登山やトレイルランニングなどアウトドアアクティビティをする人は、できるだけ汗をかかないように行動しましょう。この考え方は非常に重要で、汗をかいてしまうと
- 水分補給が必要になり持っている水の量が減る
- ミネラル補給が必要になり持っている行動食の量が減る
- ベースレイヤーなどが濡れ体が冷えるリスクにつながる
- 体が冷えることで体力が奪われる
といったデメリットだらけで良いことがありません。しかしながら重い荷物を背負って山を登る高負荷な登山では、発汗、不感蒸泄の量が普段よりも多いことを前提に考えなければいけません。
不感蒸泄(ふかんじょうせつ)って何?
登山において「汗」という目に見える濡れに対する対策はイメージがしやすいのですが、目に見えない皮膚や呼気から水分が奪われている実態については意外と知られていません。この発汗以外で水分喪失のことを不感蒸泄と言います。
不感蒸泄の量は条件により大きく変動しますが常温安静時において成人の方だと、1日で皮膚から600ml、呼気によって300ml、合計900ml程度あります。
不感蒸泄は体重×15mlで計算することができるので体重60kgの人は
- 60×15=900ml
となります。
高齢者の方は水分を蓄えるための筋肉が減少し体内の水分量が少なくなります。
例えば成人の男性が水分を60%蓄えることができるのに対し高齢者になると50%になります。また腎臓の機能が低下し老廃物を出すためたくさんの尿が必要となるとされています。さらには体の感覚が鈍くなり喉の渇きを感じにくくなるため水分が必要でも本人が気づかないといったことも問題視されています。
このように気づかない間に水分が体から蒸発しており、気づかない間に吸湿性能が低いベースレイヤーを着用していると肌が冷たくなりやすいのです。
不感蒸泄の量は体温が1℃上昇すると、不感蒸泄の量は約15%増加すると言われており、汗をかくほどの体温上昇の場合は呼気も乱れるため、気づかない間に体からたくさんの水分が奪われることが想定できます。
吸水性と吸湿性の違いは?
吸水性とはその名の通り水を吸収する性質を指し、吸湿性は水蒸気、いわゆる気体の水分を吸収する性質です。ベースレイヤーにおいて吸水性があるということは皮膚から出た汗を吸収することができ「さらさらとした着心地」といったような表現でその特徴を表すことが多いです。
対して吸湿性があるということは不感蒸泄によって生じた湿気を吸収することができ「蒸れない快適な着心地」といったような表現でその特徴を紹介しています。
どちらも登山におけるベースレイヤーでは重要な機能なのですが、素材によって汗の除去方法が異なります。
- 化学繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレンなど):吸水性はあるが吸湿性はない
- 天然繊維(ウール、シルク、麻、レーヨンなど):吸水性も吸湿性も兼ね備えている
汗が乾くメカニズム
次に吸水、吸湿したベースレイヤーがどのようなメカニズムによって乾いていくのか見ていきましょう。濡れた繊維が乾いていくメカニズムを説明する時に使われる言葉に「毛細管現象」があります。
これは繊維が吸水、吸湿したあとにベースレイヤーの表側に水分が移動する現象を指します。このスピードが早いのが化学繊維で、天然繊維は繊維内に水分を保持する特徴があるので汗が乾くまでのスピードが遅いと言われています。
機能で表現すると吸水拡散性能などと言われますが、汗が1点に集中せず拡散するので、その分蒸発するスピードも早くなり、結果速乾性の高さが特徴になります。
この速乾性の高さにおいてはメリットとデメリットがあり、メリットは大量の汗をかいても生地がドライに保たれているためさらさらとした着心地が持続することが挙げられます。デメリットは気加熱が奪われやすく肌が冷たくなりやすいことが挙げられます。
ここまでのことを整理すると
- 高負荷な登山では汗以外に不感蒸泄の量が多い
- 不感蒸泄には吸湿性機能が重要
- 吸水性と吸湿性を兼ね備えた天然繊維が良さそう
- 天然繊維は発汗量が多い季節では速乾性能が落ちるのが気になる
このように考えることができます。そこで僕がベースレイヤーに強くおすすめしているのが天然繊維の吸湿性を備え、化学繊維の毛細管現象による拡散性能に優れた、メリノウールとポリエステルの混紡素材で作られた山旅の速乾メリノウールTシャツです。
山旅の速乾メリノウールTシャツの素材と機能性
メリノウールとポリエステルが50%づつ混紡されているとどのような機能を備えるのか?夢のような話なのですが、メリノウールとポリエステルの両機能を備えたベースレイヤーになるんです。
