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【日帰り登山】静寂の山旅は日光の太郎山へ|難易度別ルート&登山口や各種情報をご紹介

【日帰り登山】静寂の山旅は日光の太郎山へ|難易度別ルート&登山口や各種情報をご紹介

太郎山は日光三山のひとつ。

一つ目は日本百名山の父・男体山、二つ目は日本二百名山の母・女峰山、そして三つ目に日本三百名山の長男・太郎山ということになります。

兄妹には大真名子山と子真名子山という姉妹もいて、この5つの山はファミリーとみなされているのです。なお、表日光連山と呼ばれたりもします。

男体山・女峰山に比べるとマイナーな印象で登山客も少ない太郎山ですが、実は登った人にしかわからない格別な風景がそこにはあるのです。

「山、行きたいな。人が少なく景色の良い山」と、ふと思ったら太郎山がおすすめ!

今回はそんな絶景を独り占めできる場所、太郎山をご紹介します。

太郎山とはどんな山?魅力とは?

日光火山群の一座で男体山の北西、女峰山の西南西、戦場ヶ原の北東に位置する独立峰。なお南西には小太郎山と呼ばれる峰があります。

古くから山自体がご神体(太郎山権現)として山岳信仰の対象となっており、男体山・女峰山とともに日光三山を形成、日光修験においても重要な役割を果たした山です。

太郎山権現は、男体山(二荒山権現)・女峰山(瀧尾権現)とともに日光三所権現の一角。山頂には太郎山神社(祭神は味耜高彦根命・アヂシキタカネヒコ)が鎮座しています。

太郎山の南側には日光三嶮(にっこうさんけん)のひとつに数えられる「新薙」があります。

山の名前太郎山(たろうやま)
エリア・都道府県関東・栃木県
山域日光山系
標高2,368m
詳細情報太郎山の地図・天気
てんくら

魅力①山頂からの圧巻の景色はあなただけの特別席

太郎山登山のだいご味は、小太郎山から太郎山への稜線から見る景色。

百名山の男体山が特にきれいに見えます。南側には戦場ヶ原・中禅寺湖、西には日光連山が屏風のように連なります。

広がるすそ野は人の気配がない日光の原生林、登山客が少ない太郎山だからこそ味わえる静寂な空間。いつもと違う風の音を聴いてみませんか?

魅力②広大な湿原|戦場ヶ原

中禅寺湖をめぐり男体山の神と赤城山の神が争った「戦場」がこの地であったと伝わる戦場ヶ原。かつては湖であったものが湿原化したものでその面積は400haと広大です。

350種の植物と多種の野鳥が生息することでも有名で、各所に湿原を見渡せる展望ポイントが設置されているため、男体山をバックに壮大な自然を体感することができます。

秋、草紅葉が美しく染まる9月下旬から10月上旬にはぜひ訪れたい場所です。

魅力③湯元温泉と湯ノ湖

788年、日光開山の祖「勝道上人」が発見した湯元温泉は、湯治場として長い間親しまれてきました。

日光の奥座敷、森と湖に抱かれた静寂の中、日本で4番目に濃い硫黄温泉は旅の疲れをゆっくりほどいてくれます。

湯ノ湖は、三ッ岳の噴火で湯川がせき止められてできた静かな山間の湖。湧き出た温泉が湖に流れ込み湯けむりを上げています。

マス釣りの名所でもあり多くの釣り人が訪れます。

登山届はパソコン・スマートフォンでも届け出が可能です。

▼栃木県登山計画書【電子申請システム】
【栃木県電子申請システム】手続き申込:申込 (e-tumo.jp)

難易度別ルートのご紹介

周回を含めた3つのルートをご紹介します。

①太郎山登山口から山王帽子山~小太郎山~太郎山|ピストン

山王帽子山を経由して太郎山を目指すコースです。小太郎山から太郎山までは細い稜線を歩きます。

コースデータ

登山口太郎山登山口
下山口太郎山登山口
行動時間5時間34分(休憩30分)
距離7.2Km
累積標高のぼり1030m
くだり1031m
難易度/体力★★☆☆☆/★★☆☆☆

