北アルプス北部に位置する奥大日岳は、かつては信仰の山として、修行の場として登られてきたと言う歴史があります。山頂からの眺めは素晴らしく、特に剣岳の姿は圧巻です。また、高山植物の宝庫として有名です。今回は奥大日岳の2つの登山コースと、アクセス、駐車場情報を紹介します。
奥大日岳の基本情報と魅力
奥大日岳は標高2611mで、北アルプスに位置し、富山県に属しています。立山と同じように、かつては修験道の修行の場である信仰の山でした。大きな登山拠点である室堂から登るのが一般的なコースです。立山や剣岳に登る登山者が多いため、奥大日岳に向かうコースは比較的静かな登山が楽しめる道です。
山頂からの眺めは素晴らしく、遮るもののない大パノラマが広がっています。奥大日岳は剣岳の遥拝所であったことからもわかるように、山頂や稜線からは雄大な剣岳の姿を目にすることができます。奥大日岳は「花の百名山」にも選ばれており、高山植物の宝庫としても人気です。
山の名前 | 奥大日岳(おくだいにちだけ) |
標高 | 2611m |
都道府県 | 富山県 |
エリア | 北アルプス |
詳細情報 | 奥大日岳の詳細 |
魅力その①山頂からの展望
山頂からは遮るもののない360度の大展望が広がっています。立山連峰や北アルプスの山々を一望できます。
魅力その②眺めのよい稜線歩き
眺めのよい爽快な稜線歩きができるのも奥大日岳の魅力のひとつです。
魅力その③剣岳の迫力の眺め
奥大日岳の山頂や稜線から見る剣岳の雄大な姿は素晴らしいものです。奥大日岳はかつて、剣岳や立山の遥拝所として登られてきたという歴史があります。
魅力その④豊富な高山植物
奥大日岳は「花の百名山」に選ばれるほどの高山植物が豊富な場所です。室堂ターミナルから奥大日岳山頂までの道の途上でハクサンイチゲ、チングルマ、シナノキンバイなど、たくさんの高山植物の姿を見ることができます。高山植物の見頃は7月、8月です。
魅力その⑤秋の紅葉
登山基地となる室堂をはじめ、道中随所で美しく紅葉に染まった木々を眺めることができます。
奥大日岳のおすすめ登山コース
【初心者向けの日帰りコース】室堂~奥大日岳ピストンコース
室堂ターミナル→(15分)→ミクリガ池→(5分)→エンマ台→(45分)→ 雷鳥平→(40分)→新室堂乗越→(2時間)→奥大日岳→(1時間40分)→新室堂乗越→(30分)→雷鳥平→(1時間)→エンマ台→(5分)→ミクリガ池→(15分)→室堂ターミナル
必要日数 | 日帰り |
総コースタイム※ | 7時間15分 |
休憩時間目安 | 2時間 |
距離 | 10.5km |
累積標高 | 774m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
※総コースタイムは休憩時間を含めない時間。
日帰りで奥大日岳山頂を往復するコースです。難易度は低いので、初心者におすすめです。
室堂ターミナル
登山口に直接車でアクセスすることはできないので、標高460mの立山駅駐車場に車を停め、ケーブルカーとバスを使って室堂ターミナルまで行きます。登山届は室堂ターミナル1Fで出すことができます。室堂駅売店で食料品や飲料を販売しています。
登山コース紹介
室堂ターミナルを出発し、遊歩道を進みます。
みくりが池の横を通り、雷鳥平で浄土沢を渡ります。木の橋が出てきます。
急登を終えると新室堂乗越に着きます。この先は稜線歩きになります。眺めのよい、気持ちのよい道です。
奥大日岳山頂に到着です。山頂からは遮るもののない大展望が広がっています。立山連峰や北アルプスの山々が一望できます。特に剣岳の姿は見るものを圧倒するほどです。
山頂から往路を通って室堂ターミナルまで下ります。
【爽快な縦走と迫力の滝を見る】室堂~奥大日岳~称名滝縦走コース
1日目
室堂ターミナル→(15分)→ミクリガ池→(5分)→エンマ台→(45分)→雷鳥平→(40分)→新室堂乗越→(2時間)→奥大日岳→(1時間40分)→七福園→(20分)→大日小屋→(20分)→大日岳→(15分)→大日小屋
2日目
大日小屋→(1時間50分)→大日平山荘→(50分)→牛ノ首→(1時間10分)→大日岳登山口→(20分)→称名滝バス停
必要日数 | 1泊2日 |
総コースタイム※ | 10時間30分 |
休憩時間目安 | 3時間10分 |
距離 | 15.1㎞ |
累積標高 | 761m |
難易度 | ★★★☆☆ |
※総コースタイムは休憩時間を含めない時間。
