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榛名山の魅力を徹底解剖!初心者~上級者まで達成感を得る日帰り登山

榛名山の魅力を徹底解剖!初心者~上級者まで達成感を得る日帰り登山

日帰り登山が可能で、「初心者から上級者まで幅広く楽しめる山」と評判の榛名山。群馬県中西部にあり、関東百名山にも選定されている標高1449mの山です。赤城山、妙義山とともに上毛三山に名を連ねています。周辺には榛名湖などのレジャースポットも多数あり、観光地としても人気。本記事では榛名山の魅力や難易度別コース、周辺おすすめスポットなどを紹介します。

榛名山の基本情報と3つの魅力

「榛名山」といえば郷土カルタに登場したり、小・中学生のときに林間学校として訪れたり、「群馬県民でその名を知らない人はいない」というほど有名な山です。

しかし意外と知られていないのは、「榛名山」という山は存在しないということ。榛名山とは単独の山を示す名前ではなく、榛名湖を取り囲む山々の総称なのです。榛名湖を囲む外輪山には掃部ヶ岳(かもんがだけ)、榛名富士、相馬山などがあります。

そうなると「“榛名山”の山頂ってどこなの?」という疑問が浮かぶかもしれません。答えは、外輪山の中で最も標高の高い掃部ヶ岳の山頂を指します。関東平野や浅間山をはじめとする上州の山が一望でき、冬の晴天には富士山まで見えることもある、眺望がきく山頂です。

山の名前榛名山(はるなさん)
都道府県群馬県
標高1449m
天気・アクセスなど詳細情報

魅力その①:硯岩(すずりいわ)からの大パノラマ!

榛名山の魅力1つ目は、硯岩から見られる大パノラマ。硯岩は榛名山(掃部ヶ岳)の標高1251m地点にある岩場です。榛名湖の湖畔から見上げると、山の斜面に岩が生えているように見える部分があります。そこが硯岩です。

「崖の上の絶景」という言葉にふさわしく、榛名湖や湖を囲む山々を一望できます。なかでも一番の絶景は「榛名富士の逆さ富士」。外輪山のひとつである「榛名富士」は富士山に形が似ていることからその名がついたとされています。晴れた日は湖面に映る「逆さまになった榛名富士」を正面から眺めることが可能です。

ただし硯岩はまさに断崖絶壁の岩場。転落防止のロープや鎖はないので、身を乗り出すなどの危険行為はやめましょう

魅力その②:四季の自然を満喫できる!

榛名山の魅力2つ目は、四季折々の自然を満喫できることです。榛名山は年間を通して登山可能な山ですが、その景色は季節によってまったく異なります。

季節ごとの特徴はこちら。

春(3~5月)色とりどりの花が咲き誇り、桜やツツジが見ごろ。
桜は標高が高いため、少し遅めの5月初旬が例年満開。
夏(6~8月)新緑が広がり、避暑地としての役割も。
夏は黄色い花を咲かせるユウスゲが有名。
秋(9~11月)秋は紅葉が絶景。例年10月下旬~11月上旬が見ごろ。
榛名湖に映る逆さ富士も紅葉色に衣替え。
冬(12~2月)積雪量は少なめのため、雪山初心者にもおすすめ。
例年1月下旬~2月下旬は全面が凍りついた榛名湖が見られる。

どの季節の榛名山も魅力的ですが、はじめて登る人に特におすすめの季節は秋です。赤や黄色に色づいた榛名山を一度は見に来る価値あり。暑すぎず、寒すぎず、登山に適した気温で登りやすいでしょう。

魅力その③:登山だけでなく観光も楽しめる!