*このコースは山王峠駐車場を利用します。

コースタイム

  • 駐車場 7:07→7:10 太郎山登山口 7:12→7:55 山王帽子山 8:04→9:25 小太郎山 9:39 →9:53 太郎山 のぼりタイム 2時間7分
  • 太郎山 10:24→10:37 小太郎山 10:48→11:57 山王帽子山 12:06→12:37 太郎山登山口 12:38→12:41 駐車場 くだりタイム 1時間56分

コース詳細

山王峠駐車場から林道を約200m歩くと登山口(標高1,725m)。

最初は低い笹薮の中を歩きます。露払いでブーツがぐしょぐしょになる恐れがありますので、スパッツの装着は必須かと思います。

山王帽子山(標高2,077m)まで40~50分。コメツガ、ダケカンバなど眺望のない樹林帯の中を歩いていきます。男体山、日光白根山がちょっと顔を出すぐらいで、山頂も見晴らしはよくありません。

いちど笹薮を下って鞍部へ。小太郎山への登り返しを過ぎ、ゆるい傾斜の笹の道を歩けば小太郎山山頂(標高2,328m)です。

小太郎山山頂はこのコースの中でもっとも見晴らしのいい場所。男体山、中禅寺湖、戦場ヶ原、日光白根山、燧ケ岳、遠く会津駒ヶ岳までもが見える360°のパノラマを独り占めできます。

小太郎山から太郎山へは、やせ尾根の剣が峰を通過します。距離は長くはありませんが、ロープ・鎖はありませんので慎重に渡りましょう。

山頂直下の急登を登り分岐を過ぎれば太郎山山頂です。太郎山神社の祠と三角点が設置されています。北側を除き眺望は抜群で、日光ファミリーの山々も歓迎してくれているようです。

②志津峠登山口から新薙~太郎山~小太郎山|ピストン

日光三嶮といわれる新薙を経由して太郎山を目指すコースです。
日光三嶮とは、以下の3つの難所のことです。
・千鳥返し(志津峠~大真名子山間の鎖とハシゴの箇所)
・馬の背渡り(女峰山~帝釈山間のやせ尾根)
・新薙(太郎山南側のガレ場)

コースデータ

登山口志津峠(方面)登山口
下山口志津峠(方面)登山口
最適日数日帰り
行動時間6時間6分(休憩46分)
距離14.4Km
累積標高のぼり1107m
くだり1108m
難易度/体力★★☆☆☆/★★★☆☆

*このコースは梵字飯場跡駐車場を利用します

コースタイム

  • 梵字飯場跡駐車場 7:18→9:49 太郎山 のぼりタイム 2時間31分
  • 太郎山 9:59→10:11 小太郎山 10:57→11:09 太郎山 11:20→13:11 梵字飯場跡駐車場 くだりタイム 2時間15分

コース詳細

駐車場からしばらくは舗装路の林道を歩きます。登山口までは約4Kmです。

太郎山・志津分岐(標高1,637m)に着いたら、ここに登山届ポストがありますので投函し太郎山方面へ向かいます。

まもなく太郎山が見えてきます。堰堤を渡ったら林道出会、登山口です。

登山口を入れば樹林帯、シャクナゲが自生しています。1時間ほど登ると傾斜がきつくなってきます。おまけに倒木、小さな崩落が目につきます。

さらに傾斜が出て岩が目立つようになると新薙までもう少しです。

新薙は日光三嶮のひとつと言われる難所ですが、登山道は右側の樹林帯を通っていますので難所というほどではありません。崩落地(ガレ場)を2回トラバースしますが慎重に足を運べば大丈夫です。

