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日本の山岳シーンのためにデザインしたNEMOのフラッグシップモデル『タニ オズモ1P』をどこよりも詳しく紹介

日本の山岳シーンのためにデザインしたNEMOのフラッグシップモデル『タニ オズモ1P』をどこよりも詳しく紹介

NEMOの1人用テントの中では4番目に軽量で、日本の山岳シーンのためにデザインされていることでテント泊登山者に非常に人気のあるモデルです。初心者でも設営しやすく、居住性も高く、これから登山用テントを購入しようという風に考えている人たちの候補に上がりやすいテントが今回紹介するNEMOの『タニ オズモ1P』です。

今回の記事ではどこよりも詳しくNEMOのフラッグシップモデル『タニ オズモ1P』を紹介していきます。

まずはじめに『タニ オズモ1P』が使用している素材について、他のテントと比較してどのような違いがあるのかスペックとともに紹介し、設営方法、居住性の高さと他のテントと比較したときのタニ オズモ1Pの位置づけを紹介します。最後に様々な登山用テントを使用した僕にとって『タニ オズモ1P』の良いと感じたところ、いまいちだと感じたところを紹介していきます。

『タニ オズモ1P』が使用している素材

インナーテントのドアには風の侵入を防ぐ15Dのブリーザブルナイロンを採用し、下部はジッパーによる2重構造で、メッシュにすることで換気を促すことができます。それ以外の本体素材はナイロンです。軽量テントの多くがメッシュ素材を多用しているのに対して、風の侵入を防いだ素材を本体の素材に採用しているので、晩秋〜初冬、初春などの寒い季節に登山をする時にも安心して使用することができるテントです。

フロアシートにはOSMO™リップストップが採用されています。フロアシートは地面との擦れで破きやすい部分なのでこの部分にデニール数(いわゆる生地の厚み)が高いものを選ぶようにしましょう。僕は登山用テントには最低でも15デニール以上あるモデルを選ぶことが賢明だと考えています。

フライシートには同じくOSMO™リップストップが採用されています。このOSMO™は、従来の素材より伸縮性が3倍低いので雨や結露で濡れてもたるみを抑制する特徴があります。テント設営時にはビシッと張られていたのに、時間が経つにつれテントの張りがなくなる原因の一つにフライシートの伸縮性が関係しています。張りがなくなるとインナーシートとの間に空間が保たれなくなり結露が生じやすくなったり、雨を弾く力がなくなり保水してしまうなど良いことがありません。

ちなみにフライやフロアに使用しているNEMOオリジナル素材オズモシリーズについて、生地の厚みはモデルによって使い分けているようですがデニール数は非公開となっています。

設営方法について

タニ オズモ1Pの設営方法は吊り下げ式タイプです。

軽量なテントの多くが吊り下げ式を採用しています。スリーブ式のテントと比較した時の吊り下げ式のメリットは、スリーブ部分の素材を省くことができるため軽量化できること、また先に本体を地面に固定した後にポールを吊り下げるように設営することができるので、風に飛ばされにくい点が挙げられます。

続いて吊り下げ式のデメリットは、スリーブ式がポールを本体に通して地面に固定する流れなのに対し、吊り下げ式は固定した後、タニ オズモ1Pの場合は13箇所ポールに本体を引っ掛ける必要があるため設営撤収に時間がかかります。またスリーブ式よりも吊り下げ式の方が居住空間、特にテント内部の天井空間が損なわれがちです。

タニ オズモ1Pを設営する方法は、まず本体の四隅を地面に固定します。その後四隅にポールの先端をセットしたら吊り下げていきます。吊り下げが完了したらその上からフライシートをかけます。

各短辺側のインナーテント下部から出ているガイラインをフライシートに連結し、フライシート側から別のガイラインで引っ張ることで足元や頭頂部付近の内部空間を広げることが出来ます。

最後にフライシートの各所をペグダウンして張り状況を調整したら設営完了です。

居住性の高さ・他のテントと比較したときのタニ オズモ1Pの位置づけ

最小重量はテント本体、フライシート、ポールの合計重量で1.12kgです。これ以外に必要なものとしてペグ、ガイライン、スタッフバッグがあり全てを足し合わせると1.31kgです。

