平標山は谷川連峰の西端に位置し花の百名山として知られます。標高は1,983m、谷川岳同様に気象の厳しさから標高1,500m付近が森林限界、その上は笹原が広がり視界が開けます。なので比較的低い標高でも高山植物が観察できます。登山ルートは湯沢町の国道17号沿いにある平標山(元橋)登山口から松手山を経ての登りが最もポピュラーなコース。平標山から谷川連峰の最高峰の仙ノ倉山(標高2,026m)への稜線歩きが人気です。このコースは稜線上からの景色がとても美しく、気持ちよく歩けます。
レポートは2022年5月28-30日時点の様子、今年2023年は季節の進みが2週間以上早い印象、例年より残雪は少ないようですが、5月の冷え込みの連続で植物群の開花状況は例年とほぼ同様とのことです。
平標山登山口元橋駐車場より平元新道登山口
ポピュラー登山ルートは松手山経由で平標山ですが、テン泊に撮影機材と重装備のこの日は平元新道登山口-平標山の家とのんびり楽ちんルートを行きました。(松手山は地味にきつい山なのです)
平標山の登山口駐車場は関越自動車道湯沢ICから約19km、または、関越自動車道月夜野ICから約35km。駐車場は約150台駐車でき清潔で新しいトイレがあり、駐車料金は1日600円です。
駐車場から平元新道登山口まで3Kmほど上信越自然歩道を行きます。二居川に沿う歩道は新緑とせせらぎのマイナスイオン満ち溢れた気持ち良い道です。
この日は開発中のプロダクトのフィールドテストと撮影を兼ねた山行きで、二居川にそそぐ小さな渓流での一コマ。
超小型ランタン、HEXAR UL3&UL4は耐暴噴流・防塵のIP66試験をクリアしていますが、それを表現する良いロケーションがありました。
ここまで登りは無く、平元新道登山口まで健脚な方なら40-50分ほどでしょうか。
美しい針葉樹林帯、傍らのヤマデマリを愛でつつ登ります。よく整備された登山道は難所・危険個所は皆無です。
素晴らしいロケーション「平標山の家」
平元新道登山口から登ること1時間少々で平標山の家に到着。森林限界・残雪と新緑、設備の行き届いた営業小屋と避難小屋。駐車場から2時間半程でこのロケーションって他には無いように思います。
山の家は平成18年に新築されました。食事付きの宿泊が可能で事前予約が必要です。避難小屋泊、幕営は予約の必要はありませんがスペース、収容人数に限りがあるのでご注意ください。開設期間は4月29日から10月31日まで。
テント場は公式には快適に張れるのは8張りとありますが、15張りはいけるでしょう。
清涼飲料やビールも販売してますが、雪解けの仙手清水に勝る飲み物は無いのでは? 飲み放題・汲み放題ですよ。
■営業期間:4/29〜10/29
■予約受付:090-7832-0316(4/1より)
受付時間8:30〜15:30
■営業小屋宿泊
2食:8,000円・夕1食:7,000円・朝1食:6,500円
素泊まり:5,500円
※定員は13名程度で設定しています。
■避難小屋宿泊※予約不要:2,000円/日
■テント泊 ※予約不要:1人500円/日
貸し出しシュラフ:1,000円
HEXAR UL3&UL4 フィールドテスト 1
様々なテスト、シミュレーションを経てTry1モデル(金型ファーストショット)までこぎつけますので、大きな設計ミスや動作不良が露見されることこそありませんが、それでも屋外での実使用は開発担当としては期待と少しの不安、発見もあります。
底部に強力なマグネット、重量とのトレードで採用を悩みましたが超小型軽量でも強力なネオジムマグネット部品を新たに開発して搭載しました。主に車やタープポールを想定してましたが山での使い道も。
この日、登山口でお会いしたT田夫婦、なにやら挙動不審な筆者と光り輝くプロトタイプに興味深々、寒空(本当に寒かった)の下で山談義で盛り上がりました。
小さくても強力なウルトラランタン、UL4(写真)は最大400ルーメンですがテーブルランプとしては半分の150~200lmもあれば必要十分で無段階調光、1台で電球色/昼白色の切り替えが可能です。
付属のポーチを被せれば光を優しく拡散すると同時に、ミニ三脚等を使わずに中型ランタン並みの配光高さとなります。
お二人にはインプレを頂くだけじゃなくモデルさんにもなって頂いて、、この日出会った方なのに。HEXAR開発担当者はかなり厚かましいです。
ランタンは7つの発光モードがあり、フラッシュライト(照射距離12m‣UL4)としての使用もできます。
UL4×1 UL3×2、3個あれば2張りのサイトを明るく照らします。
HEXARのインスタグラム(提供するプロダクトとその活用シーン、アフターサービスに関する情報を提供中):https://www.instagram.com/hexar01/
平標山の家から仙ノ倉山へ、ゆっくり平標山2日目
澄み切った空気を深呼吸
爽やかな朝の光での目覚め、残雪をそよぐ澄み切った空気。この時間がテント・小屋泊の最大の楽しみと思います。平標山の2日目は山の家から仙ノ倉山へ。
早朝から少しお仕事、カタログや取説表紙での使用を考えてのカット。日帰りの備え、一泊の山行きならUL3。広めのサイトを長時間照らすキャンプ、2日以上の長期縦走でしたらUL4と考えてます。
