辺境写真家という肩書きで活動する私は、文字通り各国・各地の辺境で撮影を行なっている。
辺境の地は、得てして過酷な環境である。森林であったり、標高4000mを超える高地であったり、はたまた熱帯の地であったり、気温-30°Cの極寒の地であったりと。
そんな中で最も辛いのが寒さである。

 

ソレルの定番スノーブーツ「カリブー」

寒さは足元から。
体の中で最も下部に有り、冷えた地面と直接接する足。「頭寒足熱」という言葉があるように、心臓から最も離れた足を寒さから守ることで、体全体の冷えを防ぐことができる。
そこで登場するのがスノーブーツである。
私はソレルの定番スノーブーツ「カリブー」を愛用している。

ソレルは、今でこそコロンビアグループであるが、元々は1962年カナダにて創業した老舗のスノーブーツブランド。その品質には定評がある。カリブーはその中でも創業当時からあまり形を変えずにある名作である。
風景撮影の場合、光の状態などが理想的になるのを、動かずにひたすら待つことが多い。それは何時間に及ぶことはザラにある。-30°Cの極寒の状況であれば、それは非常に厳しいものがある。しかし、カリブーの使用限界温度は-40°Cであり、ウールのソックスを組み合わせることで、-30°Cでも何とか耐えることができる。
よって、冬のチベットなどでは、このカリブーが欠かせないのである。

防寒着として大事にしている帽子・手袋

帽子はモンチュラのニットキャップ「FOOBER」&フォックスファイヤーの「WASH ニットネックゲーター」

次も防寒具である。帽子とネックウォーマー。
帽子はモンチュラのニットキャップ「FOOBER」。あまり上部に長く伸びておらず、動く際に邪魔に感じないのがお気に入りの理由である。
ネックウォーマーは、日本のフォックスファイヤーの「WASH ニットネックゲーター」。フリーサイズではあるが元々は山ガールをターゲットに開発されたものと思われる。

一般的なネックウォーマーは、暖かさを保つためか多少の締め付け感を感じる。特に伸縮性が強いものでその傾向は強い。しかし、空気の薄い高標高の地では、首へのこの締め付け感が非常に辛い。しかし、このネックウォーマーは締め付け感が全く無く少し緩めだが、端にボアのようなものがついているので寒さが入ってくることもなく非常に重宝している。
ちなみに、フォックスファイヤーは釣り用の衣類から始まり、アウトドア系まで幅を広げたブランドである。しかし、近年はフォトグラファー向けの衣類やザックまで開発・販売しているので、写真家としてはありがたいブランドである。

 

辺境写真家 栗田哲男の愛用品

もう一つ防寒具として手袋。モンチュラの「FINGERLESS GLOVE」である。
-30°Cの極寒の地では、大きく厚みのある手袋を着用するが、もちろんそんな手袋をしたまま撮影など出来ない。しかし、素手となるとあまりに寒く、直ぐに凍傷の危険が生じる。そんな中で、少しでも暖かく保って少しでも長く撮影が出来るものはないかと探した結果が、この手袋だった。モンチュラのFINGERLESS GLOVEが使いやすいのは、親指以外は指が分かれておらず、着脱が速いことである。デザインも他ブランドのものよりも気に入っている。

カメラを持ち歩くからこそ便利なギア類

辺境写真家 栗田哲男の愛用品

衣類としてもう一つ愛用しているのは、Buffのヘッドウェアである。
ヘッドウェアと書いたが、これはネックウォーマーにもマスクにもなる。特に土埃の多い状況では、マスクとして重宝する。
私は、さらにもう一つ裏技的な使い方をしている。
雨天時の撮影で、Buffを望遠レンズの筐体に巻くのである。これだけで意外とレンズが大きく濡れない。しかもBuffは速乾素材であるので、直ぐに乾く。

 

ビッグパック(名称不明)とマムートの「WAISTPACK HIKE」

最後に紹介したいのはウエストポーチである。
私はビッグパック(名称不明)とマムートの「WAISTPACK HIKE」を愛用している。私がウエストポーチに入れるのは、標準ズームを装着したカメラである。
私が撮影に訪れるような地は、かなり歩かなければならいことが多く、カメラを常に首からぶら下げておくことはできない。そんな状況で、カメラに直ぐにアクセス出来るという意味では、ウエストポーチは便利である。しかし、ウエストポーチでレンズを装着した一眼レフが入るほどの大きなものは少なく、長く探して使えると思ったのが上記の二つのウエストポーチである。

以上、特殊な環境での装備ではありますが、皆様の何かの参考になればと思います。


写真集『虫 草 - チベット・極限の標高5000m地帯で冬虫夏草を採る人々 -』栗田哲男 写真集「冬虫夏草」
漢方の高級生薬とされ非常に高値で取引される。その産地はチベットの標高5000m地帯であり、一年の内、五月初旬からおよそ一ヶ月半しか採取ができない。この時期になるとチベット人は家財道具一式を持ち、子供たちも含めて一家全員が山に入り、テント暮らしをしながら日々採取に励むのである。
採取を行う山の環境は過酷そのものである。強烈な紫外線で肌が焼けるように暑かったかと思えば、急に雹や吹雪という極寒の環境に変化する。それはまるで一日の内に四季が存在するかのように。

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