新薙を過ぎればお花畑に到着。もともとは噴火口で以前は湿原だったようです。お花畑と呼ばれていますが、数少ない花が咲いている程度。そして目の前は太郎山です。

大きな岩のあいだを通り抜け、頂上手前で小太郎山からのルートと合流すれば太郎山山頂に到着です。

女峰山と帝釈山が重なり日光ファミリーがきれいに見えるのと、日光白根山と左に皇海山も望むことができます。

小太郎山へは切り立った剣が峰が待ち受けます。やせ尾根ですから慎重に渡りましょう。特に風の強い日は注意です。

③山王峠登山口~小太郎山~太郎山~梵字飯場跡駐車場|周回

光徳駐車場に車を止め、山王峠登山口から志津峠登山口へ至ります。登山口を出てからは長い車道歩きが続きます。

登山口山王峠登山口
下山口志津峠(方面)登山口
最適日数日帰り
行動時間7時間50分(休憩1時間24分)
距離15.4Km
累積標高のぼり1225m
くだり1225m
難易度/体力★★★☆☆/★★★★☆

*このコースは光徳温泉駐車場を利用します。

コースタイム

  • 光徳駐車場 6:17→6:22 太郎山入口 6:23→7:10 太郎山登山口7:12→8:01 山王帽子山 8:11→9:32 小太郎山 10:08→10:22 太郎山 のぼりタイム 2時間2分
  • 太郎山 11:15→13:30 梵字飯場跡駐車場 13:31→14:08 光徳駐車場 くだりタイム 2時間52分

このコースは山王帽子山と小太郎山への急登、新薙付近のロープ場など危険度はそれほど高くはありませんがかなりの体力を必要とします。

また、コースの半分近くは車道をひたすら歩くかたちになりますので、それなりの心構えも必要かもしれません。

公共交通機関を利用しての山行は、コースタイムとバス発着の時刻表をよく確認し余裕をもって臨まれるようお願いします。

登山口へのアクセス方法と各種情報

太郎山への登山口は2か所。西の「山王峠登山口」と南の「志津峠(方面)登山口」のみです。

①山王峠登山口駐車場

奥鬼怒林道(山王林道)山王峠付近の路肩にある駐車スペースです。

駐車台数5台(路肩)
駐車料金無料
トイレ無し
自販機無し

トイレ・自販機等は光徳牧場の売店にあります。

マイカーでアクセス

  • 日光宇都道路終点清滝ICから中禅寺湖方面へ
  • ⇒いろは坂を経て国120号線を沼田方面へ左折
  • ⇒戦場ヶ原過ぎ光徳温泉入口を右折
  • ⇒日光アストリアホテルを過ぎ奥鬼怒林道(山王林道)へ
  • ⇒登山口は車道を光徳牧場沿いに進んだ先

公共交通機関でアクセス

  • JR日光駅または東武日光駅から、東武バス「光徳温泉経由 湯元温泉行き」乗車
  • 光徳温泉・日光アストリアホテルのバス停で下車

②光徳駐車場

光徳温泉・光徳牧場付近にある県営の無料駐車場です。
日光アストリアホテルは日帰り入浴可能(12:30~15:00 大人1,000円)

駐車台数80台
駐車料金無料
トイレ有り
自販機有り

マイカーでアクセス

  • 日光宇都道路終点清滝ICから中禅寺湖方面へ
  • ⇒いろは坂を経て国120号線を沼田方面へ左折
  • ⇒戦場ヶ原過ぎ光徳温泉入口を右折
  • ⇒日光アストリアホテルのすぐ先

公共交通機関でアクセス

  • JR日光駅または東武日光駅から、東武バス「光徳温泉経由 湯元温泉行き」乗車
  • 光徳温泉・日光アストリアホテルのバス停で下車

③梵字飯場跡駐車場(志津峠方面登山口)

戦場ヶ原から男体山北側の志津乗越へ向かう、裏男体山林道の途中にある路肩の駐車スペースです。

ここから志津乗越までは車両通行禁止区間ですので、登山口までは林道を約4Km歩く必要があります。

駐車台数20台(路肩)
駐車料金無料
トイレ無し
自販機無し

マイカーでアクセス

  • 日光宇都道路終点清滝ICから中禅寺湖方面へ
  • ⇒いろは坂を経て国120号線を沼田方面へ左折
  • ⇒戦場ヶ原過ぎ光徳温泉入口を右折
  • ⇒800m先に裏男体林道の起点あり

