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【春のレンゲツツジと冬の雪山入門】初心者から楽しめる湯の丸山の難易度別登山コース紹介

【春のレンゲツツジと冬の雪山入門】初心者から楽しめる湯の丸山の難易度別登山コース紹介

湯の丸山(ゆのまるやま)は、長野県東御市、上田市と群馬県嬬恋村の間にまたがる標高2101mの山です。「甲信越百名山」や「関東百名山」などに選ばれており、比較的簡単に登れることからシーズンを問わず人気があります。

この記事では、湯の丸山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。湯の丸山登山を計画している方や、地蔵峠周辺の観光に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

湯の丸山の基本情報と魅力

烏帽子火山群に属する溶岩円頂丘で、なだらかで視界のひらけた山頂部を持ちます。徒歩10分ほどの距離には、標高2099mの北峰があります。

山頂部は、長野県側にも群馬県側にも展望がひらけており、南に八ヶ岳、東に浅間山、北に四阿山、西には北アルプスを眺めることができます。登山口から1時間半程度で高山帯の素晴らしい景色を味わえるため、登山初心者や体力に自信がない方にも人気の山となっています。

山頂手前には、約60万株にもおよぶ湯の丸レンゲツツジ郡落があり、毎年6月下旬ごろのシーズンになると山肌を朱色に染め上げます。この光景は非常に壮観で、毎年多くの観光客が訪れます。

また、ふもとには鎌倉時代に開湯した歴史ある秘湯・鹿沢温泉があり、日常の喧騒を忘れ静かで癒される時間をゆっくりと過ごすことができます。

山の名前 湯の丸山(ゆのまるやま)
標高 2,101m
エリア 甲信越
詳細情報 湯の丸山の地図・天気

魅力その①山頂からの大パノラマ

長野県の中でもアルプスのない東信地方にあり、あまり目立つ存在ではない湯の丸山ですが、実は眺めが素晴らしい大パノラマを楽しめる山です。

山頂部はガレ場になっており、360度どの方向にも視界を遮るものはありません。そのため、北に位置する四阿山から始まり、浅間山や八ヶ岳、富士山、北アルプス、北信五岳とすべてを見渡せ眺望に優れています。

やや距離があるものの北アルプスの眺めは素晴らしく、空気が澄んだ晴れの日には、槍穂高から白馬三山まで、北アルプスの全容を眺めることができます。

魅力その②歴史ある秘湯「鹿沢温泉」

出典:鹿沢温泉 紅葉館

標高1500mほどの山の中腹に位置する鹿沢温泉は、山の湯と呼ばれ1650年ごろに開湯したと言われています。鹿沢温泉という名の通り、手負いの鹿が湯治をしていたことが由来とされています。

古くからの鹿沢温泉は、大正時代の大火によって数軒の宿が消失してしまい、現在では紅葉館のみが営業しています。そのため、山の中にある一軒宿の紅葉館は、日本秘湯を守る会にも属し、歴史の古い鹿沢温泉を体感できる貴重な存在となっています。

泉質は中性の炭酸水素塩泉で、天然の保湿成分と言われるメタケイ酸を多く含む美肌の湯です。青みがかった濁り湯は、加温加水は一切なしの源泉かけ流しであり、温泉本来の匂いや温かさ、感触を全身で感じることができます。

魅力その③雪山デビューにもおすすめ

湯の丸山登山は、標高1700mの地蔵峠から始まります。山頂までの標高差は400mほどで、急傾斜や鎖場等もないので比較的簡単に登ることができます。また、冬にはスキー場が営業しているため、スキー場トップまでリフトを利用することもできます。

そのため、湯の丸山は雪山初心者の入門的な山としても人気があります。また、冬の晴れた日に湯の丸山の頂上から見る景色は素晴らしく、雪山デビューにはもってこいの山でしょう。

もちろん、冬の標高2000m以上ですので、しっかりとした冬山装備と経験者の同行が必要です。入念な準備の上、入山されることをおすすめします。

湯の丸山の難易度別おすすめ登山コース

【地蔵峠ピストンコース】

①地蔵峠→25分→②スキー場トップ→15分→③鐘分岐→45分→④湯の丸山→10分→⑤湯の丸山(北峰)→10分→⑥湯の丸山→30分→⑦鐘分岐→15分→⑧スキー場トップ→20分→⑨地蔵峠

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 2時間50分
距離 約4.6km
累積標高 約430m
難易度 ★☆☆☆☆

湯の丸山へのメインルートは、標高1700mの地蔵峠から始まりまります。ここには、湯の丸スキー場の駐車場があり、約500台駐車可能な広いスペースがあります。また、湯の丸ビジターセンターなどの施設もあり、トイレはもちろん軽食をとることも可能です。

登山口は、スキー所のゲレンデ下から始まります。お盆や冬期間には、リフトが営業しており利用することもできます。30分ほどで、ゲレンデトップのリフト終点まで登ります。

