僕はテント泊登山でヘリテイジのクロスオーバードーム2Gを愛用しています。設営の速さ、そして非常に軽量でコンパクトに持ち運べることから装備の軽量化にインパクトを及ぼしてくれる重要な道具の一つです。そんなヘリテイジのクロスオーバードームシリーズに新たに「KAYA」モデルが登場します。販売は2025年の4月からで、販売価格は税込で7万1500円です。
今回は先だってこのクロスオーバードームKAYAをお借りすることができました。今回はどこよりも早くこのダブルウォールシェルターのスペックと実際に使用してみての特徴について紹介します。
※ヘリテイジではテントの強度や耐久性を持ち合わせていない為、
クロスオーバードーム「KAYA」のスペック
まず初めにクロスオーバードーム「KAYA」のスペックから見ていきましょう。
- サイズ:200cm×95cm×高さ内寸95cm
- 重量:760g(レインフライ込)※付属するペグ8本・ガイライン4本・収納袋(合計130g)は含まず
- 生地:パネル20dnナイロンメッシュ/レインフライ・インナーグランド高強度10Dナイロンリップストップ・透湿防水ポリウレタンコーティング
- 耐水圧:1,230mm(JISL1092A法)
- 透湿性:367g/sqm/h(JISL1099A-1法)
- カラー:クレセントゴールド
- ポール:ユナンアルミ合金7.5mm
- 収納サイズ:底直径11cm×24cm(ポール収納時長さ38cm)
- 付属品:フライシート、張り綱、Vペグ8本付き
実際に測った重量
クロスオーバードームKAYAの最大の特徴の一つでもある重量について細かく見ていきましょう。
まず付属されているガイライン4本は購入するとメッシュインナーに取り付けられています。このガイライン1本が5.9gです。4本の合計が23.6gです。
付属されているペグはVペグで1本が12.6gです。これが8本付属されています。スタッフバッグ込みで重量は105.3gです。
シェルター本体を収納するスタッフバッグは10.6g、ポールを収納するスタッフバッグは3.6gです。どちらもメッシュ素材が活用されていて軽量化を行っていることがわかります。これは濡れた状態のシェルターをスタッフバッグに入れ、ザックの中に入れた時に塗れるのが少し心配だと思いました。
最後にメッシュインナーの重量が300.7g、レインフライの重量が192.4g。テントポールの重量は274gです。この3つを合計して767.1gでした。スペック値と比較すると約7gほど重かったですが、レインフライやインナーが湿気を含んでいる可能性があると考えるとほぼスペック通りだと思います。
クロスオーバードームKAYAのデザインの特徴
製品名にKAYAというがある通りインナー本体は4面が20dnナイロンメッシュで、クロスオーバードーム2G同様スリーブ式を採用しています。スリーブ部分はメッシュ素材ではなくナイロンリップストップが使用されています。
サイズは200cm×95cmで長方形です。高さ内寸95cmとスペック上にあるのは実際に測っても95cmでした。これは中心の最も高いところの長さです。ポケットは一切なく非常にシンプルな作りです。天井にはランタンを引っ掛けたり、濡れたものを干したりするのに便利なループが備わっています。ループは中心と、中心から離れた4箇所、合計5つ備わっています。
テント場で最もよく見るモンベルのステラリッジテント1とサイズを比較すると、長さはモンベル210cmなのに対しクロスオーバードームKAYAが200cm。横幅はモンベル90cmなのに対し、クロスオーバードームKAYAが95cmです。
バスタブと呼ばれる雨が降った時に地面からの雨の跳ね返りを抑制する部分の高さは約14cmです。
レインフライは従来のクロスオーバードームシリーズで使用されている素材と同様のもので、クレセントゴールドというカラーはクロスオーバードーム2Gでも使用しているものと同じです。
出入り口は長辺に設けられ、縦のジッパーはダブルジッパー、横のジッパーはシングルジッパーです。入り口を開けた状態でストラップで止めておけるように作られています。
実際にクロスオーバードームKAYA使用してみての感想
クロスオーバードームKAYAはインナーがメッシュ素材なので標高が低い暑い季節のアウトドアシーンで活躍すると思います。虫が多い季節における登山用テント、沢登りや渓流釣り、ロングトレイルなど様々なアクティビティに対応するアイテムだと思います。登山だけで考えると暑い季節に限って使える超軽量テントという位置づけになるかと思います。
設営の速さは武器になる
設営の速さはダブルウォールになったクロスオーバードームKAYAでも健在です。まずインナーテントにスリーブを通すとき、クロスオーバードーム2Gだとガイラインを取り付けるループ部分にポールの先端が引っかかってしまうのですが、これがクロスオーバードームKAYAでは改善されています。スリーブの側面にハトメが設けられ、この部分にガイラインを通すユニークなデザインが採用されています。
スリーブをクロスさせるようにポールを通して、ポールエンド部へ先端を差し込みテンションをかけ、ペグダウンをしてメッシュインナーの設営は完了。
その後レインフライをかけて、4隅のループをインナーのポールエンド部へ引っ掛ければおしまいです。慣れれば2分程度で設営も撤収も完了させることができます。
居住空間は身長によって気になるかも
僕は身長180cmで頭10cm、足元10cmの空間を平面だけで考えると空間ができ問題ないように思いますが、シュラフに入ると少しシュラフが壁に当たるのが気になりました。結露はインナーがメッシュなので非常に少ないことが想像できます。背が高い人は少し気になるかもしれません。
削ぎ落とされたデザイン
フライシートにはベンチレーションはなく、入口部分のジッパーがダブルジッパーなので、出入口のジッパーの開け方で通気調整をすることになると思います。
前室は最長33cmほどでシューズを置けるスペースがギリギリ確保されているサイズ感です。ザックはテントの中に入れるのが良いと思います。
横幅は1人用のテントと考えた時には比較的広いので、ポケットがなくともテントマットの左右に荷物を置いておくスペースが十分に確保されている印象です。
夏場だけのテントなのか?汎用性の高さを考察
フライシートを上からかけた時に地面とフライシートまでの長さが約8cmほどで、オールシーズン用のテントまでとは言いませんが、かなり風の侵入を防いだ作りのように思います。だから夏の登山だけでなく、3シーズンでも軽量なテントとして使えるのではないかと考えています。
これは寒がりであるとか、個人個人のリスクの考え方にもよるので推奨はしませんが僕個人的には少し寒い季節でも試してみたいアイテムです。
またメッシュインナーのみでの使用として考えると、約570gで就寝環境を確保することができます。虫刺されの心配なくタープの下で寝るのは気持ちが良いだろうと想像できます。