榛名山の魅力3つ目は、下山後に観光もできることです。周囲に観光地が複数あるので、登山以外も楽しめます

榛名湖は遊覧船やボート、キャンプなどアウトドアスポットとしても人気です。冬になると湖は約20万球の装飾をほどこした大規模なイルミネーション会場になり、花火があがる日も。湖面に映る冬の花火は幻想的な雰囲気を感じられます。

榛名湖周辺には飲食店も多数あるので、名物のワカサギを食べるのも魅力的。榛名湖だけで遊びも食も満たせます。

関東有数のパワースポットである榛名神社は、ハイキング気分で徒歩でもアクセス可能です。車またはバスで20分ほど行けば、群馬県の有名温泉地である伊香保温泉もあります。

せっかく榛名山に訪れたのならば、登山だけでなく観光も楽しめるとお得な気分になれますね。

榛名山の難易度別おすすめ登山コース

榛名山は初心者から上級者まで幅広く楽しめる山です。ここでは、難易度別におすすめの登山コースを紹介します。レベルに応じて、コース選択の参考にしてください。

【初心者向け】硯岩の景色を楽しみたい!榛名山(掃部ヶ岳)周回コース

①榛名山(掃部ヶ岳)登山口→35分→②硯岩→55分→③榛名山(掃部ヶ岳)55分→④榛名山(掃部ヶ岳)登山口

必要日数日帰り
コースタイム(休憩を含まない)2時間25分
距離2.9㎞
標高差上り:386m
下り:384m

榛名山(掃部ヶ岳)周回コースは初心者向けのコースです。総距離は2.9㎞と短く、約2時間30分の短時間で周回できます。しかし、初心者向けだからといって侮ってはいけません。登山慣れしていても、「傾斜が急で意外にキツイ」という声も。また、木製階段が老朽化しており、崩れやすい部分があるので注意が必要です。

そしてこのコース最大のスポットは、なんといっても硯岩。

硯岩からの絶景

標高1251m地点にある岩場で、榛名湖を取り囲む山々を一望できます。榛名山(掃部ヶ岳)は榛名富士の正面にあるので、天気がよければ湖面に映る「逆さ富士」がおがめるでしょう。高いところから見下ろす「逆さ富士」は絶景。

ただしロープ等のない岩場のため、転落には十分気をつけてください。

【中級者以上向け】榛名湖一周!外輪山縦走コース

①ゆうすげの道入り口→15分→②榛名旭岳→35分→③天目山→10分→④氷室山→10分→⑤天神峠→45分→⑥榛名山(掃部ヶ岳)→15分→⑦硯岩→30分→⑧鬢櫛山→30分→⑨烏帽子岳→20分→⑩烏帽子岳登山口→5分→⑪榛名富士登山口→30分→⑫榛名富士→30分→⑬ロープウェイ前バス停→5分→⑭ゆうすげの道入り口

必要日数日帰り
コースタイム(休憩を含まない)4時間40分
距離12.6㎞
標高差1465m

外輪山縦走コースは中級者以上の方におすすめです。榛名湖を囲む7つの山を縦走するので、体力が必要。総距離は12.6㎞で、繰り返すアップダウンを楽しめます。「夏山に向けたトレーニングは榛名山縦走」という方もおり、各山の標高は高くはありませんが、上級者でも満足できる内容になっています。

縦走最後の山である榛名富士からはロープウェイが出ているので、万が一限界を迎えてしまっても下山できるので安心です。

どの山道も落ち葉や大き目の石が転がっており、足元に不安を感じるところが多々あります。木製階段も崩れやすくなっている箇所があるので、装備を整えてのぞみましょう。

掃部ヶ岳の木製階段

また、縦走する山のなかには登山道がわかりづらく、迷いそうなところも。ピンクテープを見逃さないように注意してください。地図やコンパスは必ず持参しましょう。

長丁場ですが、トイレの心配はありません。榛名湖の湖畔は観光地ということもあり、トイレが充実しているので途中で立ち寄ることが可能ですよ。

登山口へのアクセス・各種情報

榛名山は車でも公共交通機関でもアクセス可能です。意外と都心からのアクセスも良好。東京駅や新宿駅から高崎駅まで1本で行け、高崎駅からはバスに乗って榛名山へ向かいます。

普通列車では東京駅から高崎駅まで2時間ほどですが、新幹線を利用すれば1時間で到着。バスの乗車時間は約1時間30分。最短で約2時間30分でたどり着きます。都会からだんだんとのどかな風景になっていく車窓の眺めも見どころです。