スキー場トップからは、比較的平たんな道を進んでいきます。6月下旬ごろのシーズンには、レンゲツツジの大群落が咲き乱れ、朱色に染まった圧巻の光景が広がっています。

途中には、あずまやのある休憩場所もあります。樹木がまばらになってくるため、これから登る南峰、北峰の山頂が視界に入ります。スキー場トップから15分ほどで、鐘分岐に到着です。

ここからは、傾斜のある登山道になり標高を徐々に上げていきます。よく整備された登山道で、歩きやすい笹原の中の道が続いています。振り返れば逆側の斜面に広がるスキー場や池の平湿原方面が見えます。

鐘分岐からは、45分ほどで湯ノ丸山頂に到着です。360度の大パノラマを楽しむことができ、特に北アルプスの全容が見える西側の景観は圧巻です。

湯の丸山からは、200mほど北側にある北峰まで足を延ばすと良いでしょう。往復20分程度で行くことができ、異なる角度から見る景色を楽しむことができます。

【烏帽子岳・湯の丸山周回コース】

①地蔵峠→25分→②スキー場トップ→15分→③鐘分岐→45分→④湯の丸山→10分→⑤湯の丸山(北峰)→10分→⑥湯の丸山→30分→⑦鞍部→40分→⑧小烏帽子岳→15分→⑨烏帽子岳→15分→⑩烏帽子岳→30分→⑪鞍部→35分→⑫中分岐→15分→⑬分岐→10分→⑭烏帽子岳登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 4時間55分
距離 約8.8km
累積標高 約710m
難易度 ★★☆☆☆

湯の丸山のその先、烏帽子火山群の西端である烏帽子岳まで足を延ばす周回コースです。湯の丸山までは、ピストンコースと同じように登っていきます。

湯の丸山からは、逆側に小さな池塘のある鞍部まで30分ほどかけて下ります。帰りの湯の丸山を経由せずに地蔵峠へ下るルートとの分岐でもあります。

鞍部からは、正面に高くピークのようにも見える南にのびる大きな尾根にとりついていきます。南側に大きく迂回しながら登っていくと、尾根に上がり、ふもとの上田市やその先にある北アルプスの美しい景観を眺めることができます。

鞍部から40分ほどで、小烏帽子岳に到着し、さらに15分ほどで烏帽子岳へ登頂です。烏帽子岳山頂からは、湯の丸山や菅平方面、そして眼下に広がる上田盆地の絶景が広がっています。

帰りは、鞍部まで来た道を戻り、鞍部からは湯の丸山に登らず、南側を下っていきます。烏帽子岳からは、2時間ほどで登山口に到着するでしょう。

【鹿沢温泉周回コース】

①鹿沢温泉登山口→55分→②鹿沢分岐→15分→③角間峠→40分→④角間山→25分→⑤角間峠→65分→⑥湯の丸山(北峰)→10分→⑦湯の丸山→30分→⑧鐘分岐→35分→⑨休憩所→20分→⑩鹿沢温泉登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 4時間55分
距離 約8.0km
累積標高 約770m
難易度 ★★☆☆☆

地蔵峠から群馬県側に少し下った鹿沢温泉から、角間山から湯の丸山へつながる稜線を行く周回コースです。鹿沢温泉紅葉館の付近、西側の路肩に駐車スペースがあります。およそ10台ほどの駐車が可能で、すぐ近くの観光トイレを利用することができます。

登山口からは、ダケカンバやカラマツの樹林帯を登っていきます。緩斜面を延々と登っていくと、湯の丸レンゲツツジ群落への分岐があります。ここからは、15分ほどで、角間峠に到着します。

笹原が広がる角間峠には、あずまやがあり休憩適地になっています。せっかくですので、湯の丸山とは逆方向の角間山まで足を延ばすと、往復で約1時間の道のりになります。角間山までの道では、高山植物が咲いており、山頂からは主に群馬県側の展望が開けています。

角間峠へ下り、樹林帯の稜線を進んで湯の丸山を目指します。だんだんと笹原へと変貌し、展望が効くようになってきます。角間峠から1時間ほどの稜線歩きで、湯の丸山北峰に登頂です。

10分ほど先の湯の丸山を経由し、鐘分岐まで下山します。鐘分岐から、鹿沢温泉へと行く道に入っていきます。しばらく平坦な樹林帯を進み、湯の丸レンゲツツジ群落へと下ります。6月下旬ごろには、斜面が朱色に染まる壮観な光景を見ることができます。

湯の丸レンゲツツジ群落を更に下っていくと、分岐点となり旧国民休暇村鹿沢スキー場の跡地にある東屋にでます。ここからは、20分ほどで登山口へ戻ります。

湯の丸山のQA

湯の丸山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

湯の丸山の登山レベルは?初心者でも登れる?

湯の丸山の登山ルートは、地蔵峠からのピストンコースであれば、初心者の方でも十分に登ることができます。夏山リフト運行期間には、30分ほどかかるゲレンデ歩きをリフトを使って上がれますので、心配な方は利用すると良いでしょう。

また、登山道はよく整備されており道迷いの心配はありません。山頂では、想像以上の絶景が待っていますので、これから登山を始めようとしている方や雪山デビューにもおすすめの山です。

湯の丸山の気温は?どんな服装で行けばいい?

