ブラックダイヤモンドのヘルメットの中で最も軽量なモデルが今回紹介するベイパーです。2023年のモデルからフォーム材をEPS(発泡ポリスチレン)から軽量かつ弾性に富むEPP(発泡ポリプロピレン)に変更をしてS/Mサイズで170gという軽さを達成しています。今回は登山用ヘルメットの選び方を紹介しつつ、この軽量なヘルメット「ベイパー」のスペックと特徴を紹介していきます。
登山用ヘルメットの選び方
登山用ヘルメットを選ぶ時には5つのポイントを抑えることで自分にとって適切なモデルを選ぶことができます。実際に登山で使用する時にストレスなく安全に登山をするために選び方についておさらいをしていきましょう。
登山用ヘルメットには軽くて耐衝撃性に優れたインモールド構造と、耐久性と価格を抑えたハードシェル構造の2種類があります。登山用ヘルメットを軽量性を重視するならばインモールド構造がおすすめです。ハードシェル構造に比べて価格は約2倍で高価なヘルメットです。
ブラックダイヤモンドのベイパーはインモールドの軽さとハードシェルの耐久性を備えたハイブリットタイプで、衝撃のかかる頭頂部のみポリカーボネイトとEPSを組み合わせ、さらに補強材ALUULAをサンドイッチすることで強度を高めています。
安全規格を満たしたヘルメット
登山用ヘルメットにはヨーロッパと日本の2種類の安全規格が採用されているモデルがほとんどです。価格が安いモデルにはこの安全規格外であることもあるので必ず確認するようにしましょう。
ヨーロッパの統一規格をEN規格と言い、その中でもEN12492が山岳用ヘルメットの規格です。この規格は5種類のテストから成り立っています。
UIAA安全規格は国際山岳連盟のことで、クライミングの発展や安全に寄与することを目的に活動を行っている国際団体です。UIAA規格はヘルメットに限らず登山用品やクライミング用品の耐久性などを定めた安全規格でカテゴリーの用品毎にUIAA規格基準が定められています。
ブラックダイヤモンドのベイパーはどちらの認証も取得しています。
サイズ調整と頭の形に合っているかをチェック
欧州やアメリカのブランドは、その国の人の頭の形に合わせたモデルが多いので、日本人がヘルメットをかぶった時にフィットするかを確認する必要があります。
ブラックダイヤモンドのベイパーは後頭部のストラップとチンストラップを細やかに調整して様々な頭の形にフィットするように作られています。
通気性が高いベンチレーションの数と大きさ
夏山登山においては風がダイレクトに頭に当たることで発汗を抑えることができます。ベンチレーションの数と大きさをチェックすることで、蒸れにくく快適な装着感を想定することができます。
ブラックダイヤモンドのベイパーは落石が生じたときにしっかりと頭を守るべきポイントにはベンチレーションが控えられ、それ以外の箇所には大きなベンチレーションが備えられ清涼な風をダイレクトに頭で感じることができます。
ヘルメットの上からヘッドランプの装着がしやすいか
ヘルメットは特に暗い山を歩く時には重要なアイテムとなるため、ヘルメットの上からヘッドランプが装着しやすいかを確認することは重要です。
ブラックダイヤモンドのベイパーはヘルメットクリップが備わっておりヘッドランプがしっかりと引っ掛かかるので、意図せずヘッドランプが外れてしまうことを防いでくれます。
ベイパーのスペックと特徴
ブラックダイヤモンドのベイパーの重量は
- S/M=170g(実測値)
- M/L=180g(実測値)
サイズは2種類で頭囲を計って自分に最適なサイズを選ぶことになります。
- S/M=頭囲53-59cm
- M/L=頭囲58-63cm
落石が頭に当たった時にしっかりと頭を守るように頭頂部には広めのポリカーボネイトが組み合わされ、他の軽量なヘルメットと比較しても安心感の高さが魅力です。
さらに補強材ALUULAをサンドイッチすることで強度を高めています。このALUULAとKevlar®(ARAMID)よりも強度対重量比が44%高いことで知られています。
頭頂部とおでこに当たる部分には、内側にベルクロテープで取り外しが可能なクッション材が備わっており、フィット感を高めるとともに汗をかいた時にこの素材が吸収し、顔に汗が流れることを抑制します。
またマジックテープで取り外して洗うことで清潔な着用感をキープすることができます。
ヘルメットをかぶった状態でヘッドランプを装着することが多いですが、取り付けが非常にシンプルな機構で軽いだけでなく使いやすさも抜群です。