富士見台(ふじみだい)は、岐阜県中津川市県と長野県下伊那郡阿智村の境にある山で標高1739m。富士見台周辺は、富士見台高原といわれています。中央アルプスの南端にある高原で、阿智セブンサミットのひとつです。ロープウェイがある「ヘブンスそのはら」や「南沢山」からの登山アクセスが非常に便利です。
今回は、そんな富士見台の基本情報とおすすめコースを3つ紹介します。
富士見台高原の基本情報と3つの魅力
みんなに嬉しい「ロープウェイ」があるから、ハイキングや登山がスピードアップ!富士見台では、自然と花の美しさに魅了されるはず。初心者用の散策路も変化に富んでいて見ごたえが抜群!展望台や休憩スペースもあり、自然の魅力を存分に味わえます。
山の名前 | 富士見台(ふじみだい) |
標高 | 1739m |
エリア | 中央アルプス / 阿智セブンサミット (長野県県下伊那郡&岐阜県中津川市) |
基本情報 | 富士見台の基本情報(地図・天気) |
魅力その1)花が咲き誇る登山路で季節感を満喫する富士見平高原
富士見台高原は広大な芝生広場や青々とした森林が広がる、美しい自然景観が特徴です。四季折々の風景が楽しめ、春には花々が咲き誇り、秋には紅葉が美しい景色を演出します。雪山も比較的楽に歩けるため、4シーズン楽しめる富士見台です。
- 春はツツジの群生 チューリップと桜
- 富士見台高原には、ツツジの美しい群生地があります。春になると、ピンクや白、紫などさまざまな色のツツジが咲き誇り、お花畑が豪華で圧巻です。
- 夏はリンドウ ヒマワリとユリ
- 草原にはリンドウの花が咲きます。淡い青や紫色の花を咲かせ、優雅な姿が目を引きます。青い空の下のヒマワリも抜群に綺麗です。
- 秋はコスモス 紅葉
- 広大な芝生広場にコスモスの花畑が広がります。コスモスの”雲海”は、秋の情緒がたっぷりです。コスモスと紅葉は特に大人気です。
- 冬は雪景色
- スキー場なので、スノボやスキーのウインタースポーツが楽しめます。登山道もよく利用されており、雪山登山の初心者コースとして人気です。
魅力その2) 展望台とパノラマビューの絶景ウォーク
特に注目すべきは、深田久弥の著書「日本百名山」に選ばれた二十三座の山々が眼前に広がることです。遠くに連なる山脈や起伏に富んだ丘陵地帯、緑や紅葉豊かな森林が広がります。富士見台高原の一部には展望台が設けられており、360度のパノラマビューを楽しむことができます。
もともとは「山伏台」と呼ばれ、明治時代から富士教信者が富士山参拝所を設けたことから「富士見台」と名付けられました。実は富士山は見えないというオチがあります!!名付けた理由は「ここからも富士山が見えるはず!」と、一生懸命に探すという意味だったかもしれませんね。
魅力その3) 1600mまでリフトでも行ける!「ヘブンスそのはら」経由
4つの乗り物で登山とハイキングの負担を軽減。好みに合わせて利用してみてはどうでしょうか。冬はスキー場になる「ヘブンスそのはら」が富士見台の隣にあります。すべて利用も可能ですし、少しサポートがほしいエリアのみ、乗り物を利用するのもよいでしょう。
- ロープウェイ 標高800mのふもとから標高1400mの山頂駅へ
- ペアリフト 標高1400m山頂駅から展望台リフトの近くまで
- 展望台リフト 標高1400mから標高1600mの展望台へ
- 富士見台高原バス 1600m展望台⇔萬岳荘(山小屋)へ
富士見台高原の難度別おすすめ登山コース3