ゆっくりと平標山頂に向かいます
ゆっくり朝ごはん、9時半スタート。山の家から平標山頂間は残雪もありましたがアイゼンは不要でした。2023年の今年は5月21日時点でほとんど消失してたとのこと。
T田さん、翌日もモデルになって頂きました。63gのHEXAR UL3hはチェストベルトにぶら下げても全く負担がありません。この状態で足元と前方のみを照らす発光モードが有り、ヘッデンの代用としても使えます。
よく整備された木道を登ること1時間弱で平標山頂に至りますが、少々退屈な山頂です。
やはり平標山頂から仙ノ倉山への伸びやかな稜線を歩くのが平標ツアーの本番と言いますが醍醐味でしょう、ここ歩かずして平標は語れないと言い切ります。
仙ノ倉山手前より平標山頂方面を振り返る、その奥で雪を戴くのが神楽峰、左の平らな稜線が苗場山です。
花の百名山で知られる平標山ですが、2022年の5月28日は高山植物群の開花にはまだまだ早かったようで、稜線上は山桜の開花を見るのみでした。お花散策は翌日、山の家より少し標高を下げた大源太方面で。
仙ノ倉山頂は薮に囲まれ眺望はありませんから是非、山頂から200mほど万太郎山方面に歩いてください。これまでの女性的で伸びやかな稜線とは異なる荒々しい山容を臨めますよ。
この日は山でも気温あがり、雪上のひんやり感が心地よかった。
人のいる小屋のある安心感っていいですよね。
日曜の夕方、筆者のテントだけが残ります。特等席のデッキですが今年2023年は老朽化のため解体、支柱をスチールに換装、補強したとのことです。
HEXAR UL3&UL4 フィールドテスト 2
HEXAR UL4 with ポーチ。テーブルランプとしての使用はポーチ付きが良い雰囲気です。独りは嫌いでは無いのですが無駄に明るい食卓ランタンは寂しさを増長するような。
平標山の家、避難小屋に設置したHEXAR UL4は1灯でここまで照らします。光束300lmで6時間以上点灯のロングライフ性能、想定通りの光束ですが開発者の想像以上に明るい(笑)
就寝中のお二人にはあらかじめ撮影のご了承頂いたとはいえ、ご迷惑おかけしました。
避難小屋は広く清潔、トイレはドア1枚隔てた場所で便利、臭いも無く快適です。
テント泊のために開発したHEXAR UL3、先行/先輩プロダクトとは異なり「直下もしっかり」照らします。アウトドアでの読図や調理に「実用的な道具」であることを目標に開発、達成した感あります。
HEXARのインスタグラム(提供するプロダクトとその活用シーン、アフターサービスに関する情報を提供中):https://www.instagram.com/hexar01/
高原のお花散策、ゆっくり平標山3日目
3日目も最高のお天気に恵まれました。大源太方面への稜線を少しを歩けばシラネアオイやムラサキヤシオ、イワカガミの開花を。花の百名山の片鱗を見ることができました。
可憐な花、新緑を愛でつつゆっくり下山します。
帰路も二居川にそそぐ渓流で少しお仕事、「転がらないヘキサゴンフォルム」を表現するカットを。開発者達がフィールドを歩き風景を切り撮る、HEXARの広告写真はこのように作られます。
山の素晴らしさ、出会った方々とのご縁に支えられた平標山の3日間、もちろん今年も行きますとも。
HEXARのインスタグラム(提供するプロダクトとその活用シーン、アフターサービスに関する情報を提供中):https://www.instagram.com/hexar01/
「初夏の平標山」記事内容訂正&更新のお知らせ
先に投稿の記事【残雪と新緑を堪能】テント泊でゆっくり訪ねる初夏の平標山 の内用に誤りがありましたので訂正させていただきます。https://yamatabitabi.com/archives/162891/
【訂正2】高山植物の開花状況について。
冒頭に「レポートは2022年5月28-30日時点の様子、今年2023年は季節の進みが2週間以上早い印象、残雪は少なく例年6月中旬からの高山植物群開花も早まると思われます」と書きましたが「平標山の家公式」は上記、「花の開花状況は例年と変わらない感じ」が最新の状況となります。
筆者自身、5月21まで近隣の山・スキー場に於いての早い融雪状況・植物の芽吹きを観察しての書き込みでしたが、その後の寒気流入で大自然はバランスを保ったようです。
今後の開花状況につきましては「平標山の人」https://twitter.com/sen_2026 のツイートをご確認ください。
【訂正2】テント場のデッキ
「特等席のデッキですが今年2023年は老朽化のため解体され、もう無いとのことです」と書きましたが正確には「解体後、支柱をスチールに交換して復活」でしたので訂正いたします。
【訂正2】平標山の家のトイレ
「避難小屋は広く清潔、トイレはドア1枚隔てた場所と快適です。そのトイレはバイオ浄化なので臭いが全くありません、これ凄く重要です」と書きましたが「バイオ浄化」ではありませんでした。
避難小屋は匂いは無く快適なことは変わりません。
訂正は以上です。今後はより正確な記事執筆となるように努めます。