登山用サングラスは太陽光の眩(まぶ)しさ軽減だけでなく、山の過酷な環境から目を守る、登山における重要アイテムです。
今回は登山におけるサングラスの必要性や登山用サングラスを選ぶ際のポイント、さらにブランドごとの特徴やおすすめサングラスを紹介します。
目の健康を守りながら、安全にオシャレに登山を楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
登山用サングラスの必要性
登山ではサングラスは必須アイテムです。紫外線、反射光、砂埃、虫、強風などから目を守り、目の健康と安全な登山には欠かせません。登山用サングラスが必要な理由を詳しく解説していきます。
1.紫外線から目を守る

標高が1,000m上がるごとに紫外線量は約10〜12%増加します。たとえば富士山頂(3,776m)では平地の約1.4倍の紫外線が降り注ぎます。
そのため、平地では何ともない人でも標高が高くなればなるほど紫外線による影響が出やすくなります。紫外線による目の影響には以下の症状が挙げられます。
長時間強い紫外線を浴びると「雪目(電気性眼炎)」を発症し、角膜が傷ついて充血や痛み、涙が止まらない、まぶしくて目を開けられないなどの症状が現れます。
紫外線の蓄積は「白内障」「翼状片」「加齢黄斑変性症」などのリスクも高めます。
目に紫外線が入ることで、皮膚でメラニンが生成され、全身の日焼けや疲労にもつながります。
このように、紫外線による影響はその場で起こるリスクと将来に渡って脅かされるリスクがあります。安全な登山と将来の健康のためにもサングラスは必須装備です。
2.反射光から目を守る

標高の高さから量が増える紫外線ですが、雪や岩、砂地など登山環境に多い地表面は特に紫外線を強く反射します。中でも雪山では反射光による紫外線ダメージが大きく、サングラスなしでは短時間で目を傷める危険があります。
3.砂埃・虫・木の枝から目を守る

登山道では突風や他の登山者の動きで砂埃や小さな虫、木の枝などが目に入ることがあります。これにより視界を失い、転倒や事故につながるリスクが高まります。
4.強風から目を守る
強風は目の乾燥や異物混入の原因となり、視界不良や目のトラブルを引き起こします。サングラスはこれらの物理的ダメージからも目を守ります。
5.視認性の向上


強い太陽光が目に入ると、眩しさで周囲が見えづらくなります。特に雪山は光の反射が強いため、路面状況をより確認しづらくなります。
サングラスで眩しさを軽減することで、視認性が向上し、より安全に登山が可能です。
失敗しない登山用サングラスの選び方ガイド
登山用サングラスを選ぶ際は、以下のポイントをチェックしましょう。
①UVカット率

紫外線カット率99%以上(UV400対応)が推奨されます。目の健康を守るため、必ずスペックを確認しましょう。
②可視光線透過率

「可視光線透過率」とは、レンズが通す光の割合のことです。レンズの色が濃いと光をあまり通さず、可視光線透過率は低く、視野が暗くなります。反対にレンズの色が薄いと光を多く通すので、可視光線透過率は高く、視野が明るくなります。
可視光線透過率は低すぎると物が見えにくく、高すぎると眩しく感じるので、低すぎても高すぎてもよくありません。以下のように登山の状況に合わせて、適切な可視光線透過率の製品を選びましょう。
- 快晴・標高の高い山・夏季:10~15%
- 一般的な登山条件:15~30%
- 早朝・夕方・曇り:30~45%
③レンズ種類

- カラーレンズ:標準的で幅広いシーンに対応。
- 偏光レンズ:雪面や水面のギラつきを抑え、反射光対策に最適。
- 調光レンズ:紫外線量に応じて自動で色が変わるため、変化の激しい環境で便利。
④レンズカラー

レンズカラーは好みや用途に合わせて選ぶのがポイントです。山の天候や行動時間帯に合わせて複数本を使い分けるのもおすすめです。
レンズカラー | 特徴 | おすすめシーン |
グレー | 眩しさを自然に抑え、色調変化が少ない | 晴天・高山・オールラウンド |
ブラウン | コントラスト向上、凹凸や段差が見やすい | 曇天、森林、岩場、変化の多い登山 |
グリーン | 目に優しく、長時間でも疲れにくい | 晴天・曇天・長時間行動 |
イエロー | 視界を明るくし、霧や薄暗い環境で視認性UP | 早朝・夕方・悪天候・樹林帯 |
ブルー | 反射光カット、眩しさ軽減 | 雪山・水辺・強い日差し |
ピンク | コントラスト向上、肌色が明るく見える | 曇天・女性向け・ファッション性 |
⑤フレーム形状とフィット感

