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【日帰り登山】春の女神ギフチョウの聖地!初心者から歩ける石砂山の難易度別ルート紹介

【日帰り登山】春の女神ギフチョウの聖地!初心者から歩ける石砂山の難易度別ルート紹介

石砂山(いしざれやま)は、神奈川県北部の相模原市にあり、相模湖の南に位置する、ギフチョウの生息地として知られる山です。春にはギフチョウ目当ての人でにぎわいますが、それ以外は静寂に包まれ、四季折々の自然の魅力にあふれています。標高578mの低山なので、山歩き初心者の方にもおすすめです。

石砂山の基本情報と魅力

石砂山は、なんといってもギフチョウの生息地として知られている山です。春先に舞うアゲハチョウの一種であるギフチョウは、生息地が非常に限られており、関東近郊ではここ石砂山一帯でしか見られないとあって、春には関東各地からファンが訪れます。

年間を通じて石砂山への登山客が最も多いのは春ですが、静かな山行を望む方にはピークを過ぎた後の季節のほうがおすすめです。にぎわいが去った後の新緑の初夏や紅葉の美しい秋、落ち葉を踏みしめて歩く冬は自然の魅力にあふれ、低山ながら深々とした山の雰囲気が楽しめます。

また、石砂山は東海自然歩道に連なる山のため、石砂山単体でのハイキングだけでなく、東海自然歩道を貫く縦走ハイクが楽しめるのが魅力です。登山者の体力やスキルに応じてコースを選択したり、距離を伸ばしたりすることができます。

石砂山登山では、コース途上での展望はあまりありませんが、山頂からは正面にそびえる丹沢山塊の焼山をはじめ、石老山や陣馬山、富士山の遠景も望め、見どころの1つといえるでしょう。

山の名前 石砂山(いしざれやま)
標高 578m
都道府県 神奈川県
エリア 関東
山域奥多摩
地図・天気など 詳細情報

魅力その①:春の女神、ギフチョウに出会える

ギフチョウは、アゲハチョウ科に属する日本固有種で、神奈川県の天然記念物に指定されています。可憐に飛び回る姿から「春の女神」と称され、関東地方では石砂山をはじめとした神奈川県相模原市の藤野地区にしか生息していません。

3月下旬から4月上旬の石砂山を歩くと、登山道をヒラヒラと舞ったり、山頂のベンチにとまったりする愛らしいギフチョウの姿をいくつも見かけることができます。運が良ければ登山道のカンアオイの葉の裏に産み付けられた卵を見つけられるかもしれません。

魅力その②:四季折々の自然や里山の風景に癒される

出典:神奈川やまなみ五湖

石砂山のある一帯は、神奈川県の中でも里山の風景が色濃く残る、のどかな地域です。ギフチョウが舞う春だけでなく、里山全体が赤や黄色に染まる秋の山行もおすすめです。

静寂の中、色づいた木々を眺めながら歩く喜びは、春以外は訪れる人の少ない石砂山ならでは魅力といえるでしょう。

魅力その③:東海自然歩道を通じてコースをさまざまに設定できる

東海自然歩道は、東京から神奈川、山梨、静岡などを通って大阪までを結ぶ壮大な長距離自然歩道の1つです。東京の高尾山を起点に、小仏峠から神奈川県の相模湖方面へと入り、嵐山、石老山、石砂山を経て丹沢山地を貫き、山梨県へと続いていきます。

この東海自然歩道を通って石砂山、石老山と縦走ハイクを楽しんだり、健脚の方ならばさらに足を延ばして高尾山へと向かうこともできたりなど、さまざまにコースを設定できます。

石砂山の難易度別おすすめ登山コース

石砂山に登るコースはいろいろありますが、ここでは石砂山単体をピストンで行くベーシックなコースと、東海自然歩道を歩いて2座を貫く縦走コースを紹介します。

【初心者でも安心】篠原~石砂山 往復コース

石砂山北側、篠原地区から東海自然歩道を歩いて石砂山へ向かうコースです。マイカーでアクセスしやすく、初心者向けの手頃な里山ハイクが楽しめます。

ルート紹介

篠原の里駐車場→(3分)→篠原バス停→(1時間)→石砂山→(50分)→篠原バス停→(2分)→篠原の里駐車場

※休憩時間:約40分

必要日数 日帰り
総距離4.2㎞
コースタイム 2時間34分
累積標高 上り:334m 、下り:334m
難易度 ★☆☆☆☆

詳細レポート

駐車場からのどかな篠原地区の集落を歩いて登山口へ向かいます。途中、男女別のトイレもあるので安心です。駐車場から歩いて10分ほどで、小川にかかる小さな木橋が見えてきます。ここが登山口ですので、樹林の中を登っていきましょう。

