八ヶ岳は長野県と山梨県にまたがる山々の総称で、テレビや雑誌に取り上げられている人気の山岳スポットです。ご存知の方も多いかと思いますが、南北20以上の山々が連なる八ヶ岳は北と南で山の雰囲気が異なります。
- 北八ヶ岳:「苔むした針葉樹の森で比較的なだらかな山域」
- 南八ヶ岳:「ガレ場や岩場が多く、3000m級の鋭い岩峰が続く山域」
今回の体験記では、
北八ヶ岳の白駒池登山口から、高見石小屋~中山展望台~黒百合ヒュッテ~にゅう~東天狗岳~夏沢峠までをレポートしていきます。
苔むした森はとても幻想的で、オシャレな山小屋もあり岩場や稜線歩きなどバリエーション豊かなルートを楽しめました。
危険箇所が少ないので初心者の方にもおすすめできる登山スポットですね。
今回の体験記で紹介する登山ルート
- 縦走1日目(8/31):白駒の池→高見石小屋→中山展望台→黒百合ヒュッテ→にゅう→ 黒百合ヒュッテ泊
- 縦走2日目(9/1) :黒百合ヒュッテ→東天狗岳→箕冠山→夏沢峠
縦走1日目:白駒の池→高見石小屋→黒百合ヒュッテ
09:35 麦草峠線の路線バスに乗り込みました。
バス時刻表・運賃(https://www.alpico.co.jp/traffic/local/suwa/mugikusa/)
茅野駅から麦草峠線のバスで白駒の池まで向かいます。
この日は平日のため空いているかと思いきや…座席は8割ほど埋まっていました。
体感として、バスはめちゃくちゃ揺れる感じではなかったので車酔いはしませんでした。
1時間程度で白駒の池バス停に到着。こちらにはお土産売り場とトイレがあります。
トイレの協力金は50円でとても綺麗でした。(2023年8月現在)
バス停で準備を済ませ、いよいよ登山口に向かいます。
出発は11:00で少し遅めのスタートですね。
宿泊地の黒百合ヒュッテまではコースタイム2時間半のハイキングです。
最初は整備された木道を歩いていきます。
ここから白駒池荘までは観光客の方も多くいらっしゃいました。
入ってすぐに苔の森が広がっていました。
ふわふわな苔に癒されます。かわいい!
登山口から10分くらいで白駒池に到着です。
水が澄んでいてと静かでやすらげる場所でした。
白駒池を過ぎると本格的な登山道に入っていきます。
緑の絨毯のようで美しい景色です。
つい足が止まってしまい写真を撮るので、なかなか前に進めません。
ちなみに登山道の様子ですが、土は湿っている箇所が多く石の表面はつるつるしています。
ここは登山靴のソールでもけっこう滑るので注意して進みます。
(私は浮かれていたこともあり、道中3回は滑りました)
白駒の池から1時間くらい登ると高見石小屋に到着します。
ここでどうしても食べたいものが…
名物の揚げパン!!
これが食べたいがために北八ヶ岳に来たと言っても過言ではありません。笑
生地がふわふわ、ほどよい甘さで何個でも食べれそうです。
私が食べたのはきなこと抹茶でしたが、他にもあずき、胡麻、チーズがありました。
こけももジュースもほどよい酸味で疲れた体に沁みます。
山小屋の中もとっても雰囲気があり、ここに宿泊する方は羨ましいですね。
登山開始から1時間しか経っていませんが、まったりと休憩していきました。
高見石小屋を出発し1時間弱ひたすら上りです。
中山の展望台に到着してようやく長い上りは終了します。
この展望台は見渡しが非常に良く、北にそびえる蓼科山もばっちり見えています。
明日登る東天狗岳の姿も。
山の姿にテンションが上がります。
展望台から20分くらい歩いて分岐の中山峠に到着です。
この場所で標高2400mとは、あまり実感がわきませんね。
そして中山峠から10分程度で黒百合ヒュッテに到着です。
私は写真を撮ったり揚げパンを食べていたので、白駒池から3.5時間かかりました。
本日の宿の黒百合ヒュッテもとても雰囲気が良かったです。
黒百合ヒュッテについて
ざっくり小屋の情報として↓
- 1Fは談話室でザックは全てこちらに置く。
- 2Fと3Fが布団の敷いてある大部屋。
- トイレは水洗で綺麗。女性のみ更衣室があり。
- お水は宿泊者とテン泊者は無料(2023.8月現在)
- 電波はドコモは繋がるらしい…auは全くだめでした。
- 20時消灯。
ちなみに布団は隣が同姓になるように配慮をしていただけました。
