■硫黄岳の絶景:八ヶ岳のパノラマを一望■
硫黄岳は八ヶ岳連峰の南八ヶ岳に位置し、標高は2,760m。登山初心者から経験者まで楽しめる山として人気です。北面には断崖絶壁が広がりそのスケールに圧倒されます。山頂からは、横岳や赤岳、阿弥陀岳などの南八ヶ岳の主稜線の大パノラマが広がる素晴らしい景色を楽しむことができます。また、夏にはコマクサなどの高山植物が咲き、多くの登山者を魅了します。日帰りコースから縦走コースまで様々な登山ルートがありますが、今回は桜平登山口から夏沢鉱泉を経由して硫黄岳山頂に至るルートをご案内。比較的難易度が低く初心者にもおすすめです。
■オーレン小屋とテント場の魅力■
オーレン小屋は八ヶ岳の登山者にとって重要な拠点。標高2,330メートルに位置し、しらびその樹林に囲まれた静かで美しい環境が広がっています。秋には黄葉した木々が秋らしい美しさを見せ、訪れる人々を魅了します。
1950年創業のオーレン小屋は長い歴史を持ち、八ヶ岳の自然保護と登山者の安全を第一に考えた運営を。温かい食事や快適な宿泊施設が整っており、特に檜展望風呂は登山の疲れを癒してくれます。
テント場もオーレン小屋の魅力の一つ。広々としたテント場は、周囲の自然に溶け込むように設計されており、秋の夜には澄んだ空気の中で星空を眺めながら過ごすことができます。早めに到着して良い場所を確保することをお勧めします。
■桜平駐車場・桜平ゲートより出発
【このレポートは2023年10月7-8日の山行記録です】
桜平駐車場混雑と到着時間:桜平駐車場は秋の紅葉シーズンには特に混雑します。駐車場は無料で約80台収容可能ですが、週末や連休は早朝から満車に。特に天気の良い週末や連休は午前6時には6~7割の駐車スペースが埋まってしまいます。混雑を避けるには午前6時頃には駐車場到着が理想です。
9時に出発、オーレン小屋までの道中、美しい森林が広がり、渓流のせせらぎが心地よく、苔むした岩や木々が幻想的な雰囲気を。ただ、この時期はまだ黄葉には早く、この辺りの紅葉のピークはもう少し先です。
桜平登山口から約30分ほど、夏沢鉱泉は標高2,060メートルに位置する秘湯です。温泉は美肌効果があり、体が温まりやすいとのこと。
八ヶ岳山麓は苔が多い印象ですがここも例外ではなく。生育に適した湿度、土壌薄く根の浅い苔が他の植物と競争しやすい環境。さらに針葉樹林が多く落葉が少ないため、日光が地面に届きやすいことも苔の繁殖に適しています。これらの条件から、苔が豊富に生育する理想的な場所となっています。
■オーレン小屋から硫黄岳へ
10時半過ぎにオーレン小屋に到着。まずはテント場でテントを設営しますが、既に満床に近い状況で良い場所は選べず。桜平駐車場からの出発は私たちがほぼ最後でしたからね。少し傾斜のある場所に設営しますが、これが後々、少し困ることになります。
オーレン小屋から硫黄岳までは1.5時間ほど、オーレン小屋までの緩い登りから普通の登山となります。
標高2500mを超える登山道の傍らは霜柱、10月ともなれは夜間は氷点下で、日陰は日中も解けずに残ります。
■黄金色にそまる硫黄岳からの絶景
稜線に抜けると横岳や赤岳、阿弥陀岳などの南八ヶ岳の主稜線を見渡す大パノラマ、眼下には黄金色に染まるタケカンバと素晴らしい絶景です。
山頂・北面までの移動の途上、ここが今回の山行きで一番の難所でしたが、ミスったら死んじゃうような危険はありません。
硫黄岳の山頂は広々とした平坦な地形が特徴で、まるで大自然の展望台のように360度のパノラマビュー。北側に広がる断崖絶壁は、まるで大地が裂けたかのような壮大な景観を見せ、自然の力強さを感じます。この絶景と絶壁のコントラストが、硫黄岳の山頂を特別な場所にしています。
あまりの絶景に似たような写真を量産しますが、ここの感動は写真では伝えきれない、、、ずっと見ていたい景色ですが、14時半を過ぎると日も傾き、稜線を抜ける風は冷たさを増し、パートナーが寒さに音を上げ下山です。
■オーレン小屋テント場でのドタバタキャンプ
オーレン小屋のテント場に戻り、担当商品のランタンの広告用撮影を開始。何しろ絶好のロケーションです。軽さ48gのHEXARUL1.5はテン泊装備として開発したと言っても良い製品。テン場をバックにランタンの灯り、まさに完璧なシチュエーションです。
撮影が終わると次は山飯の準備。なにしろメーカー関係者の人なのでランタンには困らない、軽量な明かりはいくつでも持ってこれます、私たちのサイトはまるでイカ釣り漁船の様相。それがULか?って言う突っ込みは無しで。
清々しい空気の中での食事は格別と言いたいとこでしたが、日が落ちると急激に気温低下、寒さが身に染みてきました。ここで問題発生!防寒用のダウンジャケットとパンツを持ってきたつもりが、なんと娘の物を間違えて持ってきてしまう大失態。羽織ることもできず冷気の中で食事を。ちな、パートナーの防寒は完璧でした。
就寝時にはさらなる試練。防寒ダウンとの組み合わせ前提で選択した寝袋はシームレス ダウンハガー800#3、防寒着無しでは寒く、しかもテントを少し傾斜地に設営してしまったため、体がマットの上で滑りまくり。なかなか眠れず冷えと滑りとの戦いが続きます。最悪、オーレン小屋に頼み込んで隅っこに泊まらせてもらえば解決でしたがそれも悔しいので。結局、寒さに耐えながらも酒の力を借り、なんとか夜を乗り切りました。
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■2日目、オーレン小屋から根石岳・鹿に恐喝されます
テントの中は寒いので、うす暗い中早起きしてオーレン小屋の前でカフェ&ちょっとお仕事モード。実際、仕事なのか趣味なのか境界はあいまいで、そんな立場に身を置けるのはある意味幸せなんだなーと。
早朝の気温は-4℃でした、冷え切ってた体にモーニングカフェオレが染みる染みる。灯りはHEXAR UL3とUL1.5 。63gのUL3はこの時点では業界最軽量、キャンプ・車中泊で有用なマグネット、多彩な発光モード、1台で電球色/昼白色切り替えと多機能を誇ります。
HEXAR CL6 はキャンプ用に開発したプロダクト、美しい光と薄くたためることを特徴にします。390gと軽量ではありませんが、携帯性には優れるので登山口より近いオーレン小屋や富士見平小屋、平標山の家でしたら持ち運びは苦になりませんが、登山用に携行はお勧めしません。キャンプツーリング・山小屋等の設備としては優れ、そのモダンデザインはフィールドに溶け込みます。
パートナーも起床、この日は正午前には雨予報、朝飯の後はさくっと根石岳を目指します。
傾斜緩く散歩道のような登山道を行くこと1時間弱、根石岳(標高2,603m)が見えてきます。
根石岳山荘は2023年10月8日時点では大規模改装中でした 。標高2,550mに位置し、天狗岳や諏訪盆地の絶景を臨むロケーションが魅力。快適な設備と家族経営の温かいおもてなしが特徴です。初夏にはコマクサやウルップソウなどの高山植物が咲き誇り、四季を通じて八ヶ岳の美しさを堪能できます。
昼ご飯はオーレン小屋名物のボルシチを。冷えた体を温めるトマトベースの煮込みスープは野菜やお肉がたっぷりで深い味わい。テラス席ではより一層美味しく感じられます。
さて、下山。昨晩の冷え込みで紅葉も昨日より進んだようです。小雨が秋の深まりを艶やかにします。
家族を守るために威嚇してくる若いオス鹿に遭遇、彼の鋭い目つきと力強い姿に感動しつつも、少し怖かった。不手際で寒さに凍えたりと自然の厳しさも実感した素晴らしい秋の2日間。次回は持ち物チェックは厳重にしようと心に誓いました。
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