パタゴニアのR1は1999年に登場したテクニカルフリースで、Rはレギュレーター=調整という意味から名付けられています。過去にはR1、R2、R3、R4と保温力の違いで、製品を選ぶことができました。現在はR1、R2が残るのみで、R3、R4と呼ばれる保温力の高いフリースは、より軽量で濡れに強いアクティブインサレーションにバトンタッチしたような印象です。
今回は現在販売されているパタゴニアのR1を比較紹介しつつ、僕が愛用しているR1エアとR1プルオーバーをどのようなシーンで使い分けているかをレビューしていきます。
パタゴニアのR1を比較紹介
パタゴニアのテクニカルフリースに分類されるR1は2024年現在全部で4種類のモデルが存在します。
製品名 | タイプ | 価格(税込) | 重量 | 素材 |
R1エア・ジップネック | プルオーバー | ¥18,700 | 289g | ジャカード・フリース |
R1プルオーバー | プルオーバー | ¥19,800 | 332g | ポーラテック・パワー・グリッド |
R1テックフェイス・ジャケット | ジャケット(プルオーバーなし) | ¥26,400 | 337g | ポリエステル90%/ポリウレタン10%のストレッチダブル織り |
R1 サーマル・ジャケット | ジャケット(プルオーバーなし) | ¥27,500 | 411g | フラットフェイス・テクノストレッチ・フリース |
今回重量比較をするために、近しいタイプをピックアップしました。
- R1エア:ジャケットタイプなし
- R1:ジャケットタイプなし
- R1テックフェイス:プルオーバーなし
- R1サーマル:プルオーバーなし
フードがあるものは除外して上のような状態だったためR1とR1テックフェイス・ジャケットは、表の上ではR1の方が軽量ですか、R1テックフェイスの方が素材は軽量だと思われます。
価格と保温力は重量とほぼ比例していて、R1エア、R1プルオーバー、R1テックフェイスが積雪期の登山やバックカントリースキーのハイクアップなどで着用しても汗をかきづらく、保温力と通気性のバランスに優れていると感じます。
いずれのモデルも内側は凹凸素材で凹んだメッシュ部分で通気性を促し汗の乾きを促進します。体に触れる凸部分は濡れや湿気を素早く吸い上げる機能と、保温力を兼ね備えています。
R1サーマルは4種類のモデルの中では最もこの凹凸の目が細かく商品紹介ではマイクログリッド・フリースの裏打ち付きと紹介されています。いわゆる凹んだメッシュ部分の面積が少ないので、その分保温力に優れたフリースです。
このように4種類の素材からどのようなシーンでの着用が良いのか自分なりにまとめてみました。
R1エア:4種類のモデルの中では最も通気性に優れたフリース。薄手で軽量なので標高差がある中低山での登山におすすめ。晩秋〜冬にかけてのミドルレイヤーとして、また体が寒さに慣れた12月〜2月のバックカントリースキーのミドルレイヤーなどに着用。
R1:通気性と保温力のバランスに優れたポーラテックのパワー・グリッド素材を採用しており、ずっと着用していても汗をかきづらいゆっくりとした行動を伴う登山やバックカントリースキー、ゲレンデスキーなど。2500m以下の雪山登山でのミドルレイヤーとして着用。
R1テックフェイス:ハードシェルジャケットの脱ぎ着が多い高所の雪山登山や風が強いことが想定できるバックカントリースキーなどでミドルレイヤーとして着用。
R1サーマル:優れたストレッチ性を備えたソフトの肌触りから寒い季節の普段使いから、風が強い日の高所登山向けミドルレイヤーとして着用。特に寒がりな方にはおすすめのミドルレイヤー。
R1エアとR1プルオーバーの使い分けをレビュー
僕はこの4種類のR1の中でR1エアとR1プルオーバーを10〜2月の、紅葉登山やバックカントリースキー、キャンプなどで使い分けています。しかしながら比較的汗をかきやすい僕の場合は、寒さが厳しいと感じるシーンのみでR1をチョイスしています。
最も軽量なR1エアでも平均重量でジップネックタイプが289gあり、例えばバックカントリースキーで最も着用するアルファダイレクトのジャケットは120g程度で、軽やかな着用感、防寒をウィンドブレーカーやハードシェルで補うといった考え方であれば、R1の登場回数は少なめです。
まず最も寒さが厳しいと感じるのは
- 風が強い日の紅葉登山
- シーズンインのゲレンデスキー
- 1月〜2月の厳冬期シーズンにおけるバックカントリーやゲレンデスキー
さらに
- 一緒に行く人がゆっくり行動する人
- 風が強いことが想定できること
- 体が寒さに慣れていないと感じる
- これらの掛け算でR1エアとR1プルオーバーを使い分けています。R1エアにおいては、僕が持っているのは脱ぎ着がしやすいフルジップ・フーディなので、標高差がある登山やバックカントリースキーでチョイスすることが多く、R1プルオーバーはプルオーバータイプで脱ぎ着を想定しないゲレンデスキーや、標高差が少ないトレイルを歩くときなどにチョイスすることが多いです。
どちらのウェアも着用感がタイトなのでレイヤリングがしやすく、ストレッチ性にも優れているので動きやすく、保温力に優れたミドルレイヤーとして考えると非常に重宝するアイテムです。