室堂ターミナルを出て、称名滝までの縦走コースです。眺めのよい縦走を楽しめます。称名の滝は落差350mの大迫力で、ぜひ立ち寄ってみてください。
室堂ターミナル
登山口に直接車でアクセスすることはできないので、標高460mの立山駅駐車場に車を停め、ケーブルカーとバスを使って室堂ターミナルまで行きます。登山届は室堂ターミナル1Fで出すことができます。室堂駅売店で食料品や飲料を販売しています。
登山コース紹介
1日目
室堂ターミナルを出発し、「室堂~奥大日岳ピストンコース」と同じ道を通って奥大日岳まで登ります。
奥大日岳から稜線に戻り、岩場を大日岳方面に下ります。途中、鎖場やハシゴが出てくるので注意して進みましょう。
やがて七福園という自然庭園が現れます。かつて修験道の修行者たちの聖地だった場所です。
中大日岳山頂を超え、しばらく下ると大日小屋が見えてきます。この日の宿泊場所です。
大日小屋に荷物を置き、軽装で大日岳の山頂に向かいましょう。20分ほどで山頂です。ここからも素晴らしい眺めが楽しめます。
大日小屋は相部屋2室で、一人ずつ仕切りが設けられています。料金は曜日により2食付きで1万2000円から1万4000円。事前予約が必要です。
2日目
大日小屋を出発し、大日平山荘方面に進みます。
湿原に出て、木道を歩いていくと大日平山荘です。
牛首から急な下りが続きます。下りが終わると舗装道路に出ます。
舗装道路から左手に進むと称名滝に出ます。落差350mの大迫力の滝です。
舗装道路を称名川の下流に進めば称名滝バス停に到着です。
奥大日岳のQ&A
奥大日岳の名前の由来は?
仏教の仏のひとつである「大日如来」の名前に由来していると言われます。山岳修行を行う修験道の修行者は大日如来を中心的な仏とみなしていました。
奥大日岳の登山シーズンは?
奥大日岳の夏山登山のシーズンは、7月から10月です。高山植物の見頃は7月、8月で、紅葉の見頃は10月です。
奥大日岳の難易度は?
奥大日岳は日帰り登山が可能で、危険な個所もないので初心者に向いている山です。ロープを使って登る箇所も出てきますが、難易度は高くありません。
奥大日岳の天気は?
奥大日岳は標高が2500mを超えるため、山頂付近は夏でも気温が下がります。防寒具は必須です。また、夏は午後から天候が崩れやすくなります。雷や夕立が発生しやすくなるため、なるべく午前中の行動時間を長くするようなスケジュールを立てるとよいでしょう。雨具も忘れずに携帯してください。
登山口へのアクセス・各種情報
室堂ターミナル
登山口情報
登山口に直接車でアクセスすることはできないので、立山駅駐車場に車を停め、ケーブルカーとバスを使って室堂ターミナルまで行きます。登山届は室堂ターミナル1Fで出すことができます。室堂駅売店で食料品や飲料を販売しています。
登山口までのアクセス
公共交通機関: JR立山駅からケーブルカーで美女平駅へ。美女平駅から富山地方鉄道バスで室堂ターミナルバス停へ。
車:北陸道立山ICから23㎞で立山駅駐車場へ。
称名滝
登山口情報
称名平駐車場に約300台の駐車スペースがあります。料金は無料です。トイレも備えられています。レストハウス称名前に登山ポストがあります。
登山口までのアクセス
バス:富山地方鉄道立山線立山駅から立山黒部貫光バスで称名滝バス停下車。
車:北陸道立山ICから29㎞で称名平駐車場へ。
奥大日岳周辺のおすすめ山旅スポット
みくりが池温泉
室堂ターミナルから徒歩15分の地点にある温泉です。標高2410mと、日本一高い所にある温泉です。泉質は単純酸性泉で、施設のすぐ下にある地獄谷から直接お湯を引いています。館内にはレストラン、喫茶、売店もあります。入浴時間は9:00~16:00。料金は大人1000円。
立山玉殿の湧水
室堂にある湧水です。「名水百選」にも選ばれており、多くの登山客が冷たい水で喉をうるおしています。冬季は凍ってしまうため、春から秋にかけてのみの湧水です。
黒部ダム
日本有数のサイズを誇る巨大ダムです。観光放水をおこなっており、毎秒10トンの水が噴き出る迫力の光景には息を飲みます。運がよければ放水にかかる虹が見えるでしょう。ダム湖を走る遊覧船もあります。
称名滝
「日本の滝100選」にも選ばれている、落差350mの大迫力の滝です。紅葉の時期は赤や黄色の木々と滝の白が美しいコントラストを作り出します。称名滝駐車場から歩いていけます。室堂から縦走してきた人は、途中で少し寄り道します。