り換えます。
- 登山計画書:長野県では登山安全条例にもとづき、指定された登山道に入るときの登山計画書の届出が義務になっています。オンラインでも出せるので、出発前に必ず提出しましょう。(出典:長野県「登山計画書を届出しましょう」)
- 11月の千畳敷:雪が積もりはじめ、八丁坂は凍結や雪崩の危険が出てきます。雪の状況はロープウェイ会社や山小屋の発信を必ず確認し、冬山の装備と経験がない人は千畳敷カールの散策までにしておきましょう。
木曽駒ヶ岳の登山コース
千畳敷から山頂までの道は、季節によって難しさがまったく変わります。所要時間は休憩を含まない目安です。
- 千畳敷→八丁坂→乗越浄土→中岳→山頂(7〜10月上旬):向いている人 初心者 / 所要時間の目安 登り約2時間・下り約1時間30分 / ポイント 八丁坂の急登。高山病と天候急変に注意
- 同じコース(11月・残雪期の4〜6月):向いている人 雪山経験者 / 所要時間の目安 雪の状態で大きく変わる / ポイント アイゼン・ピッケル必須。雪崩・凍結の危険
- 同じコース(12〜3月・厳冬期):向いている人 冬山経験者 / 所要時間の目安 天候しだい / ポイント 強風・低温・雪崩。本格的な冬山装備
- 宝剣岳を経由するルート:向いている人 岩場に慣れた上級者 / 所要時間の目安 — / ポイント 鎖場・岩稜。初心者は行かない
初心者向け:千畳敷から山頂を往復(無雪期)
- 登山口:駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅(標高約2,612m)
- 所要時間の目安:千畳敷→乗越浄土 約1時間、乗越浄土→中岳→木曽駒ヶ岳山頂 約1時間
- 標高差:約350m(ただし中岳を越えるので、登り返しがあります)
- 注意する所:乗越浄土へ登る八丁坂の急登。いきなり2,600m以上から歩くので、ゆっくり歩いて体を高さに慣らしましょう。
ロープウェイで一気に標高を上げられるので、日本で一番手軽に登れる3,000m級の山のひとつです。とはいえ山頂付近は夏でも肌寒く、天気が崩れると一気に冬のような寒さになります。夏でも防寒着とレインウェアは必ず持ちましょう。山頂からは御嶽山、北アルプス、南アルプス、富士山などの大展望が広がります。
中級者〜:宝剣岳と組み合わせるルート
乗越浄土のすぐそばにそびえる宝剣岳は、鎖場の続く岩稜の山です。木曽駒ヶ岳とあわせて登る人もいますが、滑落事故も起きている難しい場所です。岩場に慣れた人だけにして、初心者は宝剣岳に入らないようにしましょう。
冬の木曽駒ヶ岳(雪山経験者向け)
雪のある時期の木曽駒ヶ岳は、ロープウェイで手軽に行ける反面、八丁坂の急斜面・雪崩・強風・低温がそろう本格的な雪山です。12本爪アイゼン、ピッケル、ヘルメット、冬用の防寒着がそろい、雪山の歩き方を身につけた人が、天気の安定した日を選んで登る山です。以下は、初めて冬の木曽駒ヶ岳に登ったときの山行記録です。
冬の木曽駒ヶ岳 山行記録(2023年2月)
元々の予定は2月18日(土)やったけど、天気が悪そうなので急遽2月17日(金)に変更。16日は21:30まで仕事で帰宅して24時前就寝。2時起床で出発。3時今回の相方を乗せて菅の台BC駐車場へ向かう。
高速の途中で辺りが明るくなると雲1つ無いことに気付く。一気に眠気が覚めてテンションが上がる。
駒ヶ岳ロープウェイ「しらび平駅」までのアクセス
7時に駐車場(1日800円)に着くと、お手洗いやら着替えやら準備。トイレは暖房?がついてて暖かくてありがたかった。平日で夏や秋の最盛期でもないので、そこまで人は多くない。
バスの乗車券(片道830円)を購入し、8時15分の始発バスに乗るべく、7時30分位から列に並ぶ。係の人が来て第1便に乗れるのは自分達までとのこと。さすがにじっとしてるだけやと寒いから早く乗れてラッキー。
駒ヶ岳ロープウェイの割引制度(当時)
30分程バスに揺られてしらび平駅到着。ロープウェイのチケット売場、石井スポーツ、mont-bell、好日山荘、カモシカスポーツ等の会員証提示で割引になる、とのことで、ダメ元でヨドバシカメラのアプリを提示してみるとOKで20%割引(往復2,540円→2,030円)。復路のバス乗車券も同時に購入。※割引の内容と運賃は2023年2月当時のものです。今の運賃は上の「最新の登山情報」と公式サイトで確認してください。
駒ヶ岳ロープウェイの乗車時間・千畳敷駅

