ロックガーデンは山中に突如現れるオアシスのような場所です。ロックガーデンは御岳山(みたけさん)の後方にあり、ケーブルカーを利用すれば登山初心者や家族連れでも気軽にハイキングを楽しめます。苔や奇岩、清流が作り出す幽玄な自然に、きっと日々の生活を忘れられるでしょう。
今回はロックガーデンの魅力や天気・気温、周遊コースなどを解説します。下山後に楽しめる温泉の解説もしているので、ぜひ最後までお読みください。
御岳山にあるロックガーデンとは
まずはロックガーデンの魅力や行き方、天気・気温について見ていきましょう。
御岳山 | 詳細情報 |
都道府県 | 東京都 |
山系 | 奥多摩 |
エリア | 秩父多摩甲斐国立公園 |
標高 | 929m |
山の紹介 | 御岳山の基本情報と山頂付近の天気 |
御岳山から行ける人気のハイキングコース!
ロックガーデンは、標高929mの御岳山の後方にある渓谷で、約1.5kmにわたって苔や奇岩、清流が作り出す幽玄な世界が広がっています。ロックガーデン周遊コースは、「綾広の滝」や「七代の滝」「天狗岩」などの見どころがたくさんあり、御岳山で人気の場所になっています。ロックガーデン周遊コースの距離は約6.1km、高低差は200mで、東京都心から日帰りで行けるため、登山初心者や家族連れに人気です。
「涼」を求めて多くの方が訪れるので、おすすめの時期は夏と言えるかもしれません。ただ、渓谷を紅葉が覆いつくす秋もおすすめです。一人ひとりのお気に入りのロックガーデンの時期を見つけてもよいかもしれませんね。
なお、御岳山の富士峰園地では8月中旬にレンゲショウマが見頃です。令和5(2023)年は7月22日から9月10日の日程で、「みたけさんレンゲショウマまつり」が開催されています。様々なイベントを予定しているので、ロックガーデンへ行かれる方はぜひ参加してください。
ロックガーデンへ行くときはケーブルカーに乗ろう!
ロックガーデンでハイキングを楽しもうと思ったら、ぜひケーブルカー(御岳登山鉄道)を利用しましょう。ケーブルカーは、麓(滝本駅)から山頂付近(御岳山駅)までを結んでいて、標高407.6mから標高831.0mまでを片道約6分間で移動できます。運賃は片道600円で運行本数は1時間に2本から4本と、とても利用しやすい移動手段です。
ケーブルカーに乗らずにロックガーデンまで行けますが、登山初心者にとってはきつい行程と言えるでしょう。御岳山登山口から御岳山山頂までは約1時間45分かかります。さらに、御岳山山頂からロックガーデンまで行くことを考えると、登山に慣れた方や体力に自信がある方以外は避けたほうが無難です。
なお、御岳山の麓にあるケーブルカー滝本駅までの行き方は、JR青梅線御嶽駅からの路線バスの利用が便利です。車で来られる方は滝本駅付近に駐車場が数か所あるので、ぜひ利用してください。
御岳山とロックガーデンの天気・気温は?
御岳山とロックガーデンの天気は、東京都心よりも変わりやすいと言われています。奥多摩にある標高の高い山々で発生した雨雲が、御岳山のほうへ来るからです。御岳山やロックガーデンへの登山・ハイキングを予定している方は、ウェザーニュースや日本気象協会のインターネットサイトを利用するとよいでしょう。地域ごとの天気予報が確認できますよ。登山では欠かせないレインウェアーの携帯も忘れないでくださいね。
また、御岳山は気温が東京都心よりも低く、約6℃違うと言われています。さらにロックガーデンは、渓谷という地形や小川があることが影響しているためか、山頂付近よりも涼しく感じますよ。
マイナスイオンたっぷりのロックガーデン周遊コース
ここからはロックガーデン周遊コースについて解説します。ロックガーデン周遊コースは、ケーブルカーの御岳山駅を出発し、武蔵御嶽神社や七代の滝、綾広の滝などに立ち寄りながらロックガーデンの周辺をハイキングするコースです。時間は約3時間30分かかり、高低差は約200mです。前半は主にロックガーデン内の道を、後半は山沿いの登山道を歩きます。それでは、ロックガーデンの周遊コースの各ポイントを道順どおりに解説していきます。
御岳山駅をスタート!
