今やファイントラックの代名詞となっているシート状立体保温素材「ファインポリゴン®」を封入した『ファイントラック・ポリゴンUL』。2023年のモデルはファインポリゴンを表地と裏地で挟んで縫い合わせ、あらかじめキルト状にしてから、裁断・縫製の工程へ進む方法に変わったことで、行動中に動きやすく、また保温着としての携行性を高めたモデルに仕上がっています。
ポリゴンULジャケット
- 重量:185g
- 素材:表地:ナイロン100%、裏地:ナイロン100%、中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)
ポリゴンULパンツ
- 重量:175g
- 素材:表地:ナイロン100%、裏地:ナイロン100%、中わた:ポリエステル100%(ファインポリゴン®)
ファイントラック独自開発のシート状立体保温素材ファインポリゴンとは
ファインポリゴンとは濡れても保温性を維持し続けるシート状の保温素材です。極薄のシート生地を、シワ加工で凹凸のある立体構造にし、この生地を積層させて温かい空気の層を形成するため非常に軽く、そして温かく、なによりも水濡れに強いという特長を持っています。
保温素材の代表格であるダウンは雨や結露、汗に濡れることでロフトが失われ、保温力が著しく下がってしまいます。このようなウィークポイントを解消したのが化繊綿です。この化繊綿を比較するのにファイントラックは「含水率(がんすいりつ)試験」「乾燥試験」を行い、その結果ダウン60%、化繊綿40%に対しファインポリゴンは24%程度の含水率と優れた水分抜け、また乾燥試験においては2分間の脱水後、気温20℃、湿度65%で無風の室内にて乾燥させ、約5分という早さで乾燥した結果を出しています。
実際に雨に濡れてびちょびちょになったポリゴンULジャケットをギュッと絞って、その後保温着として着用することができた過去の事例からも優れた特徴とメリットのある素材だと考えます。
このようにファインポリゴンは濡れに強く速乾性にも優れている以外にも、濡れてもロフトが潰れにくいため、完全に乾いた時と比較しても完全とまでは言えないまでも保温性を維持し、さらには軽量でコンパクトにして携行することができるアイテムです。
またアクティブインサレーションとして着用した時に皮脂汚れが付着してしまうのですが、自宅で容易にメンテナンスができるのでガシガシ使えるのもポイントです。
行動中に着用できる動きやすさを備えたアクティブインサレーション
2023年のリニューアルより自由度のある縫製が可能になったことから体への追従性を高めた縫製パターンを採用することができました。過去のモデルと比較しても腕上げがしやすくアクティブインサレーションとしての活用がしやすいデザインです。
また手首の部分は縫い代の肌あたりを少なく、伸縮性に優れた撥水ニット素材で、腕まくりがしやすく、寒い時には手首からの冷気の侵入を防いでくれます。
行動中暑いなあ〜と感じたらザックのショルダーハーネスと干渉しづらい位置にベンチレータ―を備えているので素早く熱を排出し冷たい空気をジャケット内に取り入れることができます。逆に寒いと感じたら首元をしっかりと覆い隠すデザインなので暖かく行動することができます。
保温着にも使えるポリゴンULジャケット
ダウンジャケットや化繊ジャケットと比較すると優れた保温性を備えているとは言えないのですが、軽さ、濡れても安心という点から、シーンを選べば大変便利な保温着として活躍してくれます。ハンドウォーマーポケットはジッパーがないシンプルな作りです。
2023年のモデルからは内ポケットに本体を収納できるポケッタブル仕様に生まれ変わり、さらに携行性に優れたアイテムにリニューアルしました。
200gを切る軽量性に優れたポリゴンULパンツ
適度な保温力を備えたポリゴンULパンツは、雪山登山における行動着、寒い季節の保温着として着用することができます。ジャケットと同様にファインポリゴンを使用したパンツなので、水濡れに強く、軽く、メンテナンスがしやすい特徴があります。
ポリゴンULパンツは脱ぎ履きがしやすいように前面にはジッパーを備えスナップボタンで止めた後にウエストに備えられた紐でフィットさせます。行動中に暑くなった場合は膝上に設けられたベンチレーションで衣服内の群れを一気に開放することができます。
ポケットはヒップポケット1箇所で、この部分にポケッタブル収納が可能です。今回のリニューアルから身体への追従性を高めるデザインに一新し、股部分に撥水性を兼ね備えたストレッチ素材を用い、足が上げやすくなっています。
まとめ
ポリゴンULジャケットとパンツを合わせても約350gほどで、温かなダウンジャケット1つ分ぐらいの重さです。さらに保温着だけでなく寒い季節の行動着としても着用することができる汎用性の高さも魅力です。雨の心配がある登山や、湿気の多い沢周辺のテント場、結露の心配が多いシングルウォールテントを使っている人にとって力強い味方になること間違いなしです。