ただし、登山だけでなく観光地をめぐるようであれば車の利用をおすすめします。各観光地までバスも通っていますが、本数が少ないので車があると便利です。

榛名山(掃部ヶ岳)周回コース登山口へのアクセス情報

車の場合は、「榛名湖ポケットパーク」という駐車場が登山口に最も近い駐車場です。料金は無料で、8台駐車可能。公衆トイレもあります。

榛名湖ポケットパークが満車の場合は、徒歩3分ほどのところに「榛名湖高崎市営無料駐車場」があり、無料で100台ほど停められるので、こちらを利用しましょう。

電車とバスを利用する場合、登山口の最寄りバス停は「吾妻荘前」です。ただし、高崎駅からの直通バスは「吾妻荘前」に停車しません

電車とバスを利用して登山口へ行く方法は以下の2つです。

  1. 高崎駅から榛名湖直通バスの「高崎榛名湖線」に乗車し、バス停「榛名湖」で下車→徒歩15分で登山口
  2. 高崎駅から伊香保温泉方面のバスに乗り、途中で「伊香保榛名湖線」に乗り換え「吾妻荘前」で下車する
    ※伊香保榛名湖線への乗り換えバス停は、高崎駅発のバス乗車時間によって大幅に異なるため、事前調査必須

方法②は事前調査が必要な点と、万が一乗り換えに失敗したらかなりのタイムロスが発生するため、方法①を推奨します。

また、登山口周辺にコンビニや自動販売機はないため、飲み物等は持参しましょう。

外輪山縦走コース登山口

車の場合は「松之沢グラウンド駐車場」が登山口への最寄り駐車場です。無料で30台ほど駐車できます。

電車とバスを利用する場合、最寄りバス停は「沼の原」。榛名山周回コースと同様に高崎駅からの直通バスは「沼の原」には停車しません

こちらも登山口にアプローチする方法は2つ。

  1. 高崎駅から榛名湖直通バスの「高崎榛名湖線」に乗車し、バス停「榛名湖」で下車→徒歩25分で登山口
  2. 高崎駅から伊香保温泉方面のバスに乗り、途中で「伊香保榛名湖線」に乗り換え「沼の原」で下車する
    ※伊香保榛名湖線への乗り換えバス停は、高崎駅発のバス乗車時間によって大幅に異なるため、事前調査必須

周回コースと同じく、方法②は事前調査が必要な点と、万が一乗り換えに失敗したらかなりのタイムロスが発生するため、方法①を推奨します。

登山口である「ゆうすげの道」に公衆トイレがあるので利用可能です。また、駐車場から10分ほど歩いたところにある「つつじ」というみやげ物店に自動販売機があります。

トイレ情報

榛名湖の湖畔は観光地のため、トイレが多数あります。登山の途中に立ち寄り可能なトイレをいくつか紹介します。

榛名湖ポケットパーク公衆トイレ

氷室山下山後、掃部ヶ岳登山前

ゆうすげ元湯駐車場付近公衆トイレ

烏帽子岳下山後、榛名富士登山前

ロープウェイ「榛名高原駅」公衆トイレ

榛名富士山頂

バス停「ロッジ前」公衆トイレ 

榛名富士下山後 ※冬季閉鎖注意

榛名山Q&A

Q1:榛名山にキャンプ場はある?

榛名山にキャンプ場はありません。
しかし、榛名湖にオートキャンプ場があります。

Q2:榛名山に熊は出る?

山内に「熊出没注意」の看板が多数あります。
群馬県のホームページで熊の目撃情報や人身被害発生状況を発表しているのでチェックしましょう。

Q3:榛名山は噴火する?

