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【日帰り登山】浅間山は初心者でも楽しみ方多彩難易度別ルート&アクセスをご紹介

【日帰り登山】浅間山は初心者でも楽しみ方多彩難易度別ルート&アクセスをご紹介

浅間山(あさまやま)は長野県北佐久郡軽井沢町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある標高2,568mの成層火山です。富士山と同じ独立峰の雄大さは、長野側・群馬側どちらから見ても美しく「日本百名山」とともに「花の百名山」にも選定されており、四季折々のロケーションは初心者から上級者まで多くの登山客を魅了しています。

浅間山ってどんな山?魅力を徹底解説

生きている浅間山

太古の昔から噴煙を上げ続けている成層火山であり(記録にある最も古い噴火は685年)、これまで噴火と山体崩壊をいく度となく繰り返しながら現在の美しい姿になった世界でも有数の活火山です。

そのため日本で最初に火山観測所が設置されるなど、国内で最も監視体制(24時間)が整えられた山のひとつです。

気象庁による噴火警戒レベルが設定されており、その時点の警戒レベルで立ち入れるエリアが変わりますので、入山の際は事前の情報をしっかり確認し、必ず各登山口にある「登山計画書」を提出しましょう。

山の名前浅間山
標高2,568m
エリア長野県/群馬県
詳細情報浅間山の地図・天気

浅間山史上最大規模、天明3年(1783年)天明の大噴火

数十万年前より噴火を繰り返す浅間山。685年の噴火は日本書紀にも記されています。

天明3年の大噴火は千人以上が犠牲となり、おびただしい数の家屋が流出しました。北麓を流れた溶岩が、まるで鬼が暴れて押し出したように見えることから「鬼押出し」と呼ばれ迫力の景勝地を創り出しました。

また、東北地方などで凶作となり100万人の飢餓を出した「天保の大飢饉」は、この天明の大噴火の噴煙によって太陽の日射量が数年間にわたり低下したことが原因ともいわれています。

出典:de59c179dc616dde64bb5ad095fdb4fe.png (824×527) (sekainorekisi.com)

「浅間・あさま」と呼ばれる理由は火山崇拝?

「あさま」とは火山をあらわす古語とされ、富士山の神を祀る神社が浅間神社(せんげんじんじゃ)と呼ばれるのも同じ理由となります。軽井沢町にある浅間神社(あさまじんじゃ)では、浅間山が鎮静するようにと明治天皇による勅祭が執り行われたということです。

東日本には浅間と呼ぶ社が数多く存在しますが西日本にはほとんどありません。

浅間神社

浅間山は季節によって姿を変える

前掛山から見る外輪山は荒々しく、活火山であることを実感できるダイナミックな山岳風景。そして山頂周辺からは視界をさえぎるものがない360度の大パノラマと訪れる人を飽きさせません。

また、積雪期の「まるでガトーショコラのよう」と称される雪をまとった浅間山は一見の価値あり!その姿を写真に収めようと雪山登山やスノーシューでのハイキングも人気です。

雪をまとった浅間山

高山植物の宝庫

上信越国立公園にも指定された豊かな自然により、貴重な植物や野生動物の宝庫となっています。浅間山・黒斑山(・高峰山は「花の百名山」にも選定され、5月~9月にかけては多種多様な高山植物、秋にはカラマツの黄葉など四季折々訪れる人を魅了します。

アサマフウロ、イワカガミ、アズマシャクナゲ、ミツバオウレン、ミネザクラ、ハクサンイチゲ、ハクサンフウロ、ユキワリソウ、ウスユキソウ、ツルキンバイ、ツガザクラ、ミネズオウなどの他にも可憐でけなげな花たちが出迎えてくれます。

アズマシャクナゲ
ミツバオウレン
ハクサンイチゲ

浅間山下山のあとは標高2000mの湯舟が疲れを癒す

車坂峠登山口には標高2000mの絶景が味わえる高峰高原ホテルの絶景風呂、浅間山登山口には鉄鉱成分が豊富で体の芯まで温まる天狗温泉があり、浅間山の絶景と達成感を味わった後は湯舟へ直行、山行の疲れを癒すことができます。