ロープウェイ乗車時間は7分程度。途中の滝が凍っていたり、富士山が見えたり、一瞬にして雪景色に。
ロープウェイを降りて温度計を見ると-10℃。思ったより気温が高くて一安心。
アイゼンを装着して外に出ると白と青の世界。標高が高いので空は濃いめの青。群青。ロープウェイ駅から2本のトレースが延びていて、向かって左の山側トレースは雪崩の恐れがあるため使用禁止とのこと。もちろん下側のトレースを進む。
スタート時のレイヤリング
- インナー…MILLETのアミアミ
- ベース…アイスブレイカーの150
- ミドル…MILLETのアルファダイレクトジャケット
- アウター…MAMMUTのシェル
- パンツ…Finetrackのコアノパンツ
- レインパンツ…mont-bellのストームクルーザー
- グローブ…ブラックダイヤモンドのソロイスト
- 靴下…ダーンタフの厚手
- 靴…AKUのハヤツキ
- 顔まわり…ニット帽とバラクラバ(ネックゲイター的に)
- サングラス…調光レンズの眼鏡
木曽駒ヶ岳の雪山登山ルート
千畳敷駅から駒ヶ岳へ

千畳敷散策エリアを進むといよいよ本格的に登り開始。目の前に急坂が立ちはだかる。八丁坂。
しかしステップがしっかりあって歩きやすい。登る程に傾斜はきつくなる。

雲1つ無い晴天、ほぼ無風で後ろから太陽に照らされながら歩いていると暑い、汗だく。より本格的な傾斜になる前にウェア調整。ミドルを脱ぐ。
適温になって快適に登る。傾斜がきついのもあるけど空気が薄いので息があがらないよう、止まりつつゆっくり登る。

初めは登りきれるか不安な登りも思ってたほどではないと感じられる。それでも後ろをを振り返ると、足を滑らせたら止まらんやろなって傾斜。八丁坂は左右を岩壁に囲まれていて迫力がある。
八丁坂の終わりが近づくと九十九折になる。斜面のトラバースを繰り返すトレースは狭く、靴1つ分。ここは足を引っかけないよう少し慎重に。
歩き始めから1時間程で乗越浄土到着。宝剣岳が格好いい。
伊那前岳方面に向かう方もいたけど、今回は木曽駒ヶ岳ピストン。予想通りここからは風が強く小屋の陰で再度ウェア調整、ミドルを着る。

少し登ったら中岳到着。岩陰で行動食を。御嶽山もバッチリ見える。
写真を撮りたいけど、カメラバッグのバックル、スマホが入っているシェルのファスナー共にグローブをしているとあけにくい。結局グローブを外して素手で写真。一瞬で手は凍える…。グローブすれば一瞬でぬくもるけど。反省点やな。

中岳から少し下ると木曽駒ヶ岳への登り返し。これまでの登りの疲れと酸素の薄さでしんどい。これまで以上にゆっくりゆっくり、でも噛み締めるように登る。
風が強くてバラクラバでしっかり顔を覆うけど、息苦しい。ただでさえ酸素薄いのにしんどすぎる。手でバラクラバを引っ張って呼吸しやすくしながら歩く。これも改善点やな。

