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【日帰り登山】一切経山から見る魔女の瞳|難易度別ルート&アクセス・周辺情報

【日帰り登山】一切経山から見る魔女の瞳|難易度別ルート&アクセス・周辺情報

一切経山とは名前からして宗教色の強い印象深い山名ですが、それもそのはず、2,000m級の山々がつらなる吾妻連峰は古くから山岳信仰の対象とされてきました。

荒涼とした火山風景あり、雄大な湿原あり、妖しく輝くコバルトブルーの沼ありと、とにかく見どころ満載な一切経山はこれから登山を始める方にも是非おすすめしたいイチ押しの山です。

初心者にも人気|一切経山の魅力と歴史

噴煙を上げる一切経山

一切経山は福島県福島市と猪苗代町との境にあって吾妻連峰を構成する一座。

山名の由来は平安時代中期、八幡太郎義家に敗れた武将・安部貞任(さだとう)が、仏教経典の一切経を山に埋めたという伝説からきています(一部、弘法大師という説もある)。

岩礫がひろがる山頂は亜高山帯に属し強風・積雪の厳しい環境の山で、今でも噴気を上げ続けている活火山です。

近年では1893年、1977年、2008年に大小の噴火を繰りかえし今なお火山学者の監視下にあって、2018年9月から噴火警戒レベルが「2」に引き上げられ通行が規制されていました。

しかし2019年6月、1年9か月ぶりに規制が解除され浄土平から一切経山への登山が可能になりました。

(大穴火口に隣接する直登ルートは、今現在も熱活動が続いているため通行が規制されています)

山の名前一切経山(いっさいきょうざん)
標高1,948.8m
エリア東北・福島県
山域吾妻連峰
詳細情報一切経山の地図と天気

魅力①山頂から見るコバルトブルーの「魔女の瞳」

家形山と魔女の瞳

一切経山の代名詞といえばコバルトブルーに輝く「魔女の瞳」。この山に登る理由はこの五色沼を見るためと言っても過言ではありません。(磐梯高原の五色沼湖沼群とは別のものです)

まるで飲み込まれそうな美しさから「魔女の瞳」と呼ばれるようになった五色沼は、一切経山の山腹にある直径約300mの火山湖で、古くは雷沼(かたちぬま)と呼ばれ人々の雨ごいの地でありました。

この五色沼をご神体とするのが福島市飯坂町に建つ「東屋沼神社」。少なくとも千年以上にもなる格式高い神社ですが、東屋沼神社の建立当初は五色沼付近に鎮座していたとされています。

太陽の光を受けて刻々と色を変化させる「神の沼」と吾妻連峰を眺望すれば、この山に登る意味を実感できることでしょう。

魅力②目まぐるしく変わる景色と高山植物

吾妻小富士

登山初心者でも登りやすい一切経山。浄土平登山口へ向かう吾妻スカイラインに胸を躍らせ、駐車場から登山口へ向かえば、もうそこは浄土平湿原が広がる景勝地。否が応でも期待が高まります。

湿原、樹林帯を抜けるとまた湿原が現れ、そして岩場に出て振り返れば異世界のような吾妻小富士が口を開けている。さらに山頂付近は草木のない、まるで別の惑星にでも迷い込んだよう。

浄土平湿原では、ワタスゲ、エゾオヤマリンドウ、モウセンゴケなど。岩塊の場所ではイワカガミ、ハクサンチドリ、イソツツジなどが。

そして、鎌沼周辺はまさに小さな花たちの楽園。酸ヶ平湿原にはイワオトギリ、コケモモ、ミヤマリンドウ。姥ケ原ではオオシラビソ、ミネザクラなどが、そして木道沿いにはチングルマ、コバイケイソウなどが咲き誇ります。