富士見台高原は、初心者程度の難易度で登山を存分に楽しめます。登山コースの種類も豊富で、ハイキングを楽しめる山歩(さんぽ)コースや、古道を歩く風情溢れるコースもあります。富士見台高原が初心者に人気の理由は、長距離になっても難所がない、穏やかな登山コースだからです。登山道や標識の整備が整っているのも、理由のひとつでしょう。
- 初級 いわなの森 | ヘブンスそのはらでハイキング
- 初級 ロープウェイとリフトに乗って、富士見台高原をピストン
- 中級 神坂神社経由の古道東山道から、富士見台高原へピストン
ここでは、富士見台で人気の3つのコースを「標準の歩行スピード」でご紹介します。
水芭蕉の群生がある、いわなの森 | ヘブンスそのはらでハイキン
水芭蕉の小径は南信州最大級の群生地で、幸せを呼ぶと言われている黄色の水芭蕉が3株あります。ヘブンスそのはら(ロープウェイを降りた所)のセンターハウス近くから遊歩道があります。1周2.3kmですが、さらにショートカットができる親切設計です。
ロープウェイやリフトも使ってショートカット三昧!富士見台へピストン|ヘブンスそのはら
阿智セブンサミットの中で、もっとも観光スポットとして栄えているのが富士見台。ロープウェイで標高1400mの山頂駅まで行き、乗りたければ展望台リフトまでペアリフトに乗り継ぎ。展望台リフトへ乗り換えて、標高1600mの展望台まで行くことができます。
時間:3時間33分 / 距離:8.5km / 登り:429m / 下り:435m |
以下が、展望台リフトから歩く、3時間半コースの詳細になります。
ヘブンスそのはら | 展望台からピストンコース 地図と標高 ↓ヤマレコ
難易度はAクラス | ヘブンスそのはらルートの様子|富士見台高原
以下は、「ヘブンスそのはら展望台」から登山を開始します。
08:00 ヘブンスそのはら展望台 ↓ 35分 歩きやすいです(バス) 08:35 神坂峠 登山口 ↓ 35分 歩きやすいです 09:10 萬岳荘 ↓ 18分 高原地帯に出て360度パノラマビュー 09:28 萬岳荘分岐 ↓ 06分 パノラマビューが続く 09:34 神坂小屋 ↓ 11分 パノラマビューが続く 09:45 富士見台・山頂 ↓ 08分パノラマビューが続く 09:53 神坂小屋 09:57 萬岳荘分岐 10:21 神坂峠 10:52 千両山 ↓ 藪漕ぎあり。 11:00 神坂峠 登山口 11:18 ヘブンスそのはら分岐 11:33 ヘブンスそのはら展望台 |
非常に歩きやすい登山ルートです。今回は神坂山経由で周回するルートを組み立てました。真夏は藪漕ぎをする必要があるので、避けたければ周回なしのピストンにすると良いでしょう。難所は特にありませんが、1度ピークを下って登り返しがあります。「簡単なコース」が強調されすぎて、登り返しが1度あることを述べられてないので要注意。最初から分かっていれば大丈夫!
まとめ:展望台(リフトを降りた所)からのピストン・コース|富士見台
子どもからお年寄りまで楽しめるコース。さらに、標高1600mの展望台(リフトを降りた所)から萬岳荘(山小屋)までバスが出ており、歩行時間を往復たった1時間のコースにもできる親切設計ができています。体調が急に悪くなっても安心ですね。片道だけバスに乗ったり、往復バスに乗ったり、さまざまな登山計画を立てれます。難易度の高い山に登るときがくるかもしれません。計画を立てて、よりよいレジャーになるよう登山入門を楽しんでみてはどうでしょうか。
靴はスニーカーでも大丈夫ですし、登山用の衣類は特に必要ないです。小学校の遠足ぐらいの気分で構わない富士見台です。トレッキング・ポールを持っていたり、登山靴で登ったりすると、より楽に富士見台高原を歩けるには違いありません。
