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登山でのミドルレイヤーの代表的な素材にフリースがありますが、このフリース素材のデメリットとして環境問題で取り沙汰される「マイクロプラスチック」の流出と、使い続けることで機能が低下し、買い替えを余儀なくされることが挙げられます。このようなデメリットを払拭させた新しい素材が今回紹介するポーラテックのパワーエアです。
今回はポーラテックのパワーエアの特徴を紹介し、このパワーエアを使用したHOUDINIのモノエアフーディを例に素材の魅力を紹介します。
ポーラテックのパワーエアの特徴
ポーラテックのパワーエアは、画期的で新しいニット構造を備えた素材です。この構造によってマイクロファイバーの脱落を合成フリース素材と比較して最大80％抑える特徴を備え、マイクロプラスチックの流出を抑えるだけでなく、長い期間着用することができるメリットを享受できます。
短く起毛されたフリースはシェディングと呼ばれる毛羽の抜け落ちが洗濯時に生じます。登山のように汗をかくアクティビティ後には洗濯が必要となりますが、洗濯し続けることで徐々に機能性の低下がおこります。
フリースは最高の断熱素材にも関わらず、フリースの起毛部分が抜け落ちてしまうことで、購入したばかりの保温力に比べて、着用し続けることで徐々に低下してしまいます。しかしパワーエアは1つ1つのグリッドに空気を閉じ込める構造を備え、このグリッドから起毛部分の抜け落ちを軽減することで機能低下を防いでいます。
このグリッドの中には空気を閉じ込めることに長けた、まるで爆発したかのような「もしゃもしゃ」とした繊維が詰まっています。この繊維が空気を溜め込みます。
そしてポーラテックのパワーグリッドのように肌に近い裏側に凹凸構造があることで、凸部分で保温をし、凹んだ部分で通気をし、行動中は程よい保温と通気を兼ね備え発汗を抑える役割を果たしてくれます。
逆に表側は滑らかな表面なので上からアウターを着用しても抵抗が少なくレイヤリングがしやすい特徴を備えています。
さらにこの素材がすごいのはストレッチ性に優れているので、動きやすく、それによってタイトなウェア作りが可能になります。この後紹介するHOUDINIのモノエアフーディは体に吸い付くようなシルエットで、空気の層を体の近くに備えることができ暖かさを感じやすいミドルレイヤーに仕上げています。
ポーラテックのパワーエアはグリッドのサイズや、グリッドの中に備えられている繊維のボリューム感など細かなチューニングが可能で、それによって生地の重さも様々です。
HOUDINIのモノエアフーディから感じるポーラテックパワーエアの魅力
HOUDINIのモノエアフーディは、ポーラテックのパワーエアを使用した最初の製品です。最近ではアークテリクスのリセルジャケットなど、様々なブランドがパワーエアを導入し始めてるように思います。
HOUDINIのモノエアフーディは、スリムフィットでぴったりと体に沿ったパターンが特徴です。このスリムフィットによってベースレイヤーに付着した汗を素早く吸収し、こもった熱は効果的に外に排出してくれます。
モノエアフーディが使用しているパワーエアのグリッドのサイズは比較的細かく、登山用行動着として汎用性が高い程よい保温力と通気性に重きを置いた素材をしているように感じます。
また表面の生地は普段着として着用しやすいコットンのような見た目と素材感で、さらには非常に耐摩耗性に優れた素材なので、ミドルレイヤーだけでなくアウターとして着用することもできます。そして表面がさらっとした素材感なので上からレインジャケットやウィンドシェルを着用する時にフリースのように引っかかりづらいのも特徴です。
フード部分はポーラテックのパワーエアを二重に使用しており、かぶった時に頭全体をしっかりと保温してくれる特徴を備えています。またフードと裾部分にはドローコードが追加されていることで冷気の侵入を防ぐ保温着としての側面も備えています。
3シーズンでは夏山だと少しオーバースペックのように思いますが、初春や晩秋における登山でのアウターとして機能し、また冬山ではミドルレイヤーにも使用することができます。着用し続けることによる保温力の低下を気にすることなく、長い期間機能を維持し続けるコストパフォーマンスに優れたアイテムです。
ポーラテックのパワーエアは機能素材なのにも関わらず普段着として使用しやすい素材感も魅力の一つです。だから登山だけでなくリラックスウェアとしてもストレッチをするので気持ちよく着用することができます。
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