パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトは10年以上も前からデザインが大きく変わらず、肌をドライに保つベースレイヤーとして多くの人たちに人気のあるアイテムです。今回はキャプリーン・サーマルウェイトが使用しているポーラテックのパワーグリッドの素晴らしさと、着用時のレビュー、そして人気である所以にもつながる優れたデザインについて紹介をします。
ポーラテックのパワーグリッドの素晴らしさ
パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトはベースレイヤーカテゴリーに属しており、着用したことがない人ははじめミドルレイヤーだと勘違いされる方も多いようです。実際僕も購入する前はミドルレイヤーだとばかり思っていました。
しかしキャプリーン・サーマルウェイトはベースレイヤーとして着用することで、その機能性を存分に活かすことができるポーラテックのパワーグリッドを使用しています。
ポーラテックのパワーグリッドは登山やトレイルランニングなどの発汗量の多いハードなアクティビティでも肌をドライに保つことを目的にした素材で特徴的な構造を持っています。
- 凹部分で通気を行う
- 凸部分で保温を行う
- 凸部分で汗を吸い上げる
- 吸い上げた汗は二重ニット構造によって表側に移す
1番目にあげた凹凸構造の面積や形状は様々で今回紹介するパタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトは最も薄く俯瞰してみるとストライプで、拡大してみるとグリッド構造をなしています。秋冬のトレイルランニングや、厳冬期におけるバックカントリースキーや雪山登山で使用する快適なベースレイヤーです。
例えば僕はどのような登山で使っているか想像しやすい山域でお話すると
- 1〜2月のかぐらでのバックカントリースキー
- 12〜2月の燕岳への山小屋泊登山
- 11〜2月の雪の少ない場所におけるトレイルランニング
などのベースレイヤーで着用しています。
2,3番目にあげた凹凸それぞれでの機能部分においては、汗を吸い上げることで肌をドライに保ち、熱がこもりすぎないように通知をし発汗量を抑える働きのあるベースレイヤーです。
4番目にあげた2重構造は汗が乾く時に体の熱も一緒に奪っていく気化熱(汗が気体になるときに周囲から吸収する熱)が奪われづらいため、寒い場所で肌が急激に冷えることを防いでくれます。
ポーラテックのパワーグリッドはこのような機能を備えているので、ベースレイヤーとして着用するのがおすすめというわけです。
着用時のレビュー
通気性と保温性のバランスに優れたベースレイヤーなのですが、3月ごろから気温が少しずつ高くなりはじめると、キャプリーン・サーマルウェイトでは暑いと感じることが多くなります。
なので気温が低い場所で少しでも汗をかくような登山やトレイルランニングで機能するベースレイヤーとして考えると良いと思います。特に着用することが多くなる季節はまだ体が寒さに慣れていない11月からで、そこから厳冬期と呼ばれる2月頃まで着用することが多いです。
今回紹介しているキャプリーン・サーマルウェイトは今は販売されていないジップネックにフードがついたタイプですが、実際にフードをかぶって行動することは非常に少ないため、現在販売されている「キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック」のほうが軽量でレイヤリングがしやすく着用しやすいと思います。
寒い季節に着用するベースレイヤーにフードがついていると、その上に着用するミドルレイヤー、シェルジャケットのフードと重なってフード渋滞となりアクティビティ中に邪魔に感じることが多いです。
僕が持っているジップネックフーディーは重さ207gなのに対し、現在販売されているジップネックは平均重量で176gなので約30gも軽いです。
優れたデザイン
207gのベースレイヤーとして考えると重さがあるのですがミドルレイヤーとして考えると非常に軽量なフリースとして着用することができます。なので3シーズンのミドルレイヤーとしてとても使いやすく、そのように考えると1年中使えるアイテムです。
ベースレイヤーとして考えられたデザインなのでジッパー部分が肌に当たらないように内側にはジッパーと肌の間に素材が来るようにデザインされています。
また袖口部分には簡易的なサムホールで手首が露出しないようにデザインされています。
また肌についた汗をすぐに吸い上げるようにスリムフィットを採用していて、肌に密着しています。だから動きを妨げないようにストレッチ性にも優れています。
暑くなった時にはジッパーを解放することで冷気を素早く直接肌に取り込むことができます。多くのベースレイヤーがクルーネックタイプのものが多い中、キャプリーン・サーマルウェイトはジップアップタイプなので体温調整がしやすいです。またジッパーは長めに作られているので効果的なベンチレーションになります。
また腕をまくっても優れたストレッチ性があり、ずり下がってこないのも良いところで、寒いと思ったら意外と暑いといった天気にも対応します。
ジッパーを上げれば首を温め冷気の侵入を防いだ作りも、クルーネックタイプのベースレイヤーとは異なった特徴です。
ザックを背負った時に縫製部分が肌に当たらない作りや、フラットロックシーム仕上げによる摩擦を最小限に抑えた丁寧な縫製、吊るして乾かせるループがついているなど、着心地と使い心地に優れています。
11月から使用頻度が高くなるベースレイヤーを紹介させていただきました。
発汗量が多くなることが予想される登山やトレイルランニングでは山旅の速乾メリノウールTシャツを着用していますが、風が出て寒さが厳しくなることが予想される時には大変おすすめのベースレイヤーです。