クローズドセルマットはテント泊登山の軽量化にインパクトを及ぼすテントマットとして人気があります。今回紹介するのは、クローズドセルマットの中では最も軽量で、寝心地の違いで2種類の厚みから選べる山旅ULテントマットです。
クローズドセルマットとは
クローズドセルマットとはポリエチレンを発泡させた素材で独立気泡の構造をなしているマットのことを言います。独立気泡とはマットの中の気泡(セル・空気の泡)が独立していることを言い、この構造であることから以下のような3つのメリットがあります。
- フォーム自体に入っている空気が外部に逃げにくい
- 元の形状に戻りやすく反発力がある
- 内部に水分が入りにくく水に浮きやすい(ビート板)
今回紹介する山旅ULテントマットは発泡倍率が67倍もあるため独立気泡の数が多く、それ故に非常に軽量なクローズとセルマットに仕上がっています。
エアーマットとクローズドセルマットの比較
テント泊登山用のテントマットにはクローズドセルマット以外にエアーマットという選択肢があります。このエアーマットとクローズドセルマットを比較してみましょう。
軽量性
最も軽量なエアーマットとして知られるサーマレストのネオエアーウーバーライトSが51×119cmサイズで170gです。対して今回紹介するクローズドセルマットの中で最も軽量な山旅ULテントマットが50×120㎝サイズで約97.2gなので、軽量なモデルを選べばクローズドセルマットの方が軽いです。
コンパクト性
51×120㎝サイズの クローズドセルマットはクルクルと丸めて直径13×51㎝という大きさなのに対し、エアーマットは空気を抜いてスタッフバッグに入れると直径8cm×15cmと非常にコンパクトになります。エアーマットはザックの中に収納することができますが、クローズドセルマットは、ザックの外側に取り付けるなどする必要がありコンパクト性には欠けます。
耐久性=安心感
エアーマットはゴツゴツした岩や小石の上にテントマットを敷くことで穴が開いて空気が抜ける可能性があります。対してクローズドセルマットは雑に扱ってもマットとして使えなくなることはありません。だから岩や石などがゴロゴロしているテント場で食事をする時に座布団のように使うことができます。使い続けていくうちに傷がついていくことは否めません。
気軽にすぐに使える
エアーマットは空気を入れて膨らませないといけません。使い終わったら空気を抜いてくるくると畳んでコンパクトにしなくてはいけません。対してクローズドセルマットは何の準備も必要なくすぐに使えるし片付けられます。だから休憩中に使うのにも便利です。
このようにエアーマットと比較するとクローズドセルマットのメリットとデメリットがわかると思います。
超軽量な山旅ULテントマットの特徴
山旅ULテントマットは世の中にあるクローズドセルマットの中で圧倒的に軽量です。登山装備の軽量化に力を入れている方に大変おすすめなテントマットです。この山旅ULテントマットの特徴を紹介していきます。
サイズ
山旅ULテントマットは2種類の厚さがあります。軽量性を重視するならば1cm厚、寝心地を重視するならば1.5cm厚を選ぶのがおすすめです。
エアマットを使い続けている方が1cm厚のULテントマットで寝ると、寝返りをうつ時に音がしなくて良いのですが、少し硬さを感じます。決して素晴らしい寝心地とは言えません。
どちらの厚みのマットも熱したカッターで自由な長さにカットすることができます。最大200cmの長さから販売していて、その他に180cmと160cmの長さもあります。自分の身長に合わせてサイズを調整することで自分サイズの軽量テントマットを作り出すことができます。
例えば200cmの長さを購入して180cmにカットしたら20×50cmの背面パッドを作ることができます。背面パッドはエアマットを使う時の座布団代わりにしたり、少し斜めになったテント場で就寝するときに低い側にパッドを敷くことで、体の傾きを抑制するなど、様々な使い方ができます。
R値
R値と言われる熱抵抗は
- [材料の厚さ(m)]÷[材料の熱伝導率]
で表すことができます。山旅ULテントマットの熱伝導率は0.0387W/m・Kで、1cm(0.1m)の厚さの場合はR値2.58、15㎝(0.15)の厚さの場合はR値3.87です。このR値がどの季節に対応できる程度の数値かを表したサーマレストとシートゥサミットの図を見ると以下のことが言えます。
- R値(0~2.0):夏向け
- R値(2.0~4.0):3シーズン向け
- R値(4.0~6.0):積雪期
山旅ULテントマットは3シーズン向けに適したテントマットです。
登山ザックへの取付方法
登山ザックへの取り付け方法は、山旅ULテントマット用ストラップがあると便利です。このストラップがあるとテントマットをロールした後に固定することができます。
風に飛ばされやすいマットなので、ロールしてまとめた後にカラビナを使ってザックに固定しておくことができます。山旅ロックストラップにはループが備わっているので、カラビナを簡単に取り付けることができます。