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代表的な2種類のパタゴニアのレインジャケットを徹底比較『トレントシェル3L・ジャケット VS グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット』

代表的な2種類のパタゴニアのレインジャケットを徹底比較『トレントシェル3L・ジャケット VS グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット』

パタゴニアのレインジャケットは普段使いしやすいスマートなデザインと、3シーズンの登山で安心して使用できるスペックと機能を備えていることから毎年人気があります。その中でも代表的なレインジャケットにトレントシェル3L・ジャケットとグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットがあります。

このレインジャケットはどちらも同じ重量ながら価格差が約1万円あり、どのような点に違いがあるのか迷われる方も多いと思います。今回はこの2種類のレインジャケットを価格や重量といったスペック、素材の違い、デザインや機能性といった3種類の点で徹底的に比較をしていきます。

これから登山用レインジャケットを購入しようと考えている方にとってどのような点を見ていけば良いかといったヒントになるような記事にしていきたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

ブランド パタゴニア パタゴニア
商品名 トレントシェル3L・ジャケット グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット
価格(税込) ¥27,500 ¥37,400
重量 400g(M) 400g(M)
レイヤー 3層 3層
メンブレン H2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジー
H2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジー
表生地 50デニール 30デニール
裏生地 トリコット ジャージ素材
フード ヘルメット非対応 ヘルメット対応
ポケット ハンドウォーマー2箇所 ハンドウォーマー2箇所、チェストポケット1箇所
ピットジップ あり あり
裾のフィット調整 左右2箇所 右側1箇所(ポケット内部にコード先端)
袖口 ベルクロテープ ベルクロテープ
シルエット レギュラー・フィット レギュラー・フィット
パッカブル 左のハンドウォーマーポケット チェストポケット

価格や重量といったスペックを比較

まず初めに価格や重量について比較をしていきましょう。

トレントシェル3L・ジャケット

トレントシェル3L・ジャケットはパタゴニアの代表的なレインジャケットとして毎年細かなリニューアルを重ねながら今に至っています。価格は徐々に値上がりしていますがパタゴニアの登山用レインジャケットとしては比較的購入しやすい税込みで27,500円です。

グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット

グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットは比較的最近登場したレインジャケットで、レインジャケットとは思えないしなやかさが特徴のモデルです。価格はトレントシェル3L・ジャケットよりも約1万円高い税込3万7400円です。

重量はどちらもMサイズで400gで、まずはこの1万円差でどちらが良いのか迷われる方が多いと思います。次からこの1万円の違いはどこにあるのか?素材や機能性について細かく紹介をしていきます。

素材と生地感について比較

トレントシェル3L・ジャケット とグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットの大きな違いの一つに生地感があげられます。トレントシェル3L・ジャケットは非常に張りのある素材で見るからに耐久性が高いパリッとした素材なのに対し、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはまるでウィンドブレーカーのような非常にしなやかで柔らかな素材です。

着心地においてはしなやかなグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのほうが動きやすいのですが、その理由の一つに表地のデニール数の違いや、裏地の素材感の違いが挙げられ、それぞれにメリットデメリットがあります。この辺りについて詳しく見ていきましょう。

メンブレンの違い

トレントシェル3L・ジャケットとグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットの共通点の一つにH2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジーを採用している点が挙げられます。これはパタゴニアオリジナルのメンブレンで、耐水性が紹介ページで「最初のキラーウォッシュは20,000mmの水で行われ、その後さらに10,000mmの耐水圧が維持されていることを確認します。」と記載があることから30,000mm以上のスペックがあることがわかります。透湿性においては特に記載はありません。

どちらのレインジャケットもメンブレンに表地と裏地を貼り合わせた3層構造です。この3層構造のメリットは、冷たい雨風に叩かれた時に体が冷えづらいこと、また裏地があることで汗をかいた際に肌と接触した箇所がベタつきづらいことが挙げられます。デメリットは3層だから重量が嵩むこと、しなやかさが劣りがちなことが挙げられます。

表地の違い

表地においてはトレントシェル3L・ジャケットが50デニールなのに対しグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットが30デニールで、トレントシェル3L・ジャケットのほうが寒さを感じにくい耐候性に優れたモデルです。デニールとは生地の厚みを表す単位なので、この20デニールの差だけ見れば、トレントシェル3L・ジャケットのほうが重くなくなるはずなのですが、重量が同じな理由はこの後紹介するデザインや機能性に違いがあるからです。

裏地の違い

裏地においてはトレントシェル3L・ジャケットがトリコット、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットがジャージー素材です。どちらも編み物に分類される生地で洗濯後の形状変化が少なくシワになりにくい、またどちらも通気性が良い素材として知られています。触ってみて、また汗をかくようなシーンで着用していると分かりますが、トリコットの方が凹凸感がありベタつきが少ないのに対し、チャージ素材は凹凸感が極めて少なく柔らかくしなやかな素材で、トリコットと比べると汗をかいた時に若干肌に吸い付くような感覚がありますが、それでも非常に気持ちの良い素材です。

