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登山道具の軽量化によって重量のある登山靴から、より軽量なシューズへの乗り換えが増えていると聞きます。軽量なシューズのセレクトとして代表的なモデルにトレイルランニングシューズがありますが、その特徴は実に様々です。今回紹介するスカルパのリベレランは、登山靴の特性を受け継いでおり、トレイルランニングだけでなく、ベースウェイトで5キロ前後の装備重量を背負ったファストハイクや、日帰り登山などでも軽快に歩くことができるシューズに仕上がっています。
特に今まで夏山登山向けのハイカットの登山靴（平均で約500から600g）、3シーズンの登山靴（平均で約700gの重さ）から、より軽量で足さばきがしやすい250から300gぐらいの登山靴に変えようと考えている方や、初めて登山に挑戦しようと考えているんだけれども、軽い登山靴を探しているという方にとって非常におすすめのシューズです。
今回はスカルパ「リベレラン」のスペックをまず初めに紹介し、特徴的なデザインと実際の履き心地についてレビューをしていきます。
スカルパ「リベレラン」のスペック
スカルパは雪山登山向けの登山靴、テレマークブーツ、高荷重の一般縦走から岩稜などのテクニカルな登山まで対応する登山靴、日帰りの低山から夏山登山までをカバーする登山靴、クライミングシューズ、アプローチシューズ、トレイルランニングシューズとあらゆる山歩きに適したシューズを展開する総合ブランドです。
今回紹介するリベレランは2023年の新製品で「ラン」という言葉が入っていることからもわかるようにローカットのトレイルランニングシューズです。トレイルランニングシューズの平均重量は300gほどで、リベレランは280gと軽いシューズに分類されると思います。
ゴアテックス製ではないので防水性はありません。トレイルランニングシューズらしく足の蒸れはしっかりと外に逃がし、雨で濡れても乾きを促進する素材が採用されています。
価格は税込2万5850円です。カラーは1色でブラックとライムです。
スカルパ「リベレラン」の特徴的なデザイン
アウトソールはプレサTRN-01で、スカルパオリジナルのデザインが施され、グリップ力は高いのだけれども、ラグと呼ばれる凹凸が浅いので泥がついても落ちやすい特徴があります。
またアウトソールの黄色い部分が推進力を施すラグパターンで、黒い部分がブレーキを司るラグパターン、先端はグリップというように機能が振り分けられています。
スタックハイト、いわゆるソールの厚みは、トウが20.5mm、ヒール24.5mmで、ドロップ4mmです。このドロップの数字が高いと、後ろから前へスムーズな重心移動が可能になります。ちなみにゼロドロップはドロップ0mmのことを言い、裸足感覚で歩くことができるシューズだから、人間本来の正しい姿勢を維持して歩くことができるとされています。
アウトソールとアッパーの中心に位置されるのがミッドソールですが、ここには全体には中密度のEVA素材を使用し安定性と強い推進力を施し、かかと部分には衝撃を吸収する低密度のEVAを使用しています。インソールを外して指で押してもその違いはよく分かりませんが、長い距離歩いていると他のトレイルランニングシューズと比較して疲れにくい印象があります。
アッパーには耐久性の高さが伺えるメッシュ素材が採用されていて、メッシュ部分はダイレクトに特徴を備えています。
直接足に当たる部分には一体感を生むソックフィット構造で、まるで靴下を履くような感覚です。これによって高いホールド感とクッション性があり、ソックフィットのアッパーのメッシュ部分と重なる部分はメッシュ素材が採用されています。
このソックフィット構造は砂地やガレ場を歩いていてもシューズの中に砂や小石が入りづらく、通常のローカットシューズと比較して非常に快適です。
シューレースには素早く調整可能なクイックシューシステムが採用されています。シューレースが歩いている最中に解けたり、また歩いている最中にシューレースを締めたい、また休憩中緩めたいといった対応も素早く行うことができ、さらに余ったシューレースはレースキーパーと呼ばれるシューレースの中心についたストラップ部分に固定しておけます。
スカルパ「リベレラン」の実際の履き心地についてレビュー
様々なトレイルランニングシューズを履いてきましたが、第一印象はとにかく疲れづらく、様々な地形の登山道を歩いていても安定して歩けることから安心感の高いシューズだと感じました。
かかと部分を包み込む素材は他のトレイルランニングシューズと比較しても剛性が高く足ブレが非常に少なく感じます。そしてシューレースを締め上げた時にフィット感が素晴らしく、それを支えているのが外側のアッパーと中央部の連結されたパネルです。このパネルがあることで、ソックスに直接触れる伸縮性素材を包み込むような形でフィット感をアップさせています。靴の中で足がブレないというのは、パフォーマンス高く歩くことができ、それが元で疲れづらいのでこの機能は非常によく考えられていると感じます。
今回このシューズを履いて歩いてきた場所は谷川岳の馬蹄形だったのですが、岩場、ガレ場、木道、泥など様々な地形があり、どのような場所でもグリップ力があるので、安心して足運びが可能でした。試しに走ってみてもラグが深くないので引っかかりが少なく走りやすいと感じることができました。
休憩中は足をリラックスさせ、その後しっかりと靴の中で足がブレないようにシューレースを調整する、このような一連の流れが素早く行えるのもスカルパ「リベレラン」の特徴だと思います。
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