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【日帰り登山】西丹沢の静寂を歩く加入道山の難易度別ルート紹介

【日帰り登山】西丹沢の静寂を歩く加入道山の難易度別ルート紹介

加入道山(かにゅうどうやま)は神奈川県と山梨県の県境にある標高1,418mの静かな山で、日帰り登山が可能です。登山道は自然の魅力にあふれており、ハシゴやクサリ場、沢の渡渉等があるため、ある程度山歩きの経験がある人におすすめします。

加入道山の基本情報と魅力

加入道山は、西丹沢の奥地にある静寂に包まれた山です。加入道山から東隣の大室山一帯はブナなどの原生林に覆われ展望はありませんが、深山の趣きにあふれています。

加入道という珍しい山名は全国でもこの山しかなく、大入道の伝説に、シカが多いことから“鹿入道”と呼ばれていたことに由来しているようです。

そんな加入道山の登山は通年楽しめますが、新緑とツツジが美しい初夏と、黄葉のブナ林が壮観な秋は特におすすめです。

西丹沢の奥深い自然美にあふれた登山道の中でも、透明度の高い美しい沢と、清浄な瀑音を響き渡らせる滝は、この山行の見どころといえるでしょう。

山の名前加入道山(かにゅうどうやま)
標高1,418m
都道府県神奈川県
エリア関東
山域丹沢山塊
地図・天気など詳細情報

魅力その①:西丹沢の奥深い自然を満喫できる

西丹沢の中でも加入道山から大室山にかけては、ブナなどの深い原生林に覆われているため、昔から続く自然の風景に抱かれた山行が楽しめます。水の美しい沢をいくつも渡渉し、滝を眺め、樹林帯を行く行程は眺望こそあまりありませんが、奥深い山歩きの醍醐味といえるでしょう。

また、移ろいゆく季節の変化を直に感じとることができるのも、加入道山登山の魅力。特に初夏のみずみずしい緑やツツジの愛らしいピンク、秋のブナ林の壮大な黄葉は、見事な美しさです。

魅力その②:清潔な避難小屋があるのでゆっくり休める

加入道山の山頂直下には、しっかりとした避難小屋があります。トイレはありませんが、木造のきれいな小屋で、急な雷雨など天候不順のときの緊急避難として使えるだけでなく、休憩や食事場所としての利用もできます。

小屋を使った後は、後から来た人が気持ちよく利用できるよう、ゴミは必ず持ち帰るようにしましょう。

魅力その③:静かな山行が楽しめる

丹沢山塊は大きく東丹沢と西丹沢に分かれています。大山、塔ノ岳などアクセスが良く人気の高い山々を有した東丹沢に比べると、西丹沢は登山者が少なく、その分、静かな山行が楽しめます。

なかでも大室山、加入道山のある一帯は丹沢山塊で最も静寂に包まれたエリアとして知られ、手つかずの自然を堪能できます。

歩きごたえのある登山道を一歩一歩踏みしめながら、自然の中にすっぽりと包まれる喜びを味わえるでしょう。

加入道山の難易度別おすすめ登山コース

神奈川県側からのルートと山梨県側からのルートをそれぞれ1つずつ紹介します。

【西丹沢の自然に浸れる】大室山~加入道山周回コース

清らかな沢をいくつも渡り、涼やかな滝を眺め、ブナの原生林を歩く、加入道山登山のスタンダードなルート。自然の美しさを満喫できます。

ルート紹介

西丹沢ビジターセンター(30分)→用木沢出合→(1時間30分)→犬越路→(1時間30分)→西の肩→(10分)→大室山→(10分)→西の肩→(35分)→破風口→(15分)→前大室→(15分)→加入道山→(18分)→白石峠→(1時間30分)→用木沢出合→(20分)→西丹沢ビジターセンター

※休憩時間:約1時間

必要日数日帰り
総距離14.5㎞
コースタイム6時間28分
累積標高上り:1,276m 、下り:1,276m
難易度★★★☆☆

詳細レポート

神奈川県立西丹沢ビジターセンターから犬越路を通り、大室山経由で加入道山へ向かい、白石峠を通って西丹沢ビジターセンターへと戻る周回コースです。

西丹沢ビジターセンターから反対周りに白石峠を通って加入道山へ向かい、大室山から犬越路を経て西丹沢ビジターセンターへ戻ることもできます。

西丹沢ビジターセンター(旧西丹沢自然教室)からウェルキャンプ西丹沢キャンプ場、ツツジ新道入口などを通過して用木沢出合へ行きます。

用木沢出合からいくつか美しい沢を渡りつつ、徐々に高度を上げて行きます。

ハシゴを登り、ガレ場の急坂をジグザグに進み、灌木帯を抜けると犬越路に到着します。犬越路にはきれいな犬越路避難小屋があり、トイレもあるので利用しましょう。

避難小屋の横から大杉丸ピークまで登ると平坦な道になり富士山のビューポイントが。ベンチ、クサリ場を通ると再び急登となりブナの樹林帯に入るので、そのまま稜線伝いに歩いていくと大室山の西の肩に出ます。右に進むと数分で展望のない大室山山頂に到着します。

