東北屈指の花の山である焼石岳。初夏にはハクサンイチゲやミヤマシオガマ、イワカガミやミヤマキンバイなど、多種多様の高山植物が山肌を彩ります。以下では、焼石岳の魅力やおすすめの登山コースについて解説します。
焼石岳ってどんな山?
岩手県奥州市の西方に位置する「焼石岳」。山頂付近に焼けたような石が多く見られることから、「焼石」と呼ばれています。日本二百名山や日本の花の百名山に選ばれており、花のシーズンには多くの登山客が訪れます。
山名 | 焼石岳(やけいしだけ) |
場所 | 岩手県奥州市、和賀郡西和賀町の境 |
標高 | 1,547m |
天気・アクセス | 焼石岳の詳細情報 |
東北屈指の花園【焼石岳】の見どころ
東北でトップクラスの花の山である焼石岳。以下では焼石岳の魅力をシンプルにご紹介します。
山稜一面に広がるハクサンイチゲのお花畑
焼石岳は、標高1,600mに満たないながらも、多種多様の高山植物が咲きます。雪解けの6月から8月にかけて、ミズバショウやハクサンイチゲ、ヒメオウギアヤメなど、時期ごとに多様なお花畑が見られます。なかでも、山頂直下にある姥石平で、辺り一面ハクサンイチゲが咲き乱れるお花畑は見物です。
▼焼石岳で見られる高山植物はこちらから
焼石連峰花ごよみ | 焼石観光開発連絡協議会 (yakeishi.com)
湖沼に咲く花々が奏でる美しい自然庭園
焼石岳の山域には湖沼が散在しており、周りにはミズバショウやリュウキンカなどの高山植物が咲きます。湖沼の水面に青空が映え、さらに色鮮やかなお花が囲む風景は、まさに自然庭園のようです。
東北中部の山々を望む大展望
焼石岳の山頂は全方位開けており、早池峰山や岩手山、鳥海山などの東北中部の山々を一望できます。
焼石岳の難易度別登山コース
焼石岳の登山口はおもに3つあります。
- 中沼登山口
- つぶ沼登山口
- 東成瀬3合目登山口
それぞれの登山口から、山頂までは約3時間半~4時間半かかるため、どのコースも中級者向けです。以下では、それぞれの登山コースの特徴について解説します。
【中沼コース】人気の最短ルート
焼石岳山頂までの最短コースで、中沼や上沼などの湖沼めぐります。
中沼登山口は、尿前林道を車で約7㎞ほど走らせたところにあります。登山口から中間地点の銀明水までは樹林帯の道です。途中には湖沼と湿原が広がり、ミズバショウやリュウキンカなどの高山植物が咲きます。
銀明水から上部に進むと、低木帯の展望が開けた道になります。例年7月末まで雪が残るので、軽アイゼンがあるとよいでしょう。
急坂を登り、姥石平分岐のところまで行くと、山稜一帯には高山植物が見事に咲き乱れます。姥石平分岐から山頂までは約20分。最後の急登を登って山頂を目指します。
【つぶ沼コース】美しいブナ林を望むルート
ブナの原生林を楽しむルートで、新緑や紅葉の時期におすすめのコースです。
登山口から銀明水の少し手前まで、ブナの原生林が続きます。道中には石沼があり、上から見下ろす石沼とブナ林のコントラストが美しい。
銀明水の手前では、中沼コースとの合流ポイントとなります。その先では、姥石平に広がるお花畑や山頂の大展望などが楽しめます。
【東成瀬3合目コース】なだらかで穏やかな山歩きができるルート
秋田県側の登山口から登るコース。比較的なだらかで登山者も少なく、穏やかな山歩きが楽しめます。
登山口からブナ林を縫うように登山道が続きます。6合目手前では、胆沢川付近で、沢を渡る徒渉地点がいくつかあります。増水時は渡れなくなるので注意しましょう。
さらに進んで焼石沼のあたりに出ると展望が開け、登山道の周りにはたくさんの高山植物が咲きます。7月中旬には、ミヤマキンポウゲが大群落をなし、あたり一面黄色に染め上げる。焼石岳への分岐から岩場を抜けると山頂へ着きます。
焼石岳登山口へのアクセス方法
焼石岳の各登山口へのアクセス方法を以下に記します。
それぞれの登山口のマップはこちらから
中沼登山口へのアクセス方法
・マイカー
東北自動車道 水沢ICより車で約1時間(約30㎞)
・公共交通機関
①東北新幹線 水沢江刺駅下車
駅からタクシーで約1時間10分
②東北本線 JR水沢駅下車
駅からタクシーで約1時間
つぶ沼登山口へのアクセス方法
・マイカー
東北自動車道 水沢ICより車で約45分(約30㎞)
・公共交通機関
①東北新幹線 水沢江刺駅下車
駅からタクシーで約1時間
②東北本線 JR水沢駅下車
駅からタクシーで約50分
東成瀬3合目登山口へのアクセス方法
・マイカー
東北中央自動車道(湯沢横手道路) 十文字ICより車で約1時間(約30㎞)
・公共交通機関
奥羽本線 JR十文字駅下車
登山口までタクシーで約1時間
焼石岳下山後の山旅スポット
登山後は温泉に入って汗を流したいですよね。以下では、焼石岳の下山後に立ち寄りたい山旅スポットとして、日帰り温泉施設を2つご紹介します。
焼石クアパーク ひめかゆ
水沢より焼石岳の途中にある「焼石クアパーク ひめかゆ」。3つの浴室と、異なる2つの源泉の湯が楽しめます。ひめかゆの温泉はミネラル成分が多いのが特徴です。ミネラル成分が肌に浸透し、体をよく温めてくれます。
施設名 | 焼石クアパーク ひめかゆ |
場所 | 岩手県奥州市胆沢若柳天沢52−7 |
泉質 | 天沢の湯 :ナトリウム塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉) 石渕の湯・番所の湯:ナトリウム塩化物泉(高張性中性高温泉) |
日帰り入浴料 | 大人700円、子供350円 |
施設HP | 【公式】焼石岳温泉 焼石クアパーク ひめかゆ 2つの源泉と栗駒国定公園や焼石連峰を望む露天風呂が自慢の温泉宿 (himekayu.jp) |
やまゆり温泉 ホテルブラン
秋田の東成瀬村にある「やまゆり温泉 ホテルブラン」。泉質が国内でも稀な、ph9.8の強アルカリ性単純硫黄温泉。源泉かけ流しで、ツルツルとした湯ざわりが特徴です。肌の不要な角質を取る働きがあることから、「美肌の湯」と言われています。
施設名 | やまゆり温泉 ホテルブラン |
場所 | 秋田県雄勝郡東成瀬村椿川字柳沢39-7 |
泉質 | 強アルカリ性単純硫黄温泉 |
日帰り入浴料 | 大人500円、子供300円 |
施設HP | やまゆり温泉 HOTEL BLANC (yamayuri-onsen.com) |
東北屈指の花園【焼石岳】への登山を満喫しよう
焼石岳の魅力やおすすめの登山コースについて解説しました。6月から8月にかけて、多種多様の高山植物が咲き乱れます。時期ごとに見られるお花畑は変わるので、見たいお花の時期に合わせて訪れるとよいでしょう。