女ソロで山小屋泊まりだとちょっと気になる事情です。
到着したらすぐ大部屋に案内してもらえると思っていましたが16:30より宿泊者を集めて布団の割振り案内があるようです。
つまりそれまでは大部屋の布団でゴロゴロすることができないためアタックザックを持って近くを散策することにしました。
行き先は、にゅう(2352m)です。
先ほどの中山峠まで戻り、道中に標識があるのでこちらを左へこれを直進すると先ほどの中山展望台に戻っていきます。
にゅうまでの登山道は短いアップダウンがあり、木の幹が露出している箇所がいくつかあるので足元には注意です。他は危ない箇所はありませんが時間がすでに15時で、平日だからか人通りが少なくなってきました。
動物とか…でないよね?と静かな森にビビりながら進んでいくと。
岩が積み上がった場所が見えてきます。あの上が山頂のようです。
「にゅう」という名前だから、可愛いゆるふわな山の姿を想像していましたが岩が剥き出しのたくましい山でした。ギャップありますね。
こちらも山頂もとても見晴らしが良かったです。
森の中に、出発地点付近の白駒池がポツンと見えました。
私が登った時はやや曇っていたのですが、晴れていたらかなりの展望が期待できそうですね。
時間が無くなってきたので急いで小屋に戻ります。
黒百合ヒュッテから往復で2時間くらいですが、短い距離ながらアップダウンがあるのでわりと登りごたえがある印象です。
無事に小屋に戻りおたのしみの夕食の時間です。
ハンバーグをいただきました。お味噌汁や人参のお漬物、高野豆腐も味わい深くて美味しいです。
ご飯とお味噌汁はおかわり自由でした。
ここではお茶用のカップの提供がなかったので、自前のものを持って行くと良いです。
持ってない場合は、食べ終わったお茶碗で飲んでくださいと案内がありました。
隣の席のおじ様やお姉さんと話が弾み、楽しい夕食の時間でした。
黒百合ヒュッテは森の中にあるので、夕日は木に隠れてしまいます。
明日に向けて早く眠りにつきました。
縦走2日目:黒百合ヒュッテ→東天狗岳→夏沢峠
5:30 この日は赤岳まで行く予定でしたので早朝より山小屋を出発しました。
鮮やかな朝日が昇っています。東天狗までは1時間半かかります。
黒百合ヒュッテから森を抜けると東天狗岳の山頂が見えてきました。
この辺りから岩場に入ります。
太陽や遠くの山々もしっかり見える位置まで登ってきました。
見かけほど危険箇所はありません。
一つ一つの岩が大きく足場がしっかりしています。
とはいえ、転ばないように注意して登ります。
そしてついに東天狗岳(2640m)の山頂です!
振り返ると今まで歩いてきた山々が見えます。
奥に目立つ山は蓼科山です。相変わらず大きいですね。
お隣の天狗岳。こちらも大きくて存在感に圧倒されました。
こちらは夏沢峠方面です。
左手の地層がくっきりと見える山が硫黄岳です。
その奥にボコっと見えるのが赤岳。さすが南八ヶ岳の山は迫力がありますね。
東天狗岳からの下は突如、鎖場が現れます。
このあたりから石と砂ザレの登山道になってくるので滑らないか注意が必要です。
ストックも使いたいところですが、少々道幅が狭い箇所も多いので悩みどころ。
どんどん南八ヶ岳の方に近づいてきました。
この稜線の美しさは素晴らしいですね。
横を向くと御嶽山もばっちり見えます。
東天狗岳から下り、根石岳という山を越えると再び森の中に入っていきます。
写真右手に見えるのは根石岳山荘です。
そして巨大な硫黄岳の前に箕冠山という山を経由して行くのですが、箕冠山がまさかの森の中にありました。
というのも、ずっと稜線から見える山頂を歩いてきたので少しびっくりします。
黒百合ヒュッテから森林を歩き、岩場やザレ場を歩き、広い稜線を楽しみ、ふたたび森林に入るので飽きのこないルートだと思いました。
このあたりは下りとほぼ平坦な道です。
森の中をざくざく歩いて行くと…
夏沢峠に到着しました!ここが八ヶ岳の中心部といわれています。
こちらに夏沢ヒュッテという小屋がありますが、調べたところ、7月と8月のみの営業のようでトイレも閉鎖されていたのでご注意ください。
私はこちらのトイレをあてにしていのたですがリサーチ不足で入れず…硫黄岳山荘まで1.5時間我慢しました。笑
今回の北八ヶ岳記はここで終了ですが、この日の内に赤岳展望荘まで向かっています。
続きは後半で。