滑ること、バム時代

長野県の南西部にある御嶽山の麓に生まれて、小さい頃からスキーを始めました。学生時代はレースに夢中になっていたが、長野県の北部エリアに比べ、競技スキーが強かった場所ではなかったので、そこまで厳しくもなく、プレッシャーもなく楽しく滑り続け、それが良かったのか、悪かったのか、高校を卒業して進路を決める段階になっても、如何に滑り続けるかを最優先しスキーバムとしてのキャリアがスタートしました。卒業後、毎年夏にはニュージーランドで滑り、15シーズン位過ごし、多くの刺激と影響を受けました。南半球のニュージーランドには夏になると北半球のあちこちからスキーに対する同じ情熱を持った滑り手たちが集まり、世界のスキーシーンの生の情報を得ることができます。国内で滑っていたら、競技か基礎かモーグルしか選択肢のない時代に、天然地形を天然コンデションで滑るというスキー本来の楽しみ方を体験し、それ以来、求める斜面や必要な知識もギアも変化していきました。

NZのオリジナルシステムであるクラブフィールドとの出会いも自分のスキー人生に大きな影響を与えたし、より刺激を求め北米やニセコでもシーズンを過ごした後、2003年から白馬に住み、シーズン中はカラースポーツクラブでバックカントリーガイドをしながら、多くのゲストと忘れられないコンデションを共有しています。最近はガイド業とは別にバックカントリーでの滑走技術の向上を目指したゲレンデレッスンなども行い、より多くの人がこの遊びにさらに夢中になってもらえたらと思っています。これからは、ながく滑り続けたから見えてくるこの遊びのさらにディープな部分を表現していきたいと思います。そんな僕が愛用するギアの一部をご紹介します。

ギアに求めること


バム時代が長かったので、ギアに求める基本性能の中で、耐久性という要素はとても大きな割合を占めていて、それはもちろんグローブにも。未だにシーズン中は週6日か7日は必ず滑るしシーズン中の雪国では滑る時以外でも屋外での活動では常にグローブをしているのですが、ヘストラのグローブで穴が空いて捨てたものは未だ一つもありません。滑る時のストックワークだけでなく登りのストックワークでも、積雪観測の記録を書き込む時も、雪かきの時も。グローブを着けて手にするものはシャーペンからピッケルまで様々です。ロケーションも駐車場から北アルプスの稜線までと幅広いので全ての作業に求められる繊細な作業性と保温性のバランスを求めています。

状況に応じていろんなモデルを使い分けているのでお気に入りを一つ上げるのは非常に難しいのですが、厳冬期のガイディングで寒い日には3-FINGER FULL LEATHERをメインに使用することが多いです。

作業性と保温性のバランス


このモデルも3シーズン使用していますが革の擦り切れや縫い目のほつれも全くありません。何より手先から手首まで暖かいのが特徴で気に入っている点です。天候の厳しい時にガイド自身が寒さを感じてしまうと行動の中に『 早く帰りたい 』と焦りが出るので、常に冷静な判断ができるように寒さを感じやすい末端の保温は重要だと考えています。3-FINGERでもバックカントリーで求められるあらゆる作業が可能ですが、唯一ロープを使う場合のバックアップとしてERGO GRIP ACTIVEを持ち歩くようにしています。

FALL LINE MITT


ゲレンデで滑る時に気に入っているのが先シーズンから使用しているFALL LINE MITT。もちろん暖かいし見た目も好きなのですが、実は僕は滑る上でミトンが一番ストックを握りやすく気に入っています。5本指に比べて指と指の間隔を狭くして握ることができ、一番素手に近い形でストックが握れる為、肘と肩に余計な力が入らず脇を締めやすい。お気に入りのグローブを長く使うためにオイルを塗るなどのメンテナンスだけでなく板の持ち方なども気を使っています。例えばスキーをバラバラにして両手で一本ずつ持って歩く場合などは無意識のうちにエッジを触るのを避けてビィンディングのトゥピースを持つようになりました。

スキー場で滑り終わって駐車場に停めてある自分の車まで来た時、鍵を出すためにグローブを脱いで車の屋根の上に置いて、そのまま忘れて帰ってしまう人が結構います。駐車場を出て最初のカーブには毎年かなりの数のグローブが落ちているのでみなさん気をつけてください。

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