登山道に戻って木橋や階段の道を破風口まで下り、登り返して前大室を通り、加入道に向かって歩いていきます。

加入道山山頂は、展望はありませんがベンチがいくつかあり、直下にはきれいな加入道避難小屋(トイレ無し)があるのでゆっくり休憩できます。

加入道山からは稜線の道を南下し、道志方面との分岐を過ぎるとベンチの置かれている白石峠へ。そこから左下の急坂を下っていくと沢音が聞こえ、白石滝が見えてきます。

いくつか沢を渡って用木沢出合へ向かいます。

用木沢出合からは、行きと同じルートを通って西丹沢ビジターセンターに戻ります。

駐車場

西丹沢ビジターセンターの無料駐車場を利用します。トイレはビジターセンターと、手前の道路沿いにあります。

西丹沢ビジターセンターは、西丹沢を訪れる登山者の拠点となる県立の施設です。登山情報やイベント、館内展示などがあり、記念品や飲み物、アイスの販売もしているので、登山の前後に立ち寄って準備をしたり休憩したりするのにおすすめです。登山ポストもあります。

  • 収容台数:10台+50台(路肩)
  • 料金:無料
  • 時間:4月から11月は8:30~16:30、12月から3月は8:30~16:00、月曜日と年末年始は休館
  • 標高:540m
  • トイレ:あり
  • 登山届ポスト:あり
  • 自販機:あり

用木沢出合にも駐車場があります。西丹沢ビジターセンターを過ぎて白石林道を進み、白石オートキャンプ場の先にある案内板の前に駐車スペースがあります。ただしトイレなど一切ありません。道路左側は私有地なので駐車禁止です。

  • 収容台数:6台(路肩)
  • 料金:無料
  • 時間:24時間
  • 標高:610m
  • トイレ:なし
  • 登山届ポスト:なし
  • 自販機:なし

【最短ルート】山梨・道志の湯~加入道山ピストンコース

山梨県の道志村側から加入道山へ行くピストンルートです。加入道山へ向かう最短ルートですが、決して歩きやすい登山道ではないため足元に注意が必要です。

ルート紹介

加入道山登山口→(40分)→東屋→(1時間30分)→道志温泉分岐→(10分)→加入道山山頂→(8分)→道志温泉分岐→(1時間5分)→東屋→(35分)→加入道山登山口

※休憩時間:約50分

必要日数日帰り
総距離6.1㎞
コースタイム3時間57分
累積標高上り:760m 、下り:762m
難易度★★☆☆☆

詳細レポート

登山口は道志の湯を少し過ぎたところにあり、水源の森百選に選ばれている静かな森の中を歩いていきます。

東屋を過ぎると急登、木の根の露出、崩落個所などが出てきて歩きにくくなりますので慎重に進みましょう。加入道山・白石峠・道志村の分岐(道志温泉分岐)まで来れば、加入道山山頂まであと一登りです。

山頂は広くベンチがいくつかあり、きれいな加入道避難小屋(トイレ無し)もあるのでゆっくり休憩できます。山頂からの眺望はありませんが、木立の合間から富士山が見えることも。下山後は道志温泉へ向かいましょう。

駐車場

国道413号(道志みち)から「道志の湯」方向へと進み、道志の湯の300m先の分岐を左折すると加入道山登山口の看板があり、曲がると駐車場があります。舗装されていますがトイレなど何もありません。道志みちの道志の湯方向分岐点そばにある道志村公衆トイレか、道志の湯バス停そばのトイレを利用してください。(冬季使用不可)

  • 収容台数:30台
  • 料金:無料
  • 時間:24時間
  • 標高:660m
  • トイレ:なし
  • 登山届ポスト:登山口にあり
  • 自販機:なし

加入道山のQ&A

加入道山で多い質問は、通行止め、ヒル、避難小屋などです。回答と併せて紹介します。

Q1:加入道山~大室山周回ルートの用木沢出合は通行止め?

