辺境写真家

辺境写真家の私は、文字通り各国・各地の辺境で撮影を行なっています。
辺境の地は、得てして過酷な環境です。森林であったり、標高4000mを超える高地であったり、はたまた熱帯の地であったり、気温-30°Cの極寒の地であったりと。

今回は、山を楽しんでおられる方々が、素晴らしい写真を撮るための「ちょっとしたコツ」をお話ししたいと思います。

あなたが何かに感動し写真を撮ろうと思った時、1秒でも余裕があるならば、そのままシャッターを切るのを止めてみて下さい。
そして前後左右上下に動き、あなたの撮りたいものが、より美しくなる地点を探します。
たったこれだけのことなのですが、この「ちょっとしたコツ」を多くの方が出来ていないようにお見受けします。
前後左右上下。
これだけで本当に写真が上手くなるのです。

例を挙げれば、山里で出会った子どもの写真を撮る。
大半の方の写真は、自分の目線の高さから撮るか、少し屈んで撮る程度で、写った子どもの姿はちんちくりんという残念なものになってしまいます。
意図的に上から撮る場合を除き、地面に膝を突いたり、しゃがんで子どもたちと同じ目線で撮影すれば、良い写真が生まれます。

より美しい地点探し

透過光

また、山を歩けば樹木や野花に心を打たれ、それらを撮る機会も多いと思います。是非、前後左右上下に動いてみて下さい。
より美しい地点探しは、ファインダー越しの小さな旅です。そして、それに彩りを添えるのが、光の扱い方です。
通常の反射光の撮影以外に逆光気味の透過光で撮影するのも、ニュアンスのある面白いものが撮れます。
透過光とは、透明な物体を通した光のことですが、必ずしもそのシチュエーションでなくとも強い光があれば、樹木の葉、薄い花びら等は光が透過します。
葉や花びらが透き通って淡く可憐な色合いを作り出すのは、まさに美の1枚です。この透過光は光を通す全てのものに応用できます(写真はグレープフルーツを透過光で撮影したもの)。

 

光の扱い方

もう一つだけ、光の扱い方に付いて書き重ねますと、山で夜を明かす場合の楽しみの一つは広大な夜景です。
無限に広がる星空のみを撮影するのであれば月の出前か、月の入り後。または新月もしくは新月に近い日に撮影するのをお勧めします。
また満月の時には、月明かりを存分に活かした星空と風景を一緒に写した星景写真を撮影する方法もあります。
太陽の光、月の光で遊んでみて下さい。
そのどちらの光も無い曇りや雨の日は、頭に有るイメージを払拭し、発想の転換が肝となります。
一面の野花を撮るのであれば、晴れ渡っているのが望ましいのですが、花一輪一輪を撮るのであれば、曇っている方が花の美しさが浮き彫りになり撮り易くなります。
灰色の雲、黒い雨雲。暗い空の風景写真は叙情的且つ情緒的なものが撮れます。

以上、山での撮影の「ちょっとしたコツ」を書かせていただきました。
皆様の何かの参考になればと思います。