高峰高原ホテル こまくさの湯

浅間山の初心者にもおすすめな難易度別登山コース

浅間山は活火山だから初心者じゃ無理?と思う方も多いのではないかと思いますが、実はそんなことはなく、登山初心者でも挑戦できて十分に楽しめるおすすめの山です。

浅間山登山の起点は2つ、「車坂峠」と「浅間山荘」です。

高山植物を愛でる高峰山ハイキング

スタート地点車坂峠登山口
ゴール地点車坂峠登山口
地点間の片道距離1.7Km
累積標高上り:171m
下り:170m
片道コースタイム50分
難易度★☆☆☆☆

車坂峠登山口から黒斑山とは逆方向の高峰山(2091m)を目指します。
高峰高原ホテル裏の大鳥居をくぐってスタート。ここには小さいながら水洗トイレが設置されています。

カラマツと笹に覆われた登山道を進むと展望の良い粒が平に出ます。ベンチも置かれているのでひと休みしながら景色を楽しんでも良いでしょう。

高峰山まではゆるやかな稜線を進みながら黒斑山・前掛山の展望も楽しめます。前方に見える大岩を過ぎれば高峰山山頂です。眺望が良いので八ヶ岳や日本アルプスを見ることができます。

粒が平の分岐まで戻り、樹林の中を下り、林道に出れば車坂峠登山口に到着です。

高峰山山頂

浅間山・黒斑山・篭の登山 ピストン(表/中コース)

スタート地点車坂峠
ゴール地点車坂峠
地点間の片道距離2.82Km
累積標高上り:約489m
下り:約499m
片道コースタイム1時間12分
難易度★★☆☆☆

車坂峠登山口から表コースを進み車坂山へ。展望が開け篭の登山(かごのとやま)などを見ながらコマクサ展望台を過ぎると、槍ヶ鞘には避難用のシェルターが設置してあり、そこからは断崖絶壁「トーミの頭」を見ることができます。

トーミの頭に登れば浅間山、第一外輪山を望むことができ、黒斑山から蛇骨岳、仙人岳の稜線に目を向ければ誰もが声を上げるほどの見事な景観に出会えます。

トーミの頭からは約10分ほどで黒斑山山頂到着。蛇骨岳、仙人岳、鋸岳へ続く稜線がすばらしい。

トーミの頭へ戻ったら中コースを下り車坂峠登山口へ。

黒斑山稜線から見る浅間山

黒斑山~蛇骨岳~仙人岳~鋸岳 第一外輪山を周回(表/中コース)

スタート地点車坂峠登山口
ゴール地点車坂峠登山口
地点間の片道距離4.8Km
累積標高上り:899m
下り:896m
片道コースタイム2時間3分
難易度★★☆☆☆

車坂峠登山口から黒斑山へは先に紹介したルートと同じです。黒斑山から蛇骨岳へ進むと左方向に湯ノ丸山、篭の登山などが見えてきます。蛇骨岳からは東方向へ向きを変え仙人岳へ。

北側への視界が広がり「浅間高原シャクナゲ園」を眼下にゆっくり下ると鋸岳手前にJバンド下降点が現れ、鋸岳からは天明の大噴火の火砕流がつくった「鬼押出し」が見えます。

そこをさらに下れば賽の河原に到着です。浅間山の山容を目の前にして、その迫力に圧倒されることでしょう。

賽の河原分岐から浅間神社を経てトーミの頭を過ぎたら、中コースを下り車坂峠登山口へ戻ります。

湯ノ平・賽の河原のミネズオウ群落と浅間山

浅間山荘~火山館~前掛山 ピストン

現在は火口周辺は噴火警戒レベル2で規制されており(発表は2023年3月23日)前掛山への登頂はできません。警戒レベルが1に下がったら登頂可能です。
*場合によっては立ち入り禁止エリアが変わる場合もあります。
入山はあくまで自己責任になりますので、警戒情報は事前に必ずご確認ください。

