ユニクロのウルトラストレッチドライEXという素材は、名前の通り優れたストレッチ性を備え、汗を含んだ際に素早く拡散し、乾きが早く、さらにUPF50+を備え、紫外線を90%以上カットする機能性素材です。このユニクロ独自素材ウルトラストレッチドライEXを使用したアイテムにはパンツ、そして今回紹介するフルジップパーカーが代表的です。今回はウルトラストレッチドライEXフルジップパーカのスペックを紹介し、すでに愛用しているユニクロの「ウルトラストレッチドライEXジョガーパンツ」との素材比較、そしてデザインの特徴と実際に着用してみて感じた良い点&個人的に気になる点についてレビューをしていきます。最後に登山シーンから考えるおすすめの着用方法を紹介します。
ウルトラストレッチドライEXフルジップパーカのスペック
ウルトラストレッチドライEXという素材
まずはじめにウルトラストレッチドライEXという素材を簡単に説明をします。この素材はユニクロが扱う独自素材の中でも、大きく3つの機能に特化しています。
- 速乾性に優れている
- 優れたストレッチ性を備えている
- UPF50+の素材で紫外線をカットする
これらの機能を備えていることから、登山やトレイルランニングなどハードなアクティビティに活用することができます。
速乾性に優れている点については、汗を吸った際に素早く拡散し、素材自体がメッシュ素材なので、常に通気をして乾きを促進します。水を垂らして数分間放置した状態の動画を見てもわかる通り、非常に拡散能力に優れ、その後の乾きの速さもメッシュ素材ならではです。
優れたストレッチ性を備えている点においては、腕を振るようなランニングシーンにおいては突っ張り感がなく快適に行動することができます。特にウルトラストレッチドライEXフルジップパーカーよりもウルトラストレッチドライEXジョガーパンツの方が、このストレッチ性の良さを実感することが多くあります。
3つ目の紫外線をカットする点においては、UPF50+という紫外線保証指数を誇る素材で紫外線を90%以上カットします。だから夏の登山だけでなく、360度雪の照り返しによって多くの紫外線を浴びるようなシーンにおいても活躍してくれるウェアで、特に春先は重宝します。これは後からレビューのところでもお話ししたいと思いますが、フード、サムホールがあることで効果的に紫外線対策を行うことができます。
重量
身長180cm、体重67kgの僕が着用しているウルトラストレッチドライEXフルジップパーカのサイズはLサイズです。重量は約250gです。持ち歩くウェアとして考えると軽量なウィンドブレーカー100gと比較して重く感じますが、行動着として考えると重さはあまり気になりません。
価格とカラー
価格は税込みで2,990円です。カラーはオフホワイト、ダークグレー、ブラックの3色展開で、今紹介しているのはダークグレーです。
ユニクロの「ウルトラストレッチドライEXジョガーパンツ」との素材比較
愛用しているウルトラストレッチドライEXジョガーパンツと素材を比較してみると、同じ「ウルトラストレッチドライEX」という名前がつく製品ではありますが、機能や素材に大きな違いがありました。
速乾性に優れ、ストレッチをする点はどちらも同じなのですが、パンツは接触冷感が特徴で、極細の糸を使用して滑らかな肌触りが特徴です。対して今回紹介しているフルジップパーカーは紫外線をカットする素材を用いており、メッシュ素材であることが特徴です。またストレッチ性は明らかにパンツの方が高いです。
ウルトラストレッチドライEXという名前がついているからといって全く同じ素材を使用しているのではなく、それぞれに必要な機能が何であるかを考え、そこから逆算して最適な素材を落とし込んでいるこだわりが垣間見れます。
デザインの特徴と実際に着用してみて感じた良い点&個人的に気になる点についてレビュー
ウルトラストレッチドライEXフルジップパーカーのデザインは、いわゆるよく販売しているクレジップパーカーのフリースと同様のデザインを採用しているように思います。
ポケットは左右にジッパー付きポケットが備わり、ジッパータブは滑りづらい凹凸のある素材を採用しています。
フロントジッパーはシングルジッパーでスムースな開け閉めが可能で、1.8cmの長さのジッパータブでシンプルなものを使用しています。そしてジッパーを上まで閉めた時に、首やあごにジッパーが当たらないようにチンガードが備わっています。そして程よく首を覆うのでウィンドブレーカーとして活用する時に直接風が首に当たらないのが良い点です。
フードはジッパーを閉めた状態でも被る、取るが可能で、ピタッとフィットしすぎず、さらにストレッチをするのでフードをかぶったまま右に左に首を振っても突っ張り感がありません。そしてフードの周りにはストレッチバンドが備わっていてキャップをした上からかぶっても程よくストレッチをして、風が吹いてもフードが頭から取れづらいデザインです。
袖口はストレッチバンドなど一切ないシンプルな作りで、腕をまくり上げても落ちづらく、またサムホールがついているので、袖口からの風の侵入を防ぎ手首を温めることも可能です。だから速乾性と通気性に優れたフーディなのですが、シーンによってオールシーズン使えるアイテムです。
裾は360度ストレッチバンドが入っており、きつすぎずゆるすぎず程よく腰回りにフィットします。
次に個人的に気になる点についてお話をしていきます。
まずはじめにサムホールです。サムホールを使わない人には特に気にならないと思いますが、手首を冷やさないようにサムホールを使うことがしばしばあるのですが、少し親指周りが窮屈に感じます。フリースグローブをした上からサムホールをした時は特に気にならないのですが、もう少しホールがゆったりとしていると使いやすいと感じました。
またトレイルランニングをしている時にフロントジッパーがダブルジッパーだといいなと思うことが多いです。これはかなり個人的な意見にはなるのですが、脱ぎ着をせずに通気調整を容易にしたいと考えると、シングルジッパーよりダブルジッパーなどが圧倒的に使いやすく感じています。
登山シーンから考えるおすすめの着用方法
ウルトラストレッチドライEXフルジップパーカは、3シーズンの登山用ウィンドブレーカーとして考えると、ウィンドブレーカーよりも高い通気性を備え、ストレッチするから動きやすく、Tシャツの上から着用した時に汗をかいても素早く吸収して乾き、肌に生地が吸い付いてペタペタすることもないので快適に感じることが多いです。なのでTシャツ1枚だと寒くて、ウィンドブレーカーを着用すると暑いというような状況で大活躍する行動着です。
逆に冷たい風に当たった時は高い通気性と、濡れた時に素早く乾くことによる気化熱による冷えが気になります。なので冷たい風が吹くような稜線を歩くときはウィンドブレーカーというよりもミドルレイヤーとして考えると良いと思いますが、保温着の位置づけとして考えると少々不安なので、寒い季節の高所ではあまり活躍させていません。
また行動着としてではなく持ち歩くウェアとして考えると重量が約250gなので、お財布にはとても優しいのですが、装備の軽量化にはあまり向いていないと考えてしまいます。
じゃあどんな時に着用しているかというと、ハードな運動量を伴うトレイルランニングや、日常におけるランニング。また3シーズンの中でも比較的気温が高く、木々が少ない登山道や稜線を多く歩くことが想定できる登山で、日焼けが気になる時に活躍しているウェアです。
じゃあどんな時には着用しないかというと、冷たい風に当たることが想定できる登山では選ばないようにしています。