▼南沢山への縦走コースについては、こちらをご覧ください
古代東山道から神坂山経由で富士見台へ行くピストン!|神坂神社登山口
神坂神社は、住吉様として知られる表筒男命、中筒男命、底筒男命の三海神を祀っています。江戸時代中期以降には、日本武尊、誉田別尊(八幡神)、建御名方命(諏訪明神)、須佐之男命(牛頭天王)も合祀されました。境内には、樹齢2000年を超すと言われる御神木の日本杉や、数本の巨大な栃の木があり、古代東山道の雰囲気を醸し出しています。
時間:5時間45分 / 距離:10.5km / 登り:818m / 下り:805m |
ここでは、神坂神社登山口の登山ルートの景色や登山路の様子を、さらにご説明いたします。
神坂神社登山口 | 富士見台高原の 登山コース 地図と標高 ↓ヤマレコ
難易度は B クラス | 神坂神社ルートの様子 | 富士見台高原
06:00 神坂神社 ↓ 103分 雰囲気が良い古代東山道。歩きやすい。 ↓ 古代東山道(カラマツコース)はつづら折り ↓ 後半ほど平坦 07:43 富士見台高原口 ブナコースと合流 ↓ 40分 恵那山トンネルの上あたりを通る 08:13 一本立 ↓ 28分 緩やかでとても歩きやすい登山路 08:41 萬岳荘 ↓ 23分 高原地帯に出て360度パノラマビュー 09:04 神坂山到着 ↓ 12分 パノラマビューが続く 09:26 神坂小屋 ↓ 11分 パノラマビューが続く 09:37 富士見台 到着 09:45 神坂小屋 09:49 萬岳荘分岐 09:59 萬岳荘 10:25 一本立 10:46 富士見台高原口 11:46 神坂神社 |
カラマツが美しい古代東山道です。まずは、つづら折りからスタート。古道ならではの風情ある道で、比較的のぼりやすいです。初心者レベルのテクニックだけで大丈夫。ブナ林コースとの合流点、富士見台登山口からは、傾斜がゆるやかになります。森林の風情と古道の情緒を堪能しながら、コツコツと登っていくコースで、ピークらしいピークはありません。
まとめ:神坂神社ルート|富士見台
ベテランが余裕をもって登る人気のルート。昨今の富士見台は、ロープウェイやペアリフトに乗って、ショートカットできます。あえて古道を楽しみたい方が満喫できるルートで、熊野古道や高野山の古道が好きな方におすすめです。神坂神社ルートは、日本情緒あふれる風情に満ち溢れている登山路です。網掛山から富士見台まで、古代東山道を縦走する健脚者もいます。
富士見台高原を登山するためのQ&A
Q1.富士見台高原の、おすすめの登山シーズンはいつですか?
A.オールシーズン登山が楽しめます。春の花が咲く時季と紅葉の時季はもちろんのこと、夏休みにも人気がある登山コースです。夏は日の出ごろから登山をすれば、日が高くなる前に登山が終了します。ヘブンスそのはらのレストランやカフェで涼むのもよいでしょう。
Q2.ヘブンスそのはらは、休業が多いのですか?
A. 例年、春夏秋冬に1ケ月前後、お休みします。詳しくは、ヘブンスそのはらの公式ホームページをご確認ください。登山コースには休業はありませんので、自由に登山ができます。ロープウェイが運休のときは、登山路が空いていますよ!
- 春 03月20日ごろ~05月15日ごろ
- 夏 07月上旬ごろ~08月末日
- 秋 09月20日ごろ~11月20日ごろ
- 冬 12月15日ごろ~03月20日ごろ
Q3.家族で登山できる山を探しています。小学校低学年でも楽しめそうなルートはありますか?
