「登山届って出す必要はあるの?」と思っている方はいませんか。山岳遭難が命にかかわると理解している登山者も、登山届を出さずに登山をしているかもしれません。しかし、登山届は、山岳遭難での捜索時に役立つだけではなくて、登山自体の安全性を高めてくれる書類なのです。この記事では、登山届を提出する理由・方法や提出が必要な山などについて解説します。

登山届とは

まずは、登山届の概要や書き方について確認していきましょう。

登山届の提出は登山者の命綱!

登山届は、登山をするときに作成・提出する書類です。登山届には、登山者の住所・名前や行動計画、持ち物などを記入します。そのため、登山者が遭難したときの捜索の手がかりになるのです。

登山届の提出は義務ではありません。ただ、長野県や群馬県などの指定された登山道・地区を通る場合は、登山届を提出する必要があります。下図は登山届の提出が必要な登山道が記載された長野県北東部の指定登山道位置図です。

画像引用:長野県登山安全条例指定登山道位置図(県北東部)

また、登山届の作成によって地図やアクセス方法、持ち物などを確認し、登山のシミュレーションができるため、登山をする前から登山の気分が味わえます。登山者によっては、「登山届の作成も楽しい」という方もいるようです。

なお、登山届と似た名称の登山計画書は、登山届と同じ性質であるため同じ書類と言えます。

登山届の書き方とは

登山届は登山計画書とも言われているように、登山計画を記入する書類です。登山届には、以下のような項目を記入します。

  • 登山者の情報:氏名・郵便番号・住所・電話番号
  • 登山開始・下山予定:年月日・時間
  • 山名:縦走する場合は複数記入
  • 行動計画:日付・通過ポイント(登山ルート)
  • 持ち物:食料・登山用具
  • アクセス方法:公共交通の場合は行き帰りの時刻・車の場合は車種・ナンバーも
  • 同行メンバーの情報:氏名・住所・電話番号

記入する項目は多いですが、一つひとつ記入することで忘れ物や計画の不備に気づきます。また、公共交通機関を利用する場合は、登山届の作成によって乗り継ぎ時刻を確認するため、移動時間のロスを減らせるというメリットもあります。

ちなみに、以下のように都道府県の警察のホームページから、登山届の書式をダウンロードできます。

画像引用:埼玉県県警 電子申請・届出サービス 申請書ダウンロード
画像引用:埼玉県県警 電子申請・届出サービス 申請書ダウンロード

登山届の提出方法

登山届には、作成や提出の方法の違いがあります。ここでは登山届の提出方法の違いを作成方法ごとに解説します。

登山届は警察署や登山ポストへ

紙の登山届は、登山予定の山を管轄する警察署や交番・駐在所に提出します。登山口に登山ポストが設置している場合は、そこに提出してもかまいません。また、登山届には、「いつ、どの山を、誰と登ったか」が書かれています。家族に登山の内容を知らせるためにも、登山届を渡しておきましょう。

ちなみに、東京都内で登山する場合は、以下の警察署とその管轄の交番・駐在所に登山届を提出してください。

  • 青梅警察署:JR青梅線沿線から秩父山系・大岳山系に登山する場合
  • 五日市警察署:JR五日市線沿線から大岳山系に登山する場合
  • 高尾警察署:高尾山系に登山する場合

インターネットならオンラインで提出できる

登山届はパソコンやスマートフォンでも作成し、オンラインで提出できます。紙の登山届を提出し忘れた場合や登山予定の山を途中で変更する場合も、移動中に提出できるため便利です。

ほとんどの都道府県警察がオンラインでの提出に対応しています。都道府県警察のインターネットサイトから直接提出する場合や電子メールで提出する場合、FAXで提出する場合があります。忘れないために事前にオンラインで提出しましょう。

YAMAPやコンパスなどのアプリで登山届が提出できる!

登山届は紙やインターネットの他に、YAMAPやコンパスなどのアプリでも作成できます。さらに、YAMAPやコンパスと協定・連携している都道府県では、アプリから登山届を直接提出できます。

しかし、すべての都道府県と協定・連携をしているわけではありません。協定・連携がない都道府県で登山する場合は、紙に印刷しそのまま提出するという手段があります。

なお、コンパスのアプリには下山通知機能がついています。下山通知機能を使えば下山したことがわかるため、周りの方を安心させられますよ。

下山後はどうする?

「登山届を出して登山をしたら下山届も出すの?」と思われる方が多いかもしれません。疑問に対する回答は「下山届は提出しなくてもよい!」です。なぜなら、登山届は下山届とセットで使われる書類ではないからです。予定通りに下山しないときに、警察が登山者の捜索に役立てるために使います。登山届に記入した情報が、警察の捜索のときに役立つのです。

ただ、先ほど解説したコンパスのアプリには下山通知機能がついているため、使用した場合は下山通知を行って周りの方を安心させましょう。

登山届が必要な山とは

「低山を登るときは登山届を出さなくてもよいのでは?」と思う登山者もいるでしょう。最後は、登山届の提出が必要な山や提出しないときの危険性について解説します。

どんな山でも登山届を提出しよう!

登山予定の山が低山だとしても、登山届の作成・提出によって安全に登山を楽しめます。登山届の作成は、登山計画の見直しに役立つためです。記入した登山届を確認することで、以下の項目が客観的に見えます。

  • 無理のないスケジュールか:ポイント間の移動時間、公共交通機関の乗り継ぎ時間
  • 自身のレベルに適した登山か:移動時間を確認し自分の登山経験と比較できる
  • 食料・登山用具が不足していないか:確認することで不足に気づきやすい

先ほど解説したとおり、登山届は遭難した場合に役立つ書類であることは変わりません。ただ、登山届を作成することによって、登山自体を安全なものに近づけ遭難の危険性を減らしてくれるのです。

登山届を出さないと遭難したときに・・・

登山届を作成・提出しない登山は、遭難だけではなく遭難時の両方の危険性を高めます。先ほど解説したように、登山届の作成で遭難の危険性が軽減します。さらに、遭難した場合も、捜索するための多くの手掛かりが警察にはあるため、発見の可能性を高めてくれるのです。

上記のように登山届の提出には大きなメリットがあります。その登山届を提出しないと、遭難時に発見されにくく、最悪の場合、命を落としてしまうかもしれません。安全に登山をするためにも必ず登山届を作成・提出しましょう。

登山届・登山計画書を提出して安全に登山しよう!

登山に危険はつきものです。ただ、危険性ばかり気にしては登山を楽しめません。登山届を作成・提出することは、登山の安全性を高め遭難の危険性を減少させます。遭難した場合も、捜索に必要な多くの手がかりになるのです。また、登山届の作成自体が、登山の楽しみを増やしてくれます。楽しく登山するためにも登山届を作成・提出しましょう。

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