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北アルプス屈指のカールを持つ黒部五郎岳を行くー初心者向けから中級者向けの難易度別登山コース紹介

北アルプス屈指のカールを持つ黒部五郎岳を行くー初心者向けから中級者向けの難易度別登山コース紹介

富山県、岐阜県にまたがる黒部五郎岳は雄大なカールを持ち、「日本百名山」にも選ばれている人気の山です。山頂からは遮るもののない大展望が広がり、カール地形は高山植物の宝庫になっています。今回は黒部五郎岳の3つの難易度別登山コースとアクセス、駐車場情報を紹介します。

黒部五郎岳の基本情報と魅力

黒部五郎岳の山容

黒部五郎岳は標高2840mで、富山県、岐阜県にまたがっています。「日本百名山」、「花の百名山」に選出されている人気の山で、特徴的な地形の黒部五郎カールの雄大な姿が大きな魅力です。山頂からの眺望も素晴らしく、北アルプスの山々が一望できます。高山植物も豊富で、特にカールには様々な高山植物が咲き乱れており、美しい姿を登山者に見せています。黒部五郎岳は北アルプスの人気縦走路「西銀座ダイヤモンドコース」上にあり、縦走の途上で黒部五郎岳の山頂を踏む登山者も大勢います。

登山コースがいくつかありますが、いずれのコースをとっても最低一泊は必要でしょう。

山の名前黒部五郎岳(くろべごろうだけ)
標高2840m
都道府県富山県、岐阜県
エリア北アルプス
詳細情報黒部五郎岳の詳細

魅力その①北アルプス随一の壮大なカール

黒部五郎カール

黒部五郎岳は北アルプスでも特に壮大な「黒部五郎カール」を持っています。カールとは、氷河によって形成された、スプーンでえぐったようになっている谷のことです。

魅力その②山頂からの展望

黒部五郎岳山頂に立つ登山者

山頂からは見事な展望を望めます。槍ヶ岳をはじめとした、北アルプスの山々が一望できます。山頂からは雄大なカールを見下ろすことができます。

魅力その③豊富な高山植物

チングルマの花

黒部五郎カールは高山植物の宝庫です。ミヤマキンポウゲ、チングルマなどの高山植物の姿が登山者の目を楽しませてくれます。高山植物の見頃は7月、8月です。

魅力その④カールの紅葉

黒部五郎岳の紅葉

秋になると、黒部五郎カールではウラシマツツジやウラジロタデなどが紅葉して、美しい風景を作り出しています。紅葉のシーズンは9月下旬から10月上旬です。

黒部五郎岳のおすすめ登山コース

【最短で黒部五郎岳を目指す初心者向けコース】折立~黒部五郎岳ピストンコース

1日目
折立→1時間30分→三角点→1時間30分→五光岩ベンチ→50分→太郎平小屋

2日目
太郎平小屋→2時間→北ノ俣岳→1時間→中俣乗越→1時間50分→黒部五郎ノ肩→15分→黒部五郎岳→10分→ 黒部五郎ノ肩→1時間10分→中俣乗越→1時間20分→北ノ俣岳→1時間30分→太郎兵衛平→40分→五光岩ベンチ→1時間→三角点→1時間→折立