自然林の心地よい道を1時間ほど歩くと石砂山山頂に到着します。

山頂はあまり広くありませんが、東海自然歩道の案内図とテーブルがあるので休憩に最適です。正面には丹沢主脈の焼山がそびえ、樹林越しに石老山や陣馬山、富士山が遠望できます。

帰りは来た道をそのまま戻ります。

駐車場

篠原の里駐車場を利用します。ここは旧篠原小学校跡地を利用した宿泊研修センターとなっており、登山客の駐車場利用は有料です。設置されている小箱に料金(1日500円)を入れてください。

  • 収容台数:30台
  • 料金:500円/日
  • 時間:規定なし
  • 標高:290m
  • トイレ:登山口に向かう途中にあり
  • 登山ポスト:登山口にあり
  • 自販機:なし

【2座縦走】石砂山~石老山 縦走コース

伏馬田集落の登山口から石砂山~篠原~石老山と、東海自然歩道を歩いて2座を縦走するコース。しっかり歩くので、石砂山だけでは物足りなさを感じる方におすすめです。縦走は無理という方は、石砂山から篠原へ下り、そのまま帰路につくといいでしょう。

ルート紹介

西野々バス停→(5分)→伏馬田入口バス停→(1時間10分)→石砂山→(55分)→篠原バス停→(1時間20分)→石老山→(20分)→東雲山→(35分)→大明神(大明神山)→(5分)→大明神展望台→(1時間)→ねん坂(プレジャーフォレスト前)バス停

※休憩時間:約1時間5分

必要日数日帰り
総距離 14.9㎞
コースタイム 4時間49分
累積標高上り:1,099m 、下り:1,199m
難易度 ★★☆☆☆

詳細レポート

伏馬田入口バス停から歩いて亀見橋へ向かいます。亀見橋から見える道志川の清流と山々の風景は美しく、特に秋の紅葉の時期は見事です。

出典:神奈川やまなみ五湖

亀見橋を渡ってそのまま坂を歩いていくと、登りつめたところに右に折れる道が見えてきます。ここが登山口です。石砂山への道標に沿って民家の横を登っていきます。

石畳の道を経て庚申塔を通り過ぎ、小橋を渡っていくと尾根に出ます。菅井と石砂山の分岐を石砂山方向へと進み、鉄塔の下まで来ると視界が開け、前方に石砂山が見えてきます。気持ちのいい樹林帯の中を歩き、頂上直下の階段を上がれば山頂に到着です。

山頂からは篠原方向に下ります。杉林の中を歩き、小さな木橋がかかったところに出たら、そこが下山口です。

ここから舗装路を歩いて篠原バス停に向かい、事前に予約しておいたデマンドタクシーで帰路につくこともできます。

不老山との縦走に向かう方は、県道518号沿いにある篠原の里駐車場の先を東海自然歩道の標識に沿って右に折れ、谷戸入沢の橋を渡って登っていきます。狭く急な木段道を上ると尾根に出ます。

木の根が突き出た急な尾根道を歩いていくと、金毘羅社のある休憩所に到着します。テーブルとベンチが置かれているので一息入れるといいでしょう。この休憩所を過ぎると石老山の稜線に入り、ほどなく石老山山頂に到着します。石砂山の山頂より広く、テーブルもいくつか置かれています。

石老山山頂からは、丹沢山塊や富士山が見えます。

石老山山頂からは、大明神へ向かいます。祠のある大明神を過ぎるとまもなく大明神展望台に到着し、相模湖の雄大な景色が望めます。

大明神展望台からはねん坂へと下り、舗装道路を歩いてプレジャーフォレスト前バス停へ向かいます。

駐車場

篠原の里駐車場を利用してください。

石砂山のQ&A

石砂山で多い質問は、ヒル、ギフチョウ、駐車場などです。回答と併せて紹介します。

Q1:石砂山はヤマビルがいますか?

石砂山は、ヤマビルが多い山として知られています。冬期以外はしっかり対策が必要です。

Q2:石砂山のどのあたりでギフチョウが見られますか?

