登山におけるダウンジャケットは休憩中の保温着としての役割から、登山中はザックの中に収納することになります。だからこそ軽量でコンパクトなダウンジャケットが登山では重宝されます。しかしダウンジャケットは軽量であれば良いという単純なことではなく、登山をする季節と標高に応じた保温力のあるダウンジャケットをチョイスすることが前提となります。
今回紹介するRabのミシックGジャケットは、秋、冬、初春までをカバーする保温力の高さが特徴のダウンジャケットです。
商品概要
ブランド | Rab |
商品名 | ミシックGダウンジャケット |
商品説明 | 1000FP ヨーロピアン グース ダウンと熱反射性 TILT ライニングを備えた Mythic G |
価格 | ¥60,500 (税込) |
重量 | 277g (サイズM) |
生地 | 表地:7D Atmos™ ナイロンリップストップ (23gsm) フロロカーボンフリー DWR (耐久性撥水加工) 裏地:TILT(サーモ・イオン・ライニング・テクノロジー)を採用した7Dリップストップ・ナイロン 中綿:1000FP RDS認証ヨーロピアングースダウン(127g サイズM) |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★★ |
コンパクト性 | ★★★★☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★☆ |
高いフィルパワーだからこそ成せる保温力と軽量性の両立
高い保温力と軽量性の両立を引き出すために最も注目すべきポイントの1つに『使用されている中綿の存在』があります。RabのミシックGジャケットには、1000フィルパワーのRDS認証ヨーロピアングースダウンを使用しています。1000フィルパワーのダウンを使用しているジャケットは、知っている限りで
- モンベル プラズマ1000(フードなしで130g)
- カリマー ウルトラフェザージャケット(フードなしで210g)
- Rab ミシックGジャケット(フード付きで277g)
そのほかマーモットやマウンテンハードウェアにもありましたが、現在は販売していないようです。
フィルパワーの高いダウンジャケットに共通して言えるのは保温力が高いながらも優れた軽量性があるということです。
軽さを引き出しているのはダウンだけじゃない
ダウンジャケットの軽さはダウンの質と量だけに注目すべきではなく、ダウンを閉じこめる役割を果たすシェルにもこだわる必要があります。シェル素材の厚みを表す「デニール数」は繊維の厚みを表す数値で、9000メートルで1グラムの糸=1デニールとされています。
デニール数が少ないことで薄く軽量になっていくわけですが、それに伴って耐久性も落ちてきます。そこで登山ウェアやギアの多くはデニール数を落としても耐久性を損なわないように「リップストップ」生地を採用します。
RabのミシックGジャケットもリップストップナイロンを使用しているわけですが、デニール数がなんと7Dという数値。この薄さはかなりなもので軽いことはもちろん高級でもあります。表地には耐久性撥水加工を施し、裏地には後から触れるTILT(サーモ・イオン・ライニング・テクノロジー)を採用しています。どちらも7Dのリップストップナイロンで、これ以上にない軽さを追求したジャケットです。
撥水ダウンという選択
そもそも鳥の羽毛であるダウンは油分があり撥水する力はあるのですが、体から常に発せられる湿気、山小屋やテント内に生じる湿度によって少しづつダウンの嵩高が減り、2白以上の登山ともなるとダウンの保温力が少しづつ衰えていくリスクがあります。
RabのミシックGジャケットにはNIKWAXの撥水剤を使用した撥水ダウンが使用されています。これによって徐々に奪われていく保温力の低下リスクを幾分か防ぐことが期待できます。
TILTライニングによって保温性が向上
Rabのダウンシュラフにも採用されているTILTとは、サーモアイオニックライニングテクノロジーの略称で、繊維そのものにチタンコーティングを施し、生地の通気性を確保しながら熱を体に反射するエマージェンシーブランケットのように機能する保温テクノロジーのことです。
このテクノロジーによって熱効率が高められるため、気温が下がってもダウンジャケットの中は暖かさが維持されます。
このチタンコーティングは通気性を確保すべき脇の部分は省かれていることからも、単純に保温力に優れたダウンジャケットではなく、ダウンジャケットを着用しながらもいかに快適に過ごすことができるか、という目的のためにデザインされていることがよくわかります。
冷気の侵入を防いだデザインが魅力のダウンジャケット
ダウンジャケットを着用している時は休憩中であり、多くの人はおおよそ座っていることが多いと考えられます。そうすると背中側が捲り上がって腰からお腹にかけて気づかない間に冷たくなっているという経験がある人も少なくないはず。そのようなことがないようにRabのミシックGジャケットは着丈が長く設定されています。
また裾の部分にはフィット調整ができるコードが備わっており冷気の侵入を防ぎます。この機構はシンプルな構造で軽量化にも貢献しています。
袖口部分とフードの周りはストレッチ素材のみでフィットするように作られています。
フードはしっかりと頭を包み込んでくれる立体的な構造で、ツバには形状記憶するワイヤーが入っているので視界が妨げられません。
細かな点に配慮されたダウンジャケット
ポケットは左右にハンドウォーマーポケットが備えられており、外側から一見ポケットがないように縫製部分に沿ってジッパーが備えられています。着用した時にシンプルな見た目なのが特徴的なデザインです。
開閉がしやすいビスロン製のフロントジッパーは実際に使ってみるとかなり使い勝手がよく感じます。スルッと滑るようなジッパーの動きはグローブをした状態で着脱することを想定してみてください。
価格は税込みで6万500円と高価なダウンジャケットですが、これ1つあれば普段からアウトドアまで様々なシーンで使える汎用性に優れているのでお得感があります。