日本で手に入れることができるダウンジャケットの中で、圧倒的なコスパの高さを誇るダウンジャケットを比較紹介します。
今回紹介するコスパ最強ダウンジャケットは
- ユニクロ「ウルトラライトダウンジャケット」
- 無印「軽量ダウンノーカラージャケット」
- モンベル「スペリオダウンジャケット」
の3種類です。
スペック・価格を比較
まずはじめにスペックと価格を比較していきます。比較対象はメンズLサイズです。
メーカー | ユニクロ | 無印 | モンベル |
モデル名 | ウルトラライトダウンジャケット | 軽量ダウンノーカラージャケット | スペリオダウン ジャケット |
価格(税込) | ¥4,990 | ¥5,990 | ¥18,150 |
重量(サイズL) | 215g | 169g | 190g |
フィルパワー | 750 | 750 | 800 |
表生地 | 不明(15〜20デニール?) | 不明(15〜20デニール?) | 10デニール・リップストップ |
キルティング | 縫い潰し | 縫い潰し | 独自開発 |
帯電防止 | あり | あり | あり |
パッカブル | スタッフバッグ ポケットに連結 | ポケッタブル | スタッフバッグ |
収納サイズ | Φ10×17.5cm | 15×15×9cm | Φ10×15cm |
撥水加工 | あり | あり | あり |
価格(税込)
- ユニクロ:¥4,990
- 無印:¥5,990
- モンベル:¥18,150
ユニクロは比較的早いタイミングから値下げ価格で購入することができ、4,990円という価格は12月末時点における値下げ価格です。
重量(サイズL)
- ユニクロ:220g
- 無印:169g
- モンベル:190g
無印のみフロントはスナップボタンでノーカラータイプです。それによって3種類の中では最も軽量です。ユニクロは今回紹介しているウルトラライトダウンジャケット以外に、ウルトラライトダウンジャケット/NANODESIGNがあり、こちらの重量はLサイズでスタッフバッグ込み228gです。今回紹介するウルトラライトダウンジャケットと比較すると8g重いことが分かります。
これはシルエットがウルトラライトダウンジャケット/NANODESIGNがややゆったりした作りであることが理由だと思います。
フィルパワー
- ユニクロ:700
- 無印:700
- モンベル:800
フィルパワーとは羽毛のかさ高性を表す単位で、この数値が高いほどダウンは空気を多く含み保温性に優れています。フィルパワーが高いダウンは、ダウン量を減らして保温力を高めることができるので、軽いダウンジャケットを作ることができます。
表生地
- ユニクロ:不明(15デニール?)
- 無印:不明(10デニール?)
- モンベル:10デニール・リップストップ
ユニクロと無印は表生地にナイロンを使用していると記載があるのみでデニール数は記載されていません。触った感じはどちらも15デニールぐらいかなと思いますが、触った感じ無印のものの方が柔らかく、無印の方が5デニールぐらい薄い生地を使用しているようにも思います。モンベルは十分な強度を備えながら耐久性も維持したバリスティックエアライトと呼ばれる10デニールのリップストップナイロンを使用しています。
いづれも触った感じは非常に薄い素材を使用しているという印象です。
キルティング
- ユニクロ:縫い潰し
- 無印:縫い潰し
- モンベル:独自開発
キルティングとはタウン綿が生地の中で偏らないように、ステッチしていることで軽量なダウンジャケットの多くが「塗いつぶし」と形容される、表生地と裏生地を縫い合わせるような技法を使用しています。ユニクロと無印はシングルキルトと呼ばれる塗いつぶしです。これのデメリットは縫製部分にコールドスポットが生まれやすくそれによって保温力が低下します。
モンベルは独自のキルティングパターンを採用し、コールドスポットができにくい特徴があります。さらに縫製を少なくすることで軽量化にも貢献しており、保温力と軽量性を両立させたデザインです。
帯電防止
- ユニクロ:あり
- 無印:あり
- モンベル:あり
安いダウンジャケットを購入すると、着用時にベースレイヤーやミドルレイヤーと擦れて静電気が生じます。着脱の多い登山では静電気がストレスと感じることが多いのですが、今回紹介する全てのダウンジャケットには帯電防止素材が裏地に備わっています。
パッカブル
- ユニクロ:スタッフバッグ・ポケットに連結
- 無印:ポケッタブル
- モンベル:スタッフバッグ
パッカブルは全てのダウンジャケットに備わっている機能です。ユニクロのダウンジャケットはスタッフバッグについたコードロックがポケットと連結することができバックパックをなくしづらい施しです。無印は左右のポケットどちらにもポケッタブルができ、モンベルはスタッフバッグに収納するスタイルです。
収納サイズ
- ユニクロ:Φ10×17.5cm
- 無印:15×15×9cm
- モンベル:Φ10×15cm
収納サイズはユニクロとモンベルが円筒形で、どちらもΦ10cmで、靴の長さは、ユニクロが17.5cm、モンベルが15cmです。無印は四角いボックスのような形でポケッタブルができ、サイズは15cm四方で厚みが9cmです。
撥水加工
- ユニクロ:あり
- 無印:あり
- モンベル:あり
撥水加工は全てのダウンジャケットに備わっておりちょっとした雨であればそのまま着用し続けることができます。
デザインにおける違い
デザインにおける違いは実に様々で好みが大きく分かれるところだと思います。それぞれのダウンジャケットを細かくレビューしていきます。
ユニクロ「ウルトラライトダウンジャケット」
ユニクロのウルトラライトダウンジャケットは、非常にシンプルなデザインでフロントジッパーはシングルジッパー、ハンドウォーマーポケットは隠れるようにデザインされてジッパー付きです。
