今回紹介するポーラテックの新機能素材「パワードライネットメッシュ」は名前からもわかるように肌をドライに保つことに特化したオープンメッシュ状の素材です。僕が知っている素材の中では最も穴が開いていることがわかるもので、通気性が高いことは着用しなくても解るような、そんな素材です。
今回このポーラテックから新しく出た「パワードライネットメッシュ」の特徴を紹介しつつ、実際に着用した際の驚くようなドライ感をレビューします。
ポーラテック「パワードライネットメッシュ」の特徴
ポーラテックのパワードライネットメッシュは、パワードライと呼ばれるベースレイヤーに使われる素材がベースになっています。
パワードライの特徴は
- 吸い上げた汗は二重ニット構造によって表側に素早く移す
- 内側と外側で役割が異なりそれぞれ性質が異なる
- 100%ポリエステルで通気性が高い
この3つがあげられます。
二重ニット構造の内側は汗を素早く吸い上げる力があり、表側は吸い上げた汗を拡散して素早く乾く構造で、ポリエステル素材ながらも気化熱によって肌が冷たくなりづらい特徴があります。さらに通気性に優れているため熱がこもりにくく、ほどよく暖かく、程よく涼しい状態を保つように作られています。
パワードライネットメッシュはこのパワードライの特徴をより尖らせたような側面がり、素材にロフトがあるため吸水性の高さ、保温力の高さを備えつつ、オープンメッシュによって高い通気性も備えた素材に仕上がっています。
パワードライを拡大してみてみると凹凸が備わった編み地で、光に透かしてみると粗いメッシュ生地になっていることがわかります。そしてこのメッシュ素材はロフトがあるため、上からシェルジャケットを着用するとしっかりとデッドエアーが保持され体を温かくすることができます。
パワードライネットメッシュとアルファダイレクトを比較
この特徴はポーラテックのアルファダイレクトと非常に似ていて、ともに通気性と保温性を兼ね備えた機能素材です。両者を比較してみると
- パワードライネットメッシュ:ニット地
- アルファダイレクト:起毛素材
という違いがあり実際に山で着用した時の機能性としては、パワードライネットメッシュの方が通気性に優れ、アルファダイレクトは保温性に優れています。
さらにレイヤリングの面で見ると
- パワードライネットメッシュ:ベースレイヤー&ミドルレイヤー
- アルファダイレクト:ミドルレイヤー&アウター
このような違いがあり、どちらも汎用性が高い特徴があります。パワートライネットメッシュは発汗量が多いアクティビティ向きで、アルファダイレクトは登山やバックカントリースキーなどの保温着として使える素材と言えます。
実際に着用した際の驚くようなドライ感をレビュー
今回このパワードライネットメッシュの特徴を確認するためにフーディニの「ペースフローフーディ」を着用しました。フルジップタイプで、フードが付いており、見た目的にはミドルレイヤー向きのフーディですが、そのような使い方もできるし、最も特徴を体感するのには、ベースレイヤーとして着用するのが良いでしょう。
ベースレイヤーとして着用する時にフロントジッパーが直接肌に触れないようにフラップがついています。そしてフルジップのベースレイヤーなので通気調整が非常に容易に行えます。
素材は程よいコシがあり、ふんわりとした着心地で、動きやすくしっかりと体の動きに追随します。僕は身長180cm体重66kgでMサイズを着用しています。体に吸い付くようなシルエットが好みであればSサイズがおすすめです。
少し肌寒い環境でペースフローフーディ1枚だと、スースーと通気をするので寒く感じます。だから登山始めの体が温まってていない時は上にウィンドシェルなどを羽織ると途端に暖かくなり快適です。そしてハイクアップを続けて汗ばんできたら、ウィンドシェルを脱ぐ、すると高い通気性でこもった熱を外に排出してくれます。
時間が経ち日差しが出てくるとポカポカとした陽気に変わり、ウィンドシェルを脱いだ状態で行動していても背中や脇に汗をかきます。しかしながら肌で実感ができるほど、素早く汗を吸い、濡れているという感覚がとにかく少ないことに驚きです。
汗をかいている実感を得るのは頭や顔から出る汗で、ペースフローフーディの下はずっとドライという状態なのがとても不思議でした。
標高を上げて稜線に出ると、途端に高い通気性によって寒いと感じます。その時は上にウィンドシェルを着用すると一気に暖かく感じます。ポーラテックのアルファダイレクトも同じですが、上から防風性に優れたシェルジャケットを着用すると一気に体を暖かく保つことができるので、バックカントリースキーや標高が高い山に登った時に、高い頻度で生じる「強い風に叩かれた時に一気に体が寒くなるような環境」で強い味方となるウエアだと感じます。
パワードライネットメッシュ、アルファダイレクトといった通気性に優れているけれども、デッドエアを確保するウェアをレイヤリングに取り入れてみると、驚くほど体感温度が変わるので一度試してみて欲しいと思います。