顔にフィットしやすいカーブ形状や、風・埃の侵入を防ぐラップアラウンドタイプがおすすめです。ノーズパッドやテンプルの調整ができるとズレにくく、長時間でも快適です。
⑥軽量性
軽い素材(ナイロン、TR-90など)は疲れにくく、登山時の負担を軽減します。
⑦度付き対応

視力補正が必要な方は、度付きレンズ対応モデルやオーバーグラスタイプ(メガネの上からかける)を選びましょう。
【2025年】人気ブランドのおすすめ登山用サングラス
~OAKLEY~
独自素材「プルトナイト」レンズによる圧倒的な耐衝撃性と安全性が特徴です。落下や小石の衝突はもちろん、弾丸さえも耐える強度で、登山中の予期せぬアクシデントから目をしっかり守ります。
また、レンズ自体にUVカット機能が練り込まれているため、傷がついてもUVA・UVB・UVCを100%カットし続け、高山の強い紫外線下でも安心です。
HDOやPrizmレンズテクノロジーにより、視界の歪みが少なく、自然な色調とコントラストを実現。さらに、特許素材O Matterを使用した軽量フレームとアジアンフィット設計、Unobtainiumノーズパッドで、日本人の顔にも快適にフィットし、長時間の使用でもズレにくいのが魅力です。
『Sphaera Slash』ー広い視野・軽量・高い衝撃吸収性。Prizmレンズ搭載ー (¥47,630)

出典:OAKLEY
『CLIFDEN』ー側面カバー付きで雪山や高山縦走向け。可視光透過率5.5〜13%ー (¥47,630)

出典:OAKLEY
『Radarlock Path』ー広いレンズ面積・高耐久・レンズ交換可。初めてにも最適ー (¥26,950)

出典:OAKLEY
『Flak 2.0』ー軽量・アジアンフィット・幅広い視野ー (¥33,110)

出典:OAKLEY
『Sutro』ー高いホールド感・耐久性・アウトドア全般に対応ー (¥31,350)

出典:OAKLEY
~ SWANS(スワンズ)~
この登山用サングラスブランドは、日本人の顔型データをもとに設計されており、ズレにくく長時間でも快適な装着感が特徴です。国内自社工場で一貫生産されているため、光学性能・耐久性・安全性に優れた「メイドインジャパン」品質を実現しています。
レンズには紫外線カット率99.9%以上(UV400対応)の高性能技術が採用されており、素材自体にUVカット機能が練り込まれているため、傷がついても性能が落ちにくいのが魅力です。
また、ポリカーボネート製レンズと軽量フレームにより、登山時の負担を軽減しつつ、耐久性・耐衝撃性にも優れているため、アクシデントから目をしっかり守ります。
『Airless-Move』ー超軽量17g、偏光レンズ搭載、長時間でも快適ー (¥13,200)
『Df.pathway』ー普段使いもOKなデザイン、偏光レンズ、ノーズ調整可ー (¥16,500)
『E-NOX EIGHT』ー調光レンズ搭載、軽量、フィット感抜群、雪山対応ー (¥19,800)
~ mont-bell(モンベル)~
この登山用サングラスブランドは、独自の折り畳み構造とチタニウム合金フレームを採用し、重量はわずか18g前後と非常に軽量で、携行性に優れています。ポケットにも収まるコンパクトな設計は、登山時の持ち運びにベストマッチです。
日本人の顔型や瞳孔間距離に合わせたアジアンフィットデザインにより、ズレにくく長時間でも快適な装着感を実現。レンズは光学中心を瞳孔に合わせて設計されているため、視界の歪みや目の疲労を軽減し、長時間の登山でも快適さが続きます。
さらに、偏光レンズやノーマルレンズ、可視光線透過率の異なる複数カラーなど、天候や用途に応じて選べる豊富なレンズバリエーションも魅力です。
『PLチタン トレッキンググラス』ー偏光レンズ・折り畳み構造・超軽量18gー (¥20,900)

『PLトレッキンググラス』ー樹脂フレーム・偏光レンズ・軽量23gー (¥11,000)

『フォールディング トレールグラスPL』ーレンズ交換可能・偏光&ノーマルレンズ付属・19gー (¥9,900)

『アルパイングラス HD』ー曇り止め加工・高精細レンズ・3段階角度調整ー (¥9,900)