更に強くなる風の中、最後の急登をこえると木曽駒ヶ岳山頂。360°見渡せる。御嶽山、北アルプス、南アルプスに富士山、空木岳等々。少し雲がかかってるけど槍ヶ岳もバッチリ。

立っていられない程ではないけど、ピッケルのリーシュが真横になるくらいの風(15m位かな)。山頂でまったりコーヒー飲みたかったけどさすがに無理。

冷えきる前に下山開始。昼頃から風強まる予報通りどんどん強くなる。歩いていたらよろけることもある。ポールやピッケルを支えに。

木曽駒ヶ岳と中岳のコルに着いて、はぁ、中岳の登り返ししんどいなぁと思って見上げたら太陽の下に虹らしきものを発見。環水平アークかな?

相変わらずゆっくり中岳も登りきると、後は下るのみ。ゴリラさんに挨拶して宝剣岳を見るとなんとてっぺんに登ってる強者がいる。
乗越浄土から八丁坂の激下り。始めの九十九折は慎重に。

そこを越えたらあとはさくさく…と思ったけど、風無く、真上から受ける太陽の陽射しが強く熱中症になりそう。ベンチレーション開けたりオーバーヒートしないよう気を付けて。
登り同様、ステップがあって高度感もなく歩くことが出来た。八丁坂を下りきって右手にショートカットのトレースがあるけど、雪崩の恐れありなので左のトレースを。
ロープウェイ駅直前にある僅かな登りが1番しんどい(笑)その登り途中見上げると太陽の周りの虹がさっきよりもはっきり。ぐるっと一周太陽の周りを。環水平アークやと思ってたけど、ハロや!って思わず大きな声が出てゴール。
帰りの駒ヶ岳ロープウェイ
ロープウェイは毎時55分なので13時55分まで40分程休憩。そういえば一滴も水分補給してなかったし、行動食もほぼ食べてなかったから山専ボトルの白湯とタマゴパンを食べてしばし休憩。
ロープウェイはあっという間やけど、駐車場までのバスでは眠気に勝てず、隣に座った相方の肩にもたれたり、頭カクンッてなって頭突きしたり申し訳なかった。
急登やら風やら不安やったけど、無事初めて雪のアルプスに登ることが出来ていい達成感。次はどこに登ろうかな。
アクセスと駐車場
- マイカー:中央自動車道の駒ヶ根ICから菅の台バスセンターへ。バスセンターの駐車場(普通車1日800円)に停め、路線バスでしらび平駅へ(約30分)。しらび平までの道は一般車が通れません。
- 公共交通機関:JR飯田線の駒ヶ根駅から路線バスでしらび平駅へ。高速バスで駒ヶ根まで来ることもできます。
- ロープウェイ:しらび平駅から千畳敷駅まで約7分。混雑する夏・紅葉の時期の週末は、バスやロープウェイで長く待つことがあるので、始発に近い便を狙いましょう。
時刻表と運賃カレンダーは季節で変わるので、中央アルプス観光の公式サイトで確かめてください。
季節ごとの服装と持ち物
木曽駒ヶ岳は、ロープウェイで上がったとたんに標高2,600mを超える山です。麓が暖かくても、千畳敷は別の季節だと考えて準備しましょう。服装の基本は登山の服装の選び方、持ち物は登山の持ち物チェックリストにまとめています。
- 夏(7〜8月):服装の目安 速乾の肌着+長袖+フリース。山頂は冷える / 必要な道具 レインウェア上下、防寒着、帽子、登山靴
- 秋(9〜10月上旬):服装の目安 保温力のある肌着+フリース+防風ジャケット、ダウン / 必要な道具 手袋、ニット帽、初雪後はチェーンスパイクでは足りない日も
- 11月・残雪期:服装の目安 冬山用のレイヤリング / 必要な道具 12本爪アイゼン、ピッケル、ヘルメット、冬用グローブ
- 冬(12〜3月):服装の目安 厳冬期の冬山装備一式 / 必要な道具 上記+ゴーグル、バラクラバ、保温ボトル
今回、ウェアのことで考えさせられたこと