近年噴火はしていません。
記録に残る火山活動はないものの、噴出物等から6世紀ごろまでに3回の噴火があったことがわかっています。榛名湖も噴火によって地面がへこみ、水がたまってできたものです。

気象庁が発表している噴火警戒レベルはレベル1の「活火山であることに留意」となっています。(※2023年6月執筆時点)

榛名山の周辺おすすめスポット

榛名山の周辺は観光地がたくさんあり、下山後も楽しむことが可能です。ここでは下山後に立ち寄れる、おすすめスポットを紹介します。

関東有数のパワースポット!榛名山神社

出典:榛名神社公式サイト

1つ目のおすすめスポットは榛名神社です。榛名神社は榛名山の神をまつる神社で、開運・商売繁盛・五穀豊作などのご利益があるとのこと。拝殿や神楽殿など建造物の6棟が国の重要文化財に指定されており、木々や巨大な岩に囲まれた神社は神秘的な雰囲気を感じられます。

境内にある「矢立スギ」という推定樹齢600年のスギも圧巻です。国の天然記念物に選定されており、かつて戦国武将・武田信玄が戦勝祈願に矢を射たてたという言い伝えがあります。

榛名神社へは榛名湖から車の場合、10分程度でアクセス可能です。また、徒歩でも1時間ほどで到着。榛名湖を囲む山のひとつである氷室山の登山口付近に、榛名神社へ行ける1.9㎞の山道があるのでそこを進みます。ハイキングコースのような樹林帯ですが、「登山で歩き足りなかった」という方は榛名神社への参拝がぴったりですね。

すぐに疲れを癒したい!ゆうすげ元湯

出典:榛名湖温泉ゆうすげ元湯 オフィシャルページ

「下山後すぐに汗を流したい!」という方はゆうすげ元湯がおすすめ。榛名湖沿いにある、榛名で唯一の天然温泉です。宿泊も日帰り入浴も利用可能で、料金もリーズナブルなのが嬉しいポイント。

きめ細かくなめらかな泉質は、神経痛や筋肉痛、疲労回復に効果があるとされ、登山後の体を癒すのにぴったりです。

日帰り入浴時間10時~21時のうちの2時間
日帰り入浴最終受付時間20時
日帰り入浴料金大人:520円
子ども:260円
公式ホームページhttps://www.yusuge.co.jp/
※2023年6月執筆時点

日本の名湯!伊香保温泉

3つ目のおすすめスポットは、全国有数の温泉県である群馬県のなかでも有名な温泉地、伊香保温泉です。伊香保温泉は榛名山から車で20分程度、バスも通っており、意外と行きやすい場所にあります。

歴史ある温泉地の伊香保は、かつては小説家の夏目漱石など多くの文人も訪れました。温泉のみならず、楽しめるスポットがある伊香保を紹介します。

伊香保の温泉

出典:渋川伊香保温泉観光協会ホームページ

伊香保といえばやっぱり温泉。南北朝時代の書物に伊香保温泉の存在が記載されているという、歴史ある温泉です。

ひとくくりに「伊香保温泉」といっても、実は2種類の温泉が湧き出ています。

  • 古くよりある、病気やケガの療養によいとされる「黄金の湯」
  • 近年湧き出た、疲労回復や健康増進によいとされる「白銀の湯」

伊香保には多数の温泉がありますが、宿泊できる店もあれば日帰り入浴のみの店も。どの温泉に行くか迷ったら、伊香保温泉観光協会のホームページや、石段のふもとにある「伊香保温泉観光情報コーナー」に情報があります。

利用スタイルや温泉の種類に合わせて選んでみてはいかがですか?

伊香保の石段街

出典:渋川伊香保温泉観光協会ホームページ

石段街は最も有名といっても過言ではない、伊香保温泉のシンボルです。一説によると戦国時代の「長篠の戦い」で負傷した兵士の保養地として、武田信玄の息子である武田勝頼が整備させたと伝えられています。

石段は全部で365段。自分の誕生日の段を数えてのぼり、写真撮影をするのが定番です。

石段の途中には足湯があり、無料で利用可能。タオルがなくても近隣のみやげ店で購入できるので安心してください。

また、石段の両脇には様々な店が並んでおり、遊技場で射的をしたり、温泉饅頭を食べたりできます。ここでひとつ豆知識、伊香保は温泉饅頭発祥の地なのです。

登山後は温泉だけでなく遊べる街、伊香保を満喫して最高の思い出にしましょう。

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