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三嶺~剣山 避難小屋泊縦走旅 2023.04.09-10

三嶺~剣山 避難小屋泊縦走旅 2023.04.09-10

今年15.16日目の山行は三嶺から剣山縦走。剣山縦走で登る山は以下の通り。

剣山縦走で登る山

三嶺(1,894m)

みうね、さんれいと呼ばれ、剣山国定公園の西端に位置し、高知県最高峰。山頂は高知県と徳島県の県境にある。

次郎岌(1,929m)

じろうぎゅうは宮ノ浦岳に次いで西日本4位の標高を持つ。太郎岌と呼ばれる剣山に対峙することから次郎岌と名がついたとか。

剣山(1,955m)

徳島県最高峰で西日本第2峰の日本百名山。リフトもあって比較的楽に登ることが出来る。
剣山国定公園全体的にシカの食害が酷く、稜線上は笹原が広がり、展望の良さに繋がっている。

剣山縦走のルート

  • 1日目:名頃駐車場~ダケモミの丘~三嶺ヒュッテ~三嶺~三嶺ヒュッテ
  • 2日目:三嶺ヒュッテ~三嶺~カヤハゲ(東熊山)~白髪避難小屋~平和丸~高ノ瀬~丸石避難小屋~丸石~次郎岌~剣山~見ノ越駐車場~名頃駐車場

気温

2℃~12℃(2℃は朝の小屋内。外は0℃以下)

風速

7m/秒~10m/秒(日の入り/日の出)

レイヤリング・行動着

  • インナー…Finetrackのドライレイヤー
  • ベース…ARC’TERYXのポリ100→アイスブレーカーのウール100
  • アウター…アンドワンダーの山シャツ
  • パンツ…ARC’TERYXのガンマLT
  • グローブ…アクシーズクインのメッシュグローブとレイングローブ
  • 帽子…clef(クレ) RONNIE JET CAP
  • 靴…SALOMON センス4プロ
  • 防寒着…MILLETのポーラテックアルファーダイレクト、カリマーのプリマリフトのジャケット

2020年6月に日帰りで時計回りで縦走した時に、逆回りで三嶺ヒュッテ避難小屋泊縦走したいと思い、念願かなった。

剣山縦走のルート-1日目

前回の縦走時、登山道はサクッとクリアできたけど、名頃から見ノ越までのロード10㎞(400m登り)がキツすぎた記憶から、下山を見ノ越にして自転車で名頃駐車場まで行く計画。ということで見ノ越駐車場に自転車をデポさせていただく。

観光リフトは4月15日からとのことで、トイレも締め切られ、仮設トイレあり。

車で名頃駐車場に移動。途中の奥祖谷二重かずら橋と名頃駐車場に綺麗なお手洗いあり。

12時前山行開始。初日はコースタイム3時間半。基本的に尾根を進む。

登り始めと三嶺ヒュッテ直前が少し急登やけど、ほとんどなだらかで歩きやすい。とは言うものの久々の10kg超えのザックなのでゆっくり楽しむ。

登山道にはピンクテープがたくさんある上に緑のロープで目印してくれているため安心。ダケモミの丘で小休止。

しばらくなだらかな道を登っていると、ここら一帯特有の植生で、高い木がなくなり視界の良い笹原となる。

大きな岩がある場所で振り返ると剣山と次郎岌が見える。明日のゴールが見えて、あの時の縦走を逆回りでまた楽しめると思うとドキドキしてくる。

大きな岩辺りから登山道は一人分の幅となり、ガレていたり一歩が大きくなったりと少し集中して歩く。登りきると三嶺山頂とヒュッテの分岐に出て、天空の池と言われる見残池が目の前に。分岐を右に行くとすぐに三嶺ヒュッテ到着。予定通り15時30分。

一旦中に入り状況を確認。とても広くて2階もあるので、2階に陣取る。日曜日ということもあり利用者はもう一組のみ。日の入りの18時30分まで時間があるので寝床の準備。入り口に銀ロールマットがあるのでありがたく使わせていただく。

マットはKLYMIT のイナーシャオゾン、シュラフはナンガのオーロラ450DX(0℃対応)。

18時、日の入りめがけて山頂へ出発。辺りはガスに包まれている……さっきまで雲一つなかったのに……。

10分程で登頂。山頂は西からの強風。発生したガスがその風に流されている。

斜面に当たったガスは上昇し渦を巻いている。それはそれで幻想的。レインウェアを着てこなかったことを少し後悔。

18時30分、日の入りが間もなくになると辺りのガスはパッと消えてなくなっていった。ショータイムの始まり。刻一刻と太陽は沈み、空の色はどんどん変化していく。太陽の下部が隠れるとなんだか寂しい気持ちになってくる。

あぁ、完全に沈んでいく……と思ったら太陽が出てきた……?雲に一度隠れただけだった。その雲のすぐ下に本当の山並みがあり、いよいよ日の入り。完全に山に隠れて日の入り。