公共交通機関でアクセス

  • JR日光または東武日光駅から、東武バス「光徳温泉経由 湯元温泉行き」乗車
  • 三本松園地バス停で下車

その他の路肩にも止められるスペースはあるようですが、満車の場合は三本松園地駐車場を利用します。なおトイレ・自販機は三本松園地駐車場にあります。

④三本松園地駐車場

標高1,395m。戦場ヶ原の中心部にある県営の無料駐車場です。

駐車台数200台
駐車料金無料
トイレ有り
自販機有り
レストハウス郭公年中無休
営業時間8:30~17:30
三本松茶屋営業時間9:00~18:00
  • 日光宇都宮道路終点清滝ICより中禅寺湖へ
  • ⇒いろは坂を登り国道121号線を沼田方面へ左折
  • ⇒赤沼茶屋を過ぎた先

公共交通機関でアクセス

  • JR日光または東武日光駅から、東武バス「光徳温泉経由 湯元温泉行き」乗車
  • 三本松園地バス停で下車

太郎山のQ&A

Q:正月に日光の太郎山を登ろうかと計画しています

高校のとき山岳部でしたが、大学に入ってからは一人で山に登っています。 正月に日光の太郎山を登ろうかと計画しています。 登山口まで車ですからピストンです。 今年の太郎山の情報をご存じの方がいらっしゃったら是非教えてください。

A:除雪されないので林道入れません

夏ならともかく林道が入れないと思うが!除雪されませんから、
全部歩くかスノーシューで歩く覚悟ですね 。
夏に行ったことが無いなら冬はやめた方がいい、冬は基本夏に行ったことがある山にすべきだと思います。

太郎山周辺の山旅スポット

中禅寺湖

出典:ecnavi.jp

海抜1,269mの高地に位置する湖。広さ4平方キロメートル以上ある湖としては日本一標高の高い湖です。

美しい景色に魅了された在日イギリス人宣教師が別荘を構えたことで、その後多くの大使館の別荘が建てられました。今でもフランス、ベルギーの大使館別荘があります。

日本三名瀑のひとつ華厳の滝は、この中禅寺湖からの水が97メートル下へ一気に流れ落ちる大迫力の滝です。

イタリア大使館別荘記念公園

出典:tabi-mag.jp
開園期間4月1日~11月30日
開館時間4月~6月 9月~11月 9:00~16:00
7月~8月 9:00~17:00
料金大人200円 小人(4歳~中学生)100円
TEL0288-55-0880

昭和3年(1928年)アメリカの建築家アントニン・レーモンドが設計。

平成9年まで歴代イタリア大使が別荘として利用していました。その後栃木県が管理し一般公開しています。

館内にあるカフェ「Caffe Como」でしばし中禅寺湖を眺めながら、コーヒーやクッキーを嗜んでみるのも一興。ぜいたくな気分になることうけあいです。

日光湯元温泉 日光山温泉寺

出典:4travel.jp
営業時間8:00~17:00(4月下旬~11月下旬)
入浴料金大人500円 小人300円
TEL0288-55-0013

開湯は1,200年前。湯ノ湖の湖畔に広がる温泉地で、国民保養温泉地第1号に指定された名湯です。

日光温泉寺は全国でも珍しい温泉のあるお寺。世界遺産「日光山輪王寺」の別院で勝道上人が創建したのが788年です。

温泉時の隣に立つ「庫裡」で入浴できます。湯舟は小さいですが、歴史の重みを感じる名湯に身を任せてみてはいかがでしょうか。

太郎山のまとめ

日光の太郎山、いかがだったでしょうか。

奥日光は本当に静かで私も大好きな場所です。特に冬は静寂という言葉がぴったり。

一度足を運んでみてください、きっと虜になりますよ。

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