剱岳は富山県の上市町と立山町にまたがる、標高2999mの山で日本百名山の一座です。別名「岩と雪の殿堂」とも言われています。
氷河や風雨の浸食で作られた岩稜はまるで要塞で、太刀が連なっているように見えます。山そのものが不動明王として信仰の対象にされていたのも頷けます。
その人を寄せ付けない姿と難易度で山好きを惹きつけ、挑戦者が後を絶たない人気の山です。
一般登山道国内として国内最上級の難易度です。危険な場所が多く少しのミスが重大事故につながる可能性が高いため、登るには十分な技術、体力、経験、準備が必要です。また、単独登山は救助要請ができないリスクが大きいので、パーティ行動が良いでしょう。岩登りの技術は必須です。
時間に余裕を持たせた二泊三日で予定を組むのがおすすめです。
剱岳登山の人気と魅力
剱岳は、その急峻さから楽に登れるルートが存在しません。それは時代が変わった今も同じでしょう。その険しさは人を寄せ付けず、選ばれし者のみが挑戦を許されます。屈指の難易度ですが、試練を乗り越えた者が味わえる達成感や、未知に挑むロマンが人を惹きつけてやまないのでしょう。剱岳の岩場は三大岩場のひとつであり、登山家のみならずロッククライマーにも人気があります。
立山信仰では死の山とされ、登ることが禁じられていました。江戸時代の立山曼荼羅では針山地獄として描かれており、人々からは恐れられる存在でもありました。
登山が楽しめるのは7~10月頃。雪が融け、寒すぎない時期が登山に適しています。山開きは6月ですが、6月中旬までは積雪が多く、降雪することもあるため難易度が高くなります。剱岳は日本海にとても近く季節風が山にぶつかり冷やされるため降雪量が多いです。
最も人が多いのは、梅雨明けの7月下旬から8月のお盆頃。天気の良い週末の連休は、たくさんの登山客で混雑するので余裕を持って行動を。岩稜は濡れていると滑りやすいため、通常登山よりも天候に注意が必要です。梅雨が終わると快晴が続く日が多くなり、登りやすい時期と言えます。苦労して登った頂上からは360°の絶景が見えます。
剱岳|剣岳(富山県・北アルプス):標高 2,999mー難易度・天気などの最新登山情報|山旅旅 (yamatabitabi.com)
日本初の氷河を発見
これまで日本に氷河は存在しないとされていましたが、観測装置の軽量化で持ち運びが容易になったことが氷河の発見につながりました。剱岳にある三ノ窓雪渓、小窓雪渓、池ノ谷雪渓は実は氷河だったのです。氷河は降り積もった雪が重さで氷になり、動いています。パスポートなしで一番身近に観る事ができる氷河ではないでしょうか。
立山信仰では死の山
剣岳は立山信仰で針山地獄とされており、登ることは禁じられていたので前人未踏と思われていました。しかし、明治時代の陸軍が測量で登ったところ、頂上には錫杖頭と鉄剣がありました。これは奈良時代から平安時代のものとされ、その昔は屈強な修験者だけが登ることを許された山だったのかもしれません。古代の修験者は登山道具もないのに、どのルートを登って行ったのでしょうか、謎が多いです。
スリル満点の登山コース
カニのたてばいやカニのよこばいの名前は登山好きではなくても聞いたことがあるのではないでしょうか。剱岳にはそれ以外にもクサリ場、ハシゴ、断崖絶壁のトラバースと危険な場所ばかりです。一瞬でも気を抜いたら死んでしまうという体験は日常ではなかなかできません。険しく辛い道のりですが達成することができれば、何でもできるという自信がつくのではないでしょうか。非日常を求めて山に行かれる方もいらっしゃると思いますが、剱岳は山の中でも別格です。
剱岳の難易度別おすすめ登山コース
剣岳の主要コースは別山尾根コースと早月尾根コースの2つです。どちらも同じくらい難しいのですが、別山尾根コースの方が標高差少なめで登りやすく人気があります。剱岳初心者でも安心できるのは別山尾根ピストンはではないでしょうか。
登山口 | 室堂ターミナル | 馬場島 | ||
片道距離 | ||||
片道コースタイム | ||||
標高差 |