まだ辺りはほんのり明るいけど、空気が変わり、より一層寒さを感じるように。大満足で三嶺ヒュッテに戻る。

見残池の対面を歩いたけど、池のリフレクションが素敵だった。小屋に戻ると冷えきった身体を温めるために寝袋にくるまり晩御飯を。

まったりしているともう一組の方がコーヒーを飲もうとお声がけしてくれ、ご馳走になる。マットも寝袋もウェアも結構山登ってはるんやろなぁと思う、いいのん持ってはって勝手に勉強させてもらいました。

登った山、良かったルート等の話で盛り上がる。いい時間になったので、お開き。

お手洗いがてら外に出ると満天の星空。流れ星も見えそうやったけど、寒すぎるためそそくさと退散し寝袋に。今回、トレランシューズで来たということもあり、シューズや靴下はメッシュタイプのため日の入りを見ている時から痛み通り越して感覚が無くなってきてた。冷えきった足は寝袋に入ってもなかなか温まらない。カイロで擦ってもだめ。そんな状況でも知らん間に寝てた自分はなかなか強者なんかも。

剣山縦走のルート-2日目

4時起床。温度計を見ると2.8℃(外はおそらく氷点下)外は暴風の音がしている。そして足はまだ冷えきっている。

当初は朝食も片付けも済まして、御来光を三嶺の山頂で見て、6時頃縦走開始予定やった。気温、風、足の状態を鑑みて三嶺山頂での御来光は諦めて5時15分まで寝ることに。再度起床し窓から外を見ると明るくなってきている。

昨日の反省からレインウェア上下バッチリ着て小屋の外へ。昨晩よりもかなり強い西風。

背中を押す風で時折よろけながら待つ。

シューズのメッシュ、パンツの裾の隙間から容赦なく冷風が襲う。寒さが限界となり諦めて小屋に戻ろうかと思ったその時、まさかの剣山山頂から御来光が登場。

意表をつかれすぎて拍手とガッツポーズが自然と出る。日の入りと一緒で刻一刻と太陽は登り5分もすれば完全に姿を表す。空はオレンジから水色になっていき冷えた体を温めてくれる。

本日の山行を応援してくれているように感じ、大満足で小屋に戻る。小屋に戻ると急に現実に戻ったように足の冷たさを思いだし、寝袋に入ってカイロで溶かす。

この足では使い物にならないと感じたため、温めながらゆっくり朝食&片付けし、結局山行開始は7時過ぎ。おかげで足は回復し問題なさそう。

三嶺山頂は相変わらず風が強い。西に延びる天狗塚や牛の背への稜線が格好いい。

そして南や東を見れば本日歩く天空の稜線が全て見える。稜線の先にはもちろん次郎岌と剣山。三嶺直下の下りは一番の集中ポイント、鎖場。分かりやすいステップがあるため危険度は低いが傾斜はそこそこある。

巻き道もあるけども。鎖場を終えると風もなくなり、日もどんどんあがって暑い。
レインウェア上下、アクティブインサレーションを脱ぎ、インナー、ウールのベース、山シャツでちょうど良い感じ。足もバッチリで体が温まると空腹に。

ボトルに入れた柿の種をこまめに食べる。今回はこの補給がうまくいき最後までバテずに歩けたと思う。カヤハゲ(東熊山)まで登るといよいよ東に展開している天空の稜線、縦走の始まり。

シカの食害もあり高い木があまりなくシコクザサが一面を覆うトレイルは展望抜群。進むごとに何度も立ち止まって振り返る。後ろにはこれまで歩いてきた軌跡、前には剣山までの進む道が常に見えている。

細かいのを含めると15以上のピークを登り下りする今回の縦走やけど、カヤハゲから丸石まではほとんど平坦なイメージ。

丸石避難小屋で昼食休憩、丸石を越えるといよいよ次郎岌の登り。2日目のルートで1番の登り、足もそれなりに疲れてきているけど、次郎岌に登るわくわくで歩き続ける。

途中の岩の上でカメラを構えている写真が今回1番のお気に入り写真でトップ画に。次郎岌到着。

西には三嶺、カヤハゲ、平和丸、高ノ瀬、丸石と全て見渡せる。歩き通してきたからこそ味わえる感動。そしてラスボスの剣山は目の前。

150m下って150m登る。

数字をみると余裕やけどこれまでの疲労でゆっくりしか進めない。でも確実に。剣山山頂直前の次郎岌をのぞめる素敵な岩に乗る。

剣山から次郎岌への稜線は日本一美しいと思ってるし、何度も見てきたけど、三嶺から縦走してきた後に見ると感動もひとしお。

剣山に登ったら後は下るのみ。山頂のお手洗いや山頂ヒュッテも営業期間外で閉鎖中。

山頂ヒュッテから少し下った日当たりが悪い箇所に雪が少し残っていたけど、アイゼン等は不要。

リフト下をくぐるトンネルを越えると間もなく下山。デポさせていただいていた自転車でほぼ下り坂の439号線を名頃駐車場まで走る。

このロード10㎞、2時間をまた歩くと考えるとぞっとする、なので作戦成功。

お風呂&コーヒー牛乳でさっぱりして途中の淡路SAで晩御飯を食べたら無事帰阪。

初めての避難小屋泊登山は天気バッチリで過去1番思い出深いと言っても良い程の山旅となった。

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