春のシーズン中であれば、登山口、山の中腹、山頂と石砂山全山でギフチョウに出会えます。

Q3:石砂山の駐車場はどこですか?

篠原の里駐車場が最も近くて便利です。料金500円を小箱に入れてください。トイレはありませんが、施設のトイレを貸してもらえます。また登山口手前にも公衆トイレがあります。

登山口へのアクセス・各種情報

石砂山へは、山の北側、南側にそれぞれ登山口があります。

篠原集落、石砂山登山コース入口

石砂山の北側、篠原集落からアプローチするには、マイカーでアクセスするのが一般的ですが、JR藤野駅からバスとデマンドタクシーを乗り継いで行くこともできます。

マイカーでのアクセス

中央自動車道相模湖ICから国道20号、国道412号、県道517号、県道518号と進んで篠原の里駐車場に停めます。

篠原の里駐車場からは車道を350mほど南下して篠原地区の集落へ。石砂山の道標がある分岐を右の小道に進み、そのまま道なりに歩いていくと、左側に小川にかかる小さな木橋が現れます。ここが石砂山の登山口です。

駐車場から登山口まで徒歩約10分。途中トイレもあります。登山口には登山ポストとヒル除けのスプレーがあります。

バス、デマンドタクシーでのアクセス

JR藤野駅から「やまなみ温泉」行きの神奈川中央交通バスに乗り、「赤沢」または「やまなみ温泉」下車。

赤沢バス停またはやまなみ温泉バス停からは、篠原地区デマンドタクシーを利用して篠原地区へ行きます。デマンドタクシーは誰でも利用でき、また1人でも利用できますが、事前に電話予約が必要です。運航ダイヤはないので、デマンドタクシーの運行時間内で利用したい時間を告げて予約してください。

  • 運行時間:平日8:00~18:30、土日祝8:00~18:00
  • 予約受付時間:8:00~20:00
  • 予約受付先:電話042-687-3121 藤野交通(株)
  • 運賃:大人200円、小学生100円

※利用希望日の前日18時までに予約すれば、平日は6:30から、土日祝は7:00から運行可能です。

デマンドタクシーに乗って篠原バス停(路線バスは閉業)で降車後は、マイカーでのアクセス同様、車道を南下して石砂山への分岐を右に進みます。道なりに歩き、左に小さな木橋が見えたらそこが登山口です。(デマンドタクシーの運転手さんに石砂山の登山口に行きたいと伝えれば近くまで来てくれるかもしれません)。

伏馬田、石砂山登山口

石砂山の南側、伏馬田集落からアプロ―チするには、伏馬田入口バス停までバスでアクセスできます。マイカーは伏馬田方面に停められないため、篠原の里駐車場に停めてください。

バスでのアクセス

JR橋本駅北口バス乗り場から神奈川中央交通バスの「三ケ木」行きに乗り、終点の三ケ木で下車。三ケ木バス停で神奈川中央交通バスの「東野」行きに乗り換え、伏馬田入口で下車。

伏馬田入口バス停横の横断歩道を左に曲がり、国道413号線に出たら右に曲がって坂を下ります。道志川にかかる亀見橋を渡り、坂を上った先の分岐を右に行くと、車道左手に石砂山の登山口が現れます。

伏馬田入口バス停から登山口まで徒歩で約25分です。トイレなどの設備はないので駅で済ましておくといいでしょう。

石砂山周辺のおすすめ山旅スポット

石砂山周辺には下山後に立ち寄りたいおすすめスポットがあります。

藤野やまなみ温泉

出典:藤野やまなみ温泉公式サイト

下山後に最適な日帰り温泉施設。お湯は源泉水を100%使用し、一切加水していません。施設内には食堂や休憩所もあります。

焚火カフェ WILD BR'ESSE(ワイルドブレス)

出典:焚火カフェ WILD BR'ESSE公式サイト

青野原の自然の中、焚き火や薪割り、ブレイブボード、乗馬などアウトドア体験ができる屋外型カフェレストラン。フレンチのシェフでもあるオーナーの作る料理はおいしいと評判です。

バカンス村

出典:バカンス村公式サイト

自然豊かな道志川沿いのキャンプ場。河川敷はフリーサイトとなっていて、予約なしでキャンプやバーベキュー、釣りや川遊びが楽しめます。屋根付きのバーベキュー施設やコテージ、貸し切りサウナもあります。

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