モデル名ホーネットエリート オズモ 1Pホーネット オズモ 1Pドラゴンフライ オズモ バイクパック 1Pタニ オズモ1Pアトムオズモ1P
最小重量657g820g1.07kg1.12kg1.35kg
価格(税込)¥70,400¥61,600¥71,500¥72,600¥53,900
本体素材15Dナイロン/メッシュ15Dナイロン/メッシュ10Dナイロン/メッシュ15Dナイロン/メッシュ
40Dナイロン/メッシュ
フライ素材OSMO™ リップストップOSMO™ リップストップOSMO™ リップストップOSMO™ リップストップ
OSMO™ リップストップ
フロア素材OSMO™ リップストップOSMO™ リップストップOSMO™ リップストップOSMO™ リップストップ
68D PeU ポリエステル
ポールDAC 8.7mm フェザーライトNFLDAC 8.5mm フェザーライトNSLDAC 8.5mm フェザーライトNSL不明不明
フロア面積2.0㎡2.1㎡1.9㎡2.2㎡1.89㎡
前室面積0.7㎡0.7㎡0.9㎡0.8㎡0.7㎡
室内高98cm98cm102cm103cm105cm

フロア面積は2.2㎡と一人用テントとしては非常に広く、形状が長方形で横幅が105cmあるテントは珍しいです。多くの一人用テントが横幅100cm以内で軽量化を行っています。優先順位として「テントの中の空間が広いこと」というように考えている方にはとてもおすすめのテントです。

高さは最も高いところで103cmというのは特段高いというわけではありませんが、平面積の広さもあって広い空間の中で過ごせるテントという印象です。

テントの出入り口は長辺に設けられており、前室面積が大きいので、例えば朝方や雨の日に前室を使って食事を準備するとき、ザックや登山靴が前室にあっても邪魔にならない良さがあります。

メーカーNEMOモンベルMSRビッグアグネスアライテント
モデル名タニ オズモ1Pステラリッジ テント1ハバハバシールド1フライクリーク HV UL1 ソリューションダイSLドーム
価格(税込)¥72,600¥51,700¥77,000¥68,200¥63,800
最小重量1.12kg1.14kg950g765g900g
本体素材15Dナイロン/メッシュ10D高強力ポリエステル10D ポリエステルマイクロメッシュ、20Dリップストップナイロンソリューションダイ リップストップナイロン
12D リップストップナイロン
フライ素材OSMO™ リップストップ20D リップストップナイロン20D リップストップナイロンソリューションダイ リップストップナイロン
15D リップストップナイロン
フロア素材OSMO™ リップストップ30Dバリスティック®ナイロン・リップストップ20D リップストップナイロンソリューションダイ 通気加工リップストップナイロン
12D リップストップナイロン
ポール不明アルミニウム合金サイクロンポールDAC Featherright NFL
DAC Featherright NFL GREEN
フロア面積2.2㎡1.89㎡1.64㎡1.9㎡1.845㎡
前室面積0.8㎡0.24㎡(推定)0.71㎡(推定)0.5㎡0.77㎡(推定)
室内高103cm105cm94cm102cm95cm

上記で紹介しているテントの比較表は最小重量で1kg前後のものをピックアップしています。山岳用テントを俯瞰してみた時には非常に軽量なモデルですが、より軽量なモデルと比較した時は、居住性の高さと、寒い季節でも活用することができる汎用性の高さが特徴で、そのために若干重いテントという位置づけです。

『タニ オズモ1P』の良いと感じたところ、いまいちだと感じたところ

インナーテントのドアには風の侵入を防ぐブリーザブルナイロンを採用し、下部はジッパーによる2重構造で、メッシュにすることで換気を促すことができるなど、季節があり気温が変わりやすい日本の山岳シーンに使いやすくデザインされた登山用テントです。

これによって様々な季節で活用することができる一方、例えば夏山登山だけにしか活用しないという風に考えた時には、オーバースペックでその分重量があると感じます。

またある程度テント泊登山をしていると、居住空間の広さよりも、テント場の大きさを選ばずどこにでも設営できるコンパクト性が良い時もあります。このように考えると個人的見解ですがタニ オズモ1Pは万人に扱いやすいテントで、特にテント泊登山に不安を感じる方にはとてもおすすめです。僕の場合はもう少し空間の大きさや素材などを削ぎ落として軽量なモデルの方が良いかな、と感じました。

またポケットは1箇所あるのみでストレージは少ないテントです。荷物の整理整頓は平面積が広いので荷物を置くスペースはあるのですが、頭近くにスマホを収納しておけるポケットがあると便利なのになあ、と感じました。

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