スタート地点天狗温泉浅間山荘
ゴール地点天狗温泉浅間山荘
地点間の片道距離6.4Km
累積標高上り:1151m
下り:1151m
片道コースタイム3時間36分
難易度★★★☆☆

浅間山荘登山口から出発。なだらかな樹林帯を登り、一ノ鳥居をくぐると(公衆トイレあり)分岐しますので谷側コースを進み不動滝へ。ここまで約20分です。

そして勾配のある道を登ると二ノ鳥居、ここで山側コースと合流します。ここから急な上りがしばらく続き坂が終わると右手に牙山、左手にはトーミの頭が見えてきます。

歩を進めると次第に硫黄のにおいが漂い火山館に到着します。火山館は無料で開放されている施設で、公衆トイレやシェルター(一階)が設置されています。ここでは水の補給もできます。

浅間神社の近くを通り過ぎると平坦な道となり、湯の平高原の先には第一外輪山(黒斑山、蛇骨岳、鋸岳)の絶景を拝むことができます。

前掛山登山口分岐を過ぎ、視界の先に前掛山が全貌をあらわすと次第に傾斜がきつくなります。
分岐から約1時間ほどで「立ち入り禁止警告板」があり、ここから前掛山山頂へは第二外輪山に沿って進みます。

2つあるシェルターを過ぎれば第二外輪山のなだらかな稜線を進み前掛山山頂に到着です。遮るものが何もない360度の大パノラマが目に飛び込んでくることでしょう。

早く規制が解除され登頂できることを願うばかりです。

前掛山稜線

浅間山登山に関するQ&A

Q:噴火警戒レベルと立ち入り禁止区域について

浅間山は世界有数の活火山であるということを忘れずに、現在の警戒レベルと立ち入り禁止区域の確認は必ず行ってください。またシェルターの位置関係も把握し、いざというときのために備えておくことが重要です。

長野県による登山情報はこちら▼
浅間山登山情報/佐久地域振興局 (nagano.lg.jp)

噴火情報を知りたい方はこちら▼
気象庁|噴火警報・噴火速報 (jma.go.jp)

Q:浅間山の天気は?

山の天気は変わりやすいです。浅間山登山の際の詳しい天気情報は下記リンクから確認してください。

浅間山の天気情報はこちら▼
浅間山の天気 | てんきとくらす [天気と生活情報] (n-kishou.co.jp)

登山口へのアクセス・情報

浅間山登山口へのマイカー・バスによるアクセスと駐車場情報は次の通りです。

高峰高原(車坂峠)登山口

車坂峠登山口

標高2,000m弱の登山口からは黒斑山、仙人岳、前掛山、高峰山の登山ルートがあります。

高峰高原ビジターセンター前の無料駐車場には30台分の駐車スペースがありますが、早朝および満車のときは500mほど下ったところにある高峰マウンテンパークスキー場の無料駐車場が利用可能です。(収容台数700台)

高峰高原ビジターセンターにはトイレ、飲用水、売店、カフェも併設されております。また自治体ではヘルメットの着用を推奨しており、ビジターセンターでも無償で借りることができます。

  • 営業時間 8:00~17:00(駐車場も同じ)
  • 売店   8:00~16:30
  • カフェ  8:00~16:00

マイカーでのアクセス方法

上信越自動車道小諸I/Cを降り県道79号線を長野・上田方面へ
県道80号線(浅間サンライン)に出たら高崎・軽井沢方面へ
高津屋トンネルを抜け高峰高原へ(チェリーパークライン)
チェリーパークラインの終点付近が高峰高原ビジターセンターです。

バスでのアクセス方法

佐久平駅または小諸駅の各バス停から、JRバス関東の「高峰高原」行き路線バスに乗車し「高峰高原ホテル前」で下車します。車坂峠登山口はバス停のすぐ横です。
また、新宿駅から高峰高原ホテル前まで、JRバス関東による直行バスも運行されています。

