テント泊登山の軽量化において非常にインパクトを及ぼすツエルトなのですが、風で飛ばされないか、設営は難しくないかと悩まれる方も多いと思います。そこで初心者にも分かりやすいようにツエルトの設営方法について紹介をします。
ツエルトの設営方法は覚えてしまえばとても簡単です。そしてツエルトをテント代わりに使用できるスキルが身につけば、テント泊登山の軽量化に大きなインパクトを及ぼすことができます。それ以外にもツエルトは緊急時や休憩時に風を防ぐためかぶったり包まって使用することで、急激な体温低下を防ぐことができたり、ツエルトのフロア部分を解放してタープとして使用することで広い面積で雨を凌ぐことができたり、ストックやポール、スキー板などを利用してテント代わりに使用することができるなど、様々な使い方ができる有能なアイテムです。これを機会にぜひツエルトの設営方法を覚えましょう。
ツエルトの設営方法
ツエルトの設営方法をお伝えするのにツエルト2ロングを使って紹介します。
まずツエルトを設営するのに必要なものは
- ツエルト本体
- ツエルト4角に打ち込むペグ4本
- ツエルト4角を石で固定するためのガイライン4本(予備)
- ツエルト上部にテンションをかけるためのガイライン2セット
- ツエルト上部用に使用するペグ4本
- サイドリフターで使用するガイライン2セット
- サイドリフターで使用するペグ2本
- トレッキングポール2本(ツエルト用ポールや木の枝の代用も可能、また木や岩に直接くくりつけることも可能)
7種類の道具です。
ツエルト本体が340g、ペグ10本で約80g、ガイラインで約20g、トレッキングポールは登山中に使用するものなので、これを重量に加算しなければ、合計で440gです。シングルウォールのテントでも同等の大きさで約730g(クロスオーバードーム本体+ペグ+ガイライン)。ダブルウォールテントの中でも軽量なモデルで約1kgと考えると、ツエルトを活用することで軽量化のインパクトが高いことが分かります。
ガイラインは軽量で引き裂き強度に優れたダイニーマ製のものを使います。
ツエルトを張る前の準備
ツエルトをテントとして活用する時はフラップ付きのフロアは紐で結べるようになっているので、事前に全て結んでおきます。
ツエルトの設営場所を十分に考える
ツエルトは非自立型です。なので、一度設営してしまうと簡単に移動することができません。だから平らであることはもちろん、風が吹いてくる方向に対して短辺を向けることができるような場所であるか、水はけが良い場所かをしっかりとチェックしましょう。
ツエルトを地面にペグダウン
設営場所が決まったらツエルトをペグダウンします。この時しっかりとテンションをかけて4角を固定します。ペグダウンができない場合はガイラインを使って石で固定します。
ツエルト上部をポールを使って立てる
ツエルト上部から斜め45度上に向かってガイラインが伸びているように設営をしてツエルトを立てます。
ここで使用するガイラインは約2mほどのガイラインを2重にして、中心から10cmあたりのところで結びます。そして先端にはラインロックVを結びつけます。これを2セット使用します。
このガイラインをツエルトの上部に設けられたループに固定します。その後2本のガイラインそれぞれに輪っかを作って、ポールの持ち手部分に通して固定します。
固定した部分からは2本のガイラインが出ているようになるので、それぞれポールから斜め45度に向かって先端をペグダウンします。最初はツエルト上部とポールを結んだ直線上にペグダウンし、その後に斜め45度の位置に左右それぞれペグダウンすると簡単にツエルトを立てることができます。ここまでが基本的なツエルト設営の方法です。
最後にサイドリフターのテンションを作って居住空間を広げる
ツエルトの左右に設けられたサイドリフターにも、ガイラインとペグを使ってテンションをかけることで居住空間を広げることができます。
ツエルトの設営時のコツ&チェックポイント
ツエルトの設営方法を学んだら、ビシッと上手に設営ができるように、まとめとしてチェックポイントをおさらいしましょう。
ペグダウン時にたるみがないようにビシッと!
一番最初にツエルトを地面にペグダウンする時、横方向に強く引っ張りながらペグダウンします。次に斜め後方に引っ張りながら、角が90度になっているかを確認しながらペグダウンします。この時点でフロア部分のたるみがなく張りを持たせているかが重要です。
ツエルトとポールを繋ぐガイラインは45度ぐらい
ツエルトの天井部分がしっかり張られていることで、風に煽られず安心して就寝することができます。そのためにはツエルトとボールをつなぐガイラインが斜め45度ぐらいで上に向かってテンションがかけられていることが重要です。ツエルトの高さは90〜95cmなので、110〜120cmぐらいの長さのテントポールで設営すると良いでしょう。
テンションは均等が重要
テントもツエルトも同じですが、全体でガイラインのテンションが均等になるように調整することで、バランスの良いテント設営が可能で、耐候性が向上します。よく勘違いするのは強いテンションをかければテントの耐風性が向上するということです。
重要なのはバランスで、各ガイラインが同じテンションで均等になっているかということです。これを見分けるにはツエルトにシワがよっていないかというのが1つです。また遠くから見てツエルトが斜めになっているなど形が崩れているとテンションが均等ではない可能性があります。
寝る前に今一度テンションをかける
ツエルト本体は柔らかい素材なので湿気を帯びて必ずたるんできてしまいます。なので設営をしてから寝る前までの時間で少しづつ緩くなっているので、改めてテンションをかけましょう。こうすることで安心して就寝することができます。