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普段使いもしやすい秋冬の中低山向け登山用ミドルレイヤーの選び方と2023・24年おすすめモデル

普段使いもしやすい秋冬の中低山向け登山用ミドルレイヤーの選び方と2023・24年おすすめモデル

登山で大切なのは重ね着(レイヤリング)をして汗をかかないように体温調整をすることです。特に秋冬の登山は汗をかくことで低体温症のリスクが高いので注意しなければいけません。

レイヤリングは基本的には以下のように構成されています。

  • 肌に最も近いベースレイヤー
  • 体の保温が役割のミドルレイヤー
  • 雨雪風から身を守るアウター

それぞれ異なる役割があるため、異なる機能を持ったウェアを重ねて着用し、環境変化の厳しい山で快適かつ安全に行動することを可能にします。今回はこのレイヤリングの中で体の保温が役割を担うミドルレイヤーについて、ミドルレイヤーの役割をおさらいし、その上で選び方とおすすめのモデルを紹介します。

ミドルレイヤーの役割

ミドルレイヤーの役割を単純に考えれば保温着なのですが、そう簡単ではありません。

内側(ベースレイヤー側)から見た時には、ミドルレイヤーは汗を吸い取り(吸湿性、吸水性)、ベースレイヤーをドライに保つ役割を担います。またこもった熱を適度よく排出(通気性・透湿性)し、発汗を防ぎます。

外側(アウター側)から見た時には、冷たい外気温を遮断(保温性)し、体温の低下を防ぐ役割を担います。ちょっとした雨が降って濡れてしまっても、ミドルレイヤーが重くならない(速乾性、耐水性)機能を備えたモデルも多く見られます。

このように保温すればミドルレイヤーに適しているのではなく、吸湿性や通気性、速乾性などの機能を併せもったモデルを選択することで、登山中の行動をより快適に助けてくれます。

ミドルレイヤーの選び方

ミドルレイヤーの選び方は、保温だけではなく以下の5つの項目について機能をチェックする必要があります。

  • ベースレイヤーの汗を吸い上げ吸湿性と吸水性
  • 熱を適度に排出する通気性と透湿性
  • 外気温を遮断する保温性
  • 汗を吸っても重くならない速乾性
  • 防寒着として持ち歩きやすい軽量性

行く山と季節、それとパーソナルな好みによって重視すべき機能が異なります。例えば冬の中低山であれば、高所と比較して汗をかく可能性が高くなるため、通気性と透湿性を重視した軽量なミドルレイヤーの方が快適に登山ができるといったような考え方で最適なミドルレイヤーをチョイスするようにしましょう。

またミドルレイヤーにも素材やデザインによって様々なタイプがあります。

  • ダウンインサレーション
  • 化繊インサレーション
  • フリース

タイプによって機能に違いがあり、これを簡単に表に表すと以下のようになります。

※横スクロールで表がスクロールできます。
タイプ 吸湿性と吸水性 通気性と透湿性 保温性 速乾性 軽量性
ダウンインサレーション
化繊インサレーション
フリース
シャツ

ダウンインサレーション

保温力に対し非常に軽量で、防風性にも優れています。しかし濡れに対して弱く、通気性や速乾性も他のタイプと比べると低いため、汗をかく可能性が低く、防寒対策を重要視する冬の高所登山におすすめです。手入れが面倒なのがデメリットです。

化繊インサレーション

ダウンよりかは軽量性には劣りますが、濡れに対しては強く、さらに手入れも簡単です。汗をかく可能性もあるけれども寒さもしっかり凌ぎたい標高差がある雪山登山におすすめです。またアクティブインサレーションと呼ばれる通気性と速乾性機能に重きを置いた行動着として着用しやすいタイプがあります。化繊インサレーションの中でも汗をかいた時に快適な登山ができるので、冬の中低山にも活用することができます。

フリース

吸湿性と吸水性に優れ、ストレッチ性にも優れているので動きやすく肌触りが良い気持ちの良いミドルレイヤーです。薄手から厚手まで様々なタイプがあり、汗をかくことが想定される登山に適したミドルレイヤーです。

秋冬の中低山登山におすすめのミドルレイヤー

秋冬の中低山は標高を上げると肌寒く、樹林帯では登山をしていると発汗が気になるシーンが多くあります。このような登山では吸湿性と透湿性と通気性を併せ持った、程よい保温力のあるミドルレイヤーがおすすめです。

おすすめのミドルレイヤーとして紹介するアイテムは4つの点を重視してピックアップします。

  • 軽量で動きやすいこと
  • ジャケットタイプで体温調整が容易なこと
  • テクニカルすぎず普段使いがしやすいこと
  • 機能に対して適切な価格設定であること

ノローナ|リンゲンアルファ90ジャケット

  • 平均重量:180g
  • 素材:ポーラテックアルファダイレクト90、ポーラテックパワードライ
  • 価格:23,100円(税込)