~ SMITH(スミス)~
独自の「ChromaPop」レンズテクノロジーを搭載し、青・緑・赤の波長を最適化することで、自然な色合いと高いコントラスト、鮮明な視界を実現しています。偏光レンズや調光(フォトクロミック)レンズ、ガラスレンズなど多彩なバリエーションがあり、登山やアウトドアのさまざまな環境に柔軟に対応可能です。
フレームにはTR90やTPUといった軽量かつ高耐久な素材を採用し、長時間の着用でも疲れにくく、激しい動きでもズレにくい設計です。アジアンフィットノーズやノンスリップノーズパッドにより、日本人の顔にも快適にフィットします。
リムレスやラージレンズモデルは広い視界を確保し、ベンチレーション機能で曇りも防止、快適な登山をサポートします。
『PivLock Vert』ー超軽量リムレス・広い視界・クロマポップレンズー (¥35,200)

『Embark』ーサイドシールド搭載・偏光ガラスレンズ・雪山や高山向けー (¥29,700)

~ FLOAT(フロート)~
福井県鯖江発のFLOATは、日本人の顔型や着用習慣に合わせて設計されており、抜群のフィット感と快適な装着感が魅力です。
特殊樹脂素材を用いることで20g台の超軽量を実現し、長時間の登山やアクティビティでも「掛けていることを忘れる」ほどの無重力のような掛け心地を提供します。
さらに、独自の立体構造テンプルは柔軟性と復元性に優れ、頭部を優しく包み込みながらも、激しい動きや首振りでもズレにくい設計となっています。日本人のために細部までこだわった快適性と安定性が特長です。
『RIGEL』ー偏光レンズ・超軽量・マグネット内蔵。登山・アウトドア全般ー (¥14,300)

『SIERRA』-ハイエンドモデル・偏光レンズ・ロックテンプルー (¥17,600)

~ SUNSKI(サンスキー)~
サンフランシスコ発のサステナブル&エコフレンドリーな姿勢が特徴です。リサイクル素材「SuperLight」をフレームに採用し、環境への配慮を徹底。すべての製品に生涯保証が付いており、破損時も修理や交換に対応するため、長く安心して使えます。
全モデルに偏光レンズを標準装備し、乱反射やギラつきを抑えてクリアな視界を提供。UVカット率100%で、強い紫外線から目をしっかり守ります。さらに、超軽量かつ柔軟なフレーム設計により長時間でも疲れにくく、独自の4層構造レンズ(傷防止コート+偏光+ミラーコート)で耐久性と機能性も抜群です。
『Headland』ー軽量・偏光レンズ・ベーシックなデザインー (¥9,570)

『Tera』ーアルパインコレクション・サイドシールド付ー (¥14,300)

『Kiva』ー大きめフレーム・スポーツ向けー (¥7,700)

~Ray-Ban(レイバン)~
クラシカルなデザインと現代的なアレンジを融合したファッション性の高さが魅力です。高品質な素材と優れた性能により、普段使いから登山まで幅広く活躍する汎用性を持っています。
ほとんどのモデルがUVカット率99%以上(UV400対応)で、UVA・UVBをしっかり遮断し、標高の高い山でも安心して使用可能です。また、乱反射やギラつきを抑える偏光レンズ搭載モデルも豊富にラインナップされており、登山道や雪面の反射光対策にも有効です。
ファッション性と機能性を兼ね備えた一流ブランドとして、多くの登山者にも支持されています。
『RB4264 CHROMANCE』ー偏光レンズ・広い視野・高級感・UV99%以上ー (¥41,800)

『ERIKA CLASSIC』ーUV100%カット・日常〜登山兼用・軽量ー (¥31,020)

『NEW WAYFARER CLASSIC』ー定番モデル・UVカット・ファッション性・携行性ー (¥35,860)

~ BUNNY WALK(バニーウォーク)~
「街からフィールドへ」をコンセプトに、アウトドアだけでなく日常使いにもなじむデザインと機能性を兼ね備えています。全モデルに高性能偏光レンズを採用し、反射光やギラつきを効果的に抑制。登山道や雪面、岩場でもクリアな視界を保ち、目の疲れを軽減します。
また、日本人の顔に合わせたカーブ設計により遮光性が高く、ズレにくいフィット感を実現。長時間の登山でも快適な掛け心地が続くため、アウトドアから日常まで幅広いシーンで活躍できるサングラスです。
『BW-021』ー偏光レンズ・軽量・高遮光性ー (¥7,480)

『BW-025』ーポップアップレンズ・赤/オレンジ強調・UVカットー (¥8,580)

『BW-0232C』ークリップ式・日よけ・アウトドア全般対応ー (¥7,150)