必要日数1泊2日
総コースタイム※15時間45分
休憩時間目安4時間
距離29.9km
累積標高2374m
難易度★★☆☆☆

※総コースタイムは休憩時間を含めない時間。

アプローチが比較的短い初心者向けのコースです。それでも一泊は必要です。

折立登山口

標高1350mの折立キャンプ場駐車場に約300台の駐車スペースがあります。料金は無料。トイレと自動販売機があります。

登山口に登山ポストがあります。

折立キャンプ場駐車場

登山コース紹介

1日目

登山口を出発すると急登が続きます。道はやがて木道に変わります。

途中に三角点が出てきます。ベンチがたくさん設置されているので休憩によいでしょう。展望もよい場所です。

開けた登山道を歩いていくと、やがて宿泊地の太郎平小屋に到着です。

太郎平小屋遠景

太郎平小屋は収容人数150人。料金は1泊2食付きで11000円。完全予約制なので事前に予約しましょう。

2日目

太郎平小屋を出発し、北ノ俣岳方面へ向かいます。高山植物の姿が美しい道を歩きます。
北ノ俣岳を通ります。山頂からは美しい眺めを楽しめます。

中俣乗越から急な登りになります。黒部五郎ノ肩から15分で黒部五郎岳山頂です。

黒部五郎の肩

山頂からは素晴らしい展望が広がっています。槍ヶ岳をはじめとした北アルプスの山々の姿が一望できます。

黒部五郎岳山頂と雲

山頂を出て、黒部五郎ノ肩方面に下ります。あとは往路と同じ道を折立へ向かって下ります。

【「天井の庭」雲ノ平を満喫する】折立~雲ノ平~黒部五郎岳周回コース

1日目
折立→1時間30分→三角点→1時間30分→五光岩ベンチ→50分→太郎兵衛平→2時間20分→薬師沢小屋→2時間20分→アラスカ庭園→40分→アルプス庭園→15分→雲ノ平山荘

2日目
雲ノ平山荘→20分→雲ノ平キャンプ場→40分→祖父岳分岐→1時間→徒渉点→50分→三俣山荘→50分→三俣蓮華岳→30分→巻道合流点→1時間→黒部五郎小舎

3日目
黒部五郎小舎→2時間10分→黒部五郎岳→10分→黒部五郎ノ肩→1時間10分→中俣乗越→1時間20分→北ノ俣岳→1時間30分→太郎兵衛平→40分→五光岩ベンチ→1時間→三角点→1時間→折立

必要日数2泊3日
総コースタイム※23時間35分
休憩時間目安6時間
距離41.7km
累積標高3367m
難易度★★★☆☆

※総コースタイムは休憩時間を含めない時間。

かつて”最後の秘境”と呼ばれた雲ノ平を通って黒部五郎岳にアプローチするコースです。まるで庭園のような美しい風景を楽しめます。

折立登山口

標高1350mの折立キャンプ場駐車場に約300台の駐車スペースがあります。料金は無料。トイレと自動販売機があります。

登山口に登山ポストがあります。

登山コース紹介

1日目

折立を出発して、太郎兵衛平まで折立~黒部五郎岳ピストンコースと同じ道を進みます。

木道を進むと薬師沢小屋に着きます。

アラスカ庭園、アルプス庭園と景色の美しい場所を過ぎると、この日の宿泊地の雲ノ平山荘に到着です。

雲ノ平山荘遠景

雲ノ平山荘は1泊2食付きで大人12000円、30歳以下10400円、18歳以下10000円、小学生以下8000円。完全予約制で、定員50名です。営業期間は7月10日から10月15日まで。

2日目

雲ノ平山荘を出発して、祖父岳分岐へ向かいます。

三俣山荘を過ぎて、三俣蓮華岳を目指します。

三俣蓮華岳山頂からは素晴らしい眺めが広がっています。

巻道との合流点から1時間ほどでこの日の宿泊地の黒部五郎小舎に到着です。

黒部五郎小舎

黒部五郎小舎は、1泊2食付きで14000円。営業期間は7月10日から10月10日までで、予約制。収容人数は60人。

3日目

黒部五郎小舎を出て、黒部五郎岳へ向かいます。カールの中を歩いていきます。

黒部五郎カール

黒部五郎岳山頂からは遮るもののない大展望が広がっています。山頂からの眺めを存分に楽しみましょう。

黒部五郎岳山頂を出て、北ノ俣岳を経て太郎兵衛平に出ます。

太郎兵衛平から先は往路と同じ道を折立へ向けて下ります。

【壮大なカールの魅力を味わう】新穂高温泉~黒部五郎岳ピストンコース

1日目
新穂高温泉→1時間→笠新道登山口→20分→わさび平小屋→20分→小池新道登山口→1時間10分→秩父沢出合→1時間15分→シシウドが原→1時間→鏡平山荘→1時間→弓折乗越→1時間→双六小屋
2日目
双六小屋→2時間25分→三俣蓮華岳→30分→巻道合流点→1時間→黒部五郎小舎→2時間10分→黒部五郎岳→ 1時間40分→黒部五郎小舎→1時間40分→巻道合流点→40分→三俣蓮華岳→2時間10分→双六小屋

3日目
双六小屋→1時間5分→弓折乗越→40分→鏡平山荘→40分→シシウドが原→50分→秩父沢出合→40分→小池新道登山口→20分→わさび平小屋→15分→笠新道登山口→45分→新穂高温泉登山口