内側は縦に深いポケットが備わっているので、グローブなどを収納するのに便利です。ポケットの中は表素材とは異なり、少し光沢感のある価格を抑えた素材を使用しているように思います。
襟は横方向にシングルキルトでダウンが封入されています。高さは約5cmで高すぎず低すぎない、ちょうど良いデザインのように思います。フロントジッパー上部にはチンガードが付いているなど価格の安さを感じさせないよくできた作りです。
縫製部分も丁寧な作りで、縫い代部分にパイピングが施されているなど、価格が安いから作りが安っぽいといったことがないのがユニクロらしい作りだと思います。
裾にはゴムバンドやドローコードなど一切なく、シンプルなデザインです。手首はシンプルなゴムバンドで優しく手首にフィットする作りです。
シルエットはユニクロのオフィシャルサイト上ではNANODESIGNと比較するとタイトな作りであるように紹介されていますが、中にミドルレイヤーを着用した状態でも気になるようなことがありません。
Lサイズの寸法は
着丈66、肩幅47、身幅60
無印「軽量ダウンノーカラージャケット」
今回紹介するダウンジャケットの中では、唯一ジッパーが一切使用されていないインナーダウンに適したデザインです。フロントにはスナップボタンが5つ備えられ、ハンドウォーマーポケットもスナップボタンが採用されています。
内側にはユニクロのウルトラライトダウンジャケット同様縦に深いポケットが備わっています。ポケットの中も表素材と同様です。
襟はなくノーカラータイプのダウンジャケットなのでレイヤリングしやすい一方で、首を温めることに劣るので防寒着として使用するのには課題感があります。
縫い代部分はユニクロ同様、縫い代部分にパイピングが施され丁寧なものづくりです。
裾にはゴムバンドやドローコードなど一切なく、シンプルなデザインです。手首はシンプルなゴムバンドパイピングではなく、ウェアの中で縫われている仕様です。なので縫い代部分が手首に当たって気になることがあります。この作りは残念だと思いました。
シルエットはゆったりとした作りで、脇下の縫製部分を見てみると立体的な形状でボックス構造です。この辺りは動きやすさを考えたデザインにしています。
Lサイズの寸法は
着丈67、肩幅45、身幅55.5
モンベル「スペリオダウンジャケット」
モンベルのダウンジャケットは、デザインが似ているユニクロのダウンジャケットと比較すると、襟の高さが約2cm高く、着丈も同じサイズの中では最も長く作られています。
シンプルなデザインであるということはユニクロと同様でフロントにはシングルジッパーが備えられ、左右のハンドウォーマーポケットにもジッパーが備わっています。内側に備えられている縦に深いポケットも無印やユニクロと同様の作りです。
襟の部分のキルティングデザインが特徴で、コールドスポットができづらいようにデザインされています。
裾にはゴムバンドやドローコードなど一切なく、シンプルなデザインです。手首はシンプルなゴムバンドで優しく手首にフィットする作りです。このデザインはユニクロとほとんど一緒です。
シルエットは比較的ゆったりとしたサイズで、体格がいい人にも着用しやすいデザインだと思います。
Lサイズの寸法は
着丈67、肩幅45、身幅55.5
アウトドアシーンで活用した時のメリット・デメリット
着用してみて感じる保温力の高さ
数字上で比較をすると、モンベルはユニクロや無印のダウンジャケットと比較すると約3倍の価格なのですが、重量は大きく変わらないし、フィルパワーも50だけ違うというように感じる方も多いと思います。
しかしながら着用して寒い場所に出かけると、モンベルのダウンジャケットは圧倒的に暖かく感じます。その1つに独自のキルティングパターンが施されていることによるコールドスポットができにくいという点、また50だけの違いではありますが、高品質なダウンだからこその暖かさだと感じます。
残念ながらダウン量を比較することができないのですが、モンベルのダウンジャケットのダウン量はモンベルのグローバルサイトに行くと記載があり、55gと紹介されています。
3つのメーカーのダウンジャケットのデザインによるメリットとデメリット
今紹介してきたように無印良品のダウンジャケットは、ノーカラーでスナップボタンで開閉をするデザインなのでアウターというよりかはインナーダウンという使い方が適していると思います。
登山では風が強い場所でダウンジャケットを着用することが想定できるので、首回りを温めたいシーンが多く、このように考えるとアウターとして使用するのには不安が残ります。
対してユニクロやモンベルのダウンジャケットは、スタンダードなタイプでインナーダウンとしても使えるし、アウターとしても3シーズンの登山から、冬の定山まで使用することができます。
全てにおいて共通しているのがフードがないということです。テント泊登山や山小屋泊登山を経験した人たちは想像がつきやすいと思いますが、日の出、日の入りの景色を見る時にフードをかぶることが多いと思います。このように急激に気温が下がるようなシーンではフードが欲しくなります。
3つのメーカーの素材から見るメリットとデメリット
次に素材を確認してみましょう。耐久性に優れたナイロン・リップストップを採用しているのはモンベルのみです。リップストップとは格子状にナイロンなどの糸を縫い込んでいるために、破れた時にリップストップの糸で食い止める役割があります。「リップ(rip裂ける)+ストップ(stop止める)」という意味の通りです。
登山中にダウンジャケットを着用するシーンを想定して、破けるようなことが想定できる使い方をする場合はモンベルのダウンジャケットが良いでしょう。
このように3つのダウンジャケットを比較していくとモンベルはアウトドアシーンにおける「もしかしたら」を解決してくれる安心感のあるデザインではありますが、ユニクロや無印のダウンジャケットの約3倍の価格ということを考えた時に、「本当にそこまで必要なのか?」ということを考えて購入するのが良いと思います。
- ユニクロ:¥4,990
- 無印:¥5,990
- モンベル:¥18,150