A. 富士見台にもっとも近い登山口は、神坂峠登山口です。山小屋の萬岳荘近くまで車で行けるので、山頂まで2時間程度。小学校低学年でも登山ができるはずです。又、リフトを乗って、バスで萬岳荘まで行くルートも楽しいかもしれませんね。ヘブンス園原にはデイキャンプ用のグランピング設備もありますよ。ベビーカーも1600mまで行けるようになってます。
登山口へのアクセスと駐車場・各種情報|富士見台高原
富士見台は3つの登山口が主流です。恵那山やその他の縦走コースがあるので、ロングトレイルをする方は最寄りの山にある駐車場を利用します。
- 神坂神社の駐車場 - 古代東山道
- ヘブンスそのはらに駐車、ロープウェイに乗る
- 神坂峠の路肩駐車場 - 富士見台にもっとも近い駐車場
ここでは、車と公共機関(電車とバス)のアクセス方法をご紹介します。
車でのアクセス方法と駐車場 | 富士見台高原
富士見台は中央高速道が近いので、多くの方にとってアクセスしやすいはずです。中津川IC、園原IC、飯田ICを利用することになります。標高が高くなればなるほど、舗装道路の質が悪くなるので少し注意してください。
ロープウェイ乗り場(ヘブンスそのはら)情報 | 富士見台高原
休業期間はロープウェイが運行していないので、ご注意ください。
大阪/名古屋方面からロープウェイ乗り場(ヘブンスそのはら)までのアクセス方法|富士見台高原
混み合う時季は、右折をせずに直進するよう電工掲示板が出てるときがあります。時計回りで、一方通行にすることがあります。
東京/長野方面からロープウェイ乗り場(ヘブンスそのはら)までのアクセス方法|富士見台高原
東京 / 長野方面からは、飯田山本ICで降ります。園原ICの乗降りは、大阪 / 名古屋方面のみになっています。混み合う時季は、園原ICを越えてすぐを右折せず、そのまま直進するように電工掲示板が出てるときがあります。時計回りで、一方通行にすることがあります。
ロープウェイ乗り場(ヘブンスそのはら) 駐車場情報 | 富士見台高原
駐車場は無料です。レストラン、売店、など、一通りの設備があります。
神坂神社登山口|富士見台高原
古代東山道の登山口です。神坂神社の駐車場(無料)に停めます。
神坂神社登山口までのアクセス方法|富士見台高原
舗装道路ですが、徐々に道幅が狭くなり、古くなっていきます。参拝者と登山者のみ利用する道路なので、それほど混み合うことはありません。
神坂神社登山口の駐車場|富士見台高原
約10台駐車ができます。すぐ先にも5台ほど駐車ができるスペースがあります。
神坂峠登山口情報 | 富士台高原
富士見台や恵那山へ登山に行くとき、山頂にもう少し近くの、神坂峠まで車で行くこともできます。
神坂峠登山口までのアクセス方法
中央自動車道の恵那山トンネルと、並走している山道を進みます。舗装はずっとされています。
神坂峠登山口 駐車場情報 | 富士見台高原
数台駐車ができます。シーズンピークは縦列駐車がずらりと並びます。
公共機関 | 富士見台高原 電車 & バスでのアクセス方法
名古屋発→飯田行の中央高速バスが便利です。名古屋バスセンターより約1時間半で園原バス停に到着。4-11月は園原バス停より、完全予約制の無料送迎バスが出ています。詳しくはヘブンスそのはらの「アクセス」をご覧ください。
東京方面発→飯田行の中央高速バスは、伊賀良バス停で下車。タクシーで40分ほどでヘブンス園原に到着します。グループ登山でしたら、それほど高額ではないでしょう。
昼神温泉に宿泊すると、無料送迎がある時も。ロープウェイの割引きや予約もできるので、旅行会社などで、フリー旅行プランで予約するとよいでしょう。
富士見台高原周辺のおすすめ山路スポット
富士見台周辺には、おすすめ山路スポットが多くあります。晴天の日は、阿智川沿いを南にドライブするだけでも、存分に景色を楽しめるでしょう。5分ぐらい車を走らせてみてもいいかもしれません。穏やかな田舎風情を楽しめますよ。
【ヘブンスそのはらスノーワールド】
富士見台には複数の登山ルートがありますが、ヘブンスそのはら展望台からのルートが人気があります。所要時間は約1時間から1時間半程度で、登山初心者でも楽しめるスポットです。
住所 | 〒395-0304 長野県下伊那郡阿智村智里3731-4 |
URL | https://mt-heavens.com/ |
駐車場 | 1600台(無料) |
営業時間 | ロープウェイは9:00~ |
設備 | 駐車場 / 展望台 / 日帰りグランピング(1400m)/ レストラン / BBQ / カフェ / ワンちゃんOK! |
富士見台高原のまとめ
以上が、富士見台の基本情報とおすすめの登山コース3つです。ロープウェイでショートカットしたり、古道の古代東山道を歩いたり、初心者から上級者まで自分のペースで楽しめる富士見台です。360度のパノラマビューを歩くコースは、どなたも楽しんでいます。ぜひ、今度の登山は富士見台と富士見台高原を満喫してみませんか?