スタート地点はケーブルカーの御岳山駅です。御岳山駅から御師集落・宿坊街の道を御岳山山頂がある武蔵御嶽神社方面に向かって歩きます。途中にある急坂や武蔵御嶽山神社の330段の階段がきつく感じるかもしれません。
日本武尊(やまとたけるのみこと)が植えたとされる「御岳の神代ケヤキ」は、武蔵御嶽神社の商店街付近にあります。
武蔵御嶽神社でぜひ参拝を
次は、御岳山の山頂に鎮座する武蔵御嶽神社です。武蔵御嶽神社は、紀元前の崇神天皇の頃に創建されたと言われる歴史のある神社で、「大口真神」をはじめとする多くの神様を祀っています。「大口真神」に祀られているのはニホンオオカミの神様です。
山頂ということもあり眺めも素晴らしく関東一円が見渡せます。ただ、山頂標識がある場所はわかりにくく、境内の奥にある大口真神社の横に建てられています。ぜひ探してみてください。なお、このあとに向かう長尾平へは境内から道が分岐しています。
長尾平が運命の分かれ道
武蔵御嶽山神社から長尾平へ向かって歩きます。長尾平は広場になっていて茶屋や東屋などがあり、休憩にはぴったりの場所です。長尾平の展望広場からの眺めも素晴らしいです。
長尾平の次がロックガーデンですが、「天狗の腰掛杉」を経由する道と、「七代の滝」を経由する道に分かれています。「七代の滝」を経由する道は急な下り坂で、登山初心者は「こわい!」と感じるかもしれません。「天狗の腰掛杉」を経由する道を選択したほうが無難でしょう。なお、両方の道は「天狗岩」で合流します。
ロックガーデンでパワーチャージ
「天狗岩」からは、いよいよメインのロックガーデンです。飛び石で小川をジグザグに渡りながら、ロックガーデンの奥へ奥へと進んでいきます。奇怪な形の岩や、その岩を覆いつくす苔、小川のせせらぎに、訪れた多くの方が幽玄さを感じるはずです。絵になる景色ばかりなので写真を撮影するのもよいですし、歩みを止めて清流のせせらぎに耳を傾けるのもよいでしょう。
「おすすめのシーズンは?」と聞かれたら、「涼」を感じる夏や、紅葉が苔を覆いつくす秋と答える方が多いでしょう。自分だけのベストシーズンを見つけてもよいかもしれませんね。
ランチはロックガーデンの休憩場所で
ロックガーデンの中間地点に休憩場所があります。今どきのきれいでおしゃれな休憩場所ではありませんが、ロックガーデンの風景に溶け込んでいます。
ゆっくりと風景やせせらぎを楽しめるため、ランチスポットにぴったりです。なお、トイレも併設されていますよ。
綾広の滝で最後のマイナスイオンを
最後は「綾広の滝」です。ロックガーデンのもっとも奥にあり、約10mの高さから水が落ちる姿は圧巻です。滝の前に鳥居が建てられていて、厳かな雰囲気すら感じられます。武蔵御嶽神社や宿坊が開催する滝行体験も行われており、ハイキングのときに偶然見られるかもしれません。
「綾広の滝」のあとは、川沿いではなく山沿いの道を歩き御岳山駅へと戻ります。
ロックガーデンのあとに立ち寄りたいスポットとは
ロックガーデンでのハイキングのあとは、しっかり観光も楽しみましょう。最後はおすすめの観光スポットを紹介します。
御岳ビジターセンターで御岳山とロックガーデンに深く知ろう
「御岳ビジターセンター」は、自然解説員が常駐し御岳山の自然や登山道などの情報を発信している東京都の公的機関です。御岳山駅と武蔵御嶽神社の中間地点にあるため、ハイキングや登山の前に立ち寄って、必要な情報を入手するほうがよいかもしれません。
情報以外では様々な展示や自然体験プログラムも開催しています。一日がかりのプログラムや、宿泊をともなうプログラムもあり、御岳山やロックガーデンを深く知りたい方にはおすすめです。飲食ができる休憩スペースもあるので、気軽に立ち寄ってはいかがでしょうか。
お土産はぜひ御岳山の商店街で!
武蔵御嶽神社の手前に商店街があり、飲食やお土産の購入ができます。飲食のメニューにも特徴があり、鹿肉カレーや刺身こんにゃくなどの御岳山ならではの食事が楽しめます。売店は御岳山駅の広場前にも2軒あるため、商店街でお土産を買い忘れても安心ですよ。
ケーブルカーを降りてからでも滝本駅の売店でお土産を買えますが、バスの発車時刻が迫っているため、ゆっくりお土産を選んでいる時間がありません。できることなら御岳山の山頂にいる間に、お土産を買っておきましょう。
下山後は温泉につかろう!
ロックガーデンでのハイキングで汗をかいたあとは、温泉につかりたいですよね。JR青梅線沿いには、日帰り入浴を楽しめる「奥多摩温泉 もえぎの湯」(奥多摩駅)や、「亀の井ホテル 青梅」(青梅駅)などの温泉があります。
「すぐに湯につかりたい!」という方には、温泉ではありませんが、宿坊での入浴がおすすめです。「宿坊 神乃家 山楽荘」や「山香荘」で日帰り入浴を楽しめます。休館日や予約が必要な場合があるため、入浴したい方はあらかじめ電話で確認しておきましょう。
御岳山のロックガーデンに癒されて日々の疲れを吹っ飛ばそう
御岳山のロックガーデンに行けば癒されながらハイキングを楽しめます。苔や奇岩などの幽玄な自然や、マイナスイオンがたっぷりの清流や滝があり、日常生活をきっと忘れられるでしょう。もし癒されながらハイキングをしたいと思ったら、ぜひ御岳山のロックガーデンに行きましょう。