湯の丸山のふもと、東御市の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。冬の最高気温は1桁で、夏でも30℃以下と寒冷な気候の地域です。また、同じ月でも最高と最低が10℃以上の差があり、寒暖差の激しい地域でもあります。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 2.4 3.6 8.0 14.7 20.0 22.9 26.6 27.8 23.2 17.1 11.7 5.6
最低 -7.4 -7.1 -3.6 1.8 7.5 12.6 17.0 17.6 13.4 6.7 0.6 -4.4

湯の丸山の登山口までは、東御市から1000m近く標高が上がりますので、この表の値よりも5~10℃ほど低く、寒さ対策をしっかりするようにしましょう。

夏でも上着は携行するようにし、春秋は寒さ対策が必要です。冬には、完全なる雪山と化しますので、しっかりとした冬山装備が必要になります。

湯の丸山で見られる山の花は?見ごろは?

レンゲツツジ

湯の丸山をはじめとした湯の丸高原には、多くの種類の山野草の花々が花を咲かせます。代表的な山野草を、下の表に見ごろと一緒にまとめて紹介しますので、参考にしてみてください。

山の花 見ごろ 山の花 見ごろ
レンゲツツジ 5~7月 ヤナギラン 8月
シャジンソウ 6~8月 コウリンカ 8月
コマクサ 7月 マツムシソウ 8~9月
グンバイヅル 7月 ツルキケマン 8~9月
エゾスズラン 8月 イワインチン 9月

登山口へのアクセス・各種情報

どちらの登山口へも、アクセスは車がおすすめです。公共交通機関はなく、マイカーでなければ東御市や嬬恋村からタクシー利用となります。

地蔵峠登山口(湯の丸スキー場)

登山口情報

湯の丸山へのメインルートの登山口は、標高1700mにある地蔵峠の最高地点、湯の丸スキー場から始まります。駐車場は、無料で24時間開放されており、500台以上が駐車可能です。トイレはもちろんのこと、湯の丸ビジターセンターやロッジがあり、軽食や休憩に利用することも可能です。

地蔵峠からは、冬にはスキー場のゲレンデとなる斜面をおよそ30分ほどで登ってもいいですし、夏山リフト運行期間にはスキー場トップまでリフトで上がることもできます。

湯の丸スキー場の情報

湯の丸スキー場は、地蔵峠をボトムに広がる東西の斜面に設けられたスキー場です。例年、11月下旬から4月上旬までオープンしています。

湯の丸山登山には、西側の第一ゲレンデにかけられた第一ロマンスリフトを利用します。回数券は1回500円で購入可能です。夏山リフトは、ゴールデンウィークやお盆などに期間限定で運行しています。詳しくは、湯の丸高原ホテルにお問い合わせください。

https://yunomaru.co.jp/kogen/

登山口までのアクセス

長野県側から

東部湯の丸ICより車で約25分

群馬県側から

嬬恋村から車で約30分

鹿沢温泉登山口

登山口情報

地蔵峠(湯の丸高原)から群馬県側に少し下ったところにあります。道路わきに設けられた駐車スペースがあり、10台ほどの駐車が可能です。トイレは併設されていませんが、すぐ先にあるバス停に設置してあるトイレを利用可能です。

登山口までのアクセス

長野県側から

東部湯の丸ICから車で約30分

群馬県側から

嬬恋村から車で約20分

湯の丸山周辺のおすすめ山旅スポット

鹿沢温泉 紅葉館

出典:鹿沢温泉 紅葉館

標高1500mに位置し、歴史ある鹿沢温泉に唯一残る温泉宿です。加水・加温なしの源泉かけ流しを守り続け、本館改装後も温泉成分が跡を残す趣深い浴場は今も健在です。

宿泊はもちろん、日帰り入浴も利用可能です。隣のそば処の建物から入り、受付をします。お得な盛りそばセットが1200円で、蕎麦と温泉を同時に楽しむことができます。

蕎麦の茶屋丸山

地蔵峠から、長野県東御市へ下ったところにある国産100%の手打ちそばの店です。石臼引きの香り高い二八そばに、クセのないつゆがそばの香りをより一層引き立てます。

東御市はクルミの一大産地でもあり、そのクルミを用いたくるみだれそばは、甘さ控えめでクルミの風味を存分に味わえると人気です。また、ボリューミーで薄い衣のさっぱりとした天ぷらも多くの方が注文する人気メニューです。

アトリエ・ド・フロマージュ

出典:アトリエ・ド・フロマージュ

地蔵峠から下ったところにあるチーズ工房です。チーズの本場フランスに似た風土をもつ長野県東御市で、1982年から手作りチーズを作り続け、チーズ文化を創造しています。

超人気店で、街から離れた高台にありますが、絶え間なくお客さんが訪れる観光スポットにもなっています。売店のほかに、カフェが併設されており、チーズをふんだんに使ったチーズフォンデュや焼きチーズカレー、ピザなどが大人気です。

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