山旅の速乾メリノウールTシャツは以下の機能を備えています。
- 吸湿性(メリノウール)
- 吸水性(メリノウール&ポリエステル)
- 速乾性(ポリエステル)
- 耐久性(ポリエステル)
- 消臭効果(メリノウール)
- 保温性(メリノウール)
- 防シワ性(メリノウール)
- ストレッチ性(メリノウール&ポリエステル)
これに加えて登山だけでなく普段使いしやすい高級感のある独特な光沢感があります。
メリノウールとポリエステルが50%づつ混紡されているTシャツ全てがこのように両立した機能を備えているかと言ったらそうではありません。繊維の質感、糸の太さ、染料、製品染めか否か、染める時に使っている水の質(日本、中国、その他国で大きく異なることを実証済み)などで機能性は大きく異なります。
例えば僕はメリノウールTシャツに定評のある他社ブランドのTシャツ、ベースレイヤーを沢山の種類、何度も様々なシーンで着用しました。
ポリエステルではなくテンセルといわれる再生繊維をメリノウールと混紡しているTシャツは拡散能力に劣るため、汗をかくと肌にベタっと吸い付くような気持ち悪さがあったり、同じメリノウール&ポリエステルの混紡比率が50%のTシャツを着用しても、撥水性が高く吸水性が少なく、常に肌が濡れていたり、今までこれぞというベースレイヤーに出会ったことがありません。
色々調査をすると、機能の違いはその製造工程に秘密があることが分かりました
- 糸染めなのか製品染なのか?:糸染めの方が機能性が高い印象
- 染める時に使用している水の質:染めている国の水質によって異なる。だから作っている工場にを左右される印象
そこでスーパーナチュラルと共同で開発し、どこよりも気持ちよく着用し続けられ、登山だけでなくトレイルランニングにも、積極的に普段使いもできるベースレイヤーを開発したわけです。
山旅の速乾メリノウールTシャツの種類
山旅の速乾メリノウールTシャツは2種類のフィットと2種類のモデルがあります。
山旅という名の通り、山歩きをメインにしたアクティビティ向けにはレギュラーフィットをおすすめしており、山周辺を旅するような遊びにはリラックスフィットをおすすめしています。
レギュラーフィットは動きを妨げないスッキリしたシルエットが特徴で、風のばたつきも少ないため縦走登山やトレイルランニングなどのアクティビティにおすすめです。
リラックスフィットは普段使いしやすいゆったりとした着心地が特徴で、肌とTシャツの間を風が通り抜けるような気持ちよさを体感できるので、登山終わりや暑い季節のハイキングにおすすめです。
そして2種類のモデルにおいては、今お話ししたレギュラーフィットとリラックスフィットのスタンダードなTシャツ以外に、レギュラーフィットを採用した背中全体と脇部分にメリノウール50%、ポリエステル47%、ポリウレタン3%のメッシュを備えたモデルが存在します。
メッシュ部分は通気性はあるんだけれども透け感はほとんどなく、アンダーウェアのカラーにもよりますが、女性の方も安心して着用することができます。
メッシュ部分にもメリノウール50%が混紡されていることがミソで、しっかりと吸湿し、さらには驚くような拡散力によって、たくさん汗をかいたと思ったら、すぐに蒸発して濡れがなくなってしまいます。だからと言って肌が冷たくなることもなく、着用したら感動すること間違いなしです。
特に背中と脇の汗に悩まされている方は超絶おすすめで、これを着用すれば汗をかいて、暑いと感じてまた汗をかくような気持ち悪さとストレスから解放されます。
山旅の速乾メリノウールTシャツのサイズ感
身長179cm、体重67kgの男性にちょうど良いサイズがMサイズ、少し大きめに着用したいなと考えたらLサイズです。レギュラーフィットのTシャツとメッシュのTシャツはどちらも同じシルエットです。普段使いもしやすいように少しゆったりとした着用感が特徴です。
身長157cm、体重50kgの女性にちょうど良いサイズがXSサイズ、少し大きめに着用する場合はSサイズです。また身長が低い男性がSサイズを選ぶこともあります。
リラックスフィットは全体で約2cmほどゆったりとしたシルエットで、袖丈は3cm長めです。ゆったりとした着心地が特徴なので、女性の方がサイズを選んで大きく着用するのもかなり可愛らしく着こなすことができます。サイズの選び方によって見た目が結構変わります。体のラインを隠してくれ、さらには小顔効果もあるので最近はオーバーサイズが結構売れています。