一般路線バスの時刻表はこちら▼
佐久平駅・小諸駅~きのこの森~高峰高原 | ジェイアールバス関東 (jrbuskanto.co.jp)

新宿駅~高峰高原ホテル直行バスの時刻表はこちら▼
デジタル時刻表 | ジェイアールバス関東 (jrbuskanto.co.jp)

天狗温泉浅間山荘登山口

標高1,400mにある浅間山荘の施設近くにある登山者用の無料駐車場。収容台数は16台。
浅間山荘本館前の有料駐車場には50台駐車可能です。(1日500円、前夜泊の場合は1,000円)
トイレあり、飲用水あり。ヘルメットの無償貸し出しもあります。

浅間山荘では登山後に食事や一休みに利用できるテラス・レストランがあり、晴れた日にはオープンテラスで気持ちのよい時間を過ごせます。(ランチ営業もあり)

  • 無料駐車場の利用時間は7:00~18:00
  • 有料駐車場の利用時間は8:00~18:00
浅間山荘登山口

マイカーでのアクセス方法

上信越自動車道小諸I/Cを降り県道79号線を長野・上田方面へ
県道80号線(浅間サンライン)に出たら高崎・軽井沢方面へ
高津屋トンネルを抜け高峰高原へ(チェリーパークライン)
浅間山登山口の案内が出たら右折、さらに浅間山荘前で右折して200m先が無料駐車場

バスでのアクセス方法

佐久平駅または小諸駅の各バス停から、JRバス関東の「高峰高原」行き路線バスに乗車し「浅間登山口」で降車します。

バス停前のT字路を浅間山荘方面へ進み、林道を4Kmほど歩けば(約1時間)浅間山荘に到着です。火山館コースの始まりは、浅間山荘右側の鳥居からになります。

一般路線バスの時刻表はこちら▼
佐久平駅・小諸駅~きのこの森~高峰高原 | ジェイアールバス関東 (jrbuskanto.co.jp)

周辺のおすすめスポット・山旅スポット

浅間山周辺には見どころもいっぱい。

鬼押出し園

浅間山北麓ジオパークに認定されている景勝地です。
大噴火によってできた溶岩の芸術品ともいえるもので、規模は山頂火口から北方へ5.5㎞、幅は0.8㎞~2㎞とされ面積は6.8平方㎞といわれています。

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鬼押出し園 (princehotels.co.jp)

白糸の滝

北軽井沢にある優美な滝。高さは3mほどですが幅はなんと70mにおよび、岩肌をいっせいに流れ落ちる姿はまさに白糸のカーテンのようです。周辺には歩きやすい「信濃路自然歩道」が整備されていますので森林浴が楽しめます。

白糸の滝

白糸の滝 | 軽井沢観光協会 (karuizawa-kankokyokai.jp)

下山後の楽しみ登山口の温泉

登山口には日帰り入浴可能な温泉があります。

絶景風呂の高峰高原ホテル

高峰高原ホテルは登山口にありますので下山したら温泉へ直行。標高2000mの絶景風呂では雲と同じ目線でゆっくりと山行の疲れを癒すことができます。

  • 営業時間 11:00~18:00(17:30受付終了)
  • 料金(夏季)大人1000円 子供500円  (冬季)大人700円 子供300円
  • 電話 0267-25-3000

【公式】 天空の絶景宿 高峰高原ホテル | 軽井沢から40分 (takamine-kougen.co.jp)

赤褐色の天狗温泉浅間山荘

浅間山荘登山口にある鉄分が豊富な天狗温泉は、天狗が入ったから赤褐色になったという伝説をもつお湯で、山行で疲れた身体をジワーッと温めてくれます。

  • 営業時間 11:00~17:00
  • 料金 800円
  • 電話 0267-22-0959

【公式サイト】天狗温泉 浅間山荘 (tenguspa.com)

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