酸ヶ平と言う名前のとおり、鎌沼は火山性物質の溶け込んだ酸性度の高い沼。微生物すら住めない環境であるが故に、非常に透明度が高いのだとか。

チングルマ

魅力➂天文ファンの聖地|浄土平の「星」

浄土平の星


浄土平ビジターセンターに隣接する直径5.5mの浄土平天文台は、一般に開放されている天文台では日本一高い場所。

ここは空気が清浄で、かつ下界の明かりが周囲の山々にさえぎられるため、肉眼で見える星の数はなんと約6,000個。天の川はあたりまえに見えます。

眼下に山並みを見たあとは、星を見上げて宇宙に思いを馳せるのも一興かも。

一切経山への難易度別ルート紹介

気軽に上れる一切経山ですが、2,000m級の山ということを忘れずに、軽装や悪天候時の安易な行動は控えましょう。また活火山であるため中腹から噴出する火山性ガスには注意が必要です。

今回は代表的な登山口から3つのルートをご紹介します。

①浄土平登山口~一切経山(魔女の瞳ビュー)ピストン

必要日数日帰り登山
登山口浄土平登山口(ビジターセンター)
総コースタイム2時間24分(休憩時間0分)
距離5.7Km
累積標高上り384m/下り384m
難易度/体力★☆☆☆☆☆/★☆☆☆☆
  • 浄土平ビジターセンター→(40分)→鎌沼分岐~酸ヶ平避難小屋→(34分)→一切経山山頂 上りタイム74分
  • 一切経山山頂→(26分)→酸ヶ平避難小屋~鎌沼分岐→(31分)→浄土平ビジターセンター 下りタイム57分

*このコースタイムには休憩時間は含まれておりません。

浄土平の駐車場からスタートします。
木道を歩くと姥ケ原(うばがはら)・酸ヶ平(すがだいら)の分岐に出ますので、右の酸ヶ平方面へ進んでいきます。

分岐を過ぎるとゆるやかな登りになり、そのうち平坦な湿原のエリアに着きます。

直進が鎌沼、右が一切経山という分岐に着いたら右の一切経山方面へ曲がりましょう。すると酸ヶ平避難小屋が見えてきます。(避難小屋には有料トイレがあります)

さらに進むとゴロゴロした岩の多い急登になりますが、ここで一息ついて後ろを振り返ってみましょう。湿原と鎌沼、その奥には東吾妻山の見事な景色を見ることができます。

鎌沼と磐梯山

そしてこの急登を登り切れば山頂です。吾妻連峰の山々を眺望しながらお目当ての「魔女の瞳」へ。思わず誘惑されてしまいそうなコバルトブルーの瞳に見つめられたらその絶景に心奪われることでしょう。

②浄土平登山口~一切経山(魔女の瞳ビュー)~鎌沼・姥ケ原まわりコース

鎌沼から見る一切経山
必要日数日帰り登山
登山口浄土平登山口(ビジターセンター)
総コースタイム3時間40分(休憩40分)
距離7.7Km
累積標高上り409m/下り409m
難易度/体力★☆☆☆☆/★☆☆☆☆
  • 浄土平登山口→(40分)→鎌沼への分岐~酸ヶ平避難小屋~(34分)→一切経山山頂 上りタイム74分
  • 一切経山山頂→(25分)~酸ヶ平避難小屋~鎌沼への分岐→(22分)→鎌沼→(9分)→姥ケ原分岐→(50分) 下りタイム106分

