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根子岳登山|難易度別・日帰りコース紹介【花と絶景を楽しむ】

根子岳登山|難易度別・日帰りコース紹介【花と絶景を楽しむ】

山頂からの絶景と一面が黄緑色に覆われている草原・大スキマの美しい景観が人気の根子岳。数多くの植物が生息しており、花の百名山にも選定されている山です。根子岳は難所のない登りやすい山ですが、隣に日本百名山・四阿山(あずまやさん)が連なっていることから、年間を通して多くの登山家が訪れています。本記事では日帰り可能な難易度別コースや根子岳の魅力、周辺のおすすめスポットなどをご紹介。根子岳に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

根子岳の基本情報と3つの魅力

根子岳は長野県の上田市と須坂市の境にある、標高2,207mの山です。名前の由来は、「四阿山と並ぶと根子岳が猫の耳のように見えるから」というなんとも可愛らしいもの。山の一部と西側の緩斜面である菅平高原は、上信越高原国立高原に属しており、牧場やスキー場としても親しまれています。

隣には日本百名山のひとつである四阿山が連なっており、根子岳からの縦走路が人気コースです。難易度が高くなく、絶景も楽しめることから登山家のみならず多くの観光客が訪れます。

ちなみに熊本県の阿蘇五岳にも同じ名前の「根子岳」が存在しますが、まったくの別物です。

山の名前根子岳(ねこだけ)
都道府県長野県
標高2,207m
天気・アクセスなど詳細情報

魅力その①:花の百名山!四季折々の花が見られる

ウメバチソウ

根子岳の魅力1つ目は豊富な花を見られることです。根子岳は季節ごとに様々な花が咲き誇ります。また、高山植物も多く生息しており、下界ではなかなかお目にかかれない植物の観察が可能です。

なかでも特に、花の百名山に選定された「ウメバチソウ」が有名。別名「梅花草(バイカソウ)」とも呼ばれ、その名のとおり梅の花を思わせるような白くて可憐な花を咲かせます。初秋に咲く花で、見ごろは例年9月ごろです。

ウメバチソウ以外に見られる代表的な花はこちら。

レンゲツツジ高さ1~2mの低木。赤やピンクの花が登山道を彩る。
見頃は例年6月中旬~下旬
ハクサンチドリ7月上旬に咲く高地を代表する花。見事なえんじ色が咲き誇る。
キキョウ例年9月ごろに見られる。全国的に自生地はほとんどない絶滅危惧種。

美しい花々を眺めながらの登山は、満足度アップ間違いなしです。

魅力その②:待ち受ける絶景!山頂からの眺望と大スキマの草原地帯

大スキマの草原

根子岳の魅力2つ目は眺望の良さです。山頂からは上田市の街並みや、ふもとにある広大な菅平牧場が見渡せます。天候の良い日には北アルプスの稜線や富士山までおがめることも。その景色はまさに圧巻の一言です。

絶景なのは山頂のみならず、お隣の日本百名山・四阿山との間に広がる草原地帯、大スキマも負けていません。まるでヨーロッパを思わせるような風景に感動を覚えることでしょう。また、鞍部から草原を見上げた時の爽快感も抜群。

根子岳は天候に左右されない山ですが、絶景を目的に登るのであれば晴れの日がおすすめです。

魅力その③:紅葉の美しさが格別の秘境!米子大瀑布

紅葉と米子大瀑布のコラボレーション

根子岳の魅力3つ目は、日本の滝百選に選定されている米子大瀑布(よなこだいばくふ)を見られることです。米子大瀑布から根子岳へと繋がるルートがあるため、登山の途中に立ち寄れます。

米子大瀑布は以下の2本の滝からなっており、2本合わせて「夫婦滝」と呼ばれることも。

不動滝落差89m。水量が多く、まっすぐな滝。
別名、男滝。
権現滝落差82m。水量が少なく、霧状に流れ落ちる滝。
別名、女滝。滝行ができる日本一の高さの滝。

荒々しい岩をバッグに流れる2本の滝は自然のパワーを感じられ、思わず息を飲むような光景です。特に紅葉時期はまるで絵画を切り取ったような美しい景色が見られます。

冬季には氷結した滝が見られますが、11月上旬~4月までは路面凍結による事故防止のため、米子大瀑布までの道路が通行止めに。米子大瀑布に訪れる際は上記の時期を避けてください。

根子岳の難易度別おすすめ登山コース

根子岳は初心者から上級者まで幅広く楽しめる山です。ここでは難易度別におすすめの登山コースを紹介します。実力に応じてコース選択の参考にしてください。

【初心者~中級者向け】根子岳の人気No.1コース!四阿山周回コース

①菅平牧場→1時間20分→②根子岳→1時間10分→③四阿山→30分→④中四阿→20分→⑤小四阿→35分→⑥四阿山登山口→5分→②菅平牧場

必要日数日帰り
コースタイム(休憩を含まない)4時間
距離9.9㎞
累積標高のぼり:974m
くだり:975m

「根子岳といったらこのコース」と言われる有名な人気コースです。菅平牧場を発着地とする周回コースになっており、根子岳・四阿山のどちらも登山道や山頂から絶景が見られます。

四阿山山頂からの眺望

前半は白樺が生い茂る登山道で、特に夏の新緑はひときわ美しいです。後半は木がなくなり、笹の道を進むルートになります。6月中旬頃はツツジが彩る登山道を歩けますよ。

登山道を彩るツツジ

このコースに特別な難所はありませんが、直線的な道を進むため変化には富みません。また、初心者の方や体力に自信がない方は、分岐点で四阿山方面へ進まず下山するルートへ進むことも可能です。

最後は菅平牧場へ戻ってくるので、ご褒美の濃厚ソフトクリームが待っていますよ。

【初心者~中級者向け】峰の原高原発!根子岳往復コース

①峰の原高原登山口→1時間50分→②根子岳避難小屋→1時間25分→③根子岳→20分→④根子岳避難小屋→1時間25分→⑤峰の原高原登山口

必要日数日帰り
コースタイム(休憩を含まない)5時間
距離9.6㎞
累積標高746m

このコースは、峰の原高原を発着点とする根子岳往復ルートです。前章で紹介した菅平牧場から出発するコースは観光客を含めて多くの人が登っていますが、こちらは比較的人が少ないので静かに登山を楽しみたい人におすすめ

登山口から雑木林の道を進むと牧場に突き当たります。こちらで入山協力金200円の支払いが必要です。管理人などはおらず、ポスト投入式になっているので小銭を用意していきましょう。

その先は牛が放牧されているのを横目に脇の道を進みます。雄大な眺めにのどかな気分を味わえることでしょう。

牧場脇の登山道

これといった難所もなく、歩きやすい登山道が続くため初心者でも登頂可能です。しかし、10㎞に近い距離があるので、体力に自信のない方は慎重に検討してください。

日本の滝100選を訪れる!米子大瀑布コース

①米子大瀑布駐車場→3時間→②小根子岳→15分→③根子岳→2時間→④米子大瀑布駐車場

必要日数日帰り
コースタイム(休憩を含まない)5時間15分
距離12.5㎞
累積標高のぼり:1,162m
くだり:1,165m

このコースは日本の滝100選に選定されている「米子大瀑布」を間近で見られるコースです。2019年の台風の影響で道路が崩落し、長らく通行止めになっていましたが、2023年5月に復旧。待望の開通に多くのハイカーが訪れています。

間近で見る米子大瀑布

水流の音を聞きながら木々が生い茂る山道を歩くので、涼を感じられる気持ちの良いルートです。特に紅葉の時期は息を飲むような絶景が眺められます。

岩がゴロゴロと転がっており、細い道も多いので、転倒・転落には十分注意してください。ただし、11月上旬から4月までの冬季は閉鎖されてしまいます。このコースを希望する場合は上記の閉鎖時期以外に行くとよいでしょう。

登山口へのアクセス・各種情報

根子岳へのアクセスは基本的には車をおすすめしますが、菅平牧場発着の四阿山周回コースのみ公共交通機関の利用が可能です。登山口ごとにアクセス方法や最寄り駅、トイレの有無などの詳細情報をお伝えします。

四阿山周回コース登山口

車の場合、「菅平牧場駐車場」が利用可能です。100台ほど駐車できるので、ゆとりがあります。駐車料金自体は無料ですが入山協力金として200円かかるので、用意をしてください。冬季は牧場が閉鎖されるため、駐車場も利用できないので注意が必要です。

最寄りICは以下の2つ。

  • 上信越自動車道・上田菅平ICより約35分
  • 上信越自動車道・須坂長野東ICより35分

また、公共交通機関を乗り継いで来ることも可能。都内方面からのアクセスも良好です。新幹線を上田駅で下車し、最寄りバス停である「菅原高原ダボス」までバスに乗ります。バス停から登山口までは徒歩40分ほどです。

トイレと自動販売機は、菅平牧場の駐車場付近にあります。この先の登山道にトイレはないため、必ずお借りしましょう。駐車場と同様、冬季はトイレも閉鎖されるのでご注意ください。

根子岳往復コース登山口

車の場合、「根子岳登山峰の原ルート駐車場」を利用できます。料金は無料で約15台駐車可能。満車の場合は第2駐車場もあるのでそちらを利用してください。上田菅平ICからは35分ほどで到着します。

電車の場合、最寄り駅は須坂駅ですがバスはありません。駅から峰の原高原駐車場まで車で40分かかるのでタクシーも厳しいでしょう。

駐車場にはトイレがあります。綺麗なトイレなので安心です。周辺にコンビニや自動販売機はないので、飲み物等は事前に準備しましょう。

米子大瀑布コース登山口

車の場合、「米子大瀑布駐車場」に60台ほど駐車可能です。基本的には無料ですが、紅葉シーズンのみ500円かかります。米子大瀑布駐車場までは須坂長野東ICより約50分です。

重量規制がしかれている橋があり、普通車までは通行できますが、中型車以上は通行不可です。駐車場までの道路は狭く、すれ違いに苦労するような細い道になっているので注意してください。

上記のとおり、米子大瀑布駐車場まではバスが通れない道なので、公共交通機関でのアクセスはできません

駐車場には新しくてきれいな水洗トイレがあります。周囲に自動販売機やコンビニはないため、飲み物等は事前に準備をしましょう。

四阿山Q&A

Q1:根子岳にキャンプ場はある?

指定のキャンプ場はありませんが、野営適地はあります。

Q2:根子岳登山で気を付けることは?

山の大部分が開けているため、登山中に日を遮るものがありません。予想以上に日光が照りつけてくるので、紫外線対策と熱中症予防はぬかりない準備をおすすめします。

Q3:根子岳は冬でも登れる?

根子岳は年間を通して登山可能です。しかし、冬はしっかり積雪があるので、ワカンやアイゼン等を持参して、万全の装備で挑みましょう。

根子岳の周辺おすすめスポット

根子岳の周辺には観光地もたくさん。ここからは、下山後も楽しめるおすすめスポットを紹介します。

難攻不落の城!上田城跡公園

出典:上田城 信州上田観光ガイド

最初のおすすめスポットは上田城跡公園です。上田城はかの有名な戦国武将・真田幸村の父、真田昌幸によって築城されました。日本百名城・二十七番に指定され、日本夜景遺産にも認定されています。第1次・第2次上田合戦で徳川軍を2度撃退した上田城は、難攻不落の城と呼ばれました。

4月上旬は上田城千本桜まつりが行われており、城を埋め尽くす1,000本余りの桜が咲き誇ります。

せっかく上田市に来たのであれば、歴史の名城に立ち寄ってみてはいかがですか?

上田城に来たならば城下町にも!

出典:上田城 信州上田観光ガイド

上田城の城下町は、江戸期には中山道と日本海を結ぶ北国街道の宿場町として栄えました。現在は古きよき街並みを名物グルメとともに楽しめる観光スポットになっています。

上田城下町の名物はこちら

  • 長野名物・信州そば
  • 老舗の味噌蔵の信州味噌
  • 350年以上の歴史を持つ酒蔵の信州上田地酒

ほかにも信州りんごを使用したアップルパイや、今川焼のような形をした和菓子の「じまんやき」など食べ歩きにも事欠きません。

詳細は信州上田北国街道柳町公式HPをご覧ください。

歴史を感じながらおなかも満たせる一石二鳥のスポットです。

現世へのご利益がある!北向観音

出典:北向観音常楽寺公式Facebook

2つ目のおすすめスポットは北向観音(きたむきかんのん)です。比叡山延暦寺座主の慈覚大師円仁によって開かれ、厄除観音として信仰を集めています。北向観音は源氏と平氏が争った源平の乱のさなか焼失してしまいますが、その後源頼朝の命により再興しました。

北向観音は長野県を代表するお寺である善光寺と向かい合うように本堂が北を向いているとからその名がついたといわれています。本堂が北を向いているのは全国的に見ても珍しいとのこと。

境内には樹齢1,200年の大木で、市指定文化財である愛染カツラや、夫婦円満の象徴である杉の大木もあり、見どころたっぷり。

現世利益をもたらしてくれるという北向観音に、今の時代の幸せを願いに参拝してみてはいかがですか。

1400年の歴史を持つ!別所温泉

出典:別所温泉観光協会

最後に紹介するおすすめスポットは別所温泉です。第12代天皇・景行天皇の時代にヤマトタケルの東征で発見されたといわれています。

別所温泉は筋肉痛やうちみ、疲労回復にも効能があり、登山後の体を癒すのにぴったりです。それだけでなく、弱アルカリ性の泉質により古い角栓が軟化され、お肌がすべすべになるとのこと。健康だけでなく美容効果も一緒に得られるのは嬉しいポイントですね。

別所温泉には宿泊可能な温泉はもちろんですが、3カ所の外湯があります。

  • 真田幸村隠しの湯「石湯」
  • 慈覚大師ゆかりの湯「大師湯」
  • 木曾義仲ゆかりの葵の湯「大湯」

1回200円で入浴できるため、外湯巡りを楽しめますよ。また、時間がない人には無料で入れる足湯も2カ所あるのでおすすめです。各外湯の詳細情報については別所温泉観光協会のホームページで確認してください。

登山のあとはやっぱりお風呂。歴史ある名湯につかって、ゆったりとした時間を過ごしてはいかがですか。

石湯 定休日毎月第2・4火曜日
大師湯 定休日毎月第1・3木曜日
大湯 定休日毎月第1・3水曜日
営業時間6時~22時(3館すべて)
入浴料200円/1カ所
別所温泉観光協会HPhttps://www.bessho-spa.jp/
(※2023年7月執筆時点)
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