2019年の台風の影響により用木沢出合に向かう白石林道の一部が陥没したため、用木沢出合から大室山や加入道山へ向かう登山道は通行止めになっていました。しかし、2022年8月1日に解除され、2023年6月現在、用木沢出合のルートは全面通行可能です。

ただし、用木沢出合から先の、沢の木橋のいくつかが落ちていたり流されていたりして使えなくなっているため、渡渉が必要です。

Q2:加入道山にヒルはいる?

丹沢はヤマビルが多いことで有名ですが、加入道山が位置する西丹沢ではヤマビルの報告はないようです。しかし近年、生息域が広がっているとの情報があるため、気になる方はヤマビル忌避剤を携行するなど対策をとるといいでしょう。

Q3:加入道山の避難小屋に宿泊できる?

西丹沢には山小屋がない分、避難小屋が設置されており、前述したように加入道山にも10名ほど収容できる避難小屋があります。通年使用でき、料金は無料。緊急時には宿泊できますが、トイレ、水場、入浴施設、寝具等はありません。電波は入るので、スマホは利用できます。

登山口へのアクセス・各種情報

加入道山への登山口は、神奈川県側が西丹沢ビジターセンター、山梨県側が道志村の加入道山登山口です。神奈川県側からのほうがバスでも車でもアクセスが良く、山梨県側からは車でしかアクセスできません。

西丹沢ビジターセンター

加入道山~大室山周回コースの起点となるのが神奈川県の西丹沢ビジターセンターです。四季折々の自然情報や登山情報を紹介しているので、山に登る前にここで情報を入手し、トイレ、飲み物などを準備しましょう。下山後はおみやげに記念品を購入するのもおすすめです。

電車・バスでのアクセス

東京・横浜方面から小田急線新松田駅から富士急湘南バス「西丹沢行き」
約 70分
終点の『西丹沢ビジターセンター』バス停下車
静岡方面からJR御殿場線谷峨駅から富士急湘南バス「西丹沢行き」
約55分
終点の『西丹沢ビジターセンター』バス停下車

富士急湘南バス時刻表

車でのアクセス

東京・横浜方面から東名高速(大井松田I.C)→国道246号《清水橋交差点右折》→主要地方道76号《丹沢湖方面へ進む》
→西丹沢ビジターセンター
約50分
静岡方面から東名高速(御殿場I.C)→国道246号《清水橋交差点左折》→主要地方道76号《丹沢湖方面へ進む》
→西丹沢ビジターセンター
約50分

加入道山登山口(道志村側登山口)

加入道山へ向かう山梨県側からのルートの起点になるのが、道志村の「道志の湯」の先にある加入道山登山口です。加入道山登山口へは車でアクセスします。

中央道相模湖ICからは約30㎞50分、河口湖ICからは約38㎞50分、都留ICからは約20㎞30分、東名高速御殿場ICからは約35㎞50分、電車の場合はJR横浜線の橋本駅から車で三ケ木、月夜野経由で約40㎞1時間です。

近くには約30台停まれる無料駐車場がありますが、駐車場にも登山口にも何もないので注意してください。

加入道山周辺のおすすめ山旅スポット

加入道山周辺にある、立ち寄るのにおすすめのスポットを紹介します。

道志の湯

出典:道志の湯公式サイト

山梨県道志村側の登山口を利用するなら、日帰り温泉道志の湯は絶好の立ち寄りスポットです。硫酸塩泉の良質な温泉に、暖炉のある休憩室、お食事処、マッサージコーナー、売店があり、ゆったりくつろげます。

村外の人の料金は700円ですが、横浜市民と忍野村民は500円なので、特に横浜の方にはおすすめです。

中川温泉ぶなの湯

出典:山北町観光協会

神奈川県山北町の町立日帰り温泉で、施設の前方には清流の美しい川と、川にかかる吊り橋があります。浴場は広く明るいガラス張りで、登山の疲労回復におすすめです。

箒杉

出典:山北町公式サイト

神奈川県山北町中川の箒沢(ほうきさわ)集落入口付近にある箒杉(ほうきすぎ)は、 国指定の天然記念物で全国名木百選でもある県下有数の巨樹です。高さ約45m、樹齢約2000年とされ、圧倒的な存在感を放っています。

ふる里

出典:ふる里公式サイト

中川温泉、箒杉のほど近くにある、天ざるがおいしいと評判の蕎麦屋。ご主人が毎朝打つ蕎麦は山芋がふんだんに使用され、水は1滴も入っていません。蕎麦湯の味も濃く、野菜も新鮮そのもの。定食もボリュームがあって登山者に人気です。

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