浄土平登山口は駐車場から。
駐車場周辺にも広がる湿原の中を、標識に従って木道を進みます。

鎌沼への分岐を右へ、酸ヶ平避難小屋を過ぎて一切経山へ向かいます。

一切経山から望む「魔女の瞳」に心を奪われたら酸ヶ平避難小屋に戻り、鎌沼への分岐を右へ進みます。

ワタスゲが揺れる気持ちのいい酸ヶ平湿原の木道を歩くと青く輝く湖面が見えてきます。魔女の瞳に引けを取らない透明度抜群の鎌沼の湖畔散策です。

透きとおる湖水の鎌沼

姥ケ原は酸ガ平湿原のほぼ対岸に位置しますが、チングルマやイワカガミが咲き乱れていて、鎌沼周辺は花好きにはたまらないエリア。


透き通った湖水、そよ風と太陽の光でゆらぐ水面。ここは極上の時間を過ごせる場所です。

そして木道をさらに進めば浄土平登山口です。

➂一切経山へ不動沢橋から登るシモフリ新道周回コース

必要日数日帰り登山
登山口不動沢橋登山口(つばくろ谷駐車場)
総コースタイム6時間27分(休憩34分)
距離12.2Km
累積標高上り1,075m
下り1,067m
難易度/体力★★☆☆☆/★★★☆☆
  • 不動沢登山口→(32分)→賽河原→(64分)→中天狗→(18分)→駱駝山→(51分)→一切経山山頂 上りタイム165分
  • 一切経山山頂→(43分)→家形山→(78分)→賽河原→(25分)→不動沢登山口 下りタイム146分

紅葉で有名な、つばくろ谷の不動沢橋駐車場にある登山口からのスタートです。

樹林帯、徒渉、そしてザレ場あり岩場ありの変化に富んだコースで根強い人気があります。

賽河原よりシモフリ新道に入るとルートが分かりずらくなり、樹木に目印のテープが巻いてありますがガスが発生すると迷いやすくなります。

異世界感ただよう吾妻小富士

視界が開ければ吾妻小富士の異世界感が・・・日本にいることを忘れてしまいそうです。

一切経山から見る磐梯山

一切経山頂からは飯豊連峰、朝日連峰、月山、蔵王連峰、磐梯山。奥には燧ヶ岳、会津駒ヶ岳が…どこを見ても絶景。

家形山から見る一切経山と魔女の瞳

そして、一切経山からの「魔女の瞳」を眼下にしたあとは、反対側の家形山から一切経山と魔女の瞳を見ます。このアングルがすばらしい、一見の価値ありです。

片道3時間以上の行程とアップダウンがあり体力も必要になりますので相当の準備をして入山すること。
初心者の単独行は避け、登山口に設置してある登山届は必ず記入してください。

登山口へのアクセス&駐車場&各種情報

一切経山の火山活動はいまは鎮静化していますが、4年ほど前までは入山規制があった山です。登山計画をたてたなら、直近の火山活動状況を確認してから出発しましょう。

下記リンクから確認できます。
吾妻山の火山活動状況/気象庁

浄土平ビジターセンター登山口

収容台数300台
駐車料金普通車500円
マイクロバス1,000円
二輪車200円
利用時間24時間
トイレ有(24時間利用可)
標高1,576m
飲料水/自販機あり
TEL0242-64-2105(浄土平ビジターセンター)

マイカー

  • 東北自動車道 福島西ICから国道115号、県道5・70号、磐梯吾妻スカイライン(高湯ゲート)経由29Km、約60分

電車

  • 東北新幹線 JR福島駅西口から約70分

*現在、JR福島駅西口からは公共交通機関はありません。タクシーまたはレンタカーの利用になります。

詳細は福島市観光案内所(JR福島駅西口2F)
TEL 024-531-6428

浄土平キャンプ場

吾妻小富士の西の山裾に広がる標高1,576mの台地状の場所に、コメツガやダケカンバなどに囲まれた清閑なキャンプ場があります。

開設期間5月上旬~10月下旬
テントサイト23区画
施設管理棟、炊事棟3棟、トイレ棟1棟、
宿泊定員300人
サイト使用料テント・タープ1張 1,000円
基本料金大人600円
小人400円(小学生)
TEL0242-64-2105(浄土平ビジターセンター)
利用当日は

▼浄土平キャンプ場の詳細はこちら
浄土平キャンプ場 | 磐梯朝日国立公園[磐梯・吾妻地域] 浄土平ビジターセンター

▼駐車場は兎平駐車場を利用

収容台数50台
駐車料金無料
トイレあり

不動沢橋(つばくろ谷)登山口

収容台数40台
駐車料金無料
トイレあり
標高1,205m
TEL024-531-6428(福島市観光案内所)

マイカー

  • 東北自動車道 福島西ICから国道115号、県道5・70号、磐梯吾妻スカイライン(高湯ゲート)経由23km、約40分

電車

  • 東北新幹線 JR福島駅西口から約50分

*現在、JR福島駅西口からは公共交通機関はありません。タクシーまたはレンタカーの利用になります。

詳細は福島市観光案内所(JR福島駅西口2F)
TEL 024-531-6428

一切経山のQ&A

Q:初心者ですが、一切経山までのトレッキングは普通のスニーカーでも問題ないでしょうか?

浄土平登山口から登るのであれば標高差は約370m、初心者向けのコースでもあるため、天候さえよければスニーカーでも問題ないとは言えます。

しかしザレ場や岩場などは滑りやすく、山での転倒やねん挫は自力で下山できなくなる可能性すらあります。

できればトレッキングシューズ程度のものを用意したほうが無難です。

Q:一切経山に登る適期は?

一切経山も山開きは毎年6月の第一日曜日となっています。5月までは残雪があることが多いため、6月上旬から10月下旬がおすすめの期間です。

山開きが過ぎれば湿原には愛くるしい高山植物が咲き始め、また9月下旬から10月上旬にはみごとな紅葉が山を彩ります。

一切経山周辺の観光スポット

浄土平レストハウス

標高1600mに位置する浄土平にあるレストハウス。1階は売店と軽食コーナーがあり、人気の会津山塩ラーメンや彩りソフトクリームなどがいただけます。
2階の天空レストランでは雄大な景色を眺めながら食事が楽しめ、イチ押しメニューは「わっぱ飯」。

なお2階には、自由に休憩できる眺めの良い無料休憩所があります。下山後にテーブルを囲みながら、山行の感動話に盛り上がるのもいいですね。

天空の山ピアノ:日本一標高の高いストリートピアノがあるので腕に自信のある方は一曲いかが?

なお夏休みの期間中は、さまざまなイベントが開催されますのでチェックしてみてください。

▼レストハウスの詳細はこちらから
浄土平レストハウス | 磐梯吾妻スカイラインのオアシス

営業時間9:00~16:00
休業期間11月下旬~4月上旬
TEL0242-64-2100

高湯温泉「共同浴場あったか湯」

出典:高湯温泉

「共同浴場あったか湯」は加水も加温もしない自然のままのかけ流し。全国で9番目にかけ流し宣言を行いました。

高湯温泉は9つの源泉があり、地形の高低差を利用して引き湯するという江戸時代より変わらぬ温泉管理がされています。

この方式は、今では全国でも極めてまれな温泉管理法なのです。

営業時間9:00~21:00(最終受付は20:30)
定休日毎週木曜日(木曜日が祝日の場合は翌日が休み)
入浴料金大人250円(中学生から)
小人120円
設備内湯はなく、すべて露天風呂のためシャワー・洗い場はありません
駐車場無料/収容台数38台(第2駐車場含む)
TEL0245-91-1125

▼詳細はこちら
共同浴場あったか湯|【公式】ありのままの温泉 高湯温泉

福島のくだもの「フルーツライン」

フルーツラインは吾妻連峰の麓を走る県道5号線の愛称で、約14Kmにわたり果物畑が広がり観光果樹園や直売所が数多く並びます。

6月中旬からのさくらんぼ(佐藤錦)を皮切りに、桃、梨、ぶどう、りんごと約半年間にわたってくだものの旬が続くフルーツ好きにはたまらないエリアです。

~福島市 くだもの狩り・直売所・生産直売・通販MAP~
*左上の四角いマークをクリックすると果樹園や直売所の位置や詳細が見れます。

フルーツライン(観光スポット) | 福島市観光ノート

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