保温が必要な腹部より上にはアルファダイレクト90を配し、汗をかく可能性の高い脇から袖、腹部にはパワードライを使用し、ミドルレイヤーとして効果的に機能が働くようにデザインされたミドルレイヤーです。非常に軽量で動きやすい特徴があります。化繊インサレーションとフリースの良さを1つで実感できるアイテムです。

モンベル|U.L.サーマラップジャケット

  • 平均重量:229g
  • 化繊綿素材:ストレッチエクセロフト
  • 価格:¥15,950(税込)

パタゴニアの中で最も軽量な化繊インサレーションです。使用している中綿は優れたストレッチ性を備え、さらにコイルスプリング状の繊維によるロフト回復力が特徴です。シングルキルト構造で軽量化とコンパクト性を備えたミドルレイヤーです。

アークテリクス|デルタジャケット

  • 平均重量:250g
  • 素材:ポーラテックパワードライ
  • 価格:¥22,000(税込)

アークテリクスの中で最も軽量なフリースに位置付けられるのがデルタジャケットです。優れたストレッチ性と乾きの早いポーラテックのパワードライを全面に使用したミドルレイヤーです。ポーラテックのパワードライはとにかく乾きが早く、また中空グリッド構造で軽量ながらも保温性にも優れ、滑らかな表面素材でレイヤリングがしやすいアイテムです。

ザ・ノース・フェイス|サンダーフーディ

  • 平均重量:320g
  • 化繊綿素材:HYBRIDCLEANDOWN光電子PRO
  • 価格:¥37,400(税込)

ダウンと化繊綿のハイブリッドで保温力と通気性を兼ね備えたインサレーションです。体から発せられる遠赤外線を利用して保温効果を発揮する光電子によって軽量ながらも保温性に優れています。3シーズンでは防寒着としても活用することができる汎用性も魅力です。

ザ・ノース・フェイス|サーマルバーサグリッドフーディ

  • 平均重量:330g
  • 素材:バーサスモールグリッド
  • 価格:¥15,400(税込)

ランニング用に開発されたフード付きジャケットで適度な保温性と通気性を備えたミドルレイヤーです。冷たい空気がダイレクトに当たる前身頃と腕には大きなグリッドフリースで保温力をアップし、汗をかきやすい場所には小さなグリッドフリースで通気性を向上させています。また特徴的なウォッチウィンドウを設けており手首を冷やさず行動することができるデザインが採用されています。

モンベル|トレールアクションジャケット

  • 平均重量:344g
  • 素材:ストレッチクリマプラス
  • 価格:¥9,020(税込)

モンベルが開発したポリエステルとポリウレタンを交編したストレッチ性能と、通気性のバランスに優れた快適な着心地が特徴のミドルレイヤーです。価格が手頃なので手始めに購入するミドルレイヤーとしてもおすすめです。

パタゴニア|R1エア・フルジップ・フーディ

  • 平均重量:366g
  • 素材:ジャカード・フリース
  • 価格:¥24,200(税込)

パタゴニアのレギュレーターシリーズの中で最も軽量かつ通気性に優れているのがR1エアです。ジャガードフリースによる吸湿発散性と速乾性が特徴で、更にスリムフィットによるベースレイヤーに付着した汗の吸い上げで肌をドライに保つ手助けをしてくれるミドルレイヤーです。

アークテリクス|カイヤナイトジャケット

  • 平均重量:390g
  • 素材:ポーラテックパワーストレッチプロ
  • 価格:¥27,500(税込)

アークテリクスの中で中間的な保温と重量スペックのミドルレイヤーです。中低山だけでなく高所でも使用できる汎用性の高さが魅力で、優れたストレッチ性による着心地の良さは抜群です。パワーストレッチプロは表面に耐摩耗性と耐久性に優れたナイロンを使用しているのでハードな使い方でも毛玉になり づらい特徴を備えています。登山だけでなく冬シーズンのキャンプにもおすすめです。

パタゴニア|ナノエア・フーディ

  • 平均重量:401g
  • 化繊綿素材:60グラム・フルレンジ
  • 価格:¥42,900(税込)

ゆっくりとした登山でしっかりと体を温めてくれ、オーバーヒートしづらい通気性を備えたパタゴニアを代表するアクティブインサレーションです。メカニカルストレッチによる動きやすさと、ハードな動きに突っ張り感のない立体的なカットが施されパッカブルによる傾向性にも優れたアイテムです。

他にもアウトドアブランドは様々ありますが、見た目がテクニカルすぎて普段使いしづらい、450g以上あってオーバースペックである、コストパフォーマンスとしておすすめできるアイテムではないと判断したものは省かせていただきました。

Youtube「山旅旅チャンネル」で中低山向け登山用ミドルレイヤーをチェック

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