グローブについて
ブラックダイヤモンドのソロイストを使用した。文句無しの保温性で、暴風にさらされても全く寒くない安心感。でも、やはり操作性が悪すぎる。
カメラバッグのバックル、スマホを入れているシェルの胸元ファスナー等億劫になる。しっかりしているが故にインナーとアウターはマジックテープできっちり。実質インアウト一体型。
手袋を外すと一瞬にして凍えるし…。保温性、防風性しっかりめのインナーと分離型アウターグローブが必要かな。
この反省から言えるのは、冬は「素手にならずに細かい作業ができるインナー手袋」と「上から重ねるアウター」を分けて持つのが使いやすいということ。山旅ショップのポッサムメリノ・グローブは、保温力のある薄手の手袋なので、アウターを外したときのインナーとして写真やファスナーの操作に使えます。
バラクラバについて
いつ買ったかどこのブランドか分からんバラクラバを使用したけど、とにかく息がしづらい。高山病体質なので死活問題。次のFWで呼吸しやすいバラクラバ探そう。
息苦しさが気になる人は、口元を出し入れしやすいネックゲイターと、耳まで覆える帽子を組み合わせる方法もあります。POLARTEC パワードライ ネックゲイターは乾きやすい素材なので、息で湿っても冷たくなりにくく、登りでは下げ、稜線では引き上げるといった調整がしやすいのが選ぶ理由です。
POLARTEC アルファダイレクト90 イヤーマフキャップは、耳まで覆える冬山向けのキャップで、強風の稜線で耳を守りながら、つばで日差しもさえぎれます。
登山終わりのおすすめ立ち寄りスポット
明治亭のソースカツ丼

バスで少し寝たからか眠気も冴えて、1番のお楽しみ、明治亭のソースカツ丼を食べに。菅の台BC最寄りの店舗は開いてなくて、少し離れた本店へ。明治亭は7年ぶりくらい。迷わずヒレカツ丼。
柔らかいお肉の衣にたっぷり染み込んだソースのスパイスが鼻に抜けるー、染みるー、癒されるー。
早太郎温泉 こぶしの湯
たらふく食べたら早太郎温泉 こぶしの湯へ。自然の中にある温泉で解放感溢れる露天風呂。木曽駒ヶ岳に来た時はここに決まり。
駒ヶ岳SAでお土産を購入したらノンストップで帰阪。
よくある質問
木曽駒ヶ岳は登山初心者でも登れますか?
雪のない7〜10月上旬で、天気のよい日なら、ロープウェイを使って初心者でも日帰りで登れます。ただし標高2,600m以上を歩くので、高山病や急な天候の変化に注意し、防寒着とレインウェアを必ず持って行きましょう。雪のある時期は初心者向けではありません。
木曽駒ヶ岳登山は何時間かかりますか?
無雪期に千畳敷駅から山頂を往復すると、登り約2時間・下り約1時間30分が目安です。ロープウェイやバスの待ち時間、休憩も含めて、余裕のある計画にしましょう。
11月の木曽駒ヶ岳は登れますか?
11月の千畳敷は雪が積もりはじめ、八丁坂は凍結や雪崩の危険がある雪山になります。山小屋もほぼ営業を終える時期です。アイゼン・ピッケルを使いこなせる雪山経験者以外は、千畳敷カールの散策にとどめましょう。
駒ヶ岳ロープウェイの料金は?
大人往復2,290円から(日によって変わる運賃)、路線バスは菅の台バスセンターから大人片道830円です(2026年11月2日に公式で確認)。運賃カレンダーで当日の料金を確かめてください。
登山計画書は必要ですか?
長野県では登山安全条例により、指定された登山道に入る場合は登山計画書の届出が義務になっています。オンラインで提出できるので、出発前に出しておきましょう。
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