必要日数2泊3日
総コースタイム※24時間35分
休憩時間目安6時間10分
距離 46.4km
累積標高3519m
難易度★★★☆☆

※総コースタイムは休憩時間を含めない時間

北アルプスの登山拠点のひとつである新穂高温泉から黒部五郎岳にアプローチするコースです。北アルプス随一のカールを歩くことができます。

新穂高温泉登山口

新穂高温泉は北アルプスの様々な山へ登る中継地点で、宿泊施設や温泉も多数あります。標高1040mの市営新穂高第3駐車場に約200台の駐車スペースがあり、無料で利用できます。登山ポスト、トイレも備わっています。

新穂高第3駐車場

登山コース紹介

1日目

新穂高温泉を出て、林道を進みます。

新穂高温泉駅

小池新道登山口から登りになります。鏡平は展望がよく、水面に映る槍ヶ岳が美しい鏡池があります。

鏡池

稜線に出て尾根道を進むと宿泊地の双六小屋が見えてきます。

双六小屋遠景

双六小屋は1泊2食付きで14000円。営業期間は7月10日から10月20日までの予約制。収容人数は150人。

2日目

双六小屋を出発して三俣蓮華岳へ向かいます。

三俣蓮華岳山頂からは素晴らしい展望が広がっています。

山頂から黒部五郎岳へ向かいます。黒部五郎小舎を経て、カールの中を歩いていきます。黒部五郎ノ肩を南に少し歩くと黒部五郎岳山頂です。

山頂からは大展望が広がっています。北アルプスの山々と雄大な黒部五郎カールが一望できます。素晴らしい眺めをゆっくり楽しんでください。

黒部五郎岳山頂に立つ二人の登山者

山頂を出て、双六小屋まで下ります。前日泊まった双六小屋に再び泊まります。

3日目

双六小屋を出て、往路と同じ道を通って新穂高温泉まで下ります。

黒部五郎岳のQ&A

黒部五郎岳の名前の由来は?

「五郎」は岩がゴロゴロしているという意味の「ゴーロ」に、「黒部」は地名に由来します。

黒部五郎岳の登山シーズンは?

夏山登山のシーズンは7月から10月です。高山植物の見頃は7月と8月、紅葉は10月が見頃です。

黒部五郎岳の天気の特徴は?

夏は午後から天候が崩れやすくなります。雷や夕立が発生しやすくなりますので、なるべく午前中に行動するようなスケジュールを組むとよいでしょう。雨具を忘れずに。また、標高が3000m近いため、山頂付近は夏でも気温が下がります。防寒具を忘れずに携帯しましょう。

登山口へのアクセス・各種情報

新穂高温泉

登山口情報

新穂高温泉は北アルプスの様々な山へ登る中継地点で、宿泊施設や温泉も多数あります。市営新穂高第3駐車場に約200台の駐車スペースがあり、無料で利用できます。登山ポスト、トイレも備わっています。

登山口までのアクセス

バス:JR松本駅からバスで新穂高温泉バスターミナル下車。
車:長野道松本ICから63㎞で新穂高無料駐車場へ。

折立

登山口情報

折立キャンプ場駐車場に約300台の駐車スペースがあります。料金は無料。トイレと自動販売機があります。

登山口に登山ポストがあります。

登山口までのアクセス

バス:JR富山駅から富山地方電鉄バスで折立バス停下車。
車:北陸道立山ICから38㎞で折立キャンプ場駐車場へ。

黒部五郎岳周辺のおすすめ山旅スポット

奥飛騨温泉郷栃尾温泉 荒神の湯

奥飛騨温泉郷栃尾温泉 荒神の湯

蒲田川の河原にある露天風呂です。山々の素晴らしい眺めを堪能しながら湯につかれます。営業時間は8:00~22:00。月、水、金は12:00~22:00。定休日はなし。料金は寸志300円程度を寄付。

新穂高の湯

新穂高の湯

新穂高温泉にある混浴の露天風呂です。蒲田川の美しい風景を眺めながらゆっくりと汗を流すことができます。営業時間は8:00~18:00。定休日はなし。料金は寸志300円程度を寄付。

中崎山荘 奥飛騨の湯

中崎山荘 奥飛騨の湯

新穂高ロープウェイ乗り場の近くにある温泉施設です。食事もできます。営業時間は9:00~18:00。入浴料金は大人900円、子供450円。

池田屋安兵衛商店

池田屋安兵衛商店

薬売りで有名な富山にある、老舗の薬屋です。江戸時代からの歴史を持つ「反魂丹」の販売もおこなっています。丸薬製造体験もできます。2階のレストランでは薬膳料理が提供されています。営業時間は9:00~18:00。無休。

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