01 | ロゲイニング
ロゲイニングって知ってますか?
ロゲイニングはどうやら、ナビゲーションスポーツというジャンルに相当するのかと思うのだが、自然の中で地図とコンパスを使ってエリアを回って制限時間内にどれだけ多くのポイントを集められるか、という勝負をするスポーツ。
登山を趣味にするまで聞いたこともなかったことと、「山の中で行うスポーツ」という部分で、トレランのような山を舞台にした体力お化けたちのイベントなんだ、っていうイメージがあって、自分とは関係のない世界だと思っていた。過去にトレランの話をしている時に私が言った「山は走るものじゃない、ゆっくりのんびり歩くものだ」という言葉は、山を走る人を非難する気持ちではなく、山の中を走らない自分を擁護するためのセリフなのである。理由はシンプル、辛いことと勝負ごとが嫌いだから、だ。
だから、会社の先輩に「会社の中で新しくナビゲーションスポーツ部立ち上げるんだけど、初期メンバーになってくれないかな?登山が趣味ならジャンルが近いからさ。」と誘われてたとき、ちょうどご機嫌だったので「いいですよ〜ん」とうっかり返事をしてしまったが、後からやっぱ無理かも怖いかも、という気持ちが押し寄せきた。
快諾してしまったためその後の大会初出場も流れで決定しており、6月に奥多摩で行われるロゲイニングの大会にエントリーすることになった。私以外の部員たちはロゲイニングのことを「ロゲ」と略して呼んでおり、知らない単語が知らない略され方をして浸透していることに対する恐怖感を感じることとなった。
6月の奥多摩のロゲイニング大会におとなしく出場。初めてのロゲイニングを終えた。驚くべきことに、革命的に面白かった。
まあ確かに走るシーンもあったが、実際には走った方が心地が良いから走っただけであり、私が心配していた「スポーツのガチガチ感」と「レクリエーション感」がちょうどよく融合した、めちゃくちゃ楽しいイベントであるということがよく理解できた。なんかちょっと「出会ってしまった感」があった。大会の規模がローカルな感じもたまらなくイイ。ちょうど運営の人柄のあたたかさを感じることができる距離感。これが心地いい。
ロゲイニングは、探せば全国各地で大会が毎週末開催されていることがわかった。大ハマりした私は、翌週にエントリーできる大会を探し出して申し込み、彼氏にアツいプレゼンをして男女混合チームで一緒に出場することにした。ローカルな大会だと、出場組数が少なく出場ジャンルによっては3位以内に入れることが多い。私たちは4組中3位に入賞し、みんなの前で表彰され賞状をもらった。大人になって賞状をもらうことなんてなかなかない。うれしい。
02 | 草津フォトロゲ大会
これは絶対にジュン(私がやっているYouTubeチャンネル「山歩きJP」の相方)もハマるはず!と確信した。むしろYouTubeで取り上げたいなと思って、満を持してエントリーしたのが今大会、草津フォトロゲイニング、だ。
私の持っている少ないロゲイニングの知識の限りだと、正直ロゲイニングである時点でフォトは撮るはずなので全てフォトロゲイニングではないのかな(食パン、みたいなネーミングだな)とは思う。が、場所が草津という、山エリアも街エリアも充実しており、さらに私たちが高校時代の夏の合宿で訪れてた青春の場所ということもあり、ジュンと出場するにはぴったりなんじゃないかと感じていた。(ジュンと私は高校のバレー部の同級生です)
東京から車で3時間半、草津へ向かう。寄居出身の距離感覚から草津って近いイメージだったけど、結構時間がかかるということを知り、自分が思った以上に実家から離れたところに住んでいるということを草津を介して知ることになり驚いた。
ジュンと2人で出かけるのは実は久しぶりで、車の中では最近の仕事の話や、絶対にジュン以外には話せないKOCの感想を話したりしていたらあっという間に草津に到着した。シャレんなってないじゃーん!
03 | 作戦会議
めちゃくちゃ寒くて、短パンで行くか長ズボンで行くか悩んだけど、今回は長ズボンで参加することにした。私たちが出場するのは5時間クラス。フィニッシュの15時は冬には夕方と呼べる時間であるため、より気温が下がることを想定して。
9時に到着したが、9時半までに受付すればいいらしいということを知っていたので、今度のイベントで販売するステッカーで遊んだりしながら、9時20分に会場に向かった。
受付を済ますと、体育館の中に通された。そして地図をもらう。受付したらすぐに地図をもらえる方式で驚いた。以前出場した大会では、みんな受付を終わらせてから「では今から地図を配ります!!!」とまるで神聖な儀式のように一斉に地図が配られていたので、そういうもんなんだと思っていた。ロゲイニングでは、地図を受け取ってから初めて今日の作戦会議が開始できるので、この地図を配られるタイミングはとても重要。これじゃ遅れてきた人が不利じゃんか。
こういうところで早めの行動をする習慣がないから、昨日医療脱毛でも5分遅刻してお姉さんに雑に扱われたんだとシュンとしながら、でも落ち込んでいる暇もないので、早速体育館の床に寝転がって作戦会議に入る。
体育館なので座席がなく、自分たちの待機エリアにテープが貼ってあって、イカゲームみたいでおもしろかった。
まず、大会のルールを読みながらロゲイニングが初出場であるジュンに説明をした。
・制限時間は(今回は)5時間。
・制限時間内に配られた地図の中のチェックポイントを回れるだけ周る。
・チェックポイントに訪れたら、行った証拠を決められた角度で写真に残す。
・最終的に獲得したチェックポイントの合計点が多いチームの勝ち。
・大会側に決められた乗り物以外は乗車禁止。GPSも使用禁止。(今回はゴンドラ利用可)
・時間内にゴールできない場合、1分につき50点の原点。
まあ大まかに言うとこのような感じ。私は3度目の出場であるとうことから多少の知見があり、山関係で私がリードできる大変貴重な機会なため、相当張り切って説明していたはず。
短い時間の中で上記をジュンにインプットし、作戦会議を開始する。今回最も得点が高いのは右端のダムエリアで117Pt。しかし、そこに行くにあたっていったん標高を落とし、戻ってくる時には登ってこないといけない。もう一つ魅力的なのは、地図左端の山岳エリア。ここは標高800mくらいあげることになるが、一番ポイントの高い場所が「芳が平展望台」で見晴らしが良さそうだ。山岳エリアに行くことがロスタイムにもなりそうだが、山歩きJPとしては山も楽しみたいところ。(動画的に、ではなく私たちの性分的に、という話)
山岳エリアも楽しみつつ高得点を狙い、街エリアも楽しみ、ゴンドラも使っちゃおう、というてんこ盛りのプランで作戦会議を終了した。山岳エリアは、ざっと計算した限りでも往復8kmはありそうだったが、過去に登った陣馬山のログを見たら5時間半で17km走っていたことがわかったので「いけるっしょー!」という結論となった。
作戦会議が終わったところで、よく晴れた秋の空のもと、山歩きJPでの初めてのロゲイニングがスタートした。
続く。