デザインや機能性を比較

次に全体のデザインと細かなデザインの違いを機能性を踏まえながら見ていきたいと思います。

全体のデザインの違い

まずはじめに全体のデザインを見た時に大きく異なるのが、フロントジッパーの違いです。この違いによって見た目に大きな違いがあります。フラップがあることでフロントジッパーが見えないトレントシェル3L・ジャケット。止水ジッパーが使用されていることでフラップを取り除きジッパーが見えるようにデザインされているグラナイト・クレスト・レイン・ジャケット。

良し悪しの面で言うと、レントシェル3L・ジャケットで使用されているフロントジッパーは止水ジッパーではないので、強い風に叩かれた時にフロントジッパーから雨が入ってこないかが心配です。しかしながらフロントジッパーは非常に柔らかく開け閉めがしやすいメリットがあります。対してグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはジッパーが少し硬い止水ファスナーを使用しています。なので開け閉めする時に少し硬さを感じます。現在YKKからもっと柔らかく開け閉めができる止水ファスナーがあるはずなのですが、それを採用すれば良いのにと感じます。

見た目においては、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットは表生地に光沢感があるのに対し、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはマットな風合いです。またグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはフロントジッパーが露出していることでテクニカルな見た目であることが挙げられます。

フードの違い

フードはトレントシェル3L・ジャケットはヘルメット非対応で、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはヘルメットをした状態でもフードをかぶることができます。これによって岩場の多い登山中に雨に降られた時、ヘルメットをかぶった状態でフードをかぶることができるのでグラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのほうが様々なシーンで活用することができると言えます。

どちらのフードも縦横で調整する機構が備わっています。調整する場所はフロントジッパー左右部分に露出している2箇所のコードを引っ張ることで縦方向のフィット調整が可能で、後頭部に設けられたドローコードを引っ張ることで頭首位にフィットさせることができます。

ポケットの違い

トレントシェル3L・ジャケットのポケットはハンドウォーマーポケットのみで、開口部分が実寸で約17cmで、手を入れる時に少し小さく感じます。

グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのポケットはハンドウォーマーポケットと、左胸にチェストポケットが1箇所備わっています。ハンドウォーマーポケットの開口部分は実寸で約19cmで、手を入れやすいとた感じます。

トレントシェル3L・ジャケットのハンドウォーマーポケット

ポケットのサイズだけでなく位置や角度も異なっており、トレントシェル3L・ジャケットのハンドウォーマーポケットは脇腹あたりにまっすぐ縦に設けられており、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのハンドウォーマーポケットはお腹辺りに少し斜めに設けられています。

雨が降っている時にポケットの中に手を入れる頻度がどれだけあるのかを考えると、あまりないので特に気になるポイントではないのですが、ハンドウォーマーポケットを重視する人はこのデザインの違いをチェックするようにしましょう。

ピットジップの違い

ピットジップはどちらのレインジャケットにも備わっています。構造や使用されているファスナーの素材は一緒で、止水ファスナーでないかわりにフラップが設けられています。またダブルジッパーで開口部分を調整することができます。

トレントシェル3L・ジャケットのピットジップは実寸で約28cm設けられているのに対し、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのピットジップは実寸で約37cmです。グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットは脇腹あたりまでジッパーを開くことができるので非常に涼しく、真夏日の登山では非常に涼しく登山をすることができます。

グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのピットジップは広く設けられていることから、別の記事でも紹介しましたがベストのような着用で雨をしのぐことができます。

裾と袖口のフィット調整の違い

トレントシェル3L・ジャケット
グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット

裾のフィット調整はトレントシェル3L・ジャケットが左右2か所に設けられているのに対し、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットは右手側一箇所のみで、調整する時にはポケットに手を入れて先端部分を引っ張ってフィットを行います。素早く調整することができるのがトレントシェル3L・ジャケットです。

袖口のフィット調整はどちらもベルクロテープのみで行います。裾も袖口にもゴムバンドは設けられていないシンプルな作りです。

シルエットとサイズ感

シルエットはパタゴニアのレギュラーフィットをどちらも採用しています。パタゴニアのレギュラーフィットは細すぎずダボダボしすぎない適度なフィット感で、中にフリースなどのミドルレイヤーを着用してもゆとりを感じることができるシルエットです。

身長180cm、体重65kgの男性が着用してちょうど良いサイズ感ですが、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのほうが素材がしなやかだからか、少しこちらのモデルの方がゆとりが大きく感じます。

コンパクト性能

左がトレントシェル3L・ジャケット、右がグラナイト・クレスト・レイン・ジャケット

どちらのレインジャケットもパッカブルをして持ち歩くことができます。トレントシェル3L・ジャケットは左のハンドウォーマーポケットにパッカブルすることができ、グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットはチェストポケットにパッカブルすることができます。グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットのほうがしなやかな素材なのでパッカブルしやすい利点があります。

トレントシェル3L・ジャケットは、パッカブルサイズが幅約19cm、高さ約15cm、厚み約12cmの大きさ。

グラナイト・クレスト・レイン・ジャケットは、幅約24cm、高さ約14cm、厚み約10cmの大きさで、どちらもさほど大きな違いはありません。

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代表的な2種類のパタゴニアのレインジャケットを徹底